本谷有希子のレビュー一覧
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ネタバレ決して読みやすい小説ではないなという印象。
主人公の心中以外は結構抽象的に書かれるものが多くて、それこそ語り手と同じように自意識に苛まれてる人でないと分かりにくいんじゃないかなと思った。
コテンパンに(されてはいるんだけど直接的に)されるでもなく、鬼になって復讐を遂げるでもなく、それを忘れながら死を意識していた23歳を超えていく結末。たしかにぬるいなと思ったし、それが人生だよねーと思う。大なり小なり人に嫌な思いをさせられて、嫌な思いをさせて、それが意図的なこともあるし無意識なこともある。
個人的にはもっと壮大なやり返しをして向伊にぎゃふんと言ってもらいたかったけれど、こういう曖昧さも悪くないな -
Posted by ブクログ
躁鬱気質で過眠症の25歳の寧子。うまく生きていけないことへの悔しさや、自分に対して嫌気がさしててうんざりしてる気持ちとかがすごく伝わってきた。寝て起きてご飯食べて、社会に出て人間関係構築して恋愛して…って普通なことに思えて一番難しいよねと思った。自分はこんなにも感情を剥き出しにしてぶつかってるのに、相手は無気力で楽されてるって思うと余計苛々するところにすごく共感した。「担任が正面から見た新幹線に似ていて勉学に励む気にならないという理由で高校を中退しかけるような、就職活動を尻が半分出そうな丈のスカートをはいて回って全滅しているような、どこにいっても浮いてしまう女であるあたし」がちょっと面白かった
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Posted by ブクログ
子供もおらず、ただぬくぬくと専業主婦生活を少しの罪悪感と共に過ごす主人公。だがある日、徐々に自分の顔が旦那の顔に似てきていることに気がつく。
唐突にこの世界が途中で消されてしまうクイズ番組だと理解した主人公。
隠遁生活の中で不思議な犬たちと出会う主人公。
町の人たちがいう「犬に気をつけろ」という不思議な言葉。
周りの反対を押し切り、藁の旦那と結婚した主人公。
どのお話も寓話的で、久しぶりに言葉をそのまま飲み込むのではなく、噛み砕かないといけない話を読んだ。
家庭の中の問題の多くは、本人たちが良ければそれでいいもので、周りから見れば些末な問題だったりする。
けれど、そこが幸せじゃないと根 -
Posted by ブクログ
タイトルで勘違いしてしまいそうですが自己啓発本ではありません。純文学です。
「お互い心から一緒にいたいと思う」相手を求めつづけるリンデ。
3才~63才までのある一日を描いた6編の物語。
リンデの思う「お互い心から一緒にいたいと思う相手」って難しいなと思った。
自分が一緒にいたいだけでなく、相手も自分と一緒にいたいと思うってことでしょ。
だいたいの人はマイナスの面があってもプラスの面で穴埋めして自分の許容範囲内で妥協して向き合っていくんじゃない?
相手との関係の深さによって、許容範囲も変わってくるし。
友達と結婚相手ではまた違ってくると思う。
リンデのように妥協しないで完璧な相手っているの