あらすじ
第53回・岸田國士戯曲賞受賞作! 気鋭・本谷有希子のパルコ劇場デビュー作! ある日突然やってきた得たいの知れない女によって抉れ出されるある一家の“不幸”。それはまるで、テロだった。
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本谷有希子さんの戯曲は初めて読んだ。『腑抜けども、悲しみの愛を見せよ』もそうだけど、この方の作品の登場人物はみんな、愚か。人間の、死ぬ程ダメなとこ の権化みたいな人ばっかり出てくる。こんな奴いねえよ、と思うけど、あーわかるーと思う所もあって。うへえ、と読みつつ、嫌じゃない。嫌な人しか出てこないのに、面白い。何これ。他のも読も。
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岸田賞とかいう有名な賞をとったらしい戯曲。
国民の新しい義務が追加されました。
労働と教育と納税と絶望です。
明るいメンヘラ―。
絶望するに足る理由の欠乏。
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このお芝居、本当に見に行きたかった! 最初に日常から始まって、明里がやってくることによってどんどん他の人たちが破綻していく様子がすごかった。最初ぶっ飛んでるなぁと思ったお父さんが、終盤に向かっていくうちに影薄くなってったもんね。でも一番ぶっ飛んでるのは、やっぱり明里だけど。
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「幸せ最高ありがとうマジで!」
本当に幸せな人ならば絶対に吐かないこの台詞。
他人を巻き込み、不幸へと追い詰める、自由奔放な悪魔のような女。
どれほど平和で善人であっても、不幸は風のように理不尽に訪れる。
白日の下に晒されるグロテスクな生々しい人間たちの秘密は、
やはり同じように人間である私たちにとっても痛ましい。
狂気に潜む繊細な心こそ、恐ろしい現実を連れてやってくる。
その現象に理由などない。
理不尽極まりなく、人間味溢れる毒々しい一冊。
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ホント最高!
本谷有希子万歳!!!!!
明るい人格障害か。目指そう私も。
『病むなら病むで元気に病めばいいじゃない!』
という言葉がすごくね。なるほどって思ってしまった。
リスカに対する考え方は私もそう思います。
メモしたい言葉がたくさん。
これ本当に舞台で観たかったなー。
永作さんの生の声で明里の台詞が聞きたかった!
良い本です。
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独特の発想、脚本なので、配役が記してあり、非常に興味深かった。どのくらい引き込まれたかというと、あやうく電車を乗り過ごしそうになるぐらい。
表紙写真は永作博美。彼女には見えないぐらい役に入っている。
以前の教員ものと同じぐらいのインパクトがあった。
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良くできた戯曲だ。佳作。途中までは特にいい。いかれた「女」が新聞販売店の家族などで巻き起こす騒動は、かなりのものだ。作者自身の経験も含まれているだろうか。登場人物はそれぞれいい個性でとてもいい。タイトルも秀逸だ。結末が腑に落ちなかった。本谷の芝居は2作観たが、本作の方が断然優れている。
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戯曲の脚本がそのまま本になってる。
嘘とハッタリで物語が進んでいって一見空虚やけどテーマは意外にも一貫してるのかなと。
それは日常に潜む絶望や不幸。僕も無意識のうちにあらゆる絶望から目を背けて生きているのだろう、とそんなことに気付かさせてくれた。
他の方のレビューでもあるけど、ほんとにタイトルが本当に良い笑
読む前に惹かれたタイトルでもあるが、読後にタイトルがすっと心の中に入り込んでくる秀逸さがある。
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いいねいいね。本谷さんいいね。ぶっ飛んでるとこがめちゃ素敵だね。
「明るい人格障害」とか「リストカットクラスの小さい存在」とか「漠然とした情緒不安定者が有象無象の昨今」とか、素敵すぎる言葉たちが散りばめられています。小説もいいけど戯曲もいいね。舞台が見たくなっちゃった。それに、このお話に「幸せ最高ありがとうマジで!」ってタイトルつけるそのセンスがたまらないです。
あー。俺も開き直らなきゃー。って思わせてくれるとっても素敵なお話でした。
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舞台はとある町の新聞販売所。「愛人です」。そう言って彼女は現れた。突如やってきた“不幸”に、平和に見えた日常が徐々に瓦解していく――第53回岸田國士戯曲賞を受賞した舞台を書き起こした作品。
久しぶりに触れた、本谷有希子節。ブラックユーモア満載、男と女の愛憎劇。むちゃくちゃだけど、爆笑してしまう。まさに「他人の不幸は蜜の味」。ああ、お芝居を生で見たかった!
劇団本谷有希子。今一番見たい劇団。
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舞台らしいストーリー展開のぶっ飛び加減。そして、登場人物も・・・。
ある新聞配達屋の一家に突然現れた明美。彼女の行動で、家族みんなが隠し持っていた感情がふつふつと・・・、そして爆発!!
たまには感情赴くままに行動するのも悪くない。
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なにが最高って、言うまでもないけどタイトルが最高。
なんにも解決しないけど、そもそも「解決」するような「問題」なんてねえんだよ!今、ここで息してるだけで幸せなんだよ!っていう。
恐ろしいのは全ての登場人物が、それぞれキャラがまるで違うにもかかわらず、全員同じ根っこにつながれていて、みんなそれぞれ自分の生を生きようとのたうちまわっているとこ。
そう、まるでスラムダンクを読んでるようなすがすがしささえ感じる。
だから、なんか文句ある?
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話は面白かったけど、やっぱ戯曲じゃなくて小説で読むか演劇で観たかったな。
「生きてるだけで〜」とテーマは同じ系統。というか本谷さん21で劇団主宰してたの。何それすごい。
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登場する過剰な人間たちの有様に恥ずかしいけれど共感を覚えてしまう。
共感なら津村記久子作品に於いても往々にして得られるのだが、津村作品の場合は「給湯室でお喋りしながら鬱憤晴らしましょーよ!」的共感。本谷作品は「こんなこと言ったら気狂いだと思われないかしら?やだ、聞けない!」的共感。
(中略)
流される事よりも自発で動きたいので、本谷作品の方が好きなんです。やっと津村作品が苦手な理由が分かりました。
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この劇、見に行きたかった~。。。
もとやさんやしさ、しかも永作博美やしさ。で。
めちゃ好き。こういう系の話。
明るい人格障害とかまじでさいこー。
無差別的に平凡な家庭に乱入した明里。愛人でもないのに夫の愛人だと言って、一見平和な家庭に混乱を招く。
だけど、すでにその家庭には秘密や妬みetcが隠されていて、明里の登場によって明るみになり、さらに家庭はぐちゃぐちゃに?!
というあらすじ。
☆気になった部分
明里「こちゃこちゃこちゃこちゃしてるのがやなの!ねえ、一緒にしないで。私、病んでるけど元気なのよ。最先端なの。切ったり鬱になったりなんかしないし、明るい人格障害なのよ」
美十里「だってぇ怒ったり憎んだりしてるぶんだけ損でしょ」
えいみ「復讐したいだけです、私はぁ!でも、そんなことできないから、ただいてやるんです・・・。だってここで出てっても、ただ・・・忘れられるだけでしょ?だからせめてすぐ側にいて、私があの男のせいで病んでるって分からせて、たまに傷チラ見せして『お前、自分だけ幸せになんなよ』tって呪縛し続けてるんです。恨み続けてるんです・・・。」
明里「オタクを見なさいよ。あれだけ蔑まれてたのに。今や完全に市場を開拓してるわよね。おかまを見なさい。集団で開き直ったことで国民的人気を得てる。ネガティブな印象さえ払拭すれば社会的弱者が立場を逆転させるのは不可能じゃないのよ」
明里「山里。いいこと教えてあげるわ。『人格とは行動である』よ」
明里「罪悪感なんてもったもん負けなのよ!確かにあんたは今、嫁に後ろめたいかもしれない。でも見方を変えればあんたは男に都合良くおもちゃにされた被害者なんだよ。家庭をぶっ壊していい権利がすでに発生してるわ」
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僕にとっては初めて読む戯曲なんですか、それにしても装丁が昭和の社会派青春人倫小説みたいですね、ってそんなジャンルないけど、パッと見、内山理名かなと思ったんですけど永作さんでした。
さくさくっと書かれているのでさくさくっと読めます。おそらく演劇を見てみないと半分以上わからない部分があるのでしょう。演出についての記述が極めて少なかったので、現場の演技が気になります。なんかハッピーになれました。全肯定する気は金輪際ないだろう作品なのに。
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舞台で観てみたくなる。
でも想像力にまかせる楽しさもあるな。
マイノリティの声の大きさか…。精神疾患の流行か…。
色んな声がするけれど、
でも本気でそこを考えさせるんじゃないところがいいね。
Posted by ブクログ
2009年岸田國男戯曲賞受賞。(まさかの!)
相変わらず、イタイ世界を痛烈に描いてます。
今回のイタイちゃんは、明るい人格障害をうたい、他人の家を「無差別テロ」と称しむちゃくちゃにひっかきまわす。
破天荒というか、迷惑というか・・・。