本谷有希子のレビュー一覧

  • ぬるい毒(新潮文庫)

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    まさに本谷有希子作品。誰もが持つ人間の嫌な部分を蒸留して千倍濃縮したような毒性がありますよね。
    素直に共感はできないが、自分の中にある何がえぐりだされて後ろめたさを感じるような。
    すごく良かったです。

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    2025年10月24日
  • 異類婚姻譚

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    いやあ、すごいな
    おもしろかった。

    「異類婚姻譚」
    最後はえーーなんだけれど、
    夫婦というのを例えに近しい二者間の話。

    まあ、ところどころドキッというかわからなくもないというところもあり、個人的にはアライさんが気になる。

    どんなに近しくても、やっぱりお互いの輪郭はくっきりしていたいし、境界は保っていたい

    世にも奇妙な物語みたいでおもしろかった。
    初読み作家さん


    ここからネタバレあります…
    ご注意を…


    最終盤




    「自分だけ、俺に…」のところ

    いや、ホラーー
    なんというか、共依存にお互い気づく感じというか、気づいたら共依存になっていたというか、それは夫婦に限らず、親子とかで

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    2025年10月04日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    生を感じるために何度も読み返している。きっとそれは津奈木が寧子を想うことと似ているんじゃないかと思っている。好きな本も泣ける本もたくさんあるけれど、私はこの本があれば生きていける。

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    2025年09月14日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    ネタバレ

    もう、たまらない。最高です。今年一番の出会いかも。
    文章の温度、速度、内容、その全てが今自分の求めていた小説そのもので、というよりそれを遥かに越えて胸をぐわしっと鷲掴みにされてて、息が上がってる。再読必至。

    「ねえ、あたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ?雨降っただけで死にたくなるって、生き物としてさ、たぶんすごく間違ってるよね?」

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    2025年09月03日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    久しぶりに没入したまま走り抜けた作品

    勢いのある文体と独特のユーモア。
    めちゃくちゃではあるけれどめちゃくちゃさが丁寧かつスピーディに描かれているので終始面白い。

    それは、今全裸じゃなきゃ無理?
    むり

    相手への返答が、質問の一部を繰り返す端的な返事は魅力的に思える
    人間失格の、
    あたしが稼ぐのじゃだめ?
    だめ
    に通ずる愉快さがある。
    文字の詰め込まれたページの中に大きな余白を作り出すから面白いんだろうか?

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    2025年09月02日
  • あの子の考えることは変

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    日田だけがずれてるのかと思ってたら、巡谷もずれまくってるのが分かってくるあたりからめちゃ引き込まれた
    サイコーの小説

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    2025年08月05日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    映画が好きなので、原作も読むべく購入した
    トイレをぶっ壊した寧子と、抑えてるものがときどき爆発してしまう自分が重なって見えて、私だけじゃないんだなと
    寧子のことをわかろうとしていた津奈木がいたこと、それだけで生きていけるなって感じた

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    2025年07月31日
  • セルフィの死

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    セルフィの死
    難解さと、鋭利な(心理)描写と、ゲラゲラ笑ってしまう面白さが同居してて、とてもワクワクしながら読めました
    最後の笑いはどう表現すればいいのか
    ベタ過ぎる?でも、こういうのも私は好きです

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    2025年06月18日
  • あの子の考えることは変

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    ネタバレ

    暫定人生ベスト。自分にとってのダイオキシンとか日田みたいなものがそばにあるし、自分を構成する一部に巡谷がいると思うから、この物語をすごく近くに感じて泣いたり、どうしようもなさに救われたりした。このお話が刺さらないひとは、まじめに生きてきたのだろうと思うので、安心して胸を張ってください。

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    2025年04月21日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    私はBPD?を持っているんですがこの小説はすごい共感するところがところどころありました。
    私はメンヘラって言葉じゃなくてもう障害だと思ってます。実際に障害だったし私も過眠症って自分で言ってたので序盤でドキッとしました。あと、私はまだ中学生なのですが小学一年生の頃から主人公と同じような行動してました。小1の頃にいきなり担任にブチギレて罵詈雑言を吐きクラスのみんなに「しね!」発言を連発。椅子を頑張って持ち上げて殴りつけようとしてたらしくて初めて親から聞いた時は驚きました。すごい似てると思います。後小3の頃に書道バッグを忘れて学校のトイレを全て回って消臭ビーズの丸いやつを蓋開けて一つのトイレに全て流

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    2025年03月21日
  • セルフィの死

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    ミクルのキャラが過剰にぶっ飛んでいて、共感する要素ゼロかと思いきや、玉ねぎのくだりは少しわかる。二度とラッシュの満員電車に乗りたくないよな。

    すべてを他人のせいにしていたい、他人が自分を認めないことがしんどい、他人からの賞賛があればもっと自分は生きていけるはずなのに!そんな空虚が生み出す幻想と東京の街はよく似ている。めちゃめちゃおもしろかった。

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    2025年03月17日
  • セルフィの死

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    このテイストの文章は初めてだけど、面白かった。
    独特で過激な主人公の考えは共感できないところも多々あれど、欲にまみれた私にとって同志のように感じる部分もあり、デトックスにちょうど良い。
    他人に理解されたいけどされたくないし、理解したいけどしたくないという矛盾を抱えた10代、20代の心に、それでいんじゃね?とすごく遠いとこから耳打ちしてくれるそんな本だったと思います。
    私は、20代の今読めてよかったです。

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    2025年02月26日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    三作ともむちゃくちゃよかった。
    特に『でぶのハッピーバースデー』は最高の出来。レヴィナスの『顔』を思わせる深い悲しみと愛が複雑に描かれていて、思わず泣きそうになる。

    『奥さん、犬は大丈夫だよね?』は抜群のワードセンスからなる味わい文章で、本谷有希子ワールドを堪能できる。万人にオススメできる良作。

    『本当の旅』はテーマ性が秀逸。一貫して軽妙に展開する様からはある種の恐怖を感じた。

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    2025年02月05日
  • ぬるい毒(新潮文庫)

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    ネタバレ

    この子と同じ切実さで全身がぐったりした。なんとなく思い当たるような惨めさをひとつ残らず目の前に突きつけてくる力強さに痺れた。読み終わった後も言葉の渦が頭から消えない。

    家庭環境の複雑さに縛られていることはパーソナリティに大きく関わる事柄のはずなのに、こうした情報が整然と提示されることはなく、むしろ向伊との交渉という物語の必要によってようやく明かされる。そういう事情と向伊との交渉がどうやら一続きであるようだと読み手の立場からは受け取れてしまうけど、彼女自身は全く関心を払っていなそうなことにビックリした。他にも何が語られないかを見ると面白くて、向伊とのセックスも妄想の内容は生々しく描写されるのに

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    2024年11月03日
  • あの子の考えることは変

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    ネタバレ

    とんでもないものを読んだ。本谷有希子さん初めて読んだ。すごすぎる。止まらなかった、文字通り止まらなかった。
    まじでどうしたらこんな文章書けるんだろう。
    これからも読み返したい。
    読み終えた瞬間に、感想を残したいと思ったのに、今、読み切ったことで受け取ってる感情?が多すぎてそれで窒息しかけてるみたいな感じで、全然うまく言葉にならない。でもとにかく、人にも勧めたいのと、他の本谷有希子さんの作品も読みたい。

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    2024年10月25日
  • ぬるい毒(新潮文庫)

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    タイトルの「ぬるい毒」まさにそのまま(笑)
    すごいタイトルがしっくりきたし、手が止まらない面白さがあったので星5。

    こんな男に5年も……もったいないね(´;ω;`)

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    2024年09月25日
  • 嵐のピクニック

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    ⚫︎感想
    ひとつひとつ、大変興味深い短編が13編。
    語り手の年齢、性別を自在に操る感覚に感銘を受けた。日常の設定からわずかに逸脱していく感覚が共通していて、興味深く読めた。また読み返したい。

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)
    弾いている私の手首の下に尖った鉛筆が近づく――。優しいピアノ教師が見せた一瞬の狂気「アウトサイド」、カーテンの膨らみで広がる妄想「私は名前で呼んでる」、ボディビルにのめりこむ主婦の隠された想い「哀しみのウェイトトレーニー」他13編。キュートでブラック、しかもユーモラス。異才を放つ著者初の短編集にして、大江健三郎賞受賞作。

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    2024年06月29日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ブレーカーが落ちてボロボロ涙が出てくることとか、ウォシュレットの話でダメになっちゃうこととか、時計を見て時間に絶望することとか

    わたしってなんだったのかな
    わたしもこの先ずっと頭がおかしいのかな

    こわい
    自分をもっとわかってほしいとか、わたしと同じ熱量を持ってほしいとか、そういうのを求めてしまう
    どんなにがんばって普通になりたくても、普通の人じゃない瞬間に心が崩れそうになる

    どうしたらいいんだろう

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    2024年01月20日
  • 異類婚姻譚

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    ネタバレ

    ⚫︎受け取ったメッセージ
    「夫婦は似てくる」というのは良いことなのか?
    表面的には似てきても、本質的には思いもしない相手の姿があるかもしれない。

    ⚫︎あらすじ
    (異類婚姻譚)
    専業主婦の私は、夫に顔が似てきていることに気づく。最後決別に至る。夫は可憐な花になる…

    (犬たち)
    別荘に女一人こもっている。犬がたくさんくる。村人は山を降りないと居ない。なぜか?
    村人がいなくなる。犬は見つけたら捕まえられないといけないルールがある。
    女の背中に白い毛が生えてくる。

    (藁の夫)
    夫の小言がどろどろの楽器になって、藁の間から漏れ出す…

    ⚫︎感想
    「夫婦は似てくる」というフレーズを、マイナスの意味で

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    2023年10月15日
  • ぬるい毒(新潮文庫)

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    主人公の考え方に共感?というか自分に似たものを感じて、どんどん読み進めてしまいました。

    ただ、途中の時代劇のような場面は理解ができませんでした。が、そこをどんな意味があるのだろうと考えることもまた面白さがあるなと思いました。

    人間の汚さとか東京の大学生の下品さが自分もその場にいるように感じるくらい伝わってきて、気持ち悪かったりしますが、それが癖になっていきます。

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    2022年12月17日