本谷有希子のレビュー一覧

  • 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

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    面白いと言えば面白んだけれど、どうも読んでいて後味が悪いというか薄気味悪いストーリー。ある意味ホラー?きっと、こういう世界を生きている人も実在してもおかしくないよな、とは思えるリアリティがあったけれど、それがまた気持ち悪さを誘う。個人的にはあまり好きではなかったかな。というか、こーいう人種とは関わりたくないなぁ、、、、と思ってしまう所が本音かな。とは言え、続きが気になりすぐに読破。

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    2021年10月22日
  • 【無料版】『あなたにオススメの』抜粋 書下ろしエッセイ付き

    購入済み

    深層心理が暴かれる

    この本に収録されている「推子のデフォルト」ですが、露骨にママ友としてのダークな面の深層心理が描かれている感じがあり、人間関係の免疫のない人にとっては少し苦手な内容に感じました。でも一方で、これが社会だと割りきって乗りこえるしかないことも必要だとも感じました。

    #怖い #切ない

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    2021年11月06日
  • 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

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    「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」

    1.著者 木谷有希子氏
    知るひとぞ知る劇作家。
    作品は2000年に舞台化されていて、小説が2005年。

    2.作風
    タイトルは激しく挑発的。
    内容は、読者に対して挑発的ではない。
    色彩に例えると黒または灰色のトーンである。
    そう、明るい兆しが一切ない。

    3.テーマ
    人間の内面にある保身、プライド。
    それに気づかず大人になった人間の顛末を描いている。

    4.読み終えて
    人間はどんなときに「絶望」をするのかと考えた。
    同じく、分をわきまえる、足るを知るについても考えてみた。

    わきまえる、足るを知るには、自己と向き合う/認識する時間づくりが必要となる。
    それ

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    2021年09月25日
  • 自分を好きになる方法

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    ネタバレ

    リンデという女性の16歳、28歳、34歳、47歳、3歳、63歳の日常の一場面を切り取ったような短編集。生きるのが不器用そうなリンデ。いつ「お互い心から一緒にいたいと思える相手」に出会えるのかと思い、どんどん読んだが、どの年齢のリンデもあまり幸せそうではなくてモヤモヤした。そもそも心から一緒にいたい相手と暮らしている人はそういないのではないだろうか。それを求め続けるリンデの純粋さに感心し、愛しさも感じたけれど…。めんどくさいなと思いながらも友達になれそう。
    リンデに、淡々と自分のペースでそれなりに満足して生きていくたくましさがありそうで良かった。

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    2021年08月29日
  • あの子の考えることは変

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    2009年芥川賞候補作。
    Gカップの「おっぱい」にアイデンティティを見出す女、「自分が臭い」と信じ込む女のバカバカしくも切実な一編。一方的に「あの子は変」という形で進むがもちろん主人公だって相当やばかったりする。マトモって何だろう、変な奴って何だろうと考えてしまう。本谷有希子らしい。

    普段は”イケてない”男どもの本ばっか読んでいたので新鮮。ラストの”射精”のメタファーは予想通りの展開だけれど秀逸で、高井戸にある清掃工場を思い出した。

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    2021年07月15日
  • 嵐のピクニック

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    現役作家の中から実力派を探したい、という狙いを「大江健三郎賞」受賞者ということをフラグに託してみて、正解だった。無作為に選ぶ、ということは怖い。ナビゲーターとしての大江健三郎は、いまでも好相性だということを再確認。
    .
    大江自身も評価している「アウトサイド」「悲しみのウェイトトレイニー」が好篇。
    「いかにして私がピクニックシートを見るたび、くすりとしてしまうようになったか」という10ページほどの短編も良かった.
    .
    大江が解説で「筒井康隆」に言及しているが、雰囲気として近い。
    「くすり」とさせられるのだが不気味で気がかり。
    発想の突飛さという点では、他に秀逸な作家は見つかるだろうが、料理の仕方

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    2021年07月11日
  • あの子の考えることは変

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    ネタバレ

    日田がおかしいと思いきや、巡谷も無茶苦茶。
    お互い軽蔑しあったりしてるけど結局1番の理解者で1番安心しあえる仲だなぁと。
    横ちんはぶくぶく太らされてモンスター化され、いびきや唸り声のところは笑えた。
    後半から二人の孤独というか闇がすごくて少ししんどいけど最後はやっぱり考え方がぶっ飛んでいて笑えた

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    2021年07月08日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    ネタバレ

    読んでいて、見たくないものを見せられている感じが……。

    こうなりたくはないけど、なる可能性はある(ーー;)

    疲れている時や体調が悪い時に読んでは駄目ですね。

    下手なホラー小説より気持ち悪くて、怖かった。

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    2021年07月03日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    ネタバレ

    「本当の旅」
    「奥さん、犬は大丈夫だよね?」
    「でぶのハッピーバースデー」
    の中編3作の総題が「静かに、ねぇ、静かに」。頭文字をアルファベットにすると「SNS」。
    非エキセントリックなもっちん、おまえは子供を作るなと親に言われたもっちん、オロカわいい作風を調整して芥川賞を狙いに行ったもっちん、の、良さも物足りなさも新しい良さも感じられる。
    「奥さん、犬は大丈夫だよね?」の視点人物の「見方」が好きだ。

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    2021年04月13日
  • ぬるい毒(新潮文庫)

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    タイトル通り「ぬるい」毒にじわじわと人生を蝕まれていく主人公に同情しつつ共感する。後味は決して良くないけど、本谷作品という感じ。

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    2021年04月10日
  • ぬるい毒(新潮文庫)

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    読み終えた時、吐き気がした。
    本のタイトルのように毒を飲まされた感覚。
    明日になれば、そういやアイツの生きる世界ってぬるいよなとか思えるかもしれないけど、今は胸の辺りが黒くなってて、何も考えられない。

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    2021年01月15日
  • 自分を好きになる方法

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    「お互い心から一緒にいたいと思える相手」を求めることには興味はないが、「自分を好きになる方法」があるのなら是非知りたい。

    本谷有希子さんの作品は、数年前に何作か読み耽った時期があり、エキセントリックな一面があると思ったのと同時に、人間の良い面も悪い面もすごくリアルに描写される方だなと思っていました。そして本作は、後者に当たると思いました。

    読んでて、34歳の結婚記念日までは笑えたのだが、それ以降は(3歳を除き)、笑えなくなっている自分に苦笑するしかなかった。ドキュメントを観ている感覚ですよね。この、こういう女性いるよねという、リアル感は本当にすごい。

    主人公の「リンデ」の一見、お洒落な名

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    2021年01月06日
  • 嵐のピクニック

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    タイトルに惹かれて購入した短編集。
    長さもテイストもバラバラな作品が13篇収録されており、いい意味での雑多さが作風に合っていると感じた。目次のレイアウトも自由。
    何度も読み返して考えたくなる話もあれば、理解不能な話、一度大笑いして2度と読まないだろうなと思う話も含まれていて、これぞ短編集。
    「アウトサイド」、「ダウンズ&アップス」はメッセージ性が高く、登場人物の感情の機微が読みやすかった。どちらもあまり明るい結末ではなかったものの、致命的な傷を残すということもなく、喪失感と引き換えにしてしか得られない視界の広がりを感じられた。
    「私は名前で呼んでいる」、「Q&A」は大好き!疾走

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    2021年01月04日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    3編の短編。
    「本当の旅」
    ここに登場する誰もに、私はイライラさせられっぱなしだ。
    「本当の〇〇って、こういうことだよね」
    はい?なんだ本当の〇〇って。
    嘘もほんともヘチマもあるかい!
    みりん風調味料、とか、畑のお肉、なら本当のみりんはこう、肉はこうとわかる。
    しかし此奴らは、いい年こいて(40代らしい)結婚とか家のローンは搾取だ、とか、個性を理解できない周りの人間と俺は違う、的な事ばかり言って、周りに合わせようとしない。
    それは単なる自意識過剰で自己中心的なだけじゃ!
    は ら た つ うぅぅぅぅぅぅ!
    結末は、不穏な様子で終わるが、清く正しく生きたいと思う私は決して此奴らの未来を呪うまい。

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    2020年12月31日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    1話目の衝撃が凄過ぎて2、3話目が物足りなく感じましたがどれも共通して独特の気持ち悪さがあって面白かったです。サクサク読めました。

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    2020年12月24日
  • 静かに、ねぇ、静かに

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    冒頭の「本当の旅」以外はSNS…?な感じで、あおりの"SNS三部作"っていうのはちょっと適当すぎないか。
    「本当の旅」の、画面を通して客観視することでしか現実に向き合えないうそ寒い感じは中々読ませると思うんだけど、主要登場人物がアラフォーだから、痛々しさが勝ってしまってイマイチ引き込まれない。
    主人公が赤いTシャツに短パンにサンダルに麦わら帽子で現れて、ONE PI●CEにこんなんいたなって思いました。映えないだろ。 

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    2021年01月31日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    恋愛でも偏愛でもなく、変愛。変な愛の短編集。変だけど当人たちにとっては大真面目。
    幻想小説を読んでいるときみたいな、いつの間にか背後にこことは違う世界の気配がぶわっと広がって迷い込んでいくような没頭感を覚える作品が多め。
    一部文章が合わなくて読みづらい作品もあったけれど、そこを乗り越えたらすいすい読めた。
    形見…川上弘美さん
    梯子の上から世界は何度だって生まれ変わる…吉田篤弘さん
    クエルボ…星野智幸さん
    あたりが好み。

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    2020年04月06日
  • 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

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    ストーリー的には面白かった。だが恐れ多いが、情景描写に美しさを感じ取れなかった。本谷有希子さんは劇作家でもあるので、台詞は煌めいていたし、その部分に関しては惹き寄せられるものがあった。個人的に私は散文詩のようなものを好んでいるし、今回の作品のような硬い文章であるのなら、もっと奥ゆかしい部分が欲しかったと思う。

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    2020年03月21日
  • あの子の考えることは変

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    日田と巡谷
    私とは違う世界で世界観を持って生きている。
    最後のシーンで.煙突をチンコのメタファーだと思って、この経験のおかげでこの先の孤独も乗り越えていけるというのは印象的だった。

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    2019年10月12日
  • あの子の考えることは変

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    会話のテンポが良かったです。
    巡谷も日田もイタい人なので、読んでてイタくなってきますが、自分も20代前半はイタかったなと思い出させられました。もしかしたら今も、後から振り返るとイタいのかもしれませんが。
    そういう気持ちにさせられて最後まで一気に読ませてもらえたので、本当は高評価かもしれませんが、なんだかイタい自分を思い出して鬱々してしまったので、申し訳ないけど★3つ。

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    2019年09月19日