あらすじ
チェーン店やアウトレットに負けずに、個人で商売を続ける店を訪ね歩く。食料品、衣類、銭湯……。老舗、家族経営、たった一人での開業など、人と店に歴史あり。
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Posted by ブクログ
チェーン店など効率化の代償に、日本人は何か大切な物を失った様に思う。どこか懐かしい今も残る個人商店の記録。
今でもこんな個人商店があるのが嬉しい。どこも店主は高齢だが変わらず頑張る姿には深く感銘。
ファミリーヒストリーを引き出す筆者の取材力あっての楽しい作品。
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地元に根付いたさまざまな個人商店を取材した話がまとめられた1冊。
子供の頃はこの本に出てくるようなお店が軒を連ね、商店街を成していた。今やチェーン店に押され、次々とシャッターが下ろされて行く中で郷愁深く読んだ。
どこでも同じものが手に入る便利さも必要かもしれないが、職人肌の人がプライドを持って仕事をこなすこのような個人商店が復活して欲しい。
…が、今の崩壊した資本主義では無理かな…。
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老舗のこじんまりとした個人商店を取材した本。
とても暖かな気持ちにさせてもらえる本です。
見習うべきところがたくさんある。頭が下がります。
とても寂しい気持ちにもなる本です。
タイトル通りこう言う心意気のあるお店が生き残りにくい現代社会。実際に今はもう閉店して無くなっちゃったお店もあります。とても残念。どうしたら守れるのか。と言いつつネットショッピングをついつい利用してしまう自分も反省。
これの関西版出して欲しいです!!
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井上さんが、居酒屋さんを巡るシリーズを楽しく読んでいたので、これも楽しめた。
ただ、個人的には、谷口質店の「売り店」の店主が、オレンジカウンティブラザースのスティールギターの方だったというのが、一番驚いた。谷口邦夫さん。
これも日本のロック史。
井上さんは、音楽ライターではないけれど、ここは掘り下げて欲しかった。
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まるでひとつひとつのお店が舞台となり店主が主役の短編小説のような気分で読んだ。
ここにあったはずの老舗のお店が…ない。
いつのまにかチェーン店に…。
そういう風景を見た記憶もある。
だが、本書で紹介された個人商店はずっと続いて欲しい…と節に願う。
みんなその土地が大好きで続けているのがよくわかる。
どのお店もお客様のため、モノのため、そして地域の交流の場としても「町の宝」なのだ。
Posted by ブクログ
「個人商店」と言った時点で、早々長く続くものなのか?とも思ったが、存外長く営業されているお店が多いのだなぁと個人的には感心した。
絶滅、と言うか閉店。それを危惧したい気持ちにさせるお店、店主とスタッフの強烈な個性や拘り。或いは来歴など、各店のお話が短編小説のようにも読むことが出来て、想像以上に面白く、眠くならずに読み進められた。
Posted by ブクログ
小さな個人商店の店主たちにインタビューし、
店の、店主たちの生き様を探る、ノンフィクション。
添えられるイラストが、店の雰囲気を良く伝えている。
東京都内と横浜の19店が主役。
豆腐屋、青果店、靴屋、自転車屋、本屋、玩具屋など、
普通に街並みに溶け込んでいる店が紹介されています。
店に歴史有り。それは波乱万丈な人の歴史でもある。
長きに亘って、その場所で地域の人々に愛されてきた、個人商店。
家族の絆、培った人脈、常連さん、近所の人たちとの縁。
仕事への誇りが伝わってくる。
バブル前後やコロナ禍での苦境も伝わってくる。
地上げ、地域開発、競合店、大手チェーンの進出、高齢化、
後継者の問題等、絶滅に至る要因は様々あるけど、
登場した全店がこの本が出た当時に、
頑張って続いているという記述が嬉しかったです。
どっこいまだまだ頑張ってるよ!
Posted by ブクログ
タイトル通り「個人商店」が18軒。
自転車屋さんや靴屋さん
時計屋さんなんかは主が「職人」だ。
お肉屋さんに魚屋さん
青果店の主たちは自分の目利きで
お客さんに喜んでもらうのが楽しそう。
魚屋の店主の
「(仕入れに)年は関係ないじゃない」
なんてセリフにしびれる!
霊園で仏花やお墓参り道具を扱うお店の話
ちょっとめずらしかったです。
Posted by ブクログ
思えば昔は個人商店ばかりでした。いつのまにかチェーン店や大型店だけになってしまいました。とはいうものの、じゃあお前は個人商店を利用しているのか?と言われると・・・。
そんな昔ながらの個人店舗を丁寧に取材したルポです。
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1955年生まれ、フリーライター、井上理津子さんの様々な業種の個人商店ルポです。目先の利益より、お客のため、モノのため、という心意気。個人商店は町の宝。「絶滅危惧個人商店」、2020.12発行。
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絶滅危惧個人商店
著者:井上理津子
発行:2020年12月15日
(「ちくま」2018年12月号~2020年5月号連載)
筑摩書房
著者は「さいごの色街 飛田」の著者としても知られる。長い間、大阪でライター生活をしていたが、2010年から東京へ。今回も、東京の個人商店18箇所を取材し、紹介している。このタイトルから、もはや商売として成り立たず、後継者もいない、消えていくことが必定というような商店にノスタルジックにスポットを当てているように思ってしまいそうだが、中身はだいぶ違う。多くの店が昔よりは儲かっていないものの(構造不況的)、ちゃんと現役の商売として成り立っているし、後継問題を抱えている商店は少しだけだった。中には同業種地域ナンバー1として大変儲かっている店もある。
反対に感じられるのは、それぞれの経営者や店員たちが最先端の動向を掴んで商売をしているという点。売上は量販店やネット通販にはかなわないが、それらは多くの人々を対象に最大公約数で商売をしているにすぎない。儲かるが、取りこぼしている部分も相当多い。一方、個人商店は、顧客個人個人のニーズを深く把握して確実にすくい上げているため、顧客満足度は量販店や通販とは比較にならないほど高いものと想像できる。
個人商店は昔ながらのこだわりと頑固さが、現代のニーズにあっていないと思われがちだが、そうではないようだ。商店主はそれぞれニーズの変化を察知しつつ、昔も今も底流に流れるものを知っているため、そこにこだわりを持っているといったほうがよさそうだ。とても勉強になった。人気本となった理由が理解できた。
効率ばかり追求する世の中、商売の本質を知っている個人商店が残り少なくなっている・・・著者はそこに「絶滅危惧」との叫びをあげているかのようだった。
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シャッター商店街の奥、グリーンストアーという店。まだ営業しているのは精肉店と鮮魚店のみ。八百屋、果物屋、惣菜屋も昔はあったが、今は寂しく「テナント募集中」の張り紙。←実にありがちな風景
カレーの肉を買おうとしたら、煮込み時間を聞き、それにあわせた肉を用意する店。
あおさ豆腐の店頭キャッチコピー
「なんとなく 身体に良さそう みどり色」
神田の約23坪の店。バブル期に地上げ攻撃された。値段は5億円からは始まって、20億円近くまでいった。心が揺さぶられた。
デニムの語源は、フランス後の「セルジュ・ドゥ・ニーム」=ニーム産のサージ(あや織り)
ジーンズはイタリアの「ジェノヴァ」。フランス語で「ジェーヌ」となり、英語でジーンズに。
ジーンズは裾を折り返したとき、裏側の縫い目のところで良いものが一目で分かる。良いものは、反物のミミの部分を使ったことを示す赤などのステッチが入っている。絶対にほつれないし、おしゃれ。
昔ながらの自転車店には、新車か中古か言えないものが売られている。中国製の安い部品が使われている自転車を(客から買い戻して)改良し、いい部品と交換したものなど。
腕時計は電池交換しただけだとまた止まる可能性が大。錆を落として掃除して、他の不具合も調整する。それでも値段は同じ800円。
1人で完結する遊びを推奨しない。プレステになったころからゲーム機を売らなくなった玩具店。
霊園近くの花屋さん。昔は二階の座敷を貸していて、そこで仕出しを取って会食をする家族が多かった。また、いまでも契約して墓区画の掃除や植木の手入れを定期的に行う。法要の連絡が入ると、その家族の好みの花を用意して墓前に運ぶ。
精肉店、佃煮店、豆腐店、青果店、鮮魚店、山谷の洋品店、老舗ジーンズショップ、自転車店、時計眼鏡店、書店、古書店、文具店、玩具店、質屋、銭湯・・・
Posted by ブクログ
今日は仕事で、後継ぎがいない個人商店になんとか後継ぎを見つけられないかという話をしていました。いろいろ今の日本を取り巻く問題は山積していますが、コロナで働き方を見直す人が多くなっていることは光明です。
私にも、惜しまれつつ閉店したお寿司屋さんの思い出の味があります。生まれたときから親しんだその味をもう一度味わいたくて、ナイトスクープでご主人を探してもらおうか、いやもう亡くなっただろうな、あんなに繁盛していたのにどうして誰も継がなかったのかなと切なくなります。
ちょうどこの本を読んでいたところなので、余計になにもかもが胸に響いているみたい。
東京の佃煮屋さん、豆腐屋さん、銭湯…全部で18軒の「町の宝」がいきいきと語られ、ああ行ってみたいな、お買い物したいなという気持ちになります。コロナ終わったら一軒一軒訪ねたい。それまでどうか…!!
著者井上理津子さんのことは「さいごの色街 飛田」以来の大ファンです。こんなふうに街を訪ね、こんな文章を書いてみたいな。