あらすじ
子供もなく職にも就かず、安楽な結婚生活を送る専業主婦の私は、ある日、自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気付く。「俺は家では何も考えたくない男だ。」と宣言する夫は大量の揚げものづくりに熱中し、いつの間にか夫婦の輪郭が混じりあって…。「夫婦」という形式への違和を軽妙洒脱に描いた表題作が第154回芥川賞受賞! 自由奔放な想像力で日常を異化する傑作短編集。
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Posted by ブクログ
いやあ、すごいな
おもしろかった。
「異類婚姻譚」
最後はえーーなんだけれど、
夫婦というのを例えに近しい二者間の話。
まあ、ところどころドキッというかわからなくもないというところもあり、個人的にはアライさんが気になる。
どんなに近しくても、やっぱりお互いの輪郭はくっきりしていたいし、境界は保っていたい
世にも奇妙な物語みたいでおもしろかった。
初読み作家さん
ここからネタバレあります…
ご注意を…
最終盤
「自分だけ、俺に…」のところ
いや、ホラーー
なんというか、共依存にお互い気づく感じというか、気づいたら共依存になっていたというか、それは夫婦に限らず、親子とかでもありうると思うので、ゾワッとした。
でも本当に近しい人であっても、いや逆に近すぎるからこそ、その人が求めていることは、全くわかっていなかったっていう…
あるあるだなあと思った。
ハコネちゃんの「もう少し別の人間でいたい」もわかる
結婚しても、ちゃんとずっと、別の人間でいたいし、いるべきと思う。
どうしても周りの人間の言動、仕草に影響を少なからず受けるという内容は「コンビニ人間」的要素もあった。
なんでもかんでも受けいれちゃあ、いけないな
何かを挟むか、断るか、手放すか…そもそも近づきすぎないか…
解説読んで、さらになるほどなと、本当に家族というものの末路とは…おそろしや
おもしろかった。さすが、芥川賞
Posted by ブクログ
⚫︎受け取ったメッセージ
「夫婦は似てくる」というのは良いことなのか?
表面的には似てきても、本質的には思いもしない相手の姿があるかもしれない。
⚫︎あらすじ
(異類婚姻譚)
専業主婦の私は、夫に顔が似てきていることに気づく。最後決別に至る。夫は可憐な花になる…
(犬たち)
別荘に女一人こもっている。犬がたくさんくる。村人は山を降りないと居ない。なぜか?
村人がいなくなる。犬は見つけたら捕まえられないといけないルールがある。
女の背中に白い毛が生えてくる。
(藁の夫)
夫の小言がどろどろの楽器になって、藁の間から漏れ出す…
⚫︎感想
「夫婦は似てくる」というフレーズを、マイナスの意味で受け取ったことがなかった気がするので、新しい見方を与えてもらった。他人の本音はわからないし、自分の本音すら見て見ぬ振りをしながら生きている…
犬たち、笑の夫も非常におもしろく、本谷有希子さんの他の著作も読みたいと思う。
Posted by ブクログ
結婚や家庭に関する寓話4作。根底には人と関わりたくない思いがある気がした。
結婚すると互いに似てくるとはよく言うけれど、それを溶解していく妖怪のように描いたのは風刺がきいてて面白い。粗相をするからという理由で山に捨てられる猫のサンショと、主人公のサンちゃんは名前が似ているし、夫婦は互いに尻尾から食べ合って頭だけが残る蛇ボールだという話を聞く時サンちゃんは鰻の食べ比べ弁当に山椒を振って食べている。最後に山芍薬になった夫を、サンショを捨てた山に植えに行く。隣に咲くよく似た竜胆はサンショであってサンちゃんなのだと思う。
キタヱさん夫婦や弟カップルの様に似ない夫婦もいて、それは間に「何かを挟んでいる」ということなのだろうが、意識的にそうしない限り飲み込まれていくのが結婚なのかもしれないし、そうして似た者同士になった2人だけで人間であることをやめて山でひっそり生きるのもいいなと私は思う。人間社会で夫婦として生きていくのはストレスフルなのかもしれない。
「藁の夫」は解説を読んで、たしかに口うるさいだけの夫をどろどろに溶けた楽器ばかり吐き出して後には家畜の飼料のような藁しか残らない人間に見立てているとしたら相当面白いなと思った。
Posted by ブクログ
この人の作品全部面白くてすごいなー。バウムクーヘンは『軽いめまい』を彷彿とさせる。激しい恋も書けて、家庭の欺瞞も暴けて、ほんとうにすごい。人生であまり後悔することってないんだけど、恋愛(ひとつ除き)はマジでほぼ何も残らないから、蛇のとぐろなんでしょー。
Posted by ブクログ
2匹の蛇が互いに食い合うように、夫婦も少しずつお互いを食って、お互いに似ていって、お互いではないものになっていく。
「あの夫婦って見た目も似てるよね」という、多くの人が見聞きしたことある言葉の中には、実はこんな奇譚があるのかもしれない。
人間社会はクイズ番組なのだと思った(気が付いた?)主婦、山奥の小屋で不思議な犬たちに囲まれて生活する男、「藁の夫」との結婚は何も間違っていないと感じる妻。
どの物語も、ベースにあるありふれた生活風景が見事に奇譚・寓話として仕上がっているので、気味が悪いと思いながらも、「もしかして」という気持ちになるから面白い。
Posted by ブクログ
日常をふと疑い始めると、どんどん人間が人間の形でなくなるほどに元に戻らない気持ちに陥ることを知る
【フレーズメモ帳】
蛇ボールの話、知ってます?二匹の蛇がね、相手のしっぽをお互い、共食いしていくんです。どんどんどんどん、同じだけ食べていって、最後、頭と頭だけのボールみたいになって、そのあと、どっちも食べられてきれいにいなくなるんです。分かります?なんか結婚って、私の中でああいうイメージなのかもしれない。今の自分も、相手も、気づいた時にはいなくなってるっていうか。
Posted by ブクログ
再読。現代の怪談のような小説。どれも面白くてすいすい読めた。〈犬たち〉の裏テーマのようなものがよくわからず、他の人の感想や考察を聞いてみたくなった。この短編のタイトルだけ〈〉で閉じられているのも不思議。
Posted by ブクログ
・異類婚姻譚
感想がまとまらない
あとで考える。保留
・トモ子のバウムクーヘン
この世界が途中で消されてしまうクイズ番組だということを理解した。
ってどんな感じ?
・〈犬たち〉
白い犬と雪深い白い世界が美しい。
街に誰もいなくなった描写は、本当に自分以外が街からいなくなったのか、それとも自分が異世界に連れて行かれたのか分からなくて、でも不思議と恐怖がない。一番好きな話。
・藁の夫
藁の夫むかつく
けど、車を傷つけたのは奥さんも悪いしな…とも思ったり。
全体的によくある夫婦の話だけど、少しのファンタジー要素が混じって不思議な読み心地と、家庭・夫婦の問題以外に伝えたいことがあるんだろうなと思わせる本谷有希子さんの作風がおもしろい
Posted by ブクログ
自分が男性なので、本谷さんの書く男性像にはドキッとする。
自分はこうじゃないと思ってるし、こうなりたくないなぁって感じの男。
でもそのダメさに主人公の女性などが慣れてたり諦めてたり、なんなら居心地良く感じたりしてるように思うので読んでて非常にむずむずする。居心地が悪い。
自分にはこういうあり方は無関係だ。
でもこういうあり方はきっと存在するし、それってすんごいイヤだなぁっていう。
あーやだやだ。
Posted by ブクログ
夫婦は妥協と諦めで互いに似てしまう。
不満を持ちながらも、どこか身を任せたほうが楽だと思った結果であり、自身も不満を持たれていることがある事実に目を背けた結果でもある。
そんな誰にも起こりうる問題をファンタジーに落とし込んだ秀作。
最後の藁の夫のモラハラDV具合が怖かった。
Posted by ブクログ
表題作を含む4編。いずれも夫婦や家庭に対する違和や不安をテーマにした奇譚。感覚に鋭いリアリティを感じる分、奇譚であることについていけない人もいそう。
表題作含め登場人物たちは基本的に「演じている」「演じさせられている」という感覚が課題の根本にあるように感じたが、劇作家の著者としてあえてそのような視点を狙って書いているのか、著者自身の人や社会の見方が基本的にそうであるからなのかは判断ができなかった。いずれ他の作品も読んで考えてみたい。
Posted by ブクログ
「異類婚姻譚」は、夫婦の合せ鏡のお話。
主人公が一方的に搾取されてるような気で読んでたけど、確かに主人公も夫を食べてた。
働かずに極楽に生きてて、夫の金で弟カップルに高いビュッフェ奢ったりしてたしなー。
妻になりたい夫の言葉にぞくっとした。
最後は衝撃。あんな夫がなりたいものは綺麗な花だったなんて…。
あのあと主人公は一人で生きていってるのだろうか…。
「藁の夫」は前提がわからなすぎたけど夫がムカつく。
全部燃やしてしまえばいいのに。
Posted by ブクログ
子供もおらず、ただぬくぬくと専業主婦生活を少しの罪悪感と共に過ごす主人公。だがある日、徐々に自分の顔が旦那の顔に似てきていることに気がつく。
唐突にこの世界が途中で消されてしまうクイズ番組だと理解した主人公。
隠遁生活の中で不思議な犬たちと出会う主人公。
町の人たちがいう「犬に気をつけろ」という不思議な言葉。
周りの反対を押し切り、藁の旦那と結婚した主人公。
どのお話も寓話的で、久しぶりに言葉をそのまま飲み込むのではなく、噛み砕かないといけない話を読んだ。
家庭の中の問題の多くは、本人たちが良ければそれでいいもので、周りから見れば些末な問題だったりする。
けれど、そこが幸せじゃないと根本的に自分が幸せになることはない気がする。目をつぶることは簡単で、できないことではない。でもそれは本当に幸せか?と突きつけられているような気がしてしまった。
Posted by ブクログ
2015年芥川賞受賞作(下期)
女性目線で人間関係を描く4部作
①異類婚姻譚(夫婦)
②トモ子のバウムクーヘン(子供)
③犬たち(社会)
④藁の夫(夫婦)
それぞれの人間模様をストレートに描くと、グロく、凡庸になるところを、妖怪じみたテイストにすることで、一種のホラーに仕立ている。
動物や植物がそれぞれのアクセント。
世界観についてけないのは、僕のポテンシャルが低いのか?異性だからか…
Posted by ブクログ
ともかく独特!
初めて本谷さんの本を読んだんだけど、この本から入ったのは正解⁉︎
夫婦が似てくるまではよかったが...異類婚姻譚
人が消えていく街の白い犬...犬たち
愛猫がナニカに⁉︎...トモ子のバウムクーヘン
藁と結婚⁉︎...藁の夫
変でしょ!すっごい変っ!
めちゃくちゃだけどSFファンタジーって思えばおもしろい!
Posted by ブクログ
「夫婦というのは不思議なものである」
言わずもがな、なんて身も蓋もないかな。
当然といえば当然なのだから。きっと家族になる過程で何かがあるのだろう。もしかしたら目に見えないだけで、夫婦ってこういうこともあるのかなあ、なんて、それもまた然り、なのかもしれない。異変や変化に気付くこと、気付けそうで気付かないこと、気付いているのに気付かないふりをすること…いろいろあるけれど、見てみぬふりのほうが、結局のところ、わかりやすくて良いのかもしれない。
きっと物語は、夫さんにもあるのだろうし、むしろ無いわけがないだろう。きっと彼も、あれやこれや折り合いを付けて、折り合いを付けて…付けて、付けて、付けて付けて、たどり着いた姿が山芍薬だったのだ。僕は、彼の平穏を願わずにはいられない。
Posted by ブクログ
芥川賞受賞作品という事もあり、とても期待して読んだわりには、、、?????
みたいな所が沢山ありました。
一作目はなかなか面白かったけど、、、4作目の藁???
私には理解不能でした
Posted by ブクログ
「人の形」
慣れ親しんだ生活の中に異物が一点混ざり込み、それが当たり前として読者の中に溶け込んだタイミングでその異物が“異物らしさ”を表象する。
読み手は強制的に第三者の立場から読むことになるため、この世界に恐ろしさを感じつつも現在の世界とそう大して変わらない世界に違和感を懐く。
怖さとユーモアが混ざった文章は、この筆者ならではだなあ。
Posted by ブクログ
旦那の横柄さとか、家で気が抜けて顔が崩れる感じ、ちょっと自分を顧みてヒヤッとする。描き方が上手だな、と。
最後、同一化した挙げ句に花になるのはなんだったのだ、、、?結局旦那捨てただけ、、?
それにしてはなんかほのぼのした読後感で不思議。
Posted by ブクログ
女の人が主人公の、4つの短編集。
家族や夫婦がテーマになっているが、寓話を読み慣れていないせいか、理解が難しかった。
異類婚姻譚と藁の夫に関してはこんな夫婦にならないよう気をつけようとは思った。
バウムクーヘンの話は、今自分がリアルと思っている世界は、作り物じゃないかという空想は恐ろしくもあるが案外楽な考え方かなと思った。
作り物の世界ならば、自分で判断したり責任を負わなくて済むから。
Posted by ブクログ
……ホラー⁉️と思った。
日常の話と思って読んでいたら、急に世にも奇妙な物語みたいな……まあ読み終わって考えてみるとなるほどと思ったりもする。
表題作の異類婚姻譚については、自分も長く付き合った男と話し方が似てきていたり「顔が似ている」と言われたりしたことがあるので、わかるなあと思った。まあ一緒にいる相手と似てくるというのは本当にある話なんだろう。しかし終盤の怒涛の"世にも"感たるや……。夫がどんどん妻に近づいていき、不穏な空気を纏っていくのが恐ろしかった。ラスト、あれは……下ネタか?と思ったのは私だけだろうか。まあそういうことではないと思う。夫が花になるって、そんな馬鹿なと思うけど、自分が単にこういう突拍子もない話が苦手なだけだと思う。
犬の話については、まあなんだか謎が多かったけどパストラミを助けたことで犬たちの仲間として認められ、結果犬との同一化が進んだみたいなことなのかなあ。なぜ町の人が消えたのかはよくわからなかった。犬が認める人間は1人だけだから?あの町に住む犬には何か特別な力があるとか?まあ深く理解しなくても良いものかなと気持ちを落ち着けた。
藁の夫の話は……わからなさすぎた。
周囲の反対を押し切り藁と結婚した←どんな世界線やねん。「がっくし。」がなんだか可愛いが藁の中身が楽器というのもわからない。し、妻が燃やしたいと感じているのも恐ろしい。みんなどんな気持ちで読んだんだ。どんな気持ちで読むものだったんだ。まあ正解なんてないけど、終始「ええ……」と思っていた。
実は宇宙人だとされてる芸能人の検証動画とかあるじゃない?エラ?があったり、まばたきが変なやつ。あれは合成かもしれないけど、なんかあれを思い出した。結婚生活は、自分と違う"異種"たる相手と線を引いてもいいし、融け合ってもいい、その選択ができるのはいいことだよな。自分は……難しい。もうだいぶ融けてしまっていると感じる。今鏡を見たら、顔のパーツがいそいそと動き出すかも。
Posted by ブクログ
夫婦は似る、とはよく聞く。同じものを食べ、同じ家で生活していれば、血のつながった者同士のように、似ていくのだろう、きっとそれが、家族になる、ということなのかもしれない。しかしそれは、少し怖いことかも。
Posted by ブクログ
うーーん、というのが素直な感想です笑はっきりと断言することの出来ない薄気味悪さが夫婦の日常の中にあります。
最初は顔が似てくることでマンネリ化してる生活を暗喩しているのかと思いましたが、そうでは無いようですし…。難しい!
ただどの話にも猫や犬が出てきたのでそれらの動物が物語の重要な鍵なのかとも思いましたが、私にはわかりませんでした
Posted by ブクログ
一番初めの夫婦が顔が似てくる、と言う話が興味深かった。溶けて混ざり合って、一緒になることを拒否することもできるし同化を望むこともできると言うのは単なる比喩表現ではないと感じた。でも、猫を山に〜のところは理解できなかった。
Posted by ブクログ
本谷有希子4冊目くらい
古本で購入
短編集「異類婚姻譚」「トモ子のバームクーヘン」「犬たち」「藁の夫」
文体がとても読みやすい、以前読んだ短編集の猫殺しと殺人ハウスが怖すぎてもう読まない!と思ったけどやはりちょっと気になってしまう棘が、この本はそこまで恐怖でないまでも存在している〜
解説の通り家庭に閉じ込められそうな女性は「主婦」一括りではなくその中の恐怖安寧驚きの機微を映し出しているところが愛おしいなと思った。まだ描かれていない感情を全部描く。
Posted by ブクログ
文藝春秋で読む。旦那と混ざり合う、私サンちゃん。夫婦が似てくるとはよく言うが、蛇ボールのように、食わせ合う図はゾッとする。夫婦とは、そこまで密な関係になることなのだろうか。自分がなくなり、相手を取り込むこと。
なんとか人のカタチを維持しようとする旦那。あなたは一体、、、摩訶不思議な話ではあるが、おとぎ話じゃなくて、もっと現実味を帯びた、、、ここまではいかずとも、似た現象は起きているのではないかと思ったりする。結婚してないけど。笑
Posted by ブクログ
異類婚姻譚は、結婚のリアル?を描いているのかなと思った。
他の三篇は私には難しくあまり理解できなかった。藁人間とは、本当に藁人間が存在する世界線なのか、それとも人間の夫が藁人間のように見えてしまう妻の目線なのか謎が多い、、、