本谷有希子のレビュー一覧
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ネタバレ作者は演劇の世界に身を置く人物であるので、きっと澄伽みたいに「実力はないけど、自尊心だけは高い」人物。
男性、女性に関わらずたくさん見てきただろう。
モデルはいるのだろうか。いるとしたら、作者は本気で嫌ってるんじゃないだろうか。
清深はどうだろう? 「不謹慎だと思いながらも物語のネタにしたくてしょうがない」人物。
これも沢山いそうだ。私生活を削って脚本を書く人。身近な人物をネタに使うわけだから、近ければ近いほどネタにしやすい。結果、ネタ元には嫌われる。こちらに対して、作者は同情的な立場にいるように思う。
タイトルの「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」は誰から誰に対するメッセージなのだろうか。 -
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「恋愛」ではなく「変愛」…変わった形の愛が描かれたアンソロジーです。
面白かったです。
ディストピア文学が大好きなので、「形見」が好きでした。工場で作られる動物由来の子ども、も気になりますが、主人公の子どもがもう50人くらいいるのも気になりました。色々と考えてしまいます。
「藁の夫」「逆毛のトメ」「クエルボ」も良かったです。藁の夫を燃やす妄想をしたり。クエルボはラストは本当に名の通りにカラスになったのだろうか。。
多和田葉子、村田沙耶香、吉田篤弘は再読でしたがやっぱり良いです。
岸本佐知子さんのセンス好きです。単行本から、木下古栗さんの作品だけ再録されなかったようですが。
表紙の感じに既視感が -
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ネタバレ『異類婚姻譚』以来2冊目。既に崩壊しきっているる感のある家族で両親が死んでしまい、残された子どもたちと嫁いできたお嫁さんがいよいよ大変なことになっちゃう話。今年読んだ中でも屈指のヤバイ小説だった。もう本当に、ヤバイ以外の形容詞が思い付かないのだ。
『異類〜』は極めて近い人間関係が齎す発酵のようなものが非常に印象的だったが、こっちは発酵などといわず完全なる腐敗。もう捨てるしかないって感じ。
超絶自意識過剰ワガママ女に育った姉、間違った方法(だと私は思う)家族を守ろうとする嫁にDVする兄、家族の不幸を売り物にしちゃう妹、不幸欲張りセットな人生を歩んできたお嫁さん。楽しい話になる訳がない(ある -
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欲望と欲望は惹かれ合う。欲を重ね合う私たちはどこまでが本当でどこまでが嘘かなんてわからない。それは実に滑稽に見えるけれど同時にそれがリアル、でもある。
僕たちが紡ぎ出す言葉や行動は滑稽でなんの思考も介さない浅はかなものに他人の目からは写るだろう。だがその過程には、並々ならぬ葛藤と迷いと、欲望やらが飛び交っているのだ。
この作品は終始熊田の脳内での会話を描いている。手に取るように熊田が感じられ、熊田という女性が自分の中の人格のうちの一人なんじゃないかと錯覚するような読書体験だ。共感はしないけれど、お腹の中の何かを煮えくり返されるようで面白かった。 -
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2018.2.26
魅力的な人間に対しての表現が鍵がしっくりおさまるようにぴったりくる表現でとてもよかった すきだと思う気持ちと暴くという気持ちを同時に持ってしまう感情をわたしももったことがある、最後までこれが恋なのかわからなかったし暴いたと思った瞬間どうでもよくなったりした そしてこういう人間との出会いをわたしは本当に求めている、旅をしている これが興味というものなのだろうか?そうだとすればたしかに興味はひとを殺しかねないぬるい毒だ ひとりの人間の奇妙さみたいなものをリアルにいきていても見つめていたいし、小説にして解説したい気持ちをずっと思っているので、やりたいことも作品の意図もとても心の -
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東京で垢すりマッサージのアルバイトをしている長女と、大阪で堅実に信用金庫に就職した次女、そして2人の母親が、今にも爆発するのではないかという一触即発の関係を抱え込んだまま、台風のさなかグアム旅行に出かけるという話です。
1970年代に、著者と同じく劇作家の山田太一が『岸辺のアルバム』で当時の家族の問題を鋭く衝き、大きなインパクトを与えましたが、本作にも現代の家族の問題を描きつつ、コミカルな方向へ突き抜けるような衝迫力を感じました。
前作『生きているだけで、愛』もシニカルなホーム・ドラマで、やや印象が重なるところはありますが、おもしろく読めました。 -
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ネタバレリンデという女性の、16歳、28歳、34歳、47歳、3歳、63歳。それぞれのたった1日を切り取っただけで、リンデがどのような思考の持ち主か、どうやって生きてきた(いく)のかが浮かび上がってくる。
クラスでお弁当を食べるグループを天秤にかける。海外旅行先で渡すチップごときに、うだうだ言う。第三者の目からみて絶対に合わない相手と結婚する。クリスマスパーティのために買った15mの電飾ごときでその場の空気を悪くする。宅急便の配達員にくだらない見栄を張る。ほんとにしょーーーーもないことばっかりなんやけど、このリンデにイライラしてしまうのは自分にも似た部分があるからなのかもしれない。
「自分を好き
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