【感想・ネタバレ】生きてるだけで、愛。(新潮文庫)のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月20日

ブレーカーが落ちてボロボロ涙が出てくることとか、ウォシュレットの話でダメになっちゃうこととか、時計を見て時間に絶望することとか

わたしってなんだったのかな
わたしもこの先ずっと頭がおかしいのかな

こわい
自分をもっとわかってほしいとか、わたしと同じ熱量を持ってほしいとか、そういうのを求めてしまう...続きを読む
どんなにがんばって普通になりたくても、普通の人じゃない瞬間に心が崩れそうになる

どうしたらいいんだろう

0

Posted by ブクログ 2023年12月22日

えぇ、最近好みの本引きすぎでは…
とても好き…これに関しては主人公が同い年なのも少しあるかもしれない。
そして巻末の解説が詳しく、言いたいこともほぼ全て含まれてるから感想が書きづらい…笑

なんだか濃い小説だったなぁ。好きな表現目白押し。(時々会う、ずっと笑顔で話を聞けちゃう友達みたいな感じの)
...続きを読む作家の方の小説、と改めて言われるととても納得だった。

ひとにおすすめしたい、とはまた違うけど、大事にもう一度読みたい。

0

Posted by ブクログ 2023年12月14日

すごいよかった。
過眠症で鬱と躁を繰り返す主人公。
彼の優しさで生き延びてる感じだけど、2人の世界がしっかりあるんだなあ。
2人が穏やかに暮らせますように。

0

Posted by ブクログ 2023年01月31日

言葉選びや比喩が最高におもしろいです。
よくあるようなの恋愛小説とは違う、不器用な愛の形に感動しました。
生きるって、愛だ。

0

Posted by ブクログ 2022年09月30日

 何度読んでも20ページの「色気は生活に負ける」の一文の破壊力に圧倒される。わたしはこの文章を聞くためにこの本を定期的に読んでいるのかと思うほど。そう言えばしばらく前に映画も観たな。趣里が主演であまりにも適任だと思った。
 たいして難しくもない献立を考えて材料を買いに行ったスーパーで突然どの種類の何...続きを読むを買えばいいかわからなくなってパニックに陥ったり、突然過去のことがフラッシュバックして詳細まで全部思い出して言葉にしないといけないような感覚になったり、帰宅後に味噌汁の具を買い忘れたことに気づいていい加減もう死のうと思った直後にマロニーを発見してギリギリで持ち直したり、幸せそうな地に足のついた人々と交流してもしかして今回はここでいけるかもと思った直後に情緒が暴走して手に追えなくなってやっぱり無理と全部放り投げて逃げ出したり。酔っ払ってバイト先のトイレを破壊したことはないけど酔っ払って合宿所の風呂を破壊したことはあったな。同じように不安定で自滅的な生き方しかできない男と共依存的に付き合っていた時期もあった。寧子の奇行の数々は程度の差こそあれわたし自身も身に覚えにあることがあまりにも多くて苦しくなるから目をそらしたくなるんだけど、そらすわけにもいかず、なんでだろう、でも結局そらせず、毎回最後まで読んでしまう。
 たったひとつ寧子とわたしを隔てるものがあるとするなら、そういう鬱的な状況に陥りそうになったときにどうしたら立て直せるかが今までの経験上なんとなくわかっていて、それを本当にやばくなる直前に「しよう」と毎回必ず思うということだけだと思う。可能ならそういう最終段階的なところまでは落ちたくないと根底では思っているからそうならないために重い腰を上げなきゃいけないという謎の使命感がわたしの中にはずっとある。過去を振り返ってみるとわたし以上に寧子に近い行動・思考パターンをする人間が身の回りにいたから、それを間近で見てきたからかもしれない。
 『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』も近々読もうと思ったけど、やっぱりもう少し先でいいな。次はなんか現実的な本読もう。

0

Posted by ブクログ 2022年09月27日

主人公に完全に共感した訳ではないがこの主人公を「ただのヤベー奴じゃん笑」としか言えない人は嫌いになる

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年10月01日

生きることが面倒臭い、生活も全て雑になる
あ、自分周りに馴染めてるかも、って思っても
結局は馴染めてないし、理解してもらえない
そんな主人公の息苦しさ生きづらさが押し付けられた
5千分の1秒しか分かり合えないそんな愛の形も素敵だと思った

「あたしはさ、あたしとは別れられないんだよね一生。」
...続きを読むあたしと別れられていいなあ」

0

Posted by ブクログ 2021年08月27日

ルミネカードの審査が通らない件が大好き。
実はこういう生き方に憧れてるのかも。エキセントリックというか、自分の欲に忠実。
いや、忠実な方だけど、たぶん突き抜けたいのかも

0

Posted by ブクログ 2021年08月10日

津奈木くんのような、私が「手応えの無い人」と表現したくなる男性は、寧子のような女性と相性が悪いのか、はたまた良すぎるのか。
思い通りにいかない具合が絶妙で、すごくのめり込んでしまうの、わかる〜〜〜〜!!
映画を観てすごく好きだったので、原作を読んでみたけど、本当に面白かった。

0

Posted by ブクログ 2021年07月12日

人生って、テーマとか、やりがいとか、そんなものがなくったって別にいいんじゃないだろうか。あればなお、とってもいい。でも、必ずしも持ち合わせていなくても、いい。
特に現代は、だれもに何者かになれる可能性があって、だれもがうっすらとしたプレッシャーを感じているような気がする。
いいんだよ、別に。『生きて...続きを読むるだけで、愛。』だよ。

---------
持病の過眠症のことを調べていて、この本にたどりつきました。それからずっと、お守りのような存在の作品です。
まず、冒頭からの畳み掛けるような語り口が良い。この間、映画も初めて観てみたけれど、揺れるブルーのスカートが「映像」としての美しさを引き立てていました。
「自分は自分と別れられない。あなたは私と別れられていいな」というような台詞が、このお話のすべてを内包している気がします。

大縄跳びに混ざるのが苦手な人に、おすすめです。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月06日

読みやすかった。
一日で読んだ。

自分とは全く違う性格かつ
周りにもいないタイプの人。

躁鬱に悩むと辛いだろうなと思う。
それを見守るつなきがすごい。
そしてつなぎがお金も全部出して養ってくれるモテもすごい。

0

Posted by ブクログ 2023年12月04日

『ねえ、あたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ?雨降っただけで死にたくなるって、生き物としてさ、たぶんすごく間違ってるよね?』

厚生労働省の調査によると、1999年に204万人だった”うつ病等の気分障害”の患者数は、2023年には320万人と大きく増えているようです。全世界で...続きを読むは3億2000万人を超えるというその患者数。人口が増え続けていることを加味してもその疾患の多さには驚きます。

『鬱』の期間、外に出ることもままならず、二十日間以上も自室に閉じこもるという日々の中ではさまざまな感情も渦巻いてくるのだと思います。

さてここに、『最近は鬱なんて言葉じゃ重いってことで「メンヘル」なんてかわいい呼び方をされてるけど、早い話が精神的に浮き沈みの激しい毎日を送っていますというわけだ』と語る一人の女性が主人公となる物語があります。『そういえば母は雨が降ると一日中部屋から出てこない人だった』と振り返る女性は『あたしも今は雨が降ると、ベッドからどうしても動けない』と続けます。この作品は、そんな女性が『セックスに持ち込んでそのままずるずる転がり込んだ』先の男性と同棲する物語。そんな女性の危うい日常を見る物語。そしてそれは、『きっとあたしにはあたしの別の富士山がどこかにあるってことなんだろう』と北斎の「富嶽百景」に思いを馳せる物語です。

『女子高生の頃、なんとなく学校生活がかったるいという理由で体中に生えてるあらゆる毛を剃ってみたことがある。髪の毛、眉毛、脇毛、陰毛。まつげと鼻毛はさすがに無理だった』というのは主人公の板垣寧子(いたがき やすこ)。『親には泣かれたし、先生には怒られたし、友達には心配されたり見て見ぬふりをされたし、狂ってるとまで言われちゃった』という寧子は『浮きまくった女子高生』だった過去を振り返る中に『テレビの電源を切』ると『ここ二十日間で』観たテレビ番組を思い出します。そんな中に『唯一よく覚えているのはあれだ』と、『葛飾北斎の「富嶽三十六景」について追究する番組』を思い出す寧子は『五千分の一秒のシャッタースピードで撮った写真が画の構図と寸分違わなくて奇跡!』という内容に『きっと「ザッパーン!」の瞬間は北斎にとって脳細胞がしびれるくらい強烈で鮮烈な刺激だったのだ』と思います。そんな寧子は、『一ヶ月前、バイト先のスーパーで』『男に気安くデートに誘われて、「こんな冴えないやつにすらなんとかなるかもと思われてるんだ」と思った瞬間から、鬱に入』りました。一方で、『その男のことが好きだったとかいう総務部の獅子唐の素揚げみたいな女』から睨まれ、『何もかもが嫌に』なる中に怒鳴ったことで『バイトをクビにな』りました。そんな時、『寧子、起きてる?』と同棲相手の津奈木に声をかけられます。三年前、バイト先の『女子が開いたコンパ』で知り合い、『セックスに持ち込んでそのままずるずる転がり込んだ』津奈木のマンションで『精神的に浮き沈みの激しい毎日を送っている』寧子は、『枕元の時計』を見て、寝てから十七時間半が経過していることに気づきます。『過眠。メンヘル。二十五歳』という寧子は、『過眠症の人間達が集う掲示板に「今日も起きられませんでした。十七時間半爆睡!鬱継続中でーす。死にたいぴょん(^O^)/」と書き込んでから、ベッドを抜け出します。『こたつの上の至るところに何か食べ物のカスらしきものがこびりついているし、部屋のあちこちにこの二十日間で新しく増えた本が積み上げてある』という居間を見て『何。あんた、部屋片づける時間とかないの』と言う寧子に『うん、今ちょっと忙しくて』と返す津奈木。そんな津奈木に『「あたし、今鬱だから」と言うと、津奈木は「うん」とだけ返事をしてこっちを見』ません。そして、『どっち食べたい?』と津奈木が買ってきた『牛丼とやきそば』を見せられた寧子は牛丼を選び電子レンジに入れます。次の瞬間、『何かが弾けるような衝撃があって突然視界がまっくらにな』り『なんでコタツ消さないの?』と怒鳴る寧子に『ごめん』と謝る津奈木はブレーカーを入れました。再び『あたためキーを押』したものの途中で『まだ全然温まっていない牛丼を中から取り出』した寧子。『特にこれが食べたかったわけでもないので、まあいいや冷たくてもという妥協』を選ぶ寧子。『自分という女は、妥協におっぱいがついて歩いているみたいなところがあって、津奈木と付き合ったのも当然のように妥協だった』と今の生活を思う寧子。そんな寧子の『メンヘル』な日常が描かれていきます。

“あたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ。25歳の寧子は、津奈木と同棲して三年になる。鬱から来る過眠症で引きこもり気味の生活に割り込んできたのは、津奈木の元恋人。その女は寧子を追い出すため、執拗に自立を迫るが…誰かに分かってほしい、そんな願いが届きにくい時代の、新しい’愛’の姿”と内容紹介にうたわれるこの作品。第135回芥川賞の候補作となり、2018年には、趣里さん、菅田将暉さん主演で映画化もされています。

そんなこの作品は兎にも角にも”キョーレツ!”です。”強烈”ではなくて”キョーレツ!”という書き方そのまんまにかっ飛んでいます。その理由はこの作品は全編にわたって『過眠。メンヘル。二十五歳』と自分のことを説明する主人公・板垣寧子の完全一人称視点で展開していくからです。では、そんな”キョーレツ!”な表現を幾つかご紹介しましょう。

まずは、『寝過ぎたせいで頭痛が地味に辛い』という『過眠症』の寧子の『十七時間半爆睡』から起き掛けの心持ちを見てみましょう。

『うめきながらバファリンを炭酸の抜けたコーラで飲んだあと、グラスをよく見ると黒い液体の表面にはリップクリームから溶け出した脂がテラテラ光って浮いていて、それだけで真冬の川に飛び込みたくなるほど気が滅入った』。

寧子はそんな滅入る気分をこんな思いにぶつけます。

『ああ、あたしの鼻からはがした毛穴パックを誰かに突き付けて不快な思いをさせてやりたい』。

しかし、次の瞬間にはこんな風に納得します。

『でももう三日も風呂に入ってないのは誰に抱かれるわけじゃなし、まあいい』。

あくまでも寧子の内心であって寧子がこんなことを考えているなんて誰にも分かりませんし、誰に迷惑をかけているわけでもありません。しかし、作品は全編にわたってそんな寧子の内面が吐露され続けるわけで、それは読者の心に直に飛び込んでくるとも言えます。これは、”キョーレツ!”です。そんな寧子は『鬱』状態にあります。つまり、読者は『鬱』状態の寧子の心の内を見ることができるとも言えます。さまざまに思いを深める寧子の表現を抜き出してみます。そこには『死』を希求する寧子の危うい姿が垣間見えもします。

・『みそ汁の具を買い忘れたことに気づいていい加減死のうと思ったが、床に置いてあった段ボールの中にマロニーが入っていたのを発見し、ぎりぎりで持ち直した』。

・『ねえ、あたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ?雨降っただけで死にたくなるって、生き物としてさ、たぶんすごく間違ってるよね?』

さらに次の表現では壊れていく寧子の内面が見えるようで思わず言葉を失います。『すでに溶けて凍結しつつあるスケートリンク状の道路を』一人歩く寧子…という場面です。

『ロマンチックな雪のイメージにはほど遠い、その野蛮で暴力的な音に合わせて、死ね、死ね、死ね、死ね、と一歩ずつ口の中で呟いてみる。なんで、自分が、こんなに、馬鹿みたいに、寝るのか、誰か、納得いく、説明を、しろ』。

独特な読点の打ち方によって、文章を読んでいても寧子の心の声が聞こえてくるようにリアルに文字を刻んでいきます。

『あれだけ、寝て、まだ、眠いって、あと、どれだけ、人生を、無駄に、することに、なるんだ』。

いかがでしょうか。私が読んできた作家さんの中では金原ひとみさんが描かれる世界に近いものを感じますが、自分ではどうにも抑えられないマイナス感情の渦巻きの中に読者を捉えて離さないこの作品世界。さまざまな思いが去来する作品でもあると思いました。

そして、この作品でもう一つ忘れてはならないのが、どこかで見たことがある、と言うより知らない人などいないであろう葛飾北斎さん「富嶽百景」の「神奈川沖浪裏」の有名な版画がピンク地で描かれているところです。よく見ると富士山の上空にハートのマークが二つ描かれているのがピンク地と合間ってなんだか可愛らしさを演出してもいます。どうしてこの版画がドーンと表紙になっているのか?それは、作品冒頭間もなくに寧子が見たテレビ番組の記憶として印象的に語られていくからです。寧子はその版画のイメージが現代科学で検証されていくのを耳にします。

『五千分の一秒のシャッタースピードで撮った写真が画の構図と寸分違わなくて奇跡!』

しかし、そんな説明を聞いても『ただの偶然って言葉で片付けてしまうにはあまりにも一致しすぎていて、とりあえずあたしはそこに説明できない何かがあったんだと思わずにはいられない』と考えいく寧子。そんな寧子は彼女らしい表現でこんな風にその感覚を描写します。

『きっと「ザッパーン!」の瞬間は北斎にとって脳細胞がしびれるくらい強烈で鮮烈な刺激だったのだ。ドーパミンがドバドバあふれてきちゃって、本当なら見えるはずのない光景がビガーッと脳裏に焼き付いたに違いない』。

この表現の独特さは『鬱』状態にある寧子の中に深く刻みつけられてもいます。そして、そんな場面を読む読者にも鮮烈に刻まれるものでもあります。そんな版画をピンク地で大胆に表紙に表現するこの作品。これはすごいです。

そして、そんなこの作品は上記した「富嶽百景」に付された二つのハートマークが象徴するように”恋愛物語”という側面でも見ることができます。三年前、コンパで『隣の席に偶然座ったのが眼鏡をかけてぼんやりしたこの男だった』という津奈木とある意味運命の出会いを果たした寧子は、当初『この男と付き合うことはねえな』と思い、二人の違いをこんな風に形容します。

『担任が正面から見た新幹線に似ていて勉学に励む気にならないという理由で高校を中退しかけるような、就職活動を尻が半分出そうな丈のスカートをはいて回って全滅しているような、どこにいっても浮いてしまう女』→ 寧子

『見るからに静かな場所を好むであろう草食動物』 → 津奈木

なんだか強烈至極な表現ですが、二人の違いがよくわかります。しかし、津奈木の部屋へと強引に上がり込み、『セックスを無理矢理迫った』先に『行くところがない』と寧子は居座り始めて三年が経過します。物語はそんな好対象な二人が同棲する日々を描いていきます。しかし、『恋愛っぽいことをしていたと思える時期は確かにあった』と寧子が過去を振り返る通り、そこに描かれていくのは、どうして津奈木が寧子のような”キョーレツ!”な女性との暮らしを捨てないのか、どこかお互いの存在を意識し合う関係性が継続していくのか、この不思議感が読者を物語に引きつけてやみません。そして、”キョーレツ!”な印象そのままに、物語はその勢いを一切失うことのない中に幕を下ろします。強烈な余韻を残すその結末に「生きてるだけで、愛」というインパクトある書名に込められた本谷さんの思いを強く感じました。

『地面を踏んでいるはずなのに足下には何もなくて、そもそもあたしの周りには触れるようなものが一切なくて、自分は何にもつながってないんじゃないかと甘っちょろい妄想で押しつぶされそうになるのだ』。

そんな不安感に苛まれ、『鬱』と共に生きる主人公・寧子の視点で描かれたこの作品。そこには、”恋愛物語”の一つの姿が見え隠れする中にさまざまに思いを深めていく寧子の姿が描かれていました。”キョーレツ!”な表現の頻出にインパクト最大級なこの作品。有名な「富嶽百景」のイメージが上書きされそうにもなるこの作品。

あまりにかっ飛んだ感覚世界の描写の中に、『鬱』という言葉がどこまでも重く響く、そんな作品でした。

0

Posted by ブクログ 2023年05月21日

躁鬱病のヒロインのままならない日常と葛藤を描く。
自分のことは自分が一番嫌いで知りたくもない、というメンヘラの根幹にある苦痛が鮮やかに描写されている。この作品が沁みてしまう自分もまたメンヘラなのだ。津奈木ぃ〜助けてくれ〜。

0

Posted by ブクログ 2023年03月22日

普通の人と同じようにできない辛さとか、辞めるためにバイト始めてるわけじゃないみたいなところに共感して読んでた。

自分とは別れられないから、津奈木に対して「いいなぁ、私と別れられて」みたいな発言が出てくるのは苦しかった。

自分の中では当たり前の感情が他人に受け入れてもらえなくて、それは変だよって決...続きを読むめつけられるのすごい嫌。

0

Posted by ブクログ 2023年01月14日

自分とは別れられないって言葉、すごくすごく痛かった。
自分で自分がおかしいとか自覚があるにもかかわらずどうしようも無い躁鬱の衝動に駆られるのってすごく可哀想になった。切なかった。

0

Posted by ブクログ 2021年12月23日

映画がよかったので。映画の寧子よりもだいぶ饒舌な感じだったので(まあ一人称の文章だからそれはそうなのだが)違う雰囲気だった。映画が非常にうまく肉付けされてる作品であることがわかった。
本谷有希子の本はおそらく初めてだった。他のも読んでみよう。

0

Posted by ブクログ 2021年11月20日


「あんたのDNAはあんたの代で絶やした方がいい」

寧子の母親が寧子に対して言った言葉で、


毒親とかそういうのは置いといて、


自分が自分に対してよく思ってたことで、
他人がごく自然に子供を授かって
それが3人とかだったりして

自分の遺伝子が受け継がれることに対して大きな
不安がない、それ...続きを読むくらい基本的な能力のある人が
羨ましいと思っていて


寧子がウォシュレットの件で誰にも共感されなくて暴れてしまったことでもそうだけど、

自分が不安なことを他人は何も思ってない、
その寂しさというか、ひとりぼっち感に
共感しました。


主人公の主観でずっとお話が進められていて、
尚且つ主人公のまとまりのない思考回路が
つらつらと書かれているところが好きです


津奈木へのモラハラ的行動もなんか
分かる気がする

0

Posted by ブクログ 2021年05月14日

とってもしんどい。先に映画を観てたのですが、原作は寧子のお話でした。
あたしと同じくらいあたしに疲れてほしい、とか、あたしはさ、あたしと別れられないんだよね一生。いいなあ津奈木。あたしと別れられて、いいなあ、みたいな寧子の言葉は心にダイレクトに突き刺さってきます。
わたしも穏やかに生きていたいけれど...続きを読む、時折、どうにもよくわからないキレ方をする時があって、その後自己嫌悪で地の果てまで落ち込むので寧子の叫びが他人事じゃないです。
津奈木が寧子といた理由が、意味がわからないきれいなものがまた見たいと思ったから、というの素敵だなって思いました。よく分からないけどいい。
「でもお前のこと、ちゃんと分かりたかったよ」という津奈木の言葉、ここで終わりのようにも思えたので、次にあった短編『あの明け方の』で一緒にいたので嬉しくなりました。

0

Posted by ブクログ 2022年02月26日

鬱、仮眠。躁鬱、双極性障害。季節性感情障害。
主人公、寧子と同じような症状に悩まされていた私は、出会うべくしてこの本に出会った、気がする。
作者も鬱を経験したことがあるんじゃないかと思うほど、感情表現がリアルで、「わかる」の連鎖だった。しかし、主人公と自分を重ねて読めば読むほど、スッキリするエンディ...続きを読むング、鬱は治る、社会復帰できる、恋人と上手くいく日々、なんてのを望んでしまう。そして思うままの結末でなくて絶望する、

私も五千分の一秒でいいから誰かとつながりたい。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年12月10日

2019.5.31


脱衣所にあふれていた衣類を無理に押し込んで洗濯機を回したあと、みそ汁の具を買い忘れたことに気づいていい加減死のうと思ったが、床に置いてあった段ボールの中にマロニーが入っていたのを発見し、ぎりぎりで持ち直した。

上野の森美術館にピカソ展を観に行って「ラーラリラーって感じだね」...続きを読むってコメントした時、「ラーラーリヒーって感じだと思う」と真顔で返されて、私は死ぬほど嬉しかったし、この男のことが大事だと心から思った。馬鹿みたいだったけどらあれが恋愛じゃなかったからあたしは恋愛を知らない。

「あんたが別れたかったら別れてもいいけど、あたしはさ、あたしとは別れられないんだよね一生。うちの母親は今でも多分雨降ったら寝てると思うし、あたしだってこんなふうに生まれちゃったんだから死ぬまでずっとこんな感じで、それはもうあきらめるしかないんだよね?あきらめなきゃ駄目なんだよね?いいなぁ津奈木。あたしと別れられて、いいなぁ。」

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年05月04日

読んでみたかった本谷さん。
鬱で過眠症のメンヘラ女。感情のまま動く突き抜けた感がシュールで面白い。ひどい内面が延々と描かれているのに、不思議と厭にならない。どの登場人物もいるのかもね~と思ってしまう。元カノが必死すぎて笑える。

破滅的なダメ女の全てに共感はしないけど、少しは共感する部分もあり。
...続きを読むの作品も読みます。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月21日

自分のメンタルが比較的安定しているからか、主人公の気持ちはよくわからないし、津奈木は振り回されて大変だなと思った。
あとなんでそんなにすぐ同棲するんだ……

0

Posted by ブクログ 2024年04月12日

主人公はほぼ私である。
20の頃から鬱→躁鬱になり、不眠と過眠をさまよった自分。あと2週間で誕生日を迎え、25になるタイミングでこの本を完読するのはタイミングが良すぎた。

主人公ほど激しい躁状態は感じたことないけど、自分が頭おかしいって思ったり、いつ良くなるのか分からないのも、バイトが続かない時期...続きを読むがあったのも全部分かる、でも1個だけ違うのは私にはこんな彼氏はいなかった。いても病気のことは隠していたし、ここまで感情をぶつけられる(ぶつけざるを得ないのかもしれないが)相手がいることは素直に羨ましい。

0

Posted by ブクログ 2024年03月26日

この本の主人公のような一面って、誰でも持ち合わせていると思う。その程度の差かなと。
(自分は津奈木さんタイプの人間です。)
余談だけど、本編じゃない「あの明け方の」の舞台は自分が今住んでる所に程近いところで情景が浮かんできて面白かった、、

0

Posted by ブクログ 2024年02月23日

いまはちょっと距離を置いて読むことができない、ああそうじゃないんだと思いながらもままならない身体が苦しい、それから奈津木があまりにもフィクショナルな存在だと思った。

0

Posted by ブクログ 2023年08月14日

鬱だー、とか簡単に言っちゃうのはとても怖い事だと。
雨の日はベットから起き上がれなかったり、人の話が人一倍気になってしまったり、
人の感情に敏感で、自分の感情に鈍感な主人公のお話だと思う。
「いいな私と別れられて」その言葉に全て詰まってる気がした
主人公が見えてる世界は何色なんだろうか、と読みながら...続きを読む考えた

0

Posted by ブクログ 2022年08月13日

メンヘラではないけれど、共感できるところも。
自分が向き合いたい相手って、
相手も、必死に向き合ってくれることを望むんだよな。

以下、好きな部分。

上野の森美術館にピカソ展を観に行って「ラーラリラーって感じだね」ってコメントした時、「ラーラリヒーって感じだと思う」と真顔で返されて、あたしは死ぬほ...続きを読むど嬉しかったし、この男のことが大事だと心から思った。馬鹿みたいだったけど、あれが恋愛じゃなかったらあたしは恋愛を知らない。

0

Posted by ブクログ 2022年01月12日

知人に勧められて読んだ。初めて唯川恵を読んだときのような?これは男はあんまり好きじゃないような気がする。女の子のともすれば理不尽な部分を女の子の目線で男っぽく書いてるというか、なんかはなにつくような?
んー、個人的には嫌いではないけど、何冊も読むほどではないな

0

Posted by ブクログ 2021年11月28日

今までに読んだことのない重く感じた話でした。

ものすごく主人公の感情に揺さぶられました。

映画観てみたいです。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月08日

躁鬱病の女の子の話。すごい勢いで頭の中を吐き出している。テンポがはやく、展開は少ないのだけと、吐き出される頭の中がおもしろく、わかるわかるって気持ちもあり、あっと言う間に読み終えた。
対照的な津奈木の静けさが怖く感じたけど、本当に懐の深い人だったんだ。
(映画を見た)内容をほとんど忘れていたけど、確...続きを読むか暗い話だったよなーっていう印象だけ。でも、自分の感想見直すとそうでもなかった。そして、映画、すごくよかった!見終わって、なんだか心が救われた。趣里ちゃんと菅田君の演技が本当によい。二人のインタビューで、ラストは話し合って、脚本と変えた、セリフを減らした、とのことだった。もう一度原作読みたい。

0

「小説」ランキング