本谷有希子のレビュー一覧

  • 変愛小説集 日本作家編

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    普段、ほとんど読むことのない現代の日本人作家のアンソロジー。
    興味深く読んだ。
    もとは、深堀骨 の作品を読んでみたかったから手に取ったが、どれもなかなか良かった。ありそうでない話というファンタジーというか、不気味な話が多い。恋愛要素はどれも少なく見えるが、一応恋愛ものという括りらしい。

    一作だけ、多和田葉子の漢字の話はすでに読んでいた。

    特に印象的だったのは、
    本谷由希子、迫力とリアリティと奇想天外で面白かった。
    村田沙耶香、細かく書き連ねて積み上げるのがうまい。
    吉田知子、多分この中で一番好きなタイプの作家。
    小池昌代、切れ味がよい。
    星野智幸、描写がうまい。

    というかんじ。
    編者は岸

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    2023年03月22日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    SNS三部作!と背表紙に、わざわざ書くのがあんまりわからなかった。

    でも、本谷さんの作品の何とも言えない不思議な雰囲気は好き。

    「本当の旅」のあの若者感が凄く妙で、本当にいそう。その内面も上手く表されていて、すげえなって単純に思った。

    「奥さん、犬は大丈夫だよね?」は、何だろ、これもまたこんな感じの関係ありそうで。
    最後がこんな展開になるとは予想としてなくて…。

    「でぶのハッピーバースデー」の“印”って考えは、ちょっと分かるな。うん。
    何だろ、そこから逃れたいけど逃れられない。
    何でも無いはずで、自分だけがそう思ってるだけで。
    あと、それを言い訳にしてしまっている自分もいて。

    ねぇ。

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    2023年02月23日
  • ぬるい毒(新潮文庫)

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    むかついたーーーって。
    嘘をついたり演技をしたり、劇団を持つ本谷さんならではの言葉がすごく生々しく感じられた。
    熊田の狂気を帯びた世界観はどこか憎めない、共感すら覚えるもので、とてもよかった。

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    2023年01月16日
  • 異類婚姻譚

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    夫婦は似る、とはよく聞く。同じものを食べ、同じ家で生活していれば、血のつながった者同士のように、似ていくのだろう、きっとそれが、家族になる、ということなのかもしれない。しかしそれは、少し怖いことかも。

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    2022年11月06日
  • 異類婚姻譚

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    ネタバレ

    うーーん、というのが素直な感想です笑はっきりと断言することの出来ない薄気味悪さが夫婦の日常の中にあります。
    最初は顔が似てくることでマンネリ化してる生活を暗喩しているのかと思いましたが、そうでは無いようですし…。難しい!
    ただどの話にも猫や犬が出てきたのでそれらの動物が物語の重要な鍵なのかとも思いましたが、私にはわかりませんでした

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    2022年10月26日
  • ぬるい毒(新潮文庫)

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    難しい内容だった。
    正直理解が難しかった。熊田の考え方に共感する部分はなかったし、なんだかひねくれてる世界だなと思った。

    出来事に目を向ける話ではなくて、熊田の思考に目を向ける感じだった。

    あまり面白くなかった。理解できないかもしれない。
    でもまたいつか読んでみたいかもしれないし。

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    2022年10月07日
  • 異類婚姻譚

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    ネタバレ

    一番初めの夫婦が顔が似てくる、と言う話が興味深かった。溶けて混ざり合って、一緒になることを拒否することもできるし同化を望むこともできると言うのは単なる比喩表現ではないと感じた。でも、猫を山に〜のところは理解できなかった。

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    2022年09月29日
  • 異類婚姻譚

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    本谷有希子4冊目くらい
    古本で購入
    短編集「異類婚姻譚」「トモ子のバームクーヘン」「犬たち」「藁の夫」
    文体がとても読みやすい、以前読んだ短編集の猫殺しと殺人ハウスが怖すぎてもう読まない!と思ったけどやはりちょっと気になってしまう棘が、この本はそこまで恐怖でないまでも存在している〜
    解説の通り家庭に閉じ込められそうな女性は「主婦」一括りではなくその中の恐怖安寧驚きの機微を映し出しているところが愛おしいなと思った。まだ描かれていない感情を全部描く。

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    2022年09月09日
  • あの子の考えることは変

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    ふたりともめっちゃ変。
    狂おしいほどの性欲、すさまじい孤独、
    我々の汚さをありのまま書いてくれる、
    肯定も否定もされなくていい、
    女性の中にある爆発的な感情をいろんなオマージュを使いながら言語化してくれる本谷有希子ワールド、そしてここにしかない。
    ヒステリックもグルーブ先輩ていえばなんかかっこいいやん。

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    2022年08月18日
  • 異類婚姻譚

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    文藝春秋で読む。旦那と混ざり合う、私サンちゃん。夫婦が似てくるとはよく言うが、蛇ボールのように、食わせ合う図はゾッとする。夫婦とは、そこまで密な関係になることなのだろうか。自分がなくなり、相手を取り込むこと。
    なんとか人のカタチを維持しようとする旦那。あなたは一体、、、摩訶不思議な話ではあるが、おとぎ話じゃなくて、もっと現実味を帯びた、、、ここまではいかずとも、似た現象は起きているのではないかと思ったりする。結婚してないけど。笑

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    2022年07月26日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    3編からなる短編集。
    一発目の「本当の旅」
    これはもうホラーとしか言いようがない。
    見ていられなくなるような痛々しさ。
    私は1番この作品が好きだったな。

    解説も作品をなぞらえて、
    ウィットに富んでいて面白かった。

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    2022年07月25日
  • ぬるい毒(新潮文庫)

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    腑抜けども•••は映画を見たことがあるけど、読書ははじめまして、な本谷有希子。

    いやはや、難解。登場人物みんな自意識過剰でなんだか気持ちが悪い。気持ちが悪いまんま終わる。ええええ・・・。自意識と外部との境界が曖昧で終始クラクラする。
    こんな時期自分もあったかな・・・あったっけ・・・?

    堅苦しい家に生まれ、地元の短大から地元に就職した熊田さんと、東京の大学に進学し、帰省するたびにちょっかいをだしてくる向伊。危険な魅力の向伊くん、ほんといけすかない。若い時に、こういういけすかない男にあえてひっかかるのもまあ、いい思い出だよね?と意味がわからなすぎて逃避。他の作品はもう少し読みやすいようなので、

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    2022年07月16日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    SNSを軸にした短編集、という前情報があったけど、主軸はそこではないかも。本谷作品らしい気味の悪い(褒めてる)世界観のなかで「人との関わりの中でどうやって自己を認識するか」が描かれている。

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    2022年05月04日
  • 異類婚姻譚

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    異類婚姻譚は、結婚のリアル?を描いているのかなと思った。
    他の三篇は私には難しくあまり理解できなかった。藁人間とは、本当に藁人間が存在する世界線なのか、それとも人間の夫が藁人間のように見えてしまう妻の目線なのか謎が多い、、、

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    2022年04月09日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    SNSに振り回される観光。
    ノルマを消化するように観光地を回り、あとで写真を見たときに楽しそうであればいい。
    虚しくて、でもリアルで。あるあるで。反面教師に。

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    2022年03月30日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    結末は全て曖昧で想像させる
    1話目が一番ゾクッとした
    SNSのために旅行をしたり、とにかくSNSでしあわせに、たのしそうにみえるために行動をする
    この作品ほどに狂気じみたまで依存しているのは珍しいかもしれないけど、今の若者たちととても重なる部分があった

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    2022年03月11日
  • あの子の考えることは変

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    題名に惹かれて一気に読んだ。

    わたしは自分の胸を巡谷のようにステータスのように思ってはいないし日田のように自分を臭いとも思わない、2人のように生活をしてはいない。でも、街に広がるダイオキシンやクソみたいな彼に会いに行く夜の描写で何故か親しみやすさを覚えた。なんでだろ…

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    2022年02月06日
  • 嵐のピクニック

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    私が毎週観ている番組のレギュラー出演者でもある本谷さんの小説を前々から読んでみたいと思っていた。テレビでお話しされている本谷さんしか知らなかったため、最初は「本谷さんってこういったお話を書かれるのか!」と現実と小説の世界を行き来させながら読んでいたのだが、あっという間に彼女のつくる独特且つ奇妙な世界に引きずり込まれることとなった。
    13篇どれを取ってもかなり変わったストーリーだったと言える、しかし一度入り込むと病みつきになりページをめくる手が止まらなくなってしまう。
    なんだか催眠術にかかっている気分だった。

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    2022年01月31日
  • 異類婚姻譚

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    専業主婦の私は自分の顔が夫とそっくりになっていることに気付く。
    第154回芥川賞受賞した表題作ほか、短編4篇。

    怪異とまではいかないけど奇妙な感覚の残る話。
    そっくりの夫婦、飼い主と犬はいるよね。なぜか。
    あの不快感を抱かせる夫が綺麗なものになるのは、ちょっと納得いかないけど

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    2021年11月28日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    川上弘美さんの、愛した人の骨の話が、秀逸だった。自分には、強烈な作品もあったが、面白い企画だと思う。

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    2021年11月18日