井上理津子のレビュー一覧

  • 東京で驚いた

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    星3.5

    『さいごの色街 飛田』の著者でもあり、関西で生まれ育った著者は、五十歳を過ぎて東京に拠点を移す。
    そこで感じた東西文化の違いについて、現地に赴いたり、専門家にレクチャーを受けたりして、深掘りする本。

    まず取り上げられるのは、「富士塚」と「富士講」。富士山に登ることのできない江戸時代の庶民が登山できるように、富士山の溶岩を運んで(自然の山を使ったものもある)ミニチュア富士を作ったのが「富士塚」。東京近辺には今も数多く存在するようだ。
    それを作っていたのが「富士講」という宗教団体で、現在も細々と続いている。

    私が一番興味を持ったのは佃島の章。
    家康が大阪から漁師を呼び寄せ、彼らが埋め立てて作ったのが佃島。
    今もタワマンと対比するように瓦屋根の家が並ぶが、そこではいわゆる下町のような人間模様が繰り広げられているらしい(男尊女卑も健在)。
    そして、今でも漁師さんがおり、漁協もあり、毎年、徳川記念財団へ白魚(頭の部分が葵の紋に似ているから)を献上しているとか(ただし白魚は購入したもの)。

    震災や空襲などでも消滅せず、今も残っている江戸の文化。このまま続いていってほしいものだ。
    (男尊女卑は困るけど)

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    2026年08月04日
  • 本屋百景 独立系書店をめぐりめぐる

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    東京を中心に、個人書店を紹介されている。
    エリアごとに分かれているため、自宅や職場周辺など行きやすい場所をすぐに見つけられる。
    行ってみたい&すぐ行けそうなお店が、4つほど見つかった。

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    2026年06月10日
  • 夢の猫本屋ができるまで Cat's Meow Books

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    いつか小さな本屋を開きたいと思い、読んでみた。色々な本屋本を読んでいるけれど、どちらも皆さん魅力的な方であり素敵な本屋さんです。参考にするために読んだのに、私なんて無理だわ…と思ってしまいました。

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    2026年03月01日
  • 夢の猫本屋ができるまで Cat's Meow Books

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    キャッツミャウブックスという
    猫の本ばかりを集めた本屋さんの
    構想を思いついてから
    実際に開店するまでの顛末記。
    少し前の本だけど
    今も元気に営業中のようで良かった。

    保護猫を「看板猫」にして本屋の稼ぎ頭に。
    売上の一部を保護活動の資金に。
    それで「猫が本屋を助け
    本屋が猫を助ける」本屋というわけですね。

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    2025年12月23日
  • さいごの色街 飛田

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    色街といえば一番に浮かぶのは「飛田新地」。女性が覗いてはいけない男の世界、そんな色街を女性である著者が、取材をし書き上げた一冊。
    女性がひとりで歩いていたらドヤされるとか聞くし、取材は困難を極めたことだろう。
    お客として行ったことのある人への取材はまあまあ詳しくされているけど、中の人は語りたがらないのか語ることが御法度なのか、飛田の真の姿が見えず少し物足りなさを感じた。
    全てを見せないからこその飛田の魅力なのかもしれない。
    女の子のいてるお店に上がるのは無理だけど、飛田新地の端に位置する遊郭として使われていた建物を利用した料理屋「鯛よし百番」へは一度行ってみたい。

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    2024年04月08日
  • 絶滅危惧個人商店

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    タイトル通り「個人商店」が18軒。

    自転車屋さんや靴屋さん
    時計屋さんなんかは主が「職人」だ。
    お肉屋さんに魚屋さん
    青果店の主たちは自分の目利きで
    お客さんに喜んでもらうのが楽しそう。

    魚屋の店主の
    「(仕入れに)年は関係ないじゃない」
    なんてセリフにしびれる!

    霊園で仏花やお墓参り道具を扱うお店の話
    ちょっとめずらしかったです。

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    2024年03月10日
  • 師弟百景 “技”をつないでいく職人という生き方

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     いつも聴いているpodcastの番組に著者の井上理津子さんがゲスト出演していて紹介していた著作です。
     内容は、今日に続く“職人” の世界を舞台に、“伝統的技芸”を伝えていく師弟関係の「今」を紹介した著作です。丹念な取材で描き出された“職人の世界”のエピソードはどれもとても興味深いものでした。
     登場する職人芸はどれも素晴らしく見事なものですが、それを自分が修行で会得するのは、並大抵の決意では無理ですね・・・。

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    2023年09月18日
  • 師弟百景 “技”をつないでいく職人という生き方

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    ネタバレ

    師弟百景
    ~〝技〟をつないでいく職人という生き方~

    著者:井上理津子
    発行:2023年3月1日
    辰巳出版
    初出:
    月刊誌「なごみ」(淡交社)
    1~11:2020年1-6月号、2020年8-12月号
    12、13:「GetNavi web」2022年3月、8月各公開
    14書き下ろし
    15、16:「GetNavi web」2023年1月、2月各公開

    かなり話題になっている本。きっと売れていることだろう。16職種、その師弟を16組32人取材している。連載11組、追加取材5組。

    庭師、釜師、仏師、染織家、左官、刀匠、江戸切子職人、文化財修理装潢(そうこう)師、江戸小紋染職人、宮大工、江戸木版画彫師、洋傘職人、英国靴職人、硯職人、宮絵師、茅葺き職人。
    知らない職種もあった。宮絵師というのは初めて聞いたし、文化財修理装潢師というのもどんな仕事かは大体分かるが、正式名称はこういうのかと知った。装潢の「潢」は紙を染める意味のようだ。

    職人の師弟関係というと、師匠が言葉でほとんど教えず、見て覚えろという態度で、最初は下働きばかりさせるイメージがあるが、この本を読むと、そういう人もいるが、最近の師匠は結構、最初から教えているようことが分かる。もちろん、そうでない人もいるが。あとがきにも、どちらかというと饒舌だったと書かれている。ただ、師匠の弟子時代は、昔ながらのそうした師匠が多かったようにも感じさせられた。

    釜師や刀匠など、弟子は「無給」が当たり前という。弟子仕事が終わってから深夜までアルバイトをして生活費を稼いでいる。なかなか厳しいが、本人たちはそうは思っていないようだ。とくに工芸の世界は「芸術」でもあり(あるいはそれに近くもあり)、職業として最初から成り立つわけではないだろう。

    例えば、刀匠についている弟子はまったくの無給で、コンビニのアルバイトで生計維持。一方、鍛冶には「炭切り三年、向こう槌(づち)五年、沸かし一生」といわれる厳しい修行が待っている。「積み沸かし」という鋼を熱する工程では、グツグツといういい音がするらしい。鋼に含まれる炭素などの不純物が熔けて流れ出る音。これに耳を澄ますのだという。非常に重要な工程だそうだ。一生が修行なのか・・・

    そんな厳しい修行をこなしながら、弟子は5年で刀匠の資格試験(文化庁)に一発合格したという。この弟子が師匠を評し、師匠は形に対するセンスがずば抜けていると言う。叩くとき「ちょっとここ取ってみな」とアドバイスされ、そうるすとスッとした形に変わったり、全然違うものになったりするらしい。なんともカッコイイ話。読んでいるだけで惚れ惚れする。

    江戸木版画彫師、つまり、今でも浮世絵が描かれ、彫り師が存在するというのも驚きだった。洋傘職人という仕事にも、やはり驚き。

    この本、話題になっていて、売れているのも理解できる。素晴らしい。著者は各章、取材も構成もまことにきっちりしている。下調べも丁寧。まさに職人技。井上理津子さんに、弟子はいるのだろうか。次の師弟百景はそれが読みたい。

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    2023年06月20日
  • 夢の猫本屋ができるまで Cat's Meow Books

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    いつか、本屋をやってみたい。本屋で働いてみたい。この人はどうやって『猫本屋』なんてつくったんだろう。とにかく興味がわいて、知りたくて、読んでみた。読んでみたらそこにはやっぱり『夢のような猫本屋』があった。猫本屋というはっきりとしたビジョン。夢を叶えるためにはビジョンが大切なんだなと改めて気付かせてくれた。

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    2023年03月12日
  • 絶滅危惧個人商店

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    思えば昔は個人商店ばかりでした。いつのまにかチェーン店や大型店だけになってしまいました。とはいうものの、じゃあお前は個人商店を利用しているのか?と言われると・・・。
    そんな昔ながらの個人店舗を丁寧に取材したルポです。

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    2022年12月05日
  • 夢の猫本屋ができるまで Cat's Meow Books

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     三軒茶屋駅から歩いて8分の住宅街に、猫、ビール、本が大好きな安村正也氏49歳が2017年夏にオープンした「キャッツミャウブックス」があります。保護猫5匹が店員として常駐、本はすべて猫本、自宅兼店舗。 井上理津子「夢の猫本屋ができるまで」、2018.7発行。井上理津子さんが、そのプラン、準備、開店を取材し、紹介しています。

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    2022年04月20日
  • 絶滅危惧個人商店

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     1955年生まれ、フリーライター、井上理津子さんの様々な業種の個人商店ルポです。目先の利益より、お客のため、モノのため、という心意気。個人商店は町の宝。「絶滅危惧個人商店」、2020.12発行。

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    2022年04月14日
  • 葬送の仕事師たち(新潮文庫)

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    母の葬儀はいくらだったかな。
    満足いく仕上がりだったから値段覚えてない。
    火葬は11,000円だったらしい。
    安いよな。
    綺麗に死んですぐ通夜、葬式だったから
    エンバーミングもなく
    看護師の妹たちのケアで綺麗にできたけど、
    いろんな人がいてくれるんだな。

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    2022年03月03日
  • 親を送る その日は必ずやってくる

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    多くの人が生きている間に自分の親の死を経験しなければならないので、読んでいる人のほとんどが自分の経験を思い出したり、まだご両親が健在の人は自分の親に対する態度を顧みたりすると思います。
    ここに書かれている話は、本当にごく一般的な話だと思います。特にひどい!とも素敵!でもなく、世間一般の普通の家族のお話。
    完璧に親孝行できた!いつも完璧な娘息子でいられた!なんて人いないでしょうし、親が元気な時に、いつか死ぬんだと考えながら接している人もいないと思います。
    だからその時に、多かれ少なかれ後悔が残るのですが、全ての人が「親を送る」ことに関して初めてなので仕方がないと思います。

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    2022年01月15日
  • 絶滅危惧個人商店

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    絶滅危惧個人商店

    著者:井上理津子
    発行:2020年12月15日
    (「ちくま」2018年12月号~2020年5月号連載)
    筑摩書房

    著者は「さいごの色街 飛田」の著者としても知られる。長い間、大阪でライター生活をしていたが、2010年から東京へ。今回も、東京の個人商店18箇所を取材し、紹介している。このタイトルから、もはや商売として成り立たず、後継者もいない、消えていくことが必定というような商店にノスタルジックにスポットを当てているように思ってしまいそうだが、中身はだいぶ違う。多くの店が昔よりは儲かっていないものの(構造不況的)、ちゃんと現役の商売として成り立っているし、後継問題を抱えている商店は少しだけだった。中には同業種地域ナンバー1として大変儲かっている店もある。

    反対に感じられるのは、それぞれの経営者や店員たちが最先端の動向を掴んで商売をしているという点。売上は量販店やネット通販にはかなわないが、それらは多くの人々を対象に最大公約数で商売をしているにすぎない。儲かるが、取りこぼしている部分も相当多い。一方、個人商店は、顧客個人個人のニーズを深く把握して確実にすくい上げているため、顧客満足度は量販店や通販とは比較にならないほど高いものと想像できる。

    個人商店は昔ながらのこだわりと頑固さが、現代のニーズにあっていないと思われがちだが、そうではないようだ。商店主はそれぞれニーズの変化を察知しつつ、昔も今も底流に流れるものを知っているため、そこにこだわりを持っているといったほうがよさそうだ。とても勉強になった。人気本となった理由が理解できた。

    効率ばかり追求する世の中、商売の本質を知っている個人商店が残り少なくなっている・・・著者はそこに「絶滅危惧」との叫びをあげているかのようだった。

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    シャッター商店街の奥、グリーンストアーという店。まだ営業しているのは精肉店と鮮魚店のみ。八百屋、果物屋、惣菜屋も昔はあったが、今は寂しく「テナント募集中」の張り紙。←実にありがちな風景

    カレーの肉を買おうとしたら、煮込み時間を聞き、それにあわせた肉を用意する店。

    あおさ豆腐の店頭キャッチコピー
    「なんとなく 身体に良さそう みどり色」

    神田の約23坪の店。バブル期に地上げ攻撃された。値段は5億円からは始まって、20億円近くまでいった。心が揺さぶられた。

    デニムの語源は、フランス後の「セルジュ・ドゥ・ニーム」=ニーム産のサージ(あや織り)

    ジーンズはイタリアの「ジェノヴァ」。フランス語で「ジェーヌ」となり、英語でジーンズに。

    ジーンズは裾を折り返したとき、裏側の縫い目のところで良いものが一目で分かる。良いものは、反物のミミの部分を使ったことを示す赤などのステッチが入っている。絶対にほつれないし、おしゃれ。

    昔ながらの自転車店には、新車か中古か言えないものが売られている。中国製の安い部品が使われている自転車を(客から買い戻して)改良し、いい部品と交換したものなど。

    腕時計は電池交換しただけだとまた止まる可能性が大。錆を落として掃除して、他の不具合も調整する。それでも値段は同じ800円。

    1人で完結する遊びを推奨しない。プレステになったころからゲーム機を売らなくなった玩具店。

    霊園近くの花屋さん。昔は二階の座敷を貸していて、そこで仕出しを取って会食をする家族が多かった。また、いまでも契約して墓区画の掃除や植木の手入れを定期的に行う。法要の連絡が入ると、その家族の好みの花を用意して墓前に運ぶ。

    精肉店、佃煮店、豆腐店、青果店、鮮魚店、山谷の洋品店、老舗ジーンズショップ、自転車店、時計眼鏡店、書店、古書店、文具店、玩具店、質屋、銭湯・・・

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    2021年08月11日
  • 夢の猫本屋ができるまで Cat's Meow Books

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    夢を叶えるには
    まずは声に出して宣言する
    簡単なようでこれが一番難しい
    でも想いはもっているだけでは何も考えていないのと同じ
    猫のために何ができるのか
    足し算ではなく掛け算の人生を私も歩いてみたいと思った

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    2021年03月22日
  • さいごの色街 飛田

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    井上理津子著「さいごの色街 飛田」という本を読みました。
    大阪のある街について深く掘り下げた本は決して多くない(ややこしいので掘り下げにくいのでしょう)のですが、先日読んだ「大阪アースダイバー」同様、この本も結構、頑張って取材している本でした。

    飛田をマスコミで取り上げる際、所詮は「きれいごと」に終わるものが殆ど全部。この本も、最初はそういう類かと思っていたのですが、違いました。
    文献などの資料で書かれた部分はもちろん、ガードが堅い飛田に体当たり取材して得た貴重な証言なんかもあって、勉強になります。

    「飛田新地料理組合」の幹部が貸してくれたテレビニュースのDVDを見たら、差別問題に詳しい桃山学院大学名誉教授の沖浦和光さんが「義理と人情に塗り固まった町」「遊郭には重みがあった。・・・・・(飛田には)遊女の聖性が垣間見える・・・」と発言していて、開いた口がふさがらなかったと、批判をしていました。全編を通じて、決して批判的な本ではなく、告発本でもない。

    ただ、行われているのが売春だと分かっていながらなぜ警察からの手入れも受けず、この商売が成り立っているのかという強い疑問は前提に出ていました。そして、「飛田新地料理組合」の顧問弁護士が、橋下徹氏だったことも、「発見」として報告をしていました。

    この本で、いろんなことを知りました。
    今の飛田の「料亭」は、「アルバイト亭」なんだそうです。
    アルサロ(アルバイトサロン)が流行ったのがきっかけでそうなったそうで、バンスで売られてきた女性ではなく、昼間はOLなどがアルバイトで夜に稼ぐところ、といったところでしょう。だから、女の子の斡旋もプロの手によるものでなく、新聞広告で女の子を募集するとのこと。

    80点ぐらいの本かな、という感じでした。

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    2021年03月15日
  • さいごの色街 飛田

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    あとがきに思っていたことがほぼ全て書かれていた。

    純粋な疑問として、なぜ消費センターや警察に相談しないのかと思うことがあったが、私の無知が原因だった。

    この世の仕組みから零れ落ちてしまう人たちがいる。
    零れ落ちるという言葉が適正ではないかもしれないが。
    飛田が舞台なので女性がメインだが、男女問わず両親などの幼い頃から青年期まで社会とはどんなところかを教えてくれる存在の不足がずっと続いてしまう。
    連鎖は一度走り出したら止まらないのかもしれない。

    遊郭の成り立ちを知りたいと思い関連する本を読んでいるが、そういう意味では遊郭そのものの成り立ちとは違うが飛田遊郭の成り立ちが参考資料を元にとても丁寧に記されていた。

    女性の権利のために戦ってくれた人たちがいる。
    その人たちがいてくれたおかげで今日の女性の権利が向上したのも事実。
    だが、遊郭でしか働けない、働いたことがない人たちにいきなり「売春をするのは悪いことです、これから遊郭は閉じます」と宣言しても行き場がないのではないかと思っていたので、ページは忘れたが保護施設で娼妓の方がこれからどうするんだと怒鳴り込んだという記述は腑に落ちた。
    やはり、行き場のない人たちがおり保護しますと言われても短時間では言い方が悪いが教養は身につかず、結局今まで就ていた仕事に戻ってしまう。
    それは仕方のないことだと思う。きっと世間の目も厳しく働き続けるには難しかったのではないかと思った。

    売買春が悪、根絶したいとするならばその後の行き場を作ってから取り締まらないといつまで経っても同じことの繰り返しだろうなと。

    篠原無然さんのことを知ることができ、いつか記念館を訪れたいと思う。

    本当のところはその時代を生きたものですらよくわかっていないのかもしれないなと思った。
    結局人が人に話すことには色々なフィルターを通す。
    都合の悪いことは記憶の中で薄れていくだろうし、そうでないときっと苦しんでしまう。
    歴史は今この瞬間だけが真実で時が経ったものに関しては真実だろうけど、全くの真実とは少し異なるのかもしれない。

    p166の喫茶店の方の言葉に不覚ながら涙が溢れた。
    「ダメ。もうこんなところへ来たら絶対にダメよ。こんなとこを知ってると言うてもダメ。どこから知られるかわからへんから、もし今後どこかで飛田の話がでたら、『知りませんっていわなダメ。』言うて送り出したげた…」
    その地で働いている人がそう言わねばならない世間の目、その目の中に私も含まれている。

    お好み焼きのおばちゃんの話で、私自身曳き子のおばちゃんのことを十把一絡げで見ているなと実感してしまった。
    おばちゃんもそれぞれ違うのに…

    少し下に見てしまう根本的な原因はなんなのか新しく疑問に思った。

    著者の胆力、凄いなと途中ハラハラする箇所がありつつとても勉強になった。(ヤクザの事務所のチャイムを押したところは肝が冷えた。)
    難しいテーマの取材をし、本を出版していただいたことに感謝しかない。

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    2021年03月05日
  • エロスの記憶 文藝春秋「オール讀物」官能的コレクション2014

    購入済み

    女性にオススメ

    初めてこういった分野に足を
    踏み入れてみました。
    内容は総じてソフトな印象で
    幸いでしたね。ノーマルな志
    向の?女性向けの一冊だと思
    います。

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    2021年02月26日
  • 葬送の仕事師たち(新潮文庫)

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    一応、葬式に参列した経験はあるのですが、こんなに丁寧に見送って下さる方がいるとは存じませんでした。
    お棺の窓から覗いた故人は、寝ているような安らかさと美しさの中に横たわっていました。あれは綺麗にして下さっていたのですね。
    本来の死は、九相図にあるのだとも知りました。

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    2021年02月20日