本谷有希子のレビュー一覧

  • 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

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    セブンルールってなんだかいけ好かない連中が出てるテレビ番組でこの人かわいいなって思ったのが本谷有希子で、どんな本書くのかなと読んでみた。んーところどころ面白い - ぷっと笑えるって意味と、実は深い考察が裏にあって興味深いって意味で - んだけど、なんだろうな心の底から楽しめなかったな。各キャラはめちゃくちゃ面白いからもっと動かして欲しかったな。この妹の必死な人間を茶化すところがめちゃくちゃシニカルで面白いからもっと見せて欲しかった。

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    2023年02月28日
  • あの子の考えることは変

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    2人ともどうしようもねえ〜
    比較してどっちがヤバイとか言う問題じゃない。巡谷が自分は常識人で日野をお世話してあげてるみたいな意識もリアルで、こういう取り繕い方しちゃうよね恥ずかしいよねみたいな。共感性羞恥
    でもなんか登場人物に役割を振り分けてない感じがよかった。
    煙突がデカいちんこのメタファー

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    2023年01月18日
  • 異類婚姻譚

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    表題作を含む4編。いずれも夫婦や家庭に対する違和や不安をテーマにした奇譚。感覚に鋭いリアリティを感じる分、奇譚であることについていけない人もいそう。
    表題作含め登場人物たちは基本的に「演じている」「演じさせられている」という感覚が課題の根本にあるように感じたが、劇作家の著者としてあえてそのような視点を狙って書いているのか、著者自身の人や社会の見方が基本的にそうであるからなのかは判断ができなかった。いずれ他の作品も読んで考えてみたい。

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    2022年12月04日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    ネタバレ

    3つの物語、全て不気味だけど先がどうなるのか気になり一気に読んでしまいました!!
    ①本当の旅
    読み進めるうちに、この3人の主人公が40代という事を忘れてしまいました(悪い意味で)。自分たちを過信して、結局はとても狭い世界で生きている人々だと思いました。
    ②奥さん、犬は大丈夫だよね?
    この旅は奥さん目線だけど、夫がどういう気持ちで過ごしていたのかが気になる。
    ③でぶのハッピーバースデー
    私は歯科衛生士なので、歯医者のシーンはきちんと調べて書かれているなぁ〜と感じ、もっと歯医者のシーンを読みたかった。

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    2022年10月31日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    ネタバレ

    読み進めるとちょっとずつ違和感を感じ始めて、その違和感がどんどん取り返しのつかないことになっていく、空恐ろしい話ばかり。

    1話目の「本当の旅」
    40代に差し掛かった意識高い系イタい3人組の話は、ラストを読んで起こるべくして起こった結末だなと自業自得感があり、登場人物の誰1人にも同情も共感も全くできず。
    づっちんがフードコートで食事が出てくるのが遅いとワンオペのおばさんに激ギレし、返金させたお金を募金して、「今となってはフードコートで唐揚げ食べられなかったのも、いいことだった気がしてくるよな。あのおばさんに感謝だよな」などという件は、その人間性にうんざりしてしまった。
    いちいちイタくてウザくて

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    2022年10月02日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    リアルにありそうな話で、続きが気になってすらすら読める。

    リアルにありそうな話だからこそ、ラストがガクッとなる感覚で衝撃でした。

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    2022年09月07日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    日常から逸脱していない所がさらに不気味さを際立たせていました。SNSに夢中になるグループの話がゾッとしました。

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    2022年08月21日
  • ぬるい毒(新潮文庫)

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    ゆったり、ねっとりとしていて最高だった。ムカイのクズ男っぷりも最高。自意識過剰すぎるクマダさんも最高!
    好きな男と不幸になる幸せ,,, はぁ、うっとり。

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    2022年05月30日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    ネタバレ

    12編のアンソロジー。
    どの作品も変愛の名に相応しかった。この一冊に密度濃く詰め込まれたそれぞれの変愛。愛と一口に言っても当たり前ながら1つも同じものはない。
    その中でも特に好みだった2つについて書きたい。

    『藁の夫』
    2人の間に嫌な空気が流れる、その始まりはいつも些細なことなのだと思い出させる自然な流れだった。あんなに幸福そうだったのに、藁に火をつけることを想像させる経緯、鮮やかな紅葉にその火を連想させるところがたまらなく良かった。

    『逆毛のトメ』
    シニカルでリズムのいい言葉選びが癖になる。小説ってこんなに自由でいいんだと解放して楽しませてくれた。躊躇なく脳天にぶっ刺す様が爽快だし、愚か

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    2022年04月21日
  • あの子の考えることは変

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    ニヤニヤしながら読んだ。人を100%理解するのは無理だから、もしかすると他人からみた自分っていうのは少なからず「あの子の考えてることは変」だよな、と思う。そう考えると変な2人がすぐ身近なアパートにいるような気がしておもしろくなる。○○のメタファー!って大声で叫びたくなる。

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    2022年04月12日
  • 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

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    ネタバレ

    キャラクターが立ってて好き。
    妹の「お姉ちゃんは最高に面白いよ」というセリフの清々しさで星4つです。

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    2021年09月21日
  • 嵐のピクニック

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    本谷有希作。各話趣向の異なる短編集。

    いい意味で狂ってる。筒井康隆風味。

    「彼女たち」「タイフーン」の勢いはヤバかった。

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    2021年07月30日
  • ぬるい毒(新潮文庫)

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    自分もいつかぬるい毒に陥ってしまう時が来るのかもしれないと思った。魅力の塊のような男性に出会ってしまったら、私はどうするのだろう。もう出会ってしまった時点で毒されてしまう気がする。非常に非現実的な側面を持ちながら、自分もいつかそうなってしまいそうで非常に恐怖を覚えた。

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    2021年05月24日
  • 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

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    佐藤優さんのオススメで読みました。少々エグい表現もありましたが、人間が持つ病んだ部分をテレビドラマを見るように描いた作品です。

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    2021年03月26日
  • 嵐のピクニック

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    ネタバレ

    本書のタイトルにある「嵐」と「ピクニック」という相反する言葉の組み合わせに惹かれて購読。
    もっと言えば、以前から積読している「夜のピクニック」を読まなくてはという意識と、偶然「嵐」の活動休止報道の時期が重なり、何となくタイトルに目が留まった、というたわい無い理由が大きかったかも知れない。だから、短編集だと買ってから気付いた。ちなみにこの作品は、13作品が収められた著者初の短編集で、大江健三郎賞受賞作。

    ①アウトサイド (10P)
    問題児の女子中学生である「私」は、親のエゴでピアノを習わされるが何処も続かず、最後に行き着いたピアノ教室で優しい先生と出会う。しかし、どんなに根気よく教えても「私」

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    2021年02月12日
  • 自分を好きになる方法

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    タイトルが自己啓発のようだけど、普通の長編小説。
    ある女性の一生を6日間だけ切り抜いて描かれているのですが、28歳の時の話が自分と前々彼女との意思疎通が図れないすれ違いの日々に似ていて、胸が苦しくなりました、、、

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    2021年01月15日
  • 自分を好きになる方法

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    今後何度も自分の人生の中で読み返したいと思った小説。
    25歳の私にはまだ早いのかもしれない。きっともう少し経ってから読み返したら違う受け取り方が出来るんだろう。
    物や情景の描き方が丁寧で、一つ一つの景色にリンデの心が映し出されている。読んでいて、リンデの心に寄り添う想像力が掻き立てられる。

    その繊細さについて共感し合える人と話がしてみたかった。できれば心の豊かさや機微というものについても。
    「こんなふうに知らない小道を発見して、幸せだと
    思れば、他に何もいらないのかもしれないわね。」

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    2021年01月08日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    SNS三部作(と期待して読むとちょっと違うかも。虚構と現実といった感じ。)

    冒頭「本当の旅」のうすら寒〜〜い、痛々しい〜〜感じがもうたまらん。
    SNSでは「イケて」て、他の人とは違う、クリエイティビティ溢れる仲間たち、であるところの40前後男女3人組がクアラルンプールへ旅をするお話。40ってとこがリアルに痛すぎてつらい。
    SNSを、スマホを通して見る自分たちだけが本物。人生は金じゃない、大切なのはクリエイション。写真に写りこんだ冴えないおばさんも、動画の途中で外国語で文句を言ってきたおじさんも、トリミングしてしまえばなかったことになる。大丈夫、マジでチョーイケてる。

    読んでいる間ずっと心が

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    2020年11月27日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    世の中を皮肉ってる角度が好きだなぁ。自分は全くテンション上がってない感の描写(向こうで盛り上がってる3人を"3つの点"と表現するあたり)がとても好き。SNS三部作といいつつ、最初の1作以外はSNS関係ないのはご愛嬌。

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    2020年11月24日
  • 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

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    ネタバレ

    強烈な自己愛を持つ澄伽。

    澄伽は高校卒業後、女優を目指して田舎から上京していたが、両親の事故死で4年ぶりに帰省。田舎に住む妹・清深や、兄そして兄嫁をまじえ、様々な騒動をまき起こす、というお話。

    話が進むにつれ、ドロドロとした4年前の出来事が明らかになっていきます。

    当時18歳の澄伽は、女優になるべく上京を望む。自身の才能を信じて疑わない澄伽は、上京さえすれば成功すると思い、上京の資金を貯めるため、身体すら同級生に売っていた。

    澄伽は女優になりたいので上京したいと父親に訴えるが、澄伽の演技力は高校の文化祭ですら失笑されるレベル。父親は「お前に女優の才能はない」と一蹴するが、反発した澄伽は

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    2020年08月14日