本谷有希子のレビュー一覧

  • あの子の考えることは変

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    やっぱり本谷さんの描くパニックの緊迫感がすごい。

    狂気のぶつかり合いが、なぜだか嫌悪感と爽快感を生み出す。

    いまの東京で生きてくことの幸せってなんだろうと考え込んでしまう。

    この作品は、青春エンターテインメントらしい。
    これをエンターテインメントといってしまっていいの?…

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    2014年08月02日
  • あの子の考えることは変

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    きっとこの物語は日田と巡谷のピークのときだけを切り取った話で、これからも巡谷はグルーヴ先輩になって死にたいとか思うときがくるんだろうなとか思った。

    それに、出てくるサブキャラ(この物語に正常な人は出てこないが)たちのその後が気になって、それを考えると思わず笑ってしまう。

    横ちんは延長コードで縛られたままなのかな、ゲシュタポは今でも日田の「すいませぇ〜ん」の声を聞いていて、壁を延々と殴っているのかなとか。

    でも、S区に住んでいる人たちは症状が発症してるからきっとそうなんだろうな。

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    2014年06月14日
  • グ、ア、ム(新潮文庫)

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    ほんと面白かった。
    娘しかいないお父さんって、このタイプ多いよね、と。
    サービス精神が溢れてしまっているかんじ。
    方言の会話がテンポ良くて、読んでいるうちに自分が
    おもち(何代目?)になって一家と一緒に過ごしているような。

    帰宅時に何か読みたいなと職場の文庫書架で目についた一冊を考えなしに手に取ったのだけれど、この直前に『死刑のための殺人』を読んで「砂漠のような家族」に戦慄していたので、「大丈夫、こんな家族もあるよ」と慰められた。
    こういうことがあるから本の虫は止められない。

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    2014年06月03日
  • 江利子と絶対 本谷有希子文学大全集

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    本を読むきっかけになった本

    グミチョコレートパインが買いたくて買いにいったら
    これをみつけて買ってみた

    衝撃的だった

    こんなにあたまのおかしいおんな
    というものを始めて見た、というか読んだ

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    2012年11月25日
  • 幸せ最高ありがとうマジで!

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    本谷有希子さんの戯曲は初めて読んだ。『腑抜けども、悲しみの愛を見せよ』もそうだけど、この方の作品の登場人物はみんな、愚か。人間の、死ぬ程ダメなとこ の権化みたいな人ばっかり出てくる。こんな奴いねえよ、と思うけど、あーわかるーと思う所もあって。うへえ、と読みつつ、嫌じゃない。嫌な人しか出てこないのに、面白い。何これ。他のも読も。

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    2012年05月23日
  • グ、ア、ム(新潮文庫)

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    完敗。


    テンポよい北陸の方言での会話や、“おもち”のネタでゲラゲラ笑って勢いよく読み終えてしまったけれど、解説を読んで本谷さんの鋭さを感じて怖くなってしまった。まるで、頭のキレるやり手芸人だー。(なぜか残っているつまらぬ芸人ではなく、頭の冴えたずるがしこい人間。)

    母、姉と3人で私もグアムに行ったことがあり、小説に登場するナイトマーケットの情景が容易に思い描けた分物語の迫力が3倍増しくらいになった。      なんて書きたいわけではなく、、、

    本谷さんの表現する対象が、とっても好ましい! 痒い所に手が届く とはこのことであろう・・・   生きることに大半の時間を割いている つまらぬ日常をぬかりなく切り取って説明してくれる。
      読解力のない自分には、こういうことぐらいしか本谷さんの魅力は解らないのだろう・・・ ああ悲しい。

    家族の存在を確認するためにも。もう1回読みます。  オススメ!!    生きてるだけで、愛 を読んでウツウツさで苦手な方も グ、ア、ム は読めると思います。   

     

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    2012年05月03日
  • 江利子と絶対 本谷有希子文学大全集

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    あー最高。めっちゃ爆笑したよ。
    一話目がそりゃもう面白かった。
    ニ話目は若干キモイけどよい。
    三話目はサスペンスでこんなんも書けるのか、といった感じ。

    なんにせよ、一話目が最高。これだけで大満足。

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    2012年01月08日
  • 幸せ最高ありがとうマジで!

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    岸田賞とかいう有名な賞をとったらしい戯曲。


    国民の新しい義務が追加されました。

    労働と教育と納税と絶望です。



    明るいメンヘラ―。
    絶望するに足る理由の欠乏。

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    2011年10月18日
  • グ、ア、ム(新潮文庫)

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    『時代が時代なら「うつけ者!」と斬りつけられてもおかしくないほど集中力を欠いた状態である。』

    『人の顔に点在するほくろを線でつなぐと何かのメッセージが浮かび上がってきそうで怖い…だの。』

    『長女は「妹をアリバイ工作に利用した、睡眠時間経過の誤認トリックを思いつきましたので」と泣き、「わけが分からん!」と父親からさらに怒られていた。』

    『うるさいな、おとん! あほ! おとんがあほや! おとんが将来ぼけろ! ぼけ老人になれ! ー ぼけたらほっぽり出してやる! 裸で近所、うろうろしろ!』

    『ちなみに長女が状況する際、彼が同様に出した条件は"AV女優にならないこと"だった。』

    『信用金庫の同僚ともそれほど信用のある付き合いはしていない。』

    『今のはたぶん「オランジィ・ジャゥス、プリーズ」と発音せねばならなかったに違いない。 ー 「オランジィ・ジャゥス」と言わなかったばかりにトメィトォ・ジャゥスが目の前に来てしまった。』

    『「ビーファーチッキン?」もうビーファーとしか聞こえない。どうせお前ら分からないだろうと高をくくり、本当にビーファーと言っているとしか思えない。』

    『あー、何が幸せなのか分からないけど、今が幸せじゃないことだけは、分かる。』

    『ああ、一人って楽だな。人間って他人といなければストレスなんて発生しないんだな、と思えてきた。』

    『やきもきー、と実際に声に出して言ったのは、彼女にとってもこれが人生で初めてのことである。』

    『やがて次女が死刑台にこれから上がろうとするかのような表情でバスルームのドアを重々しく開けて現れ、そこから一歩も動こうとせずに声を発した。』

    『お前はいっつもそんなんやからやろ? なんでお前はいっつもそんな自分が正しい、みたいな言い方するんじゃ。なんの、どんな根拠があってお前が正しいんじゃ。』

    『もういい。なんでもいいから、おかん、喜ばせよう ー 楽しいふり、しよう』

    『甘酸っぱ辛い!』

    『苦悩なんて誰にでもできるということに気づいて、じゃあもうそういうのは他の人に任せようと目をつぶった。そうだ、苦悩なんて誰にでも、できる。』

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    2011年10月16日
  • グ、ア、ム(新潮文庫)

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    私の目標として、オカンをドイツ旅行に連れて行くってのがあって、多分その時には妹も来るんだろうけど、確ッ実にこれと同じ状態になるやろな。

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    2011年07月14日
  • 幸せ最高ありがとうマジで!

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    このお芝居、本当に見に行きたかった!   最初に日常から始まって、明里がやってくることによってどんどん他の人たちが破綻していく様子がすごかった。最初ぶっ飛んでるなぁと思ったお父さんが、終盤に向かっていくうちに影薄くなってったもんね。でも一番ぶっ飛んでるのは、やっぱり明里だけど。

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    2010年06月06日
  • 幸せ最高ありがとうマジで!

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    去年読んで最もアガった本!わけわかんのに、おもしろくて、最後、感動すらしちゃう本。スピード感がヤバイ!

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    2010年02月23日
  • 幸せ最高ありがとうマジで!

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    「幸せ最高ありがとうマジで!」
    本当に幸せな人ならば絶対に吐かないこの台詞。
    他人を巻き込み、不幸へと追い詰める、自由奔放な悪魔のような女。
    どれほど平和で善人であっても、不幸は風のように理不尽に訪れる。
    白日の下に晒されるグロテスクな生々しい人間たちの秘密は、
    やはり同じように人間である私たちにとっても痛ましい。
    狂気に潜む繊細な心こそ、恐ろしい現実を連れてやってくる。
    その現象に理由などない。
    理不尽極まりなく、人間味溢れる毒々しい一冊。

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    2009年10月04日
  • 幸せ最高ありがとうマジで!

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    ホント最高!
    本谷有希子万歳!!!!!

    明るい人格障害か。目指そう私も。
    『病むなら病むで元気に病めばいいじゃない!』
    という言葉がすごくね。なるほどって思ってしまった。
    リスカに対する考え方は私もそう思います。
    メモしたい言葉がたくさん。

    これ本当に舞台で観たかったなー。
    永作さんの生の声で明里の台詞が聞きたかった!

    良い本です。

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    2009年10月04日
  • 幸せ最高ありがとうマジで!

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    独特の発想、脚本なので、配役が記してあり、非常に興味深かった。どのくらい引き込まれたかというと、あやうく電車を乗り過ごしそうになるぐらい。

    表紙写真は永作博美。彼女には見えないぐらい役に入っている。

    以前の教員ものと同じぐらいのインパクトがあった。

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    2009年10月04日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    変と恋愛を混ぜると不気味という感覚が残るんだなあと思いました。どこか歪んでるのにその愛というものがあったことをみんな信じている。こんなにも不確かなものはないのにこれだけは言える、みたいな感じで。
    変。変わる。
    人と交わるとどうしても変わっていってしまう。想像のつく未来なんてひとつもない。

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    2026年09月27日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    映画のほうがいいかな?と思ったけど、「あの明け方の」まで読んで、これもかなりいいなあとしみじみ感じた。
    寧子はめちゃくちゃな女で、津奈木もそのうち疲れないようにいつも心がけるようになっちゃって、関係がだらだら続いてるだけになっちゃっても、確かにかつては二人の時間があって二人だけの関係性を作れてて、「生活」があったんだよなぁと思って少し切なくなった。

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    2026年08月20日
  • 異類婚姻譚

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    ネタバレ

    どのお話も、奇妙なんだけど
    なんか知ってる感覚。こういう人いるな、と思う。
    世界観が好きだなあ。
    トモ子のバウムクーヘンだけ、
    はてな?だった。
    解説がわかりやすくてありがたい。

    ・異類婚姻譚
    ある日、自分の顔が旦那の顔と
    そっくりになっていることに気が付いた。
    書き出しから面白い。
    そのことを、同じマンションで知り合ったキタヱさんに
    話すと、彼女の友人夫婦の話を聞かされた。
    10年ぶりに再会した友人夫婦が
    双子みたいにそっくりになっていたそうなのだ。
    食の好みも明らかに似てきているのに、
    本人たちは気が付かない。
    だが、さらに10年後再会したときは、
    二人は元の、似ても似つかぬ他人に戻っていたらしい。

    「キタヱちゃんにだけ、どうしてあたしが
    元に戻れたのか、教えてあげる。」
    寝室の石ころがどんどんあの人に似てきて、
    入れ替えるうちに次から次に溜まっていった。
    石が、自分の代わりになってくれたようだ。

    私も注意して見ると、
    旦那の顔は臨機応変に変化しているようだ。
    私と二人のときは気が緩み、目や鼻の位置がなんだか
    適当に置かれたようになる。時々、私の目鼻の間隔を
    真似ていることがあって、どきりとさせられた。
    元妻と向き合うときは、きっと人の形に戻るのだろう。

    「ソファに寝そべる姿を見るたび、私はまるで自分が、
    楽をしないと死んでしまう新種の生き物と暮らしている
    気分になる。楽する、ということに対して、どうして
    ここまで後ろめたさを感じないでいられるのか、
    いつの間に私は、
    人間以外のものと結婚してしまったのだろう。」

    まあ、そう思う気持ちはとても分かる。
    生活を共にすると、旦那が同じ人間とは思えないくらい
    理解不能な生き物に思えてしまう時がある。
    向こうも私を見て「サンちゃん、劣化したなあ」と言う。
    変化、劣化、もしくは元々の本質が現れたか、
    いずれにしても、そういう、その人の全てを飲み込んで
    似通って、一人の人間になってしまうくらい強い力が
    結婚生活というものには、あるのかな。

    弟の彼女ハコネちゃんが結婚に踏み出さない理由は、
    結婚に対する恐ろしさがあるのかも?

    あるときから旦那は揚げ物ばかり作って、
    私に食べさせるようになる、それを黙って受け入れる。
    そんな私を見透かしたのか、キタヱさんの夫には、
    「あなたはもう少し、ちゃんと人の形をしてたかなあ。
    キタヱが話していた友人夫婦の石みたいに、
    旦那さんとの間に何か挟んだほうがいいかもしれないね」
    と言われる。だんだん侵食されていくのが怖い。

    段々、主婦(私)の真似事をし始める旦那に苛立つ、
    逆に私は、旦那のようにソファに転がりお酒を飲む。
    旦那の後頭部の髪は、私の髪を真似て伸び出す。
    ついに「私じゃないものになりなさい!もう、
    山の生き物になりなさい!」と命じる。すると、
    旦那は白くて可憐な山芍薬に姿を変えた。私はその花を
    キタヱの猫を捨てに行った山へ還しに行った。
    寂しいだろうと、近くの竜胆を、隣に植え替えてあげた。

    翌年、旦那に会いに行くと隣に一緒に植えた竜胆が、
    旦那の花とよく似ていることに気付き、
    寒気がして逃げ出した。
    私は最終的に、一つになるのを拒んだことになる。

    何かとずっと一緒にいるって、恐ろしい。
    二対の蛇が、お互いの尻尾から同じ速度で食べ合って
    最後には頭だけが残るという蛇ボールの話が面白かった。
    頭までぱくりと食べると、最後には自分も相手もいない、
    空っぽだけがある。
    (小川洋子さんの「無限ヤモリ」にも似たものを感じる。)
    ————
    ・犬たち
    切り絵作家の作品の複製を作る仕事をしに、
    雪に埋もれた山小屋にやってきた。
    そこで、謎の白い犬たちに出会う。

    町へ降りると、人々は何かに怯えていて
    「犬にはくれぐれも用心してください」と言われた。

    ある日、凍った井戸の底に誤って落ちた白い犬を
    なんとか助け出したとき、
    「確かに、合格だ」と犬たちは会話していた。
    私は犬を助けたことで、生き残ることができたのか?

    町には誰も居なくなっていた。それでも私は構わない。
    最後は犬たちと寄り添って眠り、
    肌にうっすらと白い毛が生え始めた。
    昔、行方不明になった町人は、この白い犬たち?
    人嫌いの私にとってはハッピーエンドだろう。
    ————
    ・トモ子のバウムクーヘン
    自分の世界が、途中で消されてしまうクイズ番組だと
    理解した、から始まる。
    飼い猫が、振りをした知らない生き物だったら、
    子供達が、そっくり別の何かに入れ替わっていたら、
    そんな想像が頭をよぎる。震える足で、キッチンに戻り
    バウムクーヘン作りを再開する。

    クイズを出す機械だけが延々と動いていることを
    知りながら、誰も指摘しようとはしない。
    どこまでも日常は続いていく。

    いつ、どこから
    この日常に綻びができるか分からない、
    という恐怖なのかな?
    日常が綺麗すぎて、出来過ぎていて、急に怖いものが
    飛び出てくるんじゃないか、というキリのない不安。
    ————
    ・藁の夫
    トモ子の夫は藁で出来ている。自分の意思で結婚した、
    自分達の前には、幸せへの道が用意されているという
    確信があった。ところが突然、
    トモ子の車の扱いについて怒り出す夫。
    怒りとともに、藁の隙間から小さな楽器が溢れ出し、
    最後には、中身が空っぽの藁だけが残る。

    「乾いた藁は、どんなふうに燃えるのだろう。
    きっと少しの火であっという間に燃え上がるに違いない」
    そんな想像をしながらも、溢れた楽器たちを、
    藁の中に戻す。仲直りした二人はまた日常に戻る。

    あり得ない状況なのに、すごく映像が浮かんでくる、
    不思議な感覚。藁っていう見た目の情けなさと、
    執拗に責める感じが、嫌な気分にさせてくる。なんで
    こんな、かすかすの藁に責められてんだ?と笑
    いつか藁を燃やしてしまう日は、くるかな?
    ————

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    2026年08月01日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    SNSに翻弄される現代人の苦悩と日常を描いた短篇集。個人的に表題作の「本当の旅」が分かりやすくて好き。本作は人間の厭な部分が誤魔化さずに描かれているので、苦手な人は苦手かもしれないが、私は読んで良かったと思う。

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    2026年06月18日
  • 異類婚姻譚

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    結婚をテーマにしたお話は今月2冊目で、こちらの婚姻譚もざわざわする面白さがありました!あの夫婦雰囲気似てるよね?は可愛らしいけど、同じ顔だよね...ってえ..?
    共にする時間が長くなると個々の境目が曖昧になって、同化していく。思いもよらぬ夫婦の形にゾクゾクしました。

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    2026年06月16日