本谷有希子のレビュー一覧
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ネタバレ個人的には結構好きだった。
私は躁鬱じゃないけどヒステリックなので共感部分が多かった。
だいぶ今は落ち着いたけど昔の自分を見てるみたいだった。
私が必死な分同じ温度感で返してほしいのもわかる。楽しようとしないで。
ただ津奈木と寧子はいいバランスだったのかもしれないなと思う。味が濃い部分、薄い部分いい感じに調和できればよかったのかな。私は津奈木よりもう少し濃いけど自分より薄い人がいいんだろうな〜
あたしはあたしと別れられない。本当にこんな自分1番嫌なのに止められない。酷いこと言いながら泣いてしまったり…不器用すぎてハグ。
お互いを分かち合うことを富嶽三十六景の北斎と富士山に例えるの文学って感じで本当に好き。 -
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岸本佐知子さんの編んだ書き下ろしアンソロジー、タイトルに惹かれてまず読んだ津島佑子の短編「ニューヨーク、ニューヨーク」が素晴らしかった。読みながら、読み終わってから、幾つものことを思った。
「ニューヨークのことなら、なんでもわたしに聞いて。それがトヨ子の口癖だった、という」冒頭のセンテンスを読んで、わたしも数年前の夏に数冊の本を読むことで行ったことのない「ニューヨークのことはもう分かった」と嘯いたことを思い出す。そこには彼女がニューヨークを思うのと同じように個人的で特別な理由があったのだけど。
その後に元夫と息子がこの世にいない彼女について語り合うことで明らかになり“発見”される、今まで知り得なかった「彼女の孤独や哀しみやささやかな矜持や希望」あきらめ、恨み、失望は、編者あとがきで岸本さんが書いているように「私たちみんなが心の奥に抱えているもの」なのだと思えた。少なくとも、わたしは同じようなものを抱えていた。改めてそれらを見つめることになる。さらにその語り合い、解釈を通して「なにか肝心なものが欠けた存在」では、と思いはじめる元夫、名無しの“男”の人生に自分を省みて、思い出し落ち込み、わたしも「少し涙ぐむ」。
そして、もういない人を語りあうこと、あるいは不在になったときに語られることについても考える。別の方向からの印象を聞き、ぶつかり合いすり合わされることで、新しい印象が浮かび上がる。それは勿論“正解”ではないのだけど、新たな、あなた、わたしが描き出される。何処までいっても憶測でしかないそれを、真実とその人自体だと思い込む、そうせざる得ないことは、実はとても恐ろしいことなのではと思い至る。しかし、人も含めた世界はそうやってしか捉えることが出来ないのなら、それは真摯に語られるべきだ。この小説のように。そんなことを少しこじつけて思う。とても素晴らしかったけれど、予想していなかった怖い思いもした短編小説だった。太宰治の娘だということはさっき知った。「電気馬」も読んでみたい。 -
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ネタバレ自分を好きになる…ということは、少なくとも現時点では自分のことを好きではないということだろう。僕は自分が嫌いだし、他の誰かのことだって、手放しで好きだと宣言できるほど好きな人なんて…いない、いなかったと言い切ってしまうのは正確ではないし、何よりそんなことを口にしてしまったら、きっと悲しくなってしまう。好きな人は、いたこともあったけれど、たいていの場合刹那的なもので、うやむやになってしまうか、こっぴどい幕切れとか、後々思い出したりして、良かったな、なんて思い出など数えるほどもない。そもそも思い出になってしまった時点で、僕には芳しくない結果だったと証明しているようなものだ。僕にとって望ましい結末というか、そもそも結末などは必要なくて、つまり現在進行形で好きな人がそこにいてくれたら、と願うばかりなのである。僕は、ややもすると自己嫌悪に終始してしまう。なにより自信がない。自分がいちばん信じられない。
“自分を好きになる方法”というのは、自分の期待を裏切ることなく、自信を持つということだろう。僕は、いま、ようやくそんなことを思い始めている。
『自分を好きになる方法』
本谷有希子さんの本としては、正直で優しさに満ちた物語だった。リンデは63歳にして、ようやく“自分を好きになる方法”に気づき始めている。自分のことだからこそ、ままならないことってたくさんあるし、それを実感しない日などないし。リンデの生きづらさ、ままならなさ、もどかしさ、すべて僕自身にも心当たりがある。僕だって、それなりの年齢になるなどすれば、何かしら手がかりを得ることができるのかな、なんて考えた。
本谷さんの文章で僕が好きなのは、彼女の比喩表現です。それが、いちばんの本谷さんらしさと思うのです。この物語でも、存分に。 -
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こんなことって、現実にあるのかな?
なんか、ありそうで怖い。
人から承認欲求を満たしてもらわないと、
生きられない人間って…
悲劇だな。
滑稽とも言える。
他人事ならね。
普通は気づくよね?
周りの人の反応で、自分に才能があるかどうかって。
わからなくて突っ走る。
25歳くらいまでなら、有り得るかも。
その頃までって、意外と自分のこと、
よくわかってなかったりするから。
1番最後が救い。
やっと本当の人生を始められる。
だから、読後感はそんなに悪くはない。
本当に、自分で自分のこと認められないって、本当に悲劇だね。
身に沁みてわかったわ。
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ネタバレ⚫︎感想
まず、知らない人から電話がかかってくるパターン、好きだった笑 一気に読むつもりはなく読み始めたけど、一気読みした。
自分が自意識過剰だと気づかない19歳。もう昔の自分でもないし、その他大勢の女どもでもない。全てを分かっている。馬鹿にされていることも分かった上で、手のひらの上で転がされているのを演じている。いつかひっくり返してやる。…という全能感に近いような思いを秘めている反面、自分の欲望をコントロールできてはいない、そんな若く危うくて、自分のことが嫌いで好き、尊いけど本当は矮小で一般的な主人公や他の登場人物を通して、読者は多かれ少なかれ、どこかに自分の姿を思うのではないかと思った。こんな気持ち悪い登場人物ばっかりの世界、ある?と思ったけど、読み終わった頃には、振り返ってみれば20代前半、拒絶したくなるような、恥ずかしい、未熟な自分が確かにいたよなと思わされ、「ぬるい毒」がまわった。
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
あの夜、同級生と思しき見知らぬ男の電話を受けた時から、私の戦いは始まった。魅力の塊のような彼は、説得力漲る嘘をつき、愉しげに人の感情を弄ぶ。自意識をずたずたにされながらも、私はやがて彼と関係を持つ。恋愛に夢中なただの女だと誤解させ続けるために。最後の最後に、私が彼を欺くその日まで――。一人の女の子の、十九歳から五年にわたる奇妙な闘争の物語。渾身の異色作。 -
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僕の寝床の、枕元に積み上げた文庫本の中から薄めの一冊を抜き取った。
『生きてるだけで、愛』
再読しました。
程度の差こそはあれ、僕自身、何もかも嫌になってしまうことがある。僕に限ったことではないな、誰しもが、そうだろうな。其方にも、そんなことがありましょう。
「いま、なんで苛々してたんだっけ?」さて。
顛末を、いちいち紐解いたりしているうちに治ってくる場合もあるけれど、堂々巡りに堂々巡り、持て余すことだって数えきれないほどにある。
「自分の機嫌は自分でとる」
言うだけなら何とでも言えるさ。
もはや、そんな言葉じゃ片付けられないし。
寧子の言葉には、時折り泣かされた。
わかります。わかります。わかりますとも。
読書を続けてきたことで“共感できる自分”に気づいた僕は、なんとかこの位置に留まり続けることができている。きっかけをくれた、かの人のことを、僕は恩人と呼びたい。大げさかな。大げさくらいが、ちょうどいいかな。
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