井上理津子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
井上理津子(1955年~)氏は、京都女子短大卒、全日空、女性と暮らし社勤務等を経て、フリーランスのノンフィクション・ライター。2015年に出版された本作品で、新潮ドキュメント賞候補となる。
本書は、題名の通り、「葬送」に関わる仕事をしている人たち、即ち、葬儀の専門学校の生徒、葬儀社の社員、湯灌師、納棺師、復元師、エンバーマー、火葬場の職員等に真正面から取材をし、彼らの仕事や思いを描いたノンフィクションである。
私は従前より、人は死んだらどうなるのかなど、いわゆる死生観について関心があり、キューブラー・ロス『死ぬ瞬間』をはじめ、その類の本は十冊を遥かに超える数を読んできた。また、ノンフィクション -
Posted by ブクログ
そこは桃源郷か地獄か。
大阪に残る色街、飛田新地。大きな声で語る人がいない、中の人も外の人も語りたがらない飛田について徹底した取材を元に書かれた労作。売買春は悪か、そんな話をするのではない。そこに生きた人、生きる人が口を開いた言葉を記録したものである。
性を売るのは自分の勝手ではないか。そういう意見の人もいるだろう。売春は悪いことだから廃業させなくてはいけない。そういう運動もあるだろう。だけどここに書かれているのは、他に行くことがなくて飛田に来た人がいて、飛田にいる人を蔑視する人がいるかということだ。そして悪いことだから辞めなさいと言って辞められるものではなく、他に生きる術を身につけさせて -
Posted by ブクログ
いつか親を亡くす。
たぶんいつになろうと、ショックや悲しみや、戸惑いがあると思う。
本書はすごくリアルで、実際に起こったそのショックや悲しみ、戸惑いがつたわり、参考になった、と言うと待ってるみたいでいやだけど、、、。
パワフルな義姉さんと仲良しで何より。
やはり、こういうことは誰かと助け合わないとしんどい。
現実は亡くなるまでの介護、お金、治療、延命、家族意外の親族の意見、沢山の面倒ごと、体力的な負担もあるんだと思う。
書くことで両親の死ときちんと向き合い、整理できるのは羨ましい。
あとがきにある「さよならのあとで」は私も友人を亡くした時に救われた本。