【感想・ネタバレ】異類婚姻譚のレビュー

あらすじ

子供もなく職にも就かず、安楽な結婚生活を送る専業主婦の私は、ある日、自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気付く。「俺は家では何も考えたくない男だ。」と宣言する夫は大量の揚げものづくりに熱中し、いつの間にか夫婦の輪郭が混じりあって…。「夫婦」という形式への違和を軽妙洒脱に描いた表題作が第154回芥川賞受賞! 自由奔放な想像力で日常を異化する傑作短編集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

⚫︎受け取ったメッセージ
「夫婦は似てくる」というのは良いことなのか?
表面的には似てきても、本質的には思いもしない相手の姿があるかもしれない。

⚫︎あらすじ
(異類婚姻譚)
専業主婦の私は、夫に顔が似てきていることに気づく。最後決別に至る。夫は可憐な花になる…

(犬たち)
別荘に女一人こもっている。犬がたくさんくる。村人は山を降りないと居ない。なぜか?
村人がいなくなる。犬は見つけたら捕まえられないといけないルールがある。
女の背中に白い毛が生えてくる。

(藁の夫)
夫の小言がどろどろの楽器になって、藁の間から漏れ出す…

⚫︎感想
「夫婦は似てくる」というフレーズを、マイナスの意味で受け取ったことがなかった気がするので、新しい見方を与えてもらった。他人の本音はわからないし、自分の本音すら見て見ぬ振りをしながら生きている…
犬たち、笑の夫も非常におもしろく、本谷有希子さんの他の著作も読みたいと思う。

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2023年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

結婚や家庭に関する寓話4作。根底には人と関わりたくない思いがある気がした。
結婚すると互いに似てくるとはよく言うけれど、それを溶解していく妖怪のように描いたのは風刺がきいてて面白い。粗相をするからという理由で山に捨てられる猫のサンショと、主人公のサンちゃんは名前が似ているし、夫婦は互いに尻尾から食べ合って頭だけが残る蛇ボールだという話を聞く時サンちゃんは鰻の食べ比べ弁当に山椒を振って食べている。最後に山芍薬になった夫を、サンショを捨てた山に植えに行く。隣に咲くよく似た竜胆はサンショであってサンちゃんなのだと思う。
キタヱさん夫婦や弟カップルの様に似ない夫婦もいて、それは間に「何かを挟んでいる」ということなのだろうが、意識的にそうしない限り飲み込まれていくのが結婚なのかもしれないし、そうして似た者同士になった2人だけで人間であることをやめて山でひっそり生きるのもいいなと私は思う。人間社会で夫婦として生きていくのはストレスフルなのかもしれない。
「藁の夫」は解説を読んで、たしかに口うるさいだけの夫をどろどろに溶けた楽器ばかり吐き出して後には家畜の飼料のような藁しか残らない人間に見立てているとしたら相当面白いなと思った。

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2022年10月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・異類婚姻譚
感想がまとまらない
あとで考える。保留

・トモ子のバウムクーヘン
この世界が途中で消されてしまうクイズ番組だということを理解した。
ってどんな感じ?

・〈犬たち〉
白い犬と雪深い白い世界が美しい。
街に誰もいなくなった描写は、本当に自分以外が街からいなくなったのか、それとも自分が異世界に連れて行かれたのか分からなくて、でも不思議と恐怖がない。一番好きな話。

・藁の夫
藁の夫むかつく
けど、車を傷つけたのは奥さんも悪いしな…とも思ったり。
全体的によくある夫婦の話だけど、少しのファンタジー要素が混じって不思議な読み心地と、家庭・夫婦の問題以外に伝えたいことがあるんだろうなと思わせる本谷有希子さんの作風がおもしろい

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2024年02月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「異類婚姻譚」は、夫婦の合せ鏡のお話。
主人公が一方的に搾取されてるような気で読んでたけど、確かに主人公も夫を食べてた。
働かずに極楽に生きてて、夫の金で弟カップルに高いビュッフェ奢ったりしてたしなー。
妻になりたい夫の言葉にぞくっとした。
最後は衝撃。あんな夫がなりたいものは綺麗な花だったなんて…
あのあと主人公は一人で生きていってるのだろうか…。

「藁の夫」は前提がわからなすぎたけど夫がムカつく。
全部燃やしてしまえばいいのに。

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2025年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

芥川賞受賞作品という事もあり、とても期待して読んだわりには、、、?????
みたいな所が沢山ありました。

一作目はなかなか面白かったけど、、、4作目の藁???
私には理解不能でした

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2024年02月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

旦那の横柄さとか、家で気が抜けて顔が崩れる感じ、ちょっと自分を顧みてヒヤッとする。描き方が上手だな、と。
最後、同一化した挙げ句に花になるのはなんだったのだ、、、?結局旦那捨てただけ、、?

それにしてはなんかほのぼのした読後感で不思議。

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2024年01月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

……ホラー⁉️と思った。
日常の話と思って読んでいたら、急に世にも奇妙な物語みたいな……まあ読み終わって考えてみるとなるほどと思ったりもする。
表題作の異類婚姻譚については、自分も長く付き合った男と話し方が似てきていたり「顔が似ている」と言われたりしたことがあるので、わかるなあと思った。まあ一緒にいる相手と似てくるというのは本当にある話なんだろう。しかし終盤の怒涛の"世にも"感たるや……。夫がどんどん妻に近づいていき、不穏な空気を纏っていくのが恐ろしかった。ラスト、あれは……下ネタか?と思ったのは私だけだろうか。まあそういうことではないと思う。夫が花になるって、そんな馬鹿なと思うけど、自分が単にこういう突拍子もない話が苦手なだけだと思う。

犬の話については、まあなんだか謎が多かったけどパストラミを助けたことで犬たちの仲間として認められ、結果犬との同一化が進んだみたいなことなのかなあ。なぜ町の人が消えたのかはよくわからなかった。犬が認める人間は1人だけだから?あの町に住む犬には何か特別な力があるとか?まあ深く理解しなくても良いものかなと気持ちを落ち着けた。

藁の夫の話は……わからなさすぎた。
周囲の反対を押し切り藁と結婚した←どんな世界線やねん。「がっくし。」がなんだか可愛いが藁の中身が楽器というのもわからない。し、妻が燃やしたいと感じているのも恐ろしい。みんなどんな気持ちで読んだんだ。どんな気持ちで読むものだったんだ。まあ正解なんてないけど、終始「ええ……」と思っていた。

実は宇宙人だとされてる芸能人の検証動画とかあるじゃない?エラ?があったり、まばたきが変なやつ。あれは合成かもしれないけど、なんかあれを思い出した。結婚生活は、自分と違う"異種"たる相手と線を引いてもいいし、融け合ってもいい、その選択ができるのはいいことだよな。自分は……難しい。もうだいぶ融けてしまっていると感じる。今鏡を見たら、顔のパーツがいそいそと動き出すかも。

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2023年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

うーーん、というのが素直な感想です笑はっきりと断言することの出来ない薄気味悪さが夫婦の日常の中にあります。
最初は顔が似てくることでマンネリ化してる生活を暗喩しているのかと思いましたが、そうでは無いようですし…。難しい!
ただどの話にも猫や犬が出てきたのでそれらの動物が物語の重要な鍵なのかとも思いましたが、私にはわかりませんでした

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2022年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一番初めの夫婦が顔が似てくる、と言う話が興味深かった。溶けて混ざり合って、一緒になることを拒否することもできるし同化を望むこともできると言うのは単なる比喩表現ではないと感じた。でも、猫を山に〜のところは理解できなかった。

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2022年09月29日

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