あらすじ
さんかく山のふもとの小さな小学校では、一年生から六年生までみんないっしょに、仲良く学んでいます。4月の新学期がはじまったある朝、三年生のアカネちゃんが教室に入ろうとすると、隣の土居くんの席にだれかがいます。こちらをふりかえったその姿は、なんとタヌキ! それは土居くんの本当の姿でした。今学期の目標「なかよく、元気に、しょうじきに!」のとおり、土居くんは”正直”に姿を現したのでした。
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作者の富安陽子さんがご自身で紹介されていたので読みました。
さんかく山のふもとにある、全校児童10人の小さな小学校のお話。
実はタヌキだった3年生の土居くん。わりとお調子者なところがおもしろいと思います。
一人で読むなら2、3年生からですが、言葉のリズムもおもしろいので、入学前の子に読み聞かせるのもおすすめです。
Posted by ブクログ
見ていて思わず、往年の児童文学のそれを思い出してしまうような、本書の舞台となる山のふもとにある小学校を描いた素朴な見返しの絵から既に期待が高まる、自分で読むなら小学中学年から対象となる、富安陽子先生の創作童話です(2022年作)。
総勢10人(?)の小さな小学校だけど、新年度の初日、三年生になったばかりの「アカネちゃん」は、一番乗りで校舎に着こうとはりきって早起きをした、そんな気持ちをいっぱいに表して通学する姿を大島妙子さんの絵が見事に描いており、「オニのサラリーマン」とはまた異なる印象として、改めて大島さんの絵というのは、表紙も含めて子どもたちの感情を全力で描いていることにグッとくるものがあるのだということに気付く。
そして、一番乗りだと思っていたアカネちゃんは、既に同級生の「土居くん」が席に座っていることに気付き、「ちぇっ」と心の中で思ったのも束の間、よくよく見ると、それは土居くんではなくタヌキだったのだから、これには驚いたのだけれども、本人から事情を聞くと、元々タヌキが土居くんに化けていたそうで、なぜ名前を土居くんにしたのかという興味もあったのだが(実は富安先生の見た夢が影響しております)、それではなぜ今になって正体を明かしたのかが気になるところ。
そしたら、今学期の目標『なかよく、元気に、しょうじきに!』を見て決めたということで、元気すぎるお調子者の一面がある土居くんだけれど、こうした真っ直ぐなところもあるんだなという、その潔い行動には、最初こそ戸惑っていた先生や生徒たちだけれども、人間だろうがタヌキだろうが土居くんは土居くんなんだという、見た目以外、何も変わらないことを物語で書いていることには、これまでの富安先生の作品同様、見えないものの大切さを教えてくれますし、結果として土居くんが実現したのは、人間と動物の共生であったことにハッとさせられる。
更に、本書にはどんでん返し的な驚きの結末を知る手がかりとして、最初と最後の見開きの絵を比べてみる楽しさや、かつての土居くんの姿に思いを馳せたくなる裏表紙といった、細やかな配慮も見逃せません。
Posted by ブクログ
最近シリーズ化しつつある、絵本だと思ったら児童書だったシリーズ。
ある日学校に行ったら人間だったはずの子?がタヌキになってたらそりゃびっくりするよねー!笑笑
でもそれをみんな意外とすんなり受け入れて。
先生達までもが偉い!と褒めて受け入れて。
元々人間だった頃の土居くんも陽気でみんなに好かれていたんだろうね。
だから姿形が変わっても土居くんに間違いないと受け入れられたんだろうね。
先生の名前もなんだか怪しいなぁと思っていたら、ラストはやっぱり思った通り。
短いけど短い中に大事なことがギュッと詰まったような、良い本読んだなって思える本でした。
Posted by ブクログ
夏読40冊目。
となりの席の男の子は、実はタヌキだった!?
その事実をすんなり受け入れる子たちが可愛らしい。
最後にビックリするようなオチも・・・
Posted by ブクログ
びっくりはしても、大抵のことは問題なし!というスタンスが、とてもおおらかで気持ちがいい。
特に実害がなければ、区別も差別もする必要がないわけで。未知のものを敬遠したがる現代人に刺さる作品ではないかと思う。
Posted by ブクログ
令和4年読書感想画指定図書 低学年
今学期の目標が「なかよく、元気に、しょうじきに」となったから、自分の正体をさらしてタヌキとして登校した土居君。これには生徒十人しかいないけど、学校のみんなも、先生もびっくり。タヌキの土居君と楽しい授業です。
土居君を見習った人たちが見せてくれるオチが秀逸で、読み聞かせしても、とても楽しく聞いてくれます。全部読んで25分位。
Posted by ブクログ
オチは早いうちにわかってしまうけど、山下小学校の児童、教職員全てが明るく優しく楽しくて、幸せな気持ちになる。
タヌキの土居くんの天真爛漫な様子が物語からも絵からも伝わってくる。
大島妙子さんは富安さんとよく組む画家だけど、本当にぴったりだと思う。