本谷有希子のレビュー一覧
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奇妙な23歳女子二人の同居生活を描いた、何ともヘンな物語でした。二人の言動が、とっても痛々しく〝ぶっ飛んでる〟印象なのですが、重さ・深刻さを軽々と超越したテンポの良さで、読みやすかったです。
劇作家・本谷有希子さんの本領発揮、といったところでしょうか。2009年作品で、後に芥川賞を別作品で受賞されますが、本作も同賞候補になってます。筆力あってこそなのでしょう。下ネタ満載ですが、真剣さ故に滑稽でもあります。
自分の存在証明にこだわったり、自意識過剰でいろいろと劣等感をもってもがき苦しんだりしている状態は、ある意味(特に若者にとっては)普通だと思います。
ただ、承認要求の内容や度合い、 -
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ネタバレ2011年に購入していた積読本。苦笑
数年前に7ルールというTV番組で著者を拝見し、
こんな方なのか!と驚いた記憶です。
帯は、
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この人たちに自分のペースを乱されたくない。
この、自己顕示欲の塊たちに。
母・姉・妹の女三人海外旅行
イタくて笑えるゼロ年代の家族小説
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北陸育ちの姉妹。
姉は上京するが、就職できずワーキングプア。
妹は姉を反面教師として、高卒で地元の信用金庫に就職。
姉妹の間をとり持つように、折衷案を提示し続ける母。
女たちにケツの毛まで毟り取られた父。笑
姉妹の微妙な関係 -
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Gカップのおっぱいをアイデンティティのよりどころとしている巡谷と、彼女の部屋に居候しており、自己臭恐怖症などの妄想に悩む日田という、二人の女性の物語です。
妄想全開の日田にくらべると、比較的常識人にも思える巡谷ですが、彼女もセフレの横ちんに執着するようすや、日田が「グルーヴ先輩」と呼んでいる躁状態に入るなど、両者ともに自分自身の生きづらさをかかえ込んでいます。二人の生きづらさの中心に存在しているのが、日田の妄想のなかでダイオキシンによってこの街に人びとを狂わせていく、清掃工場の巨大な煙突であり、いわば「不在の中心」となってストーリーが進んでいきます。
やがて日田の口から、清掃工場が移転する -
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ネタバレ……ホラー⁉️と思った。
日常の話と思って読んでいたら、急に世にも奇妙な物語みたいな……まあ読み終わって考えてみるとなるほどと思ったりもする。
表題作の異類婚姻譚については、自分も長く付き合った男と話し方が似てきていたり「顔が似ている」と言われたりしたことがあるので、わかるなあと思った。まあ一緒にいる相手と似てくるというのは本当にある話なんだろう。しかし終盤の怒涛の"世にも"感たるや……。夫がどんどん妻に近づいていき、不穏な空気を纏っていくのが恐ろしかった。ラスト、あれは……下ネタか?と思ったのは私だけだろうか。まあそういうことではないと思う。夫が花になるって、そんな馬鹿な -
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普段、ほとんど読むことのない現代の日本人作家のアンソロジー。
興味深く読んだ。
もとは、深堀骨 の作品を読んでみたかったから手に取ったが、どれもなかなか良かった。ありそうでない話というファンタジーというか、不気味な話が多い。恋愛要素はどれも少なく見えるが、一応恋愛ものという括りらしい。
一作だけ、多和田葉子の漢字の話はすでに読んでいた。
特に印象的だったのは、
本谷由希子、迫力とリアリティと奇想天外で面白かった。
村田沙耶香、細かく書き連ねて積み上げるのがうまい。
吉田知子、多分この中で一番好きなタイプの作家。
小池昌代、切れ味がよい。
星野智幸、描写がうまい。
というかんじ。
編者は岸 -
Posted by ブクログ
SNS三部作!と背表紙に、わざわざ書くのがあんまりわからなかった。
でも、本谷さんの作品の何とも言えない不思議な雰囲気は好き。
「本当の旅」のあの若者感が凄く妙で、本当にいそう。その内面も上手く表されていて、すげえなって単純に思った。
「奥さん、犬は大丈夫だよね?」は、何だろ、これもまたこんな感じの関係ありそうで。
最後がこんな展開になるとは予想としてなくて…。
「でぶのハッピーバースデー」の“印”って考えは、ちょっと分かるな。うん。
何だろ、そこから逃れたいけど逃れられない。
何でも無いはずで、自分だけがそう思ってるだけで。
あと、それを言い訳にしてしまっている自分もいて。
ねぇ。
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