本谷有希子のレビュー一覧

  • ぬるい毒(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ⚫︎感想
    まず、知らない人から電話がかかってくるパターン、好きだった笑 一気に読むつもりはなく読み始めたけど、一気読みした。
    自分が自意識過剰だと気づかない19歳。もう昔の自分でもないし、その他大勢の女どもでもない。全てを分かっている。馬鹿にされていることも分かった上で、手のひらの上で転がされているのを演じている。いつかひっくり返してやる。…という全能感に近いような思いを秘めている反面、自分の欲望をコントロールできてはいない、そんな若く危うくて、自分のことが嫌いで好き、尊いけど本当は矮小で一般的な主人公や他の登場人物を通して、読者は多かれ少なかれ、どこかに自分の姿を思うのではないかと思った。こ

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    2024年08月05日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    半日で一気に読んでしまった

    分かるようで分からないような難しい本
    何もかも嫌になる
    真っ先に自分が嫌になる
    環境が嫌になる
    周りの人が嫌になる
    でも残るのは愛

    自分が嫌でもそんな自分を愛してくれる人がいる
    嬉しいけれど…

    「あたしはさ、あたしとは別れられないんだよね一生」

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    2024年07月25日
  • 嵐のピクニック

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    ずっと、クスクス笑いながら、でもどこか、後ろを振り返りたくなるような怖さもありつつ…短編だからこそ、後をひきづることなく読み終えられました。

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    2024年07月11日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    僕の寝床の、枕元に積み上げた文庫本の中から薄めの一冊を抜き取った。
    『生きてるだけで、愛』
    再読しました。
    程度の差こそはあれ、僕自身、何もかも嫌になってしまうことがある。僕に限ったことではないな、誰しもが、そうだろうな。其方にも、そんなことがありましょう。
    「いま、なんで苛々してたんだっけ?」さて。
    顛末を、いちいち紐解いたりしているうちに治ってくる場合もあるけれど、堂々巡りに堂々巡り、持て余すことだって数えきれないほどにある。
    「自分の機嫌は自分でとる」
    言うだけなら何とでも言えるさ。
    もはや、そんな言葉じゃ片付けられないし。
    寧子の言葉には、時折り泣かされた。
    わかります。わかります。わ

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    2024年06月18日
  • ぬるい毒(新潮文庫)

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    向伊にどんなひどい目に合わされるかと怖くて、でも続きが気になって読み進めた。

    とことん侮蔑されたら意外と平気だった。
    恐れているものに目を背けず対峙すると案外スルッと抜けだせるのかも。

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    2024年06月11日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    凄い目線で世間を見てる人だなと思った。世界に広く発信するツールのはずが、どんどん内向きになる。SNSの嫌なとこが1冊に全部詰まってた。

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    2024年04月11日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    ネタバレ

    読みやすかった。
    一日で読んだ。

    自分とは全く違う性格かつ
    周りにもいないタイプの人。

    躁鬱に悩むと辛いだろうなと思う。
    それを見守るつなきがすごい。
    そしてつなぎがお金も全部出して養ってくれるモテもすごい。

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    2024年04月06日
  • 異類婚姻譚

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    ネタバレ

    ・異類婚姻譚
    感想がまとまらない
    あとで考える。保留

    ・トモ子のバウムクーヘン
    この世界が途中で消されてしまうクイズ番組だということを理解した。
    ってどんな感じ?

    ・〈犬たち〉
    白い犬と雪深い白い世界が美しい。
    街に誰もいなくなった描写は、本当に自分以外が街からいなくなったのか、それとも自分が異世界に連れて行かれたのか分からなくて、でも不思議と恐怖がない。一番好きな話。

    ・藁の夫
    藁の夫むかつく
    けど、車を傷つけたのは奥さんも悪いしな…とも思ったり。
    全体的によくある夫婦の話だけど、少しのファンタジー要素が混じって不思議な読み心地と、家庭・夫婦の問題以外に伝えたいことがあるんだろうなと思

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    2024年02月04日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    初、本谷有希子氏。あっという間に集中して読んだ。
    どの短編もガリっと塊でもぎ取られる感触。私、どれかに当てはまってしまってるだろうか?
    SNSに振り回されてないつもりだけど、気付いてないだけかな。
    そう考えること自体が意識の中に入り込んでる。と怖くなった。
    また本谷氏を読みたい。

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    2023年12月26日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    様々なモノに依存する人々のお話。もう気持ち悪くてイタくて見てられない……!なのに先が気になってどんどん読み進めてしまう中毒性。いい意味で不気味な一冊でした。誰かの日常を盗み見たかのようなリアルな読後感です。

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    2023年12月11日
  • グ、ア、ム(新潮文庫)

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    あなたは、『グアム』に行きたいですか?

    日本からわずか四時間で行ける海外、しかも南国の観光地である『グアム』。米国と日本による占領と支配の歴史の先にリゾート地としての地位を築き上げた『グアム』は、日本人にとって長らく観光旅行で行きたい国の上位を占めてきました。観光客全体の8割を日本人が占めた時代もあったという『グアム』。

    しかし、近年そんな日本人観光客の減少が叫ばれてもいます。かくいう私も『グアム』を訪れたことはありません。とは言え、たった四時間で行ける海外リゾートという距離感はどこまで行っても魅力的に響きます。『グアム』とは、どんなところなんだろう。『グアム』には、どんな魅力があるんだろ

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    2023年12月06日
  • 異類婚姻譚

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    あなたは、『自分の顔が旦那の顔とそっくりになった』らどうするでしょうか?

    夫婦は似た者同士が良いのか?そうでない方が上手くいくのか?このあたりは世の中意見は千差万別でしょう。同じものが好きだからといって一緒になった夫婦が最後まで添い遂げられるかといったらそんなことはありません。嗜好は正反対という夫婦が瞬殺で離婚してしまうかというとそんなこともありません。規則性、法則性がないから夫婦の形も数多あり、考え方も数多あるのだと思います。

    とは言え、それは性格の話です。顔となってくると話は全く異なります。そもそも血縁関係にない男と女の顔がそっくりということ自体普通にはないと思います。もし偶然にもそっ

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    2023年12月02日
  • ぬるい毒(新潮文庫)

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    本屋で手に取り数ページ読んでみると、これは自分を投影させた話のように思えて思わず購入してしまった。
    家や容姿、過去の経験などから構築された圧倒的な熊田の自意識と、向伊の出現により熊田自身が向き合わなければならない状況へと引き摺り込まれる様子をまざまざとそして冷静に描かれている様に感じた。
    ハッピーエンドなのか、バッドエンドなのかも読み手に委ねられているようだった。

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    2023年05月27日
  • 異類婚姻譚

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    自分が男性なので、本谷さんの書く男性像にはドキッとする。
    自分はこうじゃないと思ってるし、こうなりたくないなぁって感じの男。
    でもそのダメさに主人公の女性などが慣れてたり諦めてたり、なんなら居心地良く感じたりしてるように思うので読んでて非常にむずむずする。居心地が悪い。

    自分にはこういうあり方は無関係だ。
    でもこういうあり方はきっと存在するし、それってすんごいイヤだなぁっていう。
    あーやだやだ。

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    2023年05月05日
  • ぬるい毒(新潮文庫)

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    ネタバレ

    なんだかヌメヌメとしたものが心の中に張り付いてくる1冊。
    これは恋なのかはたまた恋じゃないのか
    分かってた上で近づく主人公
    でも実は私たちの周りでどこでも起こっていそうな。
    いい意味での気持ち悪さがある話だった

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    2023年04月19日
  • あの子の考えることは変

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    アイデンティティはGカップの胸しかない巡谷と、自分の体臭を必要以上に気にする日田の奇妙な友情。世間の感覚から外れている二人は、罵倒しあいながらも互いには自分を曝け出して許し合ってたりもする。ズレにズレたふたりのラストの暴走っぷりが面白くて、好みが分かれそうだけど個人的にすごく好きだった。

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    2023年04月15日
  • 異類婚姻譚

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    夫婦は妥協と諦めで互いに似てしまう。
    不満を持ちながらも、どこか身を任せたほうが楽だと思った結果であり、自身も不満を持たれていることがある事実に目を背けた結果でもある。
    そんな誰にも起こりうる問題をファンタジーに落とし込んだ秀作。

    最後の藁の夫のモラハラDV具合が怖かった。

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    2023年04月12日
  • 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

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    セブンルールってなんだかいけ好かない連中が出てるテレビ番組でこの人かわいいなって思ったのが本谷有希子で、どんな本書くのかなと読んでみた。んーところどころ面白い - ぷっと笑えるって意味と、実は深い考察が裏にあって興味深いって意味で - んだけど、なんだろうな心の底から楽しめなかったな。各キャラはめちゃくちゃ面白いからもっと動かして欲しかったな。この妹の必死な人間を茶化すところがめちゃくちゃシニカルで面白いからもっと見せて欲しかった。

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    2023年02月28日
  • あの子の考えることは変

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    2人ともどうしようもねえ〜
    比較してどっちがヤバイとか言う問題じゃない。巡谷が自分は常識人で日野をお世話してあげてるみたいな意識もリアルで、こういう取り繕い方しちゃうよね恥ずかしいよねみたいな。共感性羞恥
    でもなんか登場人物に役割を振り分けてない感じがよかった。
    煙突がデカいちんこのメタファー

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    2023年01月18日
  • 異類婚姻譚

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    表題作を含む4編。いずれも夫婦や家庭に対する違和や不安をテーマにした奇譚。感覚に鋭いリアリティを感じる分、奇譚であることについていけない人もいそう。
    表題作含め登場人物たちは基本的に「演じている」「演じさせられている」という感覚が課題の根本にあるように感じたが、劇作家の著者としてあえてそのような視点を狙って書いているのか、著者自身の人や社会の見方が基本的にそうであるからなのかは判断ができなかった。いずれ他の作品も読んで考えてみたい。

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    2022年12月04日