井上理津子のレビュー一覧

  • 葬送の仕事師たち(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    約20年前、父親を、亡くしました。そして去年、祖母を亡くしました。父親の時と祖母の時、葬儀会社は異なるものの、時代のせいか、葬祭業に携わる人たちの年代が20年前と比べて若いなぁと感じてました。
    そして私は、若い時、生花店に勤務して、婚礼も、葬祭も大きな収入源となる業務でした。人生の大イベントに携わる仕事に誇りを持ってました。
    若者たちが仕事のイメージを変えてくれる。希望ある業界だと思います。

    0
    2024年10月09日
  • 師弟百景 “技”をつないでいく職人という生き方

    Posted by ブクログ

    日本の伝統文化、多くは伝統の匠の技が隠れた職業だが、「伝統を伝える」弟子にフォーカスし如何に弟子になり学び得たのかの書物だ。職人の言う「親方の背中を見て覚えろ」だけでは現代人はついていけない、そこには現代の若者の心を掴む感動、印象から師匠の行動、言葉、姿がある。多くの弟子は「無給」で「下働き」から始まり、少なくとも5年で漸く現場作業に携わり、10年で一人前となる匠が標準だ。師匠位の言葉に「理屈は要らない」「マニュアル化できない仕事」など、何事も体(観て試すの繰り返し)で覚えてこそ巧みの技が伝わると感じた。

    0
    2024年10月07日
  • 葬送の仕事師たち(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    井上理津子(1955年~)氏は、京都女子短大卒、全日空、女性と暮らし社勤務等を経て、フリーランスのノンフィクション・ライター。2015年に出版された本作品で、新潮ドキュメント賞候補となる。
    本書は、題名の通り、「葬送」に関わる仕事をしている人たち、即ち、葬儀の専門学校の生徒、葬儀社の社員、湯灌師、納棺師、復元師、エンバーマー、火葬場の職員等に真正面から取材をし、彼らの仕事や思いを描いたノンフィクションである。
    私は従前より、人は死んだらどうなるのかなど、いわゆる死生観について関心があり、キューブラー・ロス『死ぬ瞬間』をはじめ、その類の本は十冊を遥かに超える数を読んできた。また、ノンフィクション

    0
    2024年05月23日
  • 絶滅危惧個人商店

    Posted by ブクログ

    地元に根付いたさまざまな個人商店を取材した話がまとめられた1冊。

    子供の頃はこの本に出てくるようなお店が軒を連ね、商店街を成していた。今やチェーン店に押され、次々とシャッターが下ろされて行く中で郷愁深く読んだ。

    どこでも同じものが手に入る便利さも必要かもしれないが、職人肌の人がプライドを持って仕事をこなすこのような個人商店が復活して欲しい。
    …が、今の崩壊した資本主義では無理かな…。

    0
    2024年04月02日
  • 葬送の仕事師たち(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    おくりびとを読み終えてからその仕事に興味をもちこちらも。
    旅立ちの仕事、初めて知る事ばかりでした。
    そしてこの仕事の世間からの目も。
    私自身は自分の葬式は望んでいませんが、この本を読むと人生の最後にお世話になりたいと思いました。
    もしかしたら自分以上に自分の死と向き合ってくれるのではないかと。
    自分ではなくとも自分が大切に思う人をこの本に出てくる人達に送ってもらえたら納得して旅立ちを見送れるようなそんな死と向き合うプロの人達のお話です。

    0
    2023年09月30日
  • 師弟百景 “技”をつないでいく職人という生き方

    Posted by ブクログ

    この手の本には 目がない
    ついつい 手が出てしまいます

    本当に大事なものは
    目に見えないんだよ

    そのことは
    「職人」さんの世界では
    ごくごく当たり前のこと

    いろいろなところで
    耳にしてしまう
    「後継者が居ない」
    そんなことを吹き飛ばしてしまう
    力強い一冊です

    つい数十年前には
    ごくごく当たり前のことであったことが
    いまでは…
    それゆえに話題なっている

    なにか釈然としない
    気持は残ります

    0
    2023年07月02日
  • 師弟百景 “技”をつないでいく職人という生き方

    Posted by ブクログ

    宮大工や陶芸など職人からイメージするものから洋傘や絵画修復までさまざまな分野の師弟が紹介されている

    弟子になるきっかけ
    師匠の教え方
    師匠のまた師匠との出会い

    多くの師弟が描かれ、この本の何倍もの濃密な師弟の関係が日本中にあることを想わせる

    伝統と革新に感銘を受ける弟子と、弟子に真摯に向き合う師匠
    日本の底力はまだまだあるなと感じた

    0
    2023年05月01日
  • 絶滅危惧個人商店

    Posted by ブクログ

    老舗のこじんまりとした個人商店を取材した本。
    とても暖かな気持ちにさせてもらえる本です。
    見習うべきところがたくさんある。頭が下がります。
    とても寂しい気持ちにもなる本です。
    タイトル通りこう言う心意気のあるお店が生き残りにくい現代社会。実際に今はもう閉店して無くなっちゃったお店もあります。とても残念。どうしたら守れるのか。と言いつつネットショッピングをついつい利用してしまう自分も反省。
    これの関西版出して欲しいです!!

    0
    2022年12月07日
  • 大阪 下町酒場列伝

    Posted by ブクログ

    週に1、2度仕事帰りに一人呑みする私にとっては、たまらない一冊なのですが、ただ私個人的には、酒場で話しかけてくるお客さんと店員さんが苦手です。なので、この本に出てくるお店は、料理、お酒は魅力的なのですが、一人で入店する勇気ありません。

    0
    2022年11月07日
  • 夢の猫本屋ができるまで Cat's Meow Books

    Posted by ブクログ

    SNSで見かけて、行ってみたい!と思っていた猫本屋さん「キャッツミャウブックス」が出来るまでの話。

    店内には保護猫の猫店員さん、扱っているのは猫に関係する本のみ、新刊も古本も扱う、コーヒーやビールも飲める…などなど私には魅力しかない場所。売上の一部は保護猫活動団体に寄付される仕組み。

    企画段階から、どうやって現実にしてきたのか、オープンしてからの色々、まで包み隠さず(収支まで!)書いてあって面白かった。
    パラレルキャリアとして本屋さんをやってみたい人にはとても参考になると思う。
    私も益々行ってみたくなった!

    0
    2022年09月19日
  • さいごの色街 飛田

    Posted by ブクログ

    正直、著者の生の感情は鼻につく。
    けれど、調べられた歴史や語られる取材内容の面白さに、ぐいぐいと読み進めることになった。

    0
    2022年07月19日
  • さいごの色街 飛田

    Posted by ブクログ

    そこは桃源郷か地獄か。

    大阪に残る色街、飛田新地。大きな声で語る人がいない、中の人も外の人も語りたがらない飛田について徹底した取材を元に書かれた労作。売買春は悪か、そんな話をするのではない。そこに生きた人、生きる人が口を開いた言葉を記録したものである。

    性を売るのは自分の勝手ではないか。そういう意見の人もいるだろう。売春は悪いことだから廃業させなくてはいけない。そういう運動もあるだろう。だけどここに書かれているのは、他に行くことがなくて飛田に来た人がいて、飛田にいる人を蔑視する人がいるかということだ。そして悪いことだから辞めなさいと言って辞められるものではなく、他に生きる術を身につけさせて

    0
    2022年02月23日
  • 絶滅危惧個人商店

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     井上さんが、居酒屋さんを巡るシリーズを楽しく読んでいたので、これも楽しめた。

     ただ、個人的には、谷口質店の「売り店」の店主が、オレンジカウンティブラザースのスティールギターの方だったというのが、一番驚いた。谷口邦夫さん。
     これも日本のロック史。
     井上さんは、音楽ライターではないけれど、ここは掘り下げて欲しかった。

    0
    2022年02月20日
  • 葬送の仕事師たち(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    このようなノンフィクションがないと永遠に知ることはなかったであろう。葬儀の舞台裏で働く人たち。職に就いた動機は死の場面に接したことが多いが、時間が不規則、知識も体力要る過酷な現場で他人のためになっている自覚が支えとなっている。また、うっすらと感じてはいたが、葬式の形態の変化も風俗史のごとく理解することができ、死について向き合うきっかけにもなった。2022.2.13

    0
    2022年02月13日
  • 親を送る

    Posted by ブクログ

    いつか親を亡くす。
    たぶんいつになろうと、ショックや悲しみや、戸惑いがあると思う。
    本書はすごくリアルで、実際に起こったそのショックや悲しみ、戸惑いがつたわり、参考になった、と言うと待ってるみたいでいやだけど、、、。
    パワフルな義姉さんと仲良しで何より。
    やはり、こういうことは誰かと助け合わないとしんどい。
    現実は亡くなるまでの介護、お金、治療、延命、家族意外の親族の意見、沢山の面倒ごと、体力的な負担もあるんだと思う。
    書くことで両親の死ときちんと向き合い、整理できるのは羨ましい。

    あとがきにある「さよならのあとで」は私も友人を亡くした時に救われた本。

    0
    2022年02月12日
  • 葬送の仕事師たち(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    葬儀に関わる方達の仕事について初めて知ることも多かった。火葬炉の扉を越えたら、皆平等に全てが無になる。というフレーズにグッときました

    0
    2022年01月18日
  • 親を送る

    Posted by ブクログ

    著者が、ご両親を見送るまでの様子をまとめている。

    私自身もそうだが、「いずれ親が死ぬ」ということはわかってはいる。

    だが突然だと狼狽える。

    著者も母親の急死に父親のケア…いろいろな人の手も借りながら仕事もしつつなんとか平常にと思ったところ父親までも逝く。

    壮絶な介護や看取りというようなことは書かれていないが、亡くなるまでの著者の心情がわかる。

    0
    2021年12月24日
  • 絶滅危惧個人商店

    Posted by ブクログ

    まるでひとつひとつのお店が舞台となり店主が主役の短編小説のような気分で読んだ。

    ここにあったはずの老舗のお店が…ない。
    いつのまにかチェーン店に…。
    そういう風景を見た記憶もある。

    だが、本書で紹介された個人商店はずっと続いて欲しい…と節に願う。

    みんなその土地が大好きで続けているのがよくわかる。
    どのお店もお客様のため、モノのため、そして地域の交流の場としても「町の宝」なのだ。

    0
    2021年11月22日
  • 遊廓の産院から

    購入済み

    ある産婆さんの一代記

    タイトルから、遊廓専門の産院なのかな、と思い購入(鬼滅の遊廓編がやるから興味があった)。昭和のある産婆さんの幼少期からの記録。陣痛促進剤で凄まじいお産をした身としても、昔のお産、よそ様のお産、とても興味深かった。

    #深い #タメになる

    0
    2021年10月18日
  • 葬送の仕事師たち(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    エンバーマー、納棺師、湯灌士、葬儀社、火葬場、などいろいろな人に丹念に取材をして丁寧にまとめられた本。
    普段なかなか意識しないけど生と死は隣り合わせで、その領域で働いているひとも確かにいる。
    考えさせられる本だった。

    0
    2021年06月29日