あらすじ
引きこもりの少女・江利子は、拾った犬に「絶対」と名付けた。「絶対に自分の味方」となることを求め、その犬の世話をする江利子。ところが、電車の横転事故の跡を見たとき、事件が起きた(表題作)。人間の深奥に潜む、悪意、ユーモア、想像力を、鋭い感性で描いた3作品。文学界に衝撃を与えた鮮烈なるデビュー作。
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Posted by ブクログ
本を読むきっかけになった本
グミチョコレートパインが買いたくて買いにいったら
これをみつけて買ってみた
衝撃的だった
こんなにあたまのおかしいおんな
というものを始めて見た、というか読んだ
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あー最高。めっちゃ爆笑したよ。
一話目がそりゃもう面白かった。
ニ話目は若干キモイけどよい。
三話目はサスペンスでこんなんも書けるのか、といった感じ。
なんにせよ、一話目が最高。これだけで大満足。
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世間を見捨てると豪語しながらも、何もかもを見過ごす事ができない愛らしい引きこもりの江利子。
ゼッタイのぐるぐるまきを江利子が解いたように、江利子のぐるぐるまきをいつかだれかが解いてくれるといいよね。
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3つの短編。この薄さに信じられない世界が詰まってる。江利子と絶対は対象が女子高生ってことで、文章の1つが長いのだが、ダラダラ長くないのがうまい。ホラー「暗狩」、恐ろしぃぃぃぃ!!!この人の、たしかにホラーぴったりかも。
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勢いとブラックさがいっぱいの3つの短編が収録。
あとがきで本人も言っているけど、「本谷有希子文学大全集」という
副題をつけてしまう図太さがすごい。
「江利子と絶対」
生きづらさを抱えたひきこもりの女の子が主人公で
まさに本谷有希子の原点という感じ。
自分なりに頑張っているのを認めてほしい江利子の気持ちは
うっすらわかるような気もする。
「生垣の女」
これが1番好き。
どたばたしていて毒があって、岡田あーみんの漫画のような雰囲気。
アキ子はケチャップとマスタードで何をしようとしてたんだか(笑)
「暗狩」
小学生の男の子が主人公で、しかもホラーというのは
本谷有希子にしては珍しい。でも途中からラストが予想できてしまった。
「暗狩(くらがり)」というタイトルがかっこいい。
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ぶっ飛んでる人物が本質らしきものをズバリと突く。優越感や卑屈や自意識過剰など、見ないようにしていた汚物入れのフタを容赦無く開けていかれる感覚。
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この人の本の登場人物は毎回酷い。
愛すべき変人たちの話ですね。
短編が三つ入っていますが、
どの話も内容、書き方大好きです。
しかし前二つの話は動物好きの私には耐えられない。
動物の虐待描写がフィクションとわかっていても苦しくなりました。
それだけ書き方が上手いという事だとも思いますが・・・
最後の話は乙一に書き方が似ていた気がします。
怖い怖い言いながら一気に読んでしまいました。
Posted by ブクログ
『生きてるだけで、愛。』
を引きずったまま読んでしまったら。
大誤算でした。笑
【江利子と絶対】
「引きこもりというハンデを背負いながら
ポジティブに生きていく。
引きこもってるのにポジティブ。」
実家を飛び出し、お姉ちゃんの家に居候する江利子。
精神不安定で引きこもりな江利子は、
ある日、
絶対の存在を見つける。
犬にゼッタイという名前をつけ、
自分だけの唯一の存在にする。
あーん、痛い。笑
「・・・・・・エリのキレイな気持ち返せよ。早く返せ。」
と暴走する場面では、
もう滅茶苦茶で笑えるのに
なんだか苦しくて泣けてきそうだし
でも、
止めないで!!誰も止めないで!!
いけー!!と思ってしまった。
痛くて脆くて、剥き出しな感じが
女子高生とピッタリでした。
【生垣の女】
「何故ならば正直なところ、
アキ子の壊れたイッちゃっいっぷりを思うと
多田は何だか元気になれたのだ。」
生垣にケチャップとマスタードを両手に持って、
多田の隣人の本間を探しているアキ子。
そんなアキ子に翻弄される、
ズル剥け頭皮から出血している多田。
もうあとがきでご本人も書いていますが、
漫画のような作品。
動物の登場の仕方が、前作江利子~同様ちょっとニガテですが・・・
最後の置いてけぼり感は、ハンパない!!
【暗狩】
恐かった。泣
私はとにかくホラーとかあーゆーの嫌いなんです。泣
もーやだ、
もーやだ!!と思いながら
読み始めちゃった以上やめられないし、
早く終われーと思いながら
必死に読みました。笑
波多野くんに逆らうことは許されない。
ウンコ人間ばかり登場します。
そんな波多野くんと
主人公の僕(小田原)と
太っててちょっとトロい吉見くんと
3人で訪れたのは。
行方不明事件の殺人犯の家。
熊手を持って、
少年たちとかくれんぼ。
みぃ~つけた~。
もーやだ。泣
恐すぎた。泣
でも、
究極に追い詰められたとき
死ぬのと生きるのと
希望と絶望と
もうそれは滑稽に鬼気迫るものとして描いています。
男性の大人の圧倒的な力を。
恐怖として。
夜に読まなくてよかったあ。苦笑
江利子の
「お前らなんか前向きに見捨ててやる」
この一言。
やっぱり本谷さんはキワキワを描く達人でした。
Posted by ブクログ
表題作が最も好まれる「本谷有希子ぽい」感じだったと思う。読後スッキリ。3作めのホラーは、こんなのも書くんだ、という感じ。読み応えはあるが、ティーン向けぽい。
Posted by ブクログ
文学というには非常に漫画的かもしれないし、痛くてグロい。
でも、うまい。
これらの作品を読んで、追い詰められたギリギリのところでしか、人は結局、まともに人生を考えもしないし、真実はあらわにならないのかもしれない、と感じる。
ちっちゃい子には、お勧めできない。
Posted by ブクログ
短編集。3つ。
「江利子と絶対」
引きこもりでちょっといっちゃってる女の子の話。
ユーモアのセンスもあるしおもしろい。
「生垣の女」
ぶっとんでる女とダメ男の話。
ちょいぶっとびすぎ。でもまあ面白い。
「暗狩」
ホラー?うーん。
話がなかなか進まなくて退屈だった。
そんな怖くもない気がする。
他2つはイマイチなんだけど「江利子と絶対」が面白かったんで星4つで。
Posted by ブクログ
再読。手に取りやすい短編集。
表題作は、江利子に対する著者の愛情を感じる。
「暗狩」には、妙に琴線に触れる箇所があるのでつい読み返してしまう。
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初めて読んだ、本谷さん。
これはちょっとトラウマになりそう。短編3作。どれも、実際にいたら絶対距離を置きたい突き抜けて危ない人間をこっそり近くで覗き見た感じ。
怖くてもう本谷さんの他の作品見れないかも。この作品も再読は無理かも。それぐらいゾワゾワした…。
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本谷有希子さんが小説を初めて書いたときの短編集。
「本谷有希子文学大全集」というサブタイトルの威勢の良さが素敵。
3つの短編どれもエキセントリックだった。
エンタメを重視して執筆したとのことですが、この本を読むかぎり本谷有希子の考えるエンタメの方向性そのものをまず小一時間問い詰めたい。
決して好きな作風ではないんだけど、むしろぶっ飛びすぎてて苦手なんだけど、どうしてか読んでしまう。
絶対嫌いにはなれない不思議。
Posted by ブクログ
短編3つ。初期のものらしい。暗狩の嘘みたいなざくざく感、ホラー、苦手と思いつつ勢いで読んだ。エンタメ的。他の作品、江利子のやばさもアキ子のやばさも勢いで読んだ。彼女らの言ってることはなんとなくわかる。
Posted by ブクログ
短編3本を収録しています。
「江利子と絶対」は、引きこもり少女の江利子と彼女の飼い犬の絶対の毎日を、彼女の姉の視点から描いたもの。「生垣の女」は多田秀雄という男の家にアキ子というエキセントリックな女が押しかけてくる話。「暗闇」は、近所の家で起こった殺人事件の現場を目撃してしまった3人の子どもが、犯人の青年から逃れようとする話。
いずれも作風は大きく異なっており、「あとがき」によると「江利子と絶対」は「マイルドさを意識して書いてます」とのことで、個人的には他の2編に比べて自然に受け止めることができました。
Posted by ブクログ
本谷さんの小説を読むと、登場人物はぶっ飛んでいるもののどこか共感できる気がする生きづらさが感じられて身に迫るものがあるのだけど、この初期作品集でもそれは感じられた。
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「江利子と絶対」
引きこもりの妹がマイペースに奮起する。
ちょびっとエキセントリック。
「生垣の女」
開けなさいよォォォォーーーッ!!
こんな怒鳴り方をされたら、「アフロ田中」によく出てくる表情が浮かんでしまう。
「暗狩」
サイコホラー。
伊藤潤二を思い出したりして。
Posted by ブクログ
▼江利子と絶対
軽快なテンポ。ぶっとんで、ひねくれた、憎めない若さ。その「前向き」の勢い、嫌いじゃない。純粋な感情え素直に生きようとしてんだよね、いやまぁ、ひねくれてておばかなんだけども。
▼生垣の女
気持ち悪い。出てくるすべてのものが気持ち悪い。かわいそう。勢いのある文章だから敢えてさらっと読めたけど、やっぱ、なんか、気持ち悪い。
▼暗狩
あかん、怖い。不意打ちのごとく、最後に待ち構えていたホラー。シンプルなホラー。波多野君と小田原君の心の変化云々に、ほんの僅か心が震えた・・・かな?
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暗狩はどこかで見たようなサブカルっぽさのあふれたホラーなんだけど、あまりホラーを見ないからなのか、面白く読めた。本谷でこんなホラーが読めるとは思わなかった。
えりこの、電車のシーンは胸がざわっとして、でもあんなカップルじゃなくても道ゆく人々に汚さを覚えることはあるなぁ、なんて思いました。
Posted by ブクログ
本谷有希子さんの初期3作品。
表題作、「江利子と絶対」が一番安心できた。・・・というのも、後の2作品はちょっと毒気が強すぎて、たぶんもう読み返せないと思う。
それだけインパクトが強い作品。特に2作目のワンシーンでかなり中てられてしまいました。
だけど、相変わらず、というか、初期のころから言葉選びのセンス、特に笑いのセンスが半端なく高い。
いや~ぁな気持ちを引きずりながらも一気読みさせられてしまう。
なんだかんだ言ってもやっぱりすごい。
それにしても本谷作品の入り口がこれじゃなくって良かったなあ。
Posted by ブクログ
人間の汚いところをもう、えぐるえぐる。
内臓をその辺で拾った木の枝でほじくり回すようだ。
やめてグロいグロいグロい、グロいから、いやマジで。マジでやめて。
けど面白い。悔しい限り。
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『江利子と絶対』★★★★☆ 私たちの頭の中の"絶対"なんて結局全然絶対的存在じゃない。
『生垣の女』★★★☆☆ 「突拍子ないですけどなにか?」という無頓着さが好き。
『暗狩』★★☆☆☆ 説明的なくせに想像しにくい。
Posted by ブクログ
大全集というコトで、短編3作品のジャンルがバラバラでした(笑)
晴れた爽やかな朝に、読んじゃった。
「暗狩」(笑)
ホラーなので、朝に読むのはおススメできません(苦笑)
あと、グロいのがダメな人はダメかもしれない。
「江利子と絶対」は本谷さんの世界観が前面に出てます!!
「生垣の女」はブッ飛んでますね(笑)
Posted by ブクログ
私も将来犬を買ったら、絶対と名付けようかな。絶対私を裏切らない、私の絶対の味方。
蛇口を思いっきりひねっちゃったときのような勢いで文章が飛び込んでくる。それも、どいつもこいつも精神的にイッちゃってる。痛々しくて毒々しい。だけど、きっと誰もが持ってる心の脆さなんだろうな。
Posted by ブクログ
表題作はまさに「本谷有希子」という感じで違和感なく楽しめた。
2作目の「生垣の女」は、動物虐待の描写が私には合わなかったから☆1・・・
3作目は、読んでいて本谷氏を感じられなくて、話としては面白いんだけど、なんか物足りないなあという感じ。この話なら、この人じゃなくていいと思う。ていうか乙一ですね。
Posted by ブクログ
本谷さんの小説デビュー作を含む3作が入った短編集。
デビュー作だけあって小説が若い。文章が若い。
まぁ正直言って「生きてるだけで、愛」や「不抜けども、悲しみの愛を見せろ」の方が、完成度も密度も高い。
けれども若さの中にやはり本谷流ありって感じで、コミュニケーション能力が極端に欠如した人物描写が抜群にうまい。
あと相変わらずタイトルは秀逸。
Posted by ブクログ
ダヴィンチに連載されている彼女のエッセイが好きで
母親が知って買ってきてくれた本。
ある意味初めて読むジャンルの本だと思った。
それは本谷有希子が演劇の人だからというのではなく
もう文章とか、言葉の選び方とか、世界観とか、独特で
小説よりもvividな感じが溢れ出ている。
設定やコンセプトがよりクリアな感じと言えばいいのか。
本人も小説を覆す気持ちで書いたというようなことを書いていたし。
『江利子と絶対』が一番好き。
『生涯の女』『暗狩』を読むと、
知らない社会のリアルが少しわかった気になれる。
文章の展開とか至らない部分を感じるけれど
それを上回る主張の強さを感じる本でした。
『江利子と絶対』の江利子にはもはや羨ましさを感じる。
私はどうしても姉のタイプだろうと思う。
あんな風なストレートで素直な子がいたら自分が壊れそうで
近づけないかも。