本谷有希子のレビュー一覧
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欲望と欲望は惹かれ合う。欲を重ね合う私たちはどこまでが本当でどこまでが嘘かなんてわからない。それは実に滑稽に見えるけれど同時にそれがリアル、でもある。
僕たちが紡ぎ出す言葉や行動は滑稽でなんの思考も介さない浅はかなものに他人の目からは写るだろう。だがその過程には、並々ならぬ葛藤と迷いと、欲望やらが飛び交っているのだ。
この作品は終始熊田の脳内での会話を描いている。手に取るように熊田が感じられ、熊田という女性が自分の中の人格のうちの一人なんじゃないかと錯覚するような読書体験だ。共感はしないけれど、お腹の中の何かを煮えくり返されるようで面白かった。 -
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2018.2.26
魅力的な人間に対しての表現が鍵がしっくりおさまるようにぴったりくる表現でとてもよかった すきだと思う気持ちと暴くという気持ちを同時に持ってしまう感情をわたしももったことがある、最後までこれが恋なのかわからなかったし暴いたと思った瞬間どうでもよくなったりした そしてこういう人間との出会いをわたしは本当に求めている、旅をしている これが興味というものなのだろうか?そうだとすればたしかに興味はひとを殺しかねないぬるい毒だ ひとりの人間の奇妙さみたいなものをリアルにいきていても見つめていたいし、小説にして解説したい気持ちをずっと思っているので、やりたいことも作品の意図もとても心の -
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東京で垢すりマッサージのアルバイトをしている長女と、大阪で堅実に信用金庫に就職した次女、そして2人の母親が、今にも爆発するのではないかという一触即発の関係を抱え込んだまま、台風のさなかグアム旅行に出かけるという話です。
1970年代に、著者と同じく劇作家の山田太一が『岸辺のアルバム』で当時の家族の問題を鋭く衝き、大きなインパクトを与えましたが、本作にも現代の家族の問題を描きつつ、コミカルな方向へ突き抜けるような衝迫力を感じました。
前作『生きているだけで、愛』もシニカルなホーム・ドラマで、やや印象が重なるところはありますが、おもしろく読めました。 -
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ネタバレリンデという女性の、16歳、28歳、34歳、47歳、3歳、63歳。それぞれのたった1日を切り取っただけで、リンデがどのような思考の持ち主か、どうやって生きてきた(いく)のかが浮かび上がってくる。
クラスでお弁当を食べるグループを天秤にかける。海外旅行先で渡すチップごときに、うだうだ言う。第三者の目からみて絶対に合わない相手と結婚する。クリスマスパーティのために買った15mの電飾ごときでその場の空気を悪くする。宅急便の配達員にくだらない見栄を張る。ほんとにしょーーーーもないことばっかりなんやけど、このリンデにイライラしてしまうのは自分にも似た部分があるからなのかもしれない。
「自分を好き -
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性格真逆で不仲の長女と次女、そんな二人の間でおろおろ仲をとりもとうとする母。
そんな女三人の三泊グアム旅行。
フリーターでわがままの身勝手な長女と、信用金庫勤めで堅実な現実主義の次女という組み合わせが妙にリアルだわ。
姉はしっかり者、妹は奔放マイペース、みたいな世間一般のイメージとは違いますよね。
私自身は姉でもあり妹でもある立場なので、両方の言い分に共感できました(どちらかと言えば妹寄り)。
物語にただよう一触即発の空気と、本谷有希子の独特なユーモアセンスにニヤニヤがとまらなかった。
旅行終盤のがむしゃらとまで言える決死の思い出づくりから、ラストまでの展開もこの家族らしさがあって良かった。
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和合家の両親が交通事故で亡くなったところから、物語はスタートします。女優になることを夢見て上京していた長女の和合澄伽も実家へと戻り、その日から、長男の和合宍道と次女の和合清深、そして宍道の嫁の待子は、澄伽に振り回されることになります。
澄伽は幼少時から自分は女優になるべくして生まれてきたのだと信じきっていました。周囲はそんな彼女を冷ややかな目で眺めていましたが、もっとも冷酷な観察者が妹の清深でした。高校生のとき、清深は姉のエキセントリックな振る舞いをマンガに描いて応募し、見事に受賞してしまいます。その結果、澄伽は妹を深く恨み、彼女を止めようとして宍道も傷つくことになります。やがて東京へ出て女 -
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ネタバレ16歳のリンデとスコアボード
◇ランチ。ボーリング。遠慮し合う友達。
28歳のリンデとワンピース
◇結婚前夜の旅行での諍い。試し合い。
34歳のリンデと結婚記念日
◇旅行を思い出す記念日。後悔。
47歳のリンデと百年の感覚
◇クリスマスパーティー。新しい男。配達人。
3歳のリンデとシューベルト
◇お昼寝の時間。先生とのやりとり。
63歳のリンデとドレッシング
◇一日のうちにやること。配達人。
非エキセントリックなもっちんは、どこか物足りない。
しかしこの作品では、物足りなさが含蓄となっている。
特に「47歳の」における、諦念。
後追いになるが、もっちんの新境地だと静かに興奮した。
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