【感想・ネタバレ】あの子の考えることは変のレビュー

あらすじ

Gカップの「おっぱい」を自分のアイデンティティとする23歳フリーター・巡谷。同居人は、「自分は臭い」と信じる23歳処女・日田。ゴミ処理場から出るダイオキシンと自分の臭いに異常な執着を見せ、外見にまったく気を遣わぬ日田のことを、巡谷はどうしても放っておけない。日田だけが巡谷の「気が触れそうになる瞬間」を分かってくれるのだ。二人一緒なら、どうしようもなく孤独な毎日もなんとかやっていける――。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

日田だけがずれてるのかと思ってたら、巡谷もずれまくってるのが分かってくるあたりからめちゃ引き込まれた
サイコーの小説

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2025年08月05日

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ネタバレ

暫定人生ベスト。自分にとってのダイオキシンとか日田みたいなものがそばにあるし、自分を構成する一部に巡谷がいると思うから、この物語をすごく近くに感じて泣いたり、どうしようもなさに救われたりした。このお話が刺さらないひとは、まじめに生きてきたのだろうと思うので、安心して胸を張ってください。

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2025年04月21日

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ネタバレ

とんでもないものを読んだ。本谷有希子さん初めて読んだ。すごすぎる。止まらなかった、文字通り止まらなかった。
まじでどうしたらこんな文章書けるんだろう。
これからも読み返したい。
読み終えた瞬間に、感想を残したいと思ったのに、今、読み切ったことで受け取ってる感情?が多すぎてそれで窒息しかけてるみたいな感じで、全然うまく言葉にならない。でもとにかく、人にも勧めたいのと、他の本谷有希子さんの作品も読みたい。

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2024年10月25日

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久々に小説を読んだけど一気に読んでしまったくらい引き込まれた。2人に共感したり切なくなったり嫌悪を抱いたりでも愛おしかったり、文章も雰囲気も全部が好き。こういう小説が好きなんだよなあ〜と嬉しくなってしばらく小説離れしてたけど同作者さんの他の作品も読みたくなった。

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2022年01月11日

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昔京王井ノ頭線の『三鷹台』という駅の側で私は生活をしていました。
この本はその三鷹台を離れ、高円寺に在住の頃購入しました。この作品のシンボルは、おっぱい、ゴミ焼却場、男性器、、、ちょっとびっくりするけど本谷有希子さんならではだと思います。

取り分け、私達に取り憑いている、ダイオキシンをだしている(と、主人公達が思っている)高井戸のゴミ処理場は通勤でいつも見ていたので、なんとなく彼女達がぼんやりと空想にふける様が想像できたのですいすい読めました。しかもなんら抵抗もなく。

内容はざっくりいえば、痛い(かもしれない)女子の思い込みとか、不安や妄想を表出しあったり、日々の様を斜に構えて見ていたとしたら、斜に構えたまんま書かれています。なんか、自分も随分と斜に構えた人間なので、正直この妄想解らないでもないって思いました。

あとは2人のやりとり、なんだかんだ結束していく様や最後に二人でダイオキシンを探しにいく下りは爽快感があってよかったです。すいすい読んでいける感が当時はありました。


といいますのも、私がこの本を読んだのは世間知らずだった二十代の頃で、いざ久しぶりに読んだら何が何やら分からなくなっていました。
感受性によって、味わいって変わるんですよね。取り分け文学の世界はそうなのかも、、と感じます。自意識過剰で、なんか色んなものが気になる20代なうちにこの本を読んでいたことは良かったなって感じました。

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2020年12月24日

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やっぱり本谷さんの描くパニックの緊迫感がすごい。

狂気のぶつかり合いが、なぜだか嫌悪感と爽快感を生み出す。

いまの東京で生きてくことの幸せってなんだろうと考え込んでしまう。

この作品は、青春エンターテインメントらしい。
これをエンターテインメントといってしまっていいの?…

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2014年08月02日

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きっとこの物語は日田と巡谷のピークのときだけを切り取った話で、これからも巡谷はグルーヴ先輩になって死にたいとか思うときがくるんだろうなとか思った。

それに、出てくるサブキャラ(この物語に正常な人は出てこないが)たちのその後が気になって、それを考えると思わず笑ってしまう。

横ちんは延長コードで縛られたままなのかな、ゲシュタポは今でも日田の「すいませぇ〜ん」の声を聞いていて、壁を延々と殴っているのかなとか。

でも、S区に住んでいる人たちは症状が発症してるからきっとそうなんだろうな。

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2014年06月14日

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めちゃくちゃお風呂入りたくなる(風呂キャン常習犯なのに)
金髪と黒髪の少女2人の殺し屋の映画のシュールさに似てるなと思ったけど名前が思い出せない...

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2025年07月18日

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アイデンティティはGカップの胸しかない巡谷と、自分の体臭を必要以上に気にする日田の奇妙な友情。世間の感覚から外れている二人は、罵倒しあいながらも互いには自分を曝け出して許し合ってたりもする。ズレにズレたふたりのラストの暴走っぷりが面白くて、好みが分かれそうだけど個人的にすごく好きだった。

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2023年04月15日

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2人ともどうしようもねえ〜
比較してどっちがヤバイとか言う問題じゃない。巡谷が自分は常識人で日野をお世話してあげてるみたいな意識もリアルで、こういう取り繕い方しちゃうよね恥ずかしいよねみたいな。共感性羞恥
でもなんか登場人物に役割を振り分けてない感じがよかった。
煙突がデカいちんこのメタファー

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2023年01月18日

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ニヤニヤしながら読んだ。人を100%理解するのは無理だから、もしかすると他人からみた自分っていうのは少なからず「あの子の考えてることは変」だよな、と思う。そう考えると変な2人がすぐ身近なアパートにいるような気がしておもしろくなる。○○のメタファー!って大声で叫びたくなる。

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2022年04月12日

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本谷ワールド炸裂
社会にうまく馴染めない二人のしょうもない掛け合いが面白い
こんだけいい合えるなら理想の友達関係だな

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2016年05月06日

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 自分のコンプレックスを気にしすぎる日田と、自分の唯一の武器にすがる巡谷。そんな二人の関係性は、単純に友情と呼ぶには少し違う、時にはすれ違ったり疎ましく思ったり戦ったりしながらも、どこかでお互いがお互いを支えていて、結局これが友情というものなのかもなぁと思う。作品自体はぶっ飛んでいるけれど、程度の差はあれどみんなどこか変わっている世の中で、一口に友情と呼びきれない複雑だけど大切な関係性を築いている現実を思えば、この作品はある種の普遍性を持っているなぁと感じた。面白かった!

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2015年12月08日

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な、な、何度笑ったことか。
タブスというポケモンのくだりとか。
豚のぬいぐるみで録音するところとか。
す、すみませ~ん、を録音して繰り返しにして外出するとか。
グルーヴ先輩のくだりとか。
細かい細かい意地悪なものの見方がこんなに面白くなるとは。

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2015年07月14日

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佳作。本谷の作品はいつも題名からして変人の香りがする。本谷の作品の中では優れている。おっぱいが誇りの女と性器が臭いと思っているダメダメ女ふたりがくり広げる世界はゆがんでいる。おっぱい女はセフレにふられる?が、その後からの展開がイッてしまっている。見事な結末はチンコ煙突で果てた後どうなるのであろうか。それとも果てないのか。

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2014年09月02日

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 奇妙な23歳女子二人の同居生活を描いた、何ともヘンな物語でした。二人の言動が、とっても痛々しく〝ぶっ飛んでる〟印象なのですが、重さ・深刻さを軽々と超越したテンポの良さで、読みやすかったです。

 劇作家・本谷有希子さんの本領発揮、といったところでしょうか。2009年作品で、後に芥川賞を別作品で受賞されますが、本作も同賞候補になってます。筆力あってこそなのでしょう。下ネタ満載ですが、真剣さ故に滑稽でもあります。

 自分の存在証明にこだわったり、自意識過剰でいろいろと劣等感をもってもがき苦しんだりしている状態は、ある意味(特に若者にとっては)普通だと思います。
 ただ、承認要求の内容や度合い、その鬱屈さや毒の吐き出し方によって、他人からは「変」と受け止められるのでしょうね。そういう意味で、本書の女子二人に共感できるか否かは、分かれる気がします。なにせ本書の女子は特異で‥。

 社会からの疎外感や孤独に向き合う辛さ、彼女たちのそれらの痛みと共闘する様子からは、不思議と疾走感と鮮やかささえ感じられる、絶妙のバランス加減でした。
 ひどく痛い話だったのですが、明るい未来を感じさせるラストに救われ、二人の将来を応援したくなりました。

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2023年11月28日

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Gカップのおっぱいをアイデンティティのよりどころとしている巡谷と、彼女の部屋に居候しており、自己臭恐怖症などの妄想に悩む日田という、二人の女性の物語です。

妄想全開の日田にくらべると、比較的常識人にも思える巡谷ですが、彼女もセフレの横ちんに執着するようすや、日田が「グルーヴ先輩」と呼んでいる躁状態に入るなど、両者ともに自分自身の生きづらさをかかえ込んでいます。二人の生きづらさの中心に存在しているのが、日田の妄想のなかでダイオキシンによってこの街に人びとを狂わせていく、清掃工場の巨大な煙突であり、いわば「不在の中心」となってストーリーが進んでいきます。

やがて日田の口から、清掃工場が移転する計画であることが告げられ、日田の妄想につきあっていた巡谷だけではなく、日田自身もまた、中心が「不在」であることに気づきいていたことが明らかになります。物語の最後で、二人は工場の煙突をのぼり、巡谷は「グルーヴ先輩」の力が消えかかっていることを自覚しながらも、日田のあとを追いかけ、煙突のてっぺんをめざします。このラストの展開は、たたみかけるようなスピード感があって一気に読ませるような力をもっています。もっとも物語の構造に目を向けるならば、コンプレックスがアイデンティティの中核になっており、そこから脱することのできない二人の女性の生きかたになんの変化ももたらされていないということになるのかもしれませんが、物語をぐいぐい推し進めていく著者の力とあいまって、彼女たちの生きかたの示す「強度」のようなものが感じられました。

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2023年03月26日

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ふたりともめっちゃ変。
狂おしいほどの性欲、すさまじい孤独、
我々の汚さをありのまま書いてくれる、
肯定も否定もされなくていい、
女性の中にある爆発的な感情をいろんなオマージュを使いながら言語化してくれる本谷有希子ワールド、そしてここにしかない。
ヒステリックもグルーブ先輩ていえばなんかかっこいいやん。

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2022年08月18日

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題名に惹かれて一気に読んだ。

わたしは自分の胸を巡谷のようにステータスのように思ってはいないし日田のように自分を臭いとも思わない、2人のように生活をしてはいない。でも、街に広がるダイオキシンやクソみたいな彼に会いに行く夜の描写で何故か親しみやすさを覚えた。なんでだろ…

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2022年02月06日

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2009年芥川賞候補作。
Gカップの「おっぱい」にアイデンティティを見出す女、「自分が臭い」と信じ込む女のバカバカしくも切実な一編。一方的に「あの子は変」という形で進むがもちろん主人公だって相当やばかったりする。マトモって何だろう、変な奴って何だろうと考えてしまう。本谷有希子らしい。

普段は”イケてない”男どもの本ばっか読んでいたので新鮮。ラストの”射精”のメタファーは予想通りの展開だけれど秀逸で、高井戸にある清掃工場を思い出した。

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2021年07月15日

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ネタバレ

日田がおかしいと思いきや、巡谷も無茶苦茶。
お互い軽蔑しあったりしてるけど結局1番の理解者で1番安心しあえる仲だなぁと。
横ちんはぶくぶく太らされてモンスター化され、いびきや唸り声のところは笑えた。
後半から二人の孤独というか闇がすごくて少ししんどいけど最後はやっぱり考え方がぶっ飛んでいて笑えた

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2021年07月08日

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日田と巡谷
私とは違う世界で世界観を持って生きている。
最後のシーンで.煙突をチンコのメタファーだと思って、この経験のおかげでこの先の孤独も乗り越えていけるというのは印象的だった。

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2019年10月12日

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会話のテンポが良かったです。
巡谷も日田もイタい人なので、読んでてイタくなってきますが、自分も20代前半はイタかったなと思い出させられました。もしかしたら今も、後から振り返るとイタいのかもしれませんが。
そういう気持ちにさせられて最後まで一気に読ませてもらえたので、本当は高評価かもしれませんが、なんだかイタい自分を思い出して鬱々してしまったので、申し訳ないけど★3つ。

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2019年09月19日

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 二人の変な女性(20代)が同居している。語り手たる「巡谷」は第一印象がチェルノブイリという強烈な女の子「日田」に同居を持ち込まれ、一緒に住むことになる。読者たる私は巡谷の抱く日田へのイメージから「あぁ、日田はやばいね」と思うのだが、だんだんと「えっ、お前も大概だぞ」と巡谷にも思うようになってゆく。そんな話。私も大概かもしれないが。

 巡谷が日田を飼ってあげてるんだけど、そのくせ巡谷が日田を必要としているようにも見える。狂気に振り回され地に足を付けたくても付けられない感じ。そんな自分が世間からつまはじきにされている感じ。そんなもやもやを全て吹き飛ばしてやろうとする終盤の畳みかける爽快感。
 キャラが結構ぶっ飛んでるので読んでて振り回されちゃう感はあるのだけど、それもこの小説の良いところなのかも。

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2019年07月05日

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本谷有希子の書く人たちはいつもいい感じに狂ってる、と思う。特に日田みたいな、ちょっと根暗っぽくて弱弱しそうに見える女の子の尋常ならざるしたたかさ(?)と言ったら!話のテンポは劇作家らしい感じでセリフ中心に進むので、自分自身の調子によってはたまに本当に受け付けない(読みづらい)のだけど、時々この、独特のテンポが欲しくなって本谷有希子作品を読みたくなる時があるー。

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2016年04月05日

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Gカップのおっぱいがアイデンティティの巡谷と、自分の体臭がコンプレックスの日田。アパートの同居人である23歳の二人の暴走迷走青春ストーリー。
えげつないほどのリアルな会話と日常生活が、男が抱く『女性』のイメージをぶち壊していく。なんせ「私の性欲がすごい勢いで強くなっているんだ、ダイオキシンのせいで。毎晩見知らぬ男を犯す夢ばっかり見るんだよ、処女なのに」ですから。でも、人間はみんな『変』。常識とかまともって、ただ単に理性を維持しているのにすぎないのだ。

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2016年02月27日

Posted by ブクログ

うーむ、いや、私も普通であれ、とは思わないけど、さすがに、「す、すぃませ~ん」事件とかちょっと引く。コミュニケーションができるかできないかで、引かれるか引かれないかの「変」度合いが変わるのかもしれない。巡谷は、パニック症じゃなかろうか。今回も楽しませてもらいました。

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2015年12月06日

Posted by ブクログ

本谷有希子、初めて読んだけれどもとってもチャーミングだ。そして支離滅裂さが癖になる。自分の存在価値が胸しかないと思い込むっていうのは、私はないけれどもなんかそういう人はいるんだろうなって思うし、処女で臭いコンプレックスみたいなのはなんかもう心を抉ってくるし、それを豪快かつ盛大に描くこの筆致。可愛らしいんだけど、多分現実にいたら全然可愛らしくないであろうふたり。でも憎めなくてそれがすごく面白い。

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2014年03月03日

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グルーヴしちゃう(キレちゃう)巡谷や、思い込んでしまう日田と二人の主人公に女がもっている負の側面が託されている印象を受けた。

二人芝居をみているよう。

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2014年01月12日

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フられた男におっぱいで成敗する場面は男として嫌だなあと思いながらとても可笑しかった。男性的なものに立ち向かう女性2人、その先に決着などはなく、ただ立ち向かっていくだけ、その姿が面白かった。最後まで読み続けさせるグルーヴ感は見事。

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2014年01月03日

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