【感想・ネタバレ】セルフィの死のレビュー

あらすじ

フォロワー獲得に死力を尽くすミクルは思う。「何故この世界は自分にフォロワーが増えないように作られているのだろう」。自撮りを繰り返すとイソギンチャクになる顔面。オート化された無人回転寿司。まさかのフォロワー爆増――狂った現象が次々とミクルを襲う、地獄展開に抱腹絶倒、気分は爽快。約十年ぶり、待望の長編!

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Posted by ブクログ

セルフィの死
難解さと、鋭利な(心理)描写と、ゲラゲラ笑ってしまう面白さが同居してて、とてもワクワクしながら読めました
最後の笑いはどう表現すればいいのか
ベタ過ぎる?でも、こういうのも私は好きです

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2025年06月18日

Posted by ブクログ

ミクルのキャラが過剰にぶっ飛んでいて、共感する要素ゼロかと思いきや、玉ねぎのくだりは少しわかる。二度とラッシュの満員電車に乗りたくないよな。

すべてを他人のせいにしていたい、他人が自分を認めないことがしんどい、他人からの賞賛があればもっと自分は生きていけるはずなのに!そんな空虚が生み出す幻想と東京の街はよく似ている。めちゃめちゃおもしろかった。

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2025年03月17日

Posted by ブクログ

このテイストの文章は初めてだけど、面白かった。
独特で過激な主人公の考えは共感できないところも多々あれど、欲にまみれた私にとって同志のように感じる部分もあり、デトックスにちょうど良い。
他人に理解されたいけどされたくないし、理解したいけどしたくないという矛盾を抱えた10代、20代の心に、それでいんじゃね?とすごく遠いとこから耳打ちしてくれるそんな本だったと思います。
私は、20代の今読めてよかったです。

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2025年02月26日

Posted by ブクログ

これは大傑作なのではないだろうか?ここ何作かの、自己顕示欲と承認欲求に纏わるドタバタ喜劇のようなお話に終始するのかと思いきや、終盤にはあの名作「生きてるだけで愛」のような感情を突き抜けた昇華感と、まさかの「2001年宇宙の旅」をも彷彿とさせるような壮大なスケール感を味わうはめになってしまった。読み終わってから表紙のイラストを見ると、これがまたなんとも味わい深い。SNSの権化のようなソラの存在が強烈で象徴的で印象深い。この小説が悩める現代人の処方箋になったらいいな、と勝手に思っている。

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2025年11月11日

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語り手の脳内で焦りと毒舌がドタバタと展開するいつもの本谷節。今回は設定をシンプルにしたことで、主人公の逃げ場を無くしたのか、著者が逃げ場を失ったのか、よくわからない苦しい結末。主人公の孤独に救いがない。

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2025年10月01日

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心の底では「もう二度とSNSができない体にしてほしい」と思いながらも、自意識と承認欲求の底なし沼に溺れる主人公の心理描写の生々しさが凄い。拗らせてしまった人間の内面をここまで赤裸々でグロテスクに描けるのかと、強烈なむず痒さに襲われながらもすぐに読み終えてしまった。

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2025年05月15日

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 『2001年宇宙の旅』を想起させる結末で、『2001年宇宙の旅』が突出したSF小説だったように、本作の突出したディストピア世界観に、僕はもう追いつけない。
 Windows95の出現を社会人として経験し、トラディショナルな価値観の下で人生を過ごした自分には理解できないところに、まさに世間は到達しているんだと思った。

 今も昔も自意識も承認欲求もない人間はいないが、世の中には不条理があり、不条理に向き合った時、SNS以前の青年はうつむくことしかできなかった。本書を舞台に現在を生きる彼・彼女らはSNSで発信することでそれらと向き合う。ディスプレイに表示される共感を得ることで身を律していくんだろう。

 僕はSNSのない時代に青春時代を過ごせて本当に良かったと思う。世界は狭かったが、狭い世界の少ない人たちに認めてもらい、あとは自分の満足感で身を立てることができた。つまり、自分がやりたいことができる余地が大きかった。それが良い時代の青春の特権だったと改めて思う。

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2025年05月08日

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フォロワー数がその人の価値。ABEMAのバラエティ番組『チャンスの時間』で千鳥ノブがネタにしているこの言葉に本気ですがってしまった人が辿る末路。自意識と客観視の狭間で苦しみまくった挙句に「もう二度とSNSができない身体にしてほしい」まで到達しちゃうのだからさぁ大変。いわゆる承認欲求を悪い目線で揶揄する話なわけだが、こういう文章を書かせたら本谷有希子の右に出る者はマジでいないと思う。

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2025年02月11日

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久しぶりに本谷ゆきこの著書を見つけ、嬉々として手にした。
各章の数字は、なんなんだろう、とずっと思いながら読んで、わからないまま読み終えて、コレを書き始めて、もしかしてフォロワー数?
店員さんにマウント取ることが生き甲斐的な主人公。その振る舞いの気持ち悪さに震撼したが、章が進むにつれ、SNS中毒の人の苦しみや葛藤(みんながみんなそんなに思慮深いわけではないだろうが)を読み進めるうちに、なんか、共感できるは部分があるような気がしてきた。かな?
本谷さんの文章は、難しいところも多いけど、好きです。

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2025年02月06日

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手元のスマホで24時間365日承認欲求マウントバトルに明け暮れる女性の話。

記入ハラスメント、承認欲求テロ、ニメーバ、自分自身より大事なスマホッ。、もう二度とSNSができない身体にしてほしい…パンチラインの連続。

フォロワーの数がその人の価値であると信じていたのに(信じているふりをしていたのに)実際にそうなってみればフォロワー数なんて救いにも希望にもならない現実に直面する。フォロワーが増えたところで人生も世の中もクソのまま。かと言ってスマホを捨て去る、アカウントを削除することはできない。

中盤までは面白い。終盤は微妙。ラストは映画2001年宇宙の旅みたい。

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2025年01月19日

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主人公に共感できなすぎて新鮮。痛々しさや醜悪さがクセになる。病んでる人しか出てこない。病んでる人は病んでる人としか出会わない。

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2025年01月12日

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常に他人に攻撃して、その実自分も攻撃していて、更に読者も攻撃するような。
攻撃力が高い。

弱いのに強い、とか。弱いから強く見せてるのかとか。
そんな矛盾とか複雑さをずっと感じながら読んだ。

自分の価値や居場所をなにかに委ねながら生きる辛さは計り知れないだろうなと他人事みたいに思うのに、何故かあぁ分かるなって感じる部分もあって、本当にチクチクと抉られるような具合で最後まで読み通しました。

過剰な思考。よかった

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2024年12月26日

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別に読後感は悪くない。なのにどうしようもなく気持ちが悪い。気味が悪い。
自意識と承認欲求に支配されている主人公。
フォロワー数がその人の価値という考え。
主人公が10代じゃなくて、けっこうな大人なのがゾッとする。

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2025年11月19日

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自意識と承認欲求に支配された主人公に巻き込まれ私もバッドトリップしたよう
マウント、映え、フォトジェニック、炎上で承認欲求を満たそうとしても他者評価では満たされない
SNSのフォロワー数に救われたくて足掻くけど、結局自分を変えられるのは自分だけ
じゃあこの世界でどう生き抜くのかは難しい

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2025年10月02日

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全く新しいタイプの本ですごく面白かった。まさに今現代の若者を対象にした本な気がした、自分自身がまだ若いからどの本を読んでも自分の時代背景にぴったりあった本があまりなかったけど、出版されたのが本当に最近だと知って納得。もちろん共感なんてしないけど、SNSや承認欲求に囚われている現代の若者の姿を誇張しながら風刺的に書いていて、個人的に好み!!斬新で新しくて面白い!!ただ後半になるにつれて、少しありきたりな展開になってしまった気がして、終わり方が好みでなかった。

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2025年10月01日

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2人組のインフルエンサー(もどき)の何をしているかわからない女性たちのやりとりがひたすらに気持ち悪く、意味がわからない。ネット上に溢れ返る無数の言葉を取り込んでもその意味や、重さには気づいていない人間のやりとりがここにはあった。
そういったやりとりは軽薄さの権化でとてもいいのだが、物語は彼女たちから見た都市部の人間たちの生態に終始しているのみでこれといった驚きがない。もっと毒のある展開が見たかった。

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2025年07月28日

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SNSのフォロワーを増やすことに囚われてしまった女性の話。インスタにアップする写真の撮影に熱中するあまり、うっかり顔がイソギンチャクになってしまったりする。そんな中、何の気なしに撮影した動画が思いがけずバズったことで、彼女の意識が変わり始める。

SNSというか、スマホそのものに生活を支配された主人公が、自分のことをスマホに付いてる巨大なストラップのようなものだと揶揄する場面が印象的。

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2025年07月04日

Posted by ブクログ

何か、SF映画かと思うような、不思議な展開に、思考がついていかなかった。でも、随所に見られる、現代の若者の承認欲求や、歪んだ思考が、面白かった。
都会の風景描写が、分かる人にはもっと面白いんだろうな。

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2025年05月24日

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3月初、代田橋のカフェスペースで観た本谷さんの
「少し前から、何かがずっと震えていた。スマホの振動なのかもしれないし、私の⾝体がぶるぶるしているだけなのかもしれなかった。」。
上田遥さんの一人芝居は、この本から一部引用しているとのことだったが、どこを引用していたのか見つけられなかった。
SNSの承認欲求と自意識強い系の話。各話のタイトルはフォロワー数らしい。

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2025年05月08日

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SNSに依存し、フォロワーの増減に一喜一憂する。店員相手にいちゃもんをつけ、マウントを取ることでしか他者の存在を確認できない。そんな自意識と承認欲求にまみれた女性を主人公にして、スマホに支配された現代社会を毒気たっぷりの一人称で描いた痛快作。
これは連作短篇なのだろうか。1話ごとに(数字)というタイトルがつけられている。が、数字の意味がわからない。

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2025年04月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

帯にはブラックユーモアとあるけど?

どれもこれも最近の新刊のテーマはSNS。
そして、まさにSNSド直球。
装丁のうさぎちゃんがすべてを物語る。

テンポが良すぎて中毒性?
とはいえ、読後はかなりお疲れモードです。

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2025年03月31日

Posted by ブクログ

んー…面白そうかなって雰囲気が出てたんだけど…そこまでの感情移入は出来てなかったってことなんだろうな。過去に遡ればmixi、その後FacebookやX(旧Twitter)、昨今ではInstagramやTikTokなんかのSNS。もうSNSの無い世界では生きられないのか?と言うぐらいの今。そんな背景に焦点を当てた物語。「いいね」や「フォロワー」の数だけが承認欲求を埋めてくれる自意識の世界。改めて凄い時代になったものだと感じる。逆張りしてSNSを一切やってない人もいる。この時代の終焉はどこにあるのか?

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2025年03月03日

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寄生虫の一種にロイコクロリディウムというのがいて、かれらは中間宿主であるカタツムリの意識を収奪してゾンビ化させると、終宿主である鳥類に見つかりやすい明るい場所へと誘導する特徴を持っている。なぜこの生き物の事を書いたかといえば、本作のキーであるSNSや所謂映えにそれと近いものを感じたからだ。主人公は何がなんでもフォロワーを増やしたい正に寄生されている側の人間である。ただひとつ違うのは自らを承認欲求と自意識が生み出した子だとはっきり認識している点。絶対的な価値基準をフォロワー数に置き、他者と接する時マウントを取らずにはいられない、実に卑小で滑稽な人間ではあるものの、他でもない本人がその卑小さ滑稽さから逃れられない懊悩に常に喘いでいる。その姿を私は安易に一笑に付すことは出来なかった。《もう二度とSNSができない身体にしてほしい》という作中の言葉が示すとおり、いまを生きる世代が抱えるあまりにも哀切な物語である。

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2025年02月21日

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ネタバレ

SNSのフォロワーを増やすことに己の全てを囚われており、他者とは迷惑を介してしかつながり合えず、店員に難癖をつけてマウントを取ることをライフワークにしているミクルと呼ばれる女性が主人公。またの名を勘解由小路、だいなごんあずき、五百旗頭、大右近。本名不詳。
現代ではわりに見かける設定ではあるけれど、主人公の奇天烈っぷりと暴走っぷりが突き抜けていてサイコーだった。近年の綿谷りさと金原ひとみの作風を足して二乗したような感じ。
回転寿司店で、寿司ネタに唾を擦り付けるという迷惑行為をくり返すきょうだいを目撃したとき、勝手に姉のようなシンパシーを感じているシーンが好き。

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2025年02月11日

Posted by ブクログ

時代がほんの数年あってない気がした。それとも私がSNS離れしてるからかな…今もそんなにフォロワーフォロワーな世の中なのかしら。
久しぶりの本谷有希子さんの新刊楽しみにしてたけども、相変わらず表現が独特で少し気味悪くて楽しかったけど、ちょっとずれを感じたかな…

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2025年01月26日

Posted by ブクログ

承認欲求の凄さと主人公の癖の強さがすごい…
好き嫌いが分かれそうな本だけど、あまりにも主人公がこじらせているのでシュールでちょっとおもしろかった。

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2025年01月16日

Posted by ブクログ

“承認されたくて承認されたくていつも死ぬほど震えているのに、目の前の人間からの関心は煩わしいとしか思えない”

じゃあ彼女は/私は誰から何を承認されたいんだろうな。自分を深掘りされたくはないけど注目はされたい的なことなのかもしれないけど、すごい孤独だなそれと思った。

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2024年12月29日

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