本谷有希子のレビュー一覧
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完敗。
テンポよい北陸の方言での会話や、“おもち”のネタでゲラゲラ笑って勢いよく読み終えてしまったけれど、解説を読んで本谷さんの鋭さを感じて怖くなってしまった。まるで、頭のキレるやり手芸人だー。(なぜか残っているつまらぬ芸人ではなく、頭の冴えたずるがしこい人間。)
母、姉と3人で私もグアムに行ったことがあり、小説に登場するナイトマーケットの情景が容易に思い描けた分物語の迫力が3倍増しくらいになった。 なんて書きたいわけではなく、、、
本谷さんの表現する対象が、とっても好ましい! 痒い所に手が届く とはこのことであろう・・・ 生きることに大半の時間を割いている つまらぬ日常 -
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『時代が時代なら「うつけ者!」と斬りつけられてもおかしくないほど集中力を欠いた状態である。』
『人の顔に点在するほくろを線でつなぐと何かのメッセージが浮かび上がってきそうで怖い…だの。』
『長女は「妹をアリバイ工作に利用した、睡眠時間経過の誤認トリックを思いつきましたので」と泣き、「わけが分からん!」と父親からさらに怒られていた。』
『うるさいな、おとん! あほ! おとんがあほや! おとんが将来ぼけろ! ぼけ老人になれ! ー ぼけたらほっぽり出してやる! 裸で近所、うろうろしろ!』
『ちなみに長女が状況する際、彼が同様に出した条件は"AV女優にならないこと"だった。 -
Posted by ブクログ
2016年に「異類婚姻譚」で第154回芥川賞を受賞した本谷有希子さん。
舞台演出家としての顔を持ち、他にも数多くの文学賞を受賞している作家でありながら、実はこれが初読となります。
文学フリマで ご本人さんが売ってらしたので
この機会にと。
「芥川賞作家」という印象から、純文学的な方向を構えて読み始めましたが、本作はむしろテンポ良く読み進められるタイプ。
少しSF的な設定の不穏さと、現代的なコミカルさが交錯し、エンタメ作品らしい面白さも強く感じられました。
「推子のデフォルト」
近未来の日本と思われる、ごく普通の家庭が描かれていきます。
社会問題としても語られるオンライン依存や、SNSでの承 -
Posted by ブクログ
ネタバレメンヘラの時(2018?! )に読みたいと思ってメモしたけど、結局7年くらい読んでなくて、当時のメモを発掘して購入。
もうメンヘラじゃないから主人公にあまり共感はできなかった。
なんで、生きてるだけで、愛ってタイトルなんだろうと思った。
最後に津奈木がなんで寧子と一緒にいるのか、って答えを聞いたときのセリフが印象に残った。
そうだよね、あたしは、あたしとは別れられないんだよね一生…。
あまり共感はできなかったけどまた読み返したいと思った。
本谷さんの別作品も読みたいと思った。
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でも俺はいろんなものを自分に近づけないようにしただけだったのに、寧子はゲロ吐いて頭から血流したまま意 -
Posted by ブクログ
葛飾北斎の美術展のおともに。ピンクに染まった神奈川沖浪裏がとってもキュート。
ほぼ9年ぶりの再読だったけれど、当時読んだときのインパクトがそのまま蘇ったようでうれしかった。津名木〜!
寧子がしぶしぶ働き始めたアットホームイタリアンで大暴れするシーンが以前に増して痛快だった。優しくぬるま湯に浸けられてる宇宙人みたいな構図がおもしろくてしょうがなかった。
「あたしはもう一生、誰に分かられなくったっていいから、あんたにこの光景の五千分の一秒を覚えてもらいたい」
五千分の一秒。生きていて何度そうした機会があるだろうか。あまりにも刹那的だけど、でもそれに気づいてパッと捉えられるというのはものすごい奇
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