井上理津子のレビュー一覧
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お墓の現在の状況を軽めに、必ず料金を示す下世話さで紹介してくれる良書。
冒頭の先祖の石の墓じまいの場面で、骨壷が倒れてたり、湿気が多くて水浸しになってなっている場面が印象的。坊主が離檀料をせしめて、遺骨を配送業者に依頼することに苦言を呈し、叱りつけていつまでも改葬(墓の移動)をさせようとしない昔ながらの石の墓が一方の極にある。
他方で、新宿徒歩3分の自動搬送式の納骨堂は正直気になっていた。かなり商業的なんじゃないっていう当然のツッコミもしつつ、やはり住居に近くてついでにお参りができ、手ぶらで行けるし、管理不要という便利さが石のお墓に代わってくるのも頷ける。
でも骨に対して祈るのか?そもそもお墓 -
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ネタバレ遊郭の産院から
産婆50年、昭和を生き抜いて
著者:井上理津子
発行:2013年3月10日
河出文庫(河出書房新社)
初出:「産婆さん、50年やりました 前田たまゑ物語」(1996年、筑摩書房)を改題、増補、文庫化
井上理津子さんは、多くのノンフィクション作品を出していて、ほんの一部しか読んでいないけど、本書はこれまで読んだ中で一番。大変な傑作ではないかと驚いた。しかも、これが著者にとって初めての書き下ろし作品だという。「さいごの色街 飛田」ばかりが有名で、しかも、橋下徹が飛田新地(組合)の顧問弁護士をしていることが一人歩きすらしているが、井上作品はちゃんとフルで読み、味わって欲しいもの -
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井上理津子(1955年~)氏は、京都女子短大卒、全日空、女性と暮らし社勤務等を経て、フリーランスのノンフィクション・ライター。2015年に出版された本作品で、新潮ドキュメント賞候補となる。
本書は、題名の通り、「葬送」に関わる仕事をしている人たち、即ち、葬儀の専門学校の生徒、葬儀社の社員、湯灌師、納棺師、復元師、エンバーマー、火葬場の職員等に真正面から取材をし、彼らの仕事や思いを描いたノンフィクションである。
私は従前より、人は死んだらどうなるのかなど、いわゆる死生観について関心があり、キューブラー・ロス『死ぬ瞬間』をはじめ、その類の本は十冊を遥かに超える数を読んできた。また、ノンフィクション -
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そこは桃源郷か地獄か。
大阪に残る色街、飛田新地。大きな声で語る人がいない、中の人も外の人も語りたがらない飛田について徹底した取材を元に書かれた労作。売買春は悪か、そんな話をするのではない。そこに生きた人、生きる人が口を開いた言葉を記録したものである。
性を売るのは自分の勝手ではないか。そういう意見の人もいるだろう。売春は悪いことだから廃業させなくてはいけない。そういう運動もあるだろう。だけどここに書かれているのは、他に行くことがなくて飛田に来た人がいて、飛田にいる人を蔑視する人がいるかということだ。そして悪いことだから辞めなさいと言って辞められるものではなく、他に生きる術を身につけさせて -
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いつか親を亡くす。
たぶんいつになろうと、ショックや悲しみや、戸惑いがあると思う。
本書はすごくリアルで、実際に起こったそのショックや悲しみ、戸惑いがつたわり、参考になった、と言うと待ってるみたいでいやだけど、、、。
パワフルな義姉さんと仲良しで何より。
やはり、こういうことは誰かと助け合わないとしんどい。
現実は亡くなるまでの介護、お金、治療、延命、家族意外の親族の意見、沢山の面倒ごと、体力的な負担もあるんだと思う。
書くことで両親の死ときちんと向き合い、整理できるのは羨ましい。
あとがきにある「さよならのあとで」は私も友人を亡くした時に救われた本。