本谷有希子のレビュー一覧

  • ぬるい毒(新潮文庫)

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    熊田という女性は入り組んだパズルのような不可解な自意識を持っている。そしてそれが真摯に描かれていると思った。向伊が彼女にとって強烈な光源となって彼女自身の濃密な影を浮かび上がらせている。

    彼女の自意識は生まれなどの現実に歪められ、嘘によって繋ぎ止められている。彼女自身を損なうこと、周囲を傷つけること、それのどこまでが嘘によって取り繕われたものなのだろうか?

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    2024年11月20日
  • 異類婚姻譚

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    「夫婦というのは不思議なものである」
    言わずもがな、なんて身も蓋もないかな。
    当然といえば当然なのだから。きっと家族になる過程で何かがあるのだろう。もしかしたら目に見えないだけで、夫婦ってこういうこともあるのかなあ、なんて、それもまた然り、なのかもしれない。異変や変化に気付くこと、気付けそうで気付かないこと、気付いているのに気付かないふりをすること…いろいろあるけれど、見てみぬふりのほうが、結局のところ、わかりやすくて良いのかもしれない。
    きっと物語は、夫さんにもあるのだろうし、むしろ無いわけがないだろう。きっと彼も、あれやこれや折り合いを付けて、折り合いを付けて…付けて、付けて、付けて付けて

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    2024年11月10日
  • 自分を好きになる方法

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    リンデが求めるのは、心から一緒にいたいと願う人だが、タイトルが「自分を好きになる方法」と自分の内側に向いているのが良い。
    自分を好きになることは、一生をかけて見つけていかなければならないものなのだなと感じた。

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    2024年11月07日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    ヤンキーのオーナーたちとの隔たりが切ないんだけどなんかギャグっぽくも思えてあまり深刻になりすぎずそれがよかった。寧子が自分と津奈木との関係を葛飾北斎の絵の奇跡的1秒に喩えたくだりが良かった。多分、ピカソ展のあとのラーラリラーとラーラリヒーのくだりがこの二人にとって富嶽三十六景的瞬間だったんじゃないかと思う。人間なんて基本的にわかり合えないものだし、その一瞬があっただけでも元は取ったのではないかな。
    あの明け方のの時間軸は素直に生き愛の後日談と捉えてよいか?別れたものだと思ってたけど津奈木と寧子があんな感じで続いてるのが嬉しかったし愛しいな〜と思った。

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    2024年10月24日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    主人公の感じている生きづらさみたいなものに少し共感できた。
    人はみんな多かれ少なかれ生きづらさを抱えており、その生きづらさは死ぬまで捨てられないんだなと感じた。
    この主人公はその生きづらさが肥大化しすぎてしまい、一人では抱え込めなくなってしまったのだろう。

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    2024年10月22日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    純文学作家の発想
     ひとつづつ評していく。

     川上弘美。未来SF。
     発想が陳腐だと思ふ。書きたいことを意識的に書いてはゐるが、予定調和的で凡庸から突き抜けない。
     人間由来の人間を工場で作らず、多様な動物由来の人間どうしが結婚し合ふ未来観(近親交配によるホモ接合型を減らすためだらう)。そこでの恋愛。
     厳密にいへば、人間と他種ではゲノムの相補性が少ないからありえない。遺伝子組換かもしれない。まあそこは目をつむることにしても妙だ。
     未来でも入籍といふ制度は残ってゐる。人間に本能の性欲が残ってゐるんだらうけど。結婚しない人や、核家族がどうなったかも書いてない。
     妙にSFが現実路線のわりには

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    2024年10月10日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    -あたしはさ、あたしと別れられない。
    鬱病、過眠症、メンヘラな寧子と、寡黙にごめんを繰り返す津奈木。寧子の逸脱した行動は共感できないが、本人も頭おかしいと感じていて苦しんでいることは理解してあげたい。
    嫌がらせに苛立つ前に、嫌がらせの中身を客観視して分析しながらも、ちゃんとキレところがなんだか面白かった。真っ直ぐに生きられない人がいる、そして本人も苦しんでいること。自分の知らなかった世界があると知れた。

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    2024年09月26日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    鬱からくる過眠症で悩む寧子の毎日は、まるで"生きてるだけで、苦しい"状態。自己コントロールが出来なくて、恋人の津奈木に当たってしまう。自我をさらけだし、他者へ理解を求める主人公に少し引きながらも羨ましいと思った。

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    2024年08月12日
  • 嵐のピクニック

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    作者を先に知って、そこからこの本に辿り着いた。作風を知らなかったから読み心地が浮ついていたけど、最後まで読んでようやくこういうジャンルか、と理解した。あとがき?として寄せられていた文章を読んで作品の異質さを知る。

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    2024年07月25日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    共感はできないが、理解はしたい。私は寧子に腹が立ってしまったが、寧子のような感情や精神状態が、私に1ミリもないとは言えない。「生きづらい」だって感じるし、どうして皆んなは普通にできることが自分にはできないんだろう?と思う事柄だってある。人に自分を見透かされている気がする感覚だってわかるし、人の善意に逃げ出したくなる気持ちもわかる。なにより、たった1人でいいから、自分の全部を心から肯定して欲しい、この欲だけには激しく共感。って、書きながら思ってたより共感してたことに気づいた。

    「あたし、楽されると苛つくんだよ。あたしがこんだけあんたに感情ぶつけてるのに楽されるとね、元取れてないなぁって思っちゃ

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    2024年05月19日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    ネタバレ

    自分のメンタルが比較的安定しているからか、主人公の気持ちはよくわからないし、津奈木は振り回されて大変だなと思った。
    あとなんでそんなにすぐ同棲するんだ……

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    2024年04月21日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    主人公はほぼ私である。
    20の頃から鬱→躁鬱になり、不眠と過眠をさまよった自分。あと2週間で誕生日を迎え、25になるタイミングでこの本を完読するのはタイミングが良すぎた。

    主人公ほど激しい躁状態は感じたことないけど、自分が頭おかしいって思ったり、いつ良くなるのか分からないのも、バイトが続かない時期があったのも全部分かる、でも1個だけ違うのは私にはこんな彼氏はいなかった。いても病気のことは隠していたし、ここまで感情をぶつけられる(ぶつけざるを得ないのかもしれないが)相手がいることは素直に羨ましい。

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    2024年04月12日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    この本の主人公のような一面って、誰でも持ち合わせていると思う。その程度の差かなと。
    (自分は津奈木さんタイプの人間です。)
    余談だけど、本編じゃない「あの明け方の」の舞台は自分が今住んでる所に程近いところで情景が浮かんできて面白かった、、

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    2024年03月26日
  • 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

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    ネタバレ

    最初から最後まで、違和感のようなものを感じながら読みました。なんかずっと噛み合わないのが、反対に印象に残りました。

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    2024年03月12日
  • 異類婚姻譚

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    ネタバレ

    芥川賞受賞作品という事もあり、とても期待して読んだわりには、、、?????
    みたいな所が沢山ありました。

    一作目はなかなか面白かったけど、、、4作目の藁???
    私には理解不能でした

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    2024年02月26日
  • 生きてるだけで、愛。(新潮文庫)

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    いまはちょっと距離を置いて読むことができない、ああそうじゃないんだと思いながらもままならない身体が苦しい、それから奈津木があまりにもフィクショナルな存在だと思った。

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    2024年02月23日
  • 異類婚姻譚

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    「人の形」

    慣れ親しんだ生活の中に異物が一点混ざり込み、それが当たり前として読者の中に溶け込んだタイミングでその異物が“異物らしさ”を表象する。
    読み手は強制的に第三者の立場から読むことになるため、この世界に恐ろしさを感じつつも現在の世界とそう大して変わらない世界に違和感を懐く。
    怖さとユーモアが混ざった文章は、この筆者ならではだなあ。

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    2024年02月13日
  • 自分を好きになる方法

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    カーヴァーとかサリンジャーとか、自分が学生の頃親しんだ短編を思い起こさせて、あー、これは賞取るやつだなと思った。

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    2024年02月01日
  • 異類婚姻譚

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    ネタバレ

    旦那の横柄さとか、家で気が抜けて顔が崩れる感じ、ちょっと自分を顧みてヒヤッとする。描き方が上手だな、と。
    最後、同一化した挙げ句に花になるのはなんだったのだ、、、?結局旦那捨てただけ、、?

    それにしてはなんかほのぼのした読後感で不思議。

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    2024年01月21日
  • 異類婚姻譚

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    表題作の冒頭一文は、タイトルとの相乗効果で衝撃。以降は、期待感程ではなかった。寓話と言うには粘度が強すぎる。

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    2024年01月06日