井上理津子のレビュー一覧

  • 夢の猫本屋ができるまで Cat's Meow Books

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    「保護猫が店員」の猫本専門の本屋さん。
    行ってみたい!

    閉店する本屋が増えている中で、
    「本×○○」のユニークなお店が増えるのは楽しい。

    ビジネスと趣味と社会貢献を並行するのは、
    なかなか難しいと思う。

    たくさんの出会いとつながりがあり、
    素晴らしい本屋になった。

    「めがねこ」ぜひ読みたい!

    本好きは猫好きが多い気がする。
    文豪も猫を飼っている人が多いし。

    ナカムラクニオ著「猫思考」がおもしろい。

    猫は、媚びない。
    猫は、他人(猫)と比べない。
    猫は、我が道を行く。
    猫は、孤独を愛する。
    猫は、自分の感性を信じる。
    猫は、ポジティブ思考。
    猫は、群れない。
    猫は、名誉なんて気にし

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    2024年04月13日
  • 絶滅危惧個人商店

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    チェーン店など効率化の代償に、日本人は何か大切な物を失った様に思う。どこか懐かしい今も残る個人商店の記録。

    今でもこんな個人商店があるのが嬉しい。どこも店主は高齢だが変わらず頑張る姿には深く感銘。

    ファミリーヒストリーを引き出す筆者の取材力あっての楽しい作品。

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    2021年05月10日
  • 葬送の仕事師たち(新潮文庫)

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    葬儀社社員・湯灌師・納棺師・復元師・エンバーマー・火葬場職員、どの職業も死者に対し尊敬念を持ち誇りを持って仕事をしているのが垣間見られた。「死」という誰もが通る道だが、その時にどう有りたいかを話す機会はなく「縁起でもない」として忌み嫌う傾向にある。また、身近な人の死に直面すると、悲しみが強く、一連の流れに身を任せているうちに終わってしまった虚しさが残ることも多かったが、淡々とこなす仕事も、自分達が悲しみに浸れるようにしてくれていたのかもと本書を読み感じさせられた。


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    2021年04月25日
  • 葬送の仕事師たち(新潮文庫)

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    普段、全く意識していなかった葬送の仕事。葬儀社、エンバーマー、火葬炉で働く人々など、壮絶な仕事の姿が書かれていた。
    うつ病で何度も死にたいと思う経験をしたが、死んだ後自分がどう送られるのかを考えたことがなかった。本著で書かれた葬送の仕事師たちの思いの中で送られるのなら、死ぬこともそう悪くないなと思った。一方で遺族のことを考えると、死ぬときはできるだけきれいに死にたいもんだと思うようになった。
    死を身近に感じることができる一冊。
    いかに自分が死んだ後のことに無知だったかを思いしらされた。身近なひとたちの死は避けられない。だからこそ生きている今を大切にすることと、死んだ後にどのような思いで弔うかに

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    2020年03月02日
  • 葬送の仕事師たち(新潮文庫)

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    ある日ふと目に留まり、
    気になっていたものの手に取るまでに
    ある程度の月日を要する。
    購入したのは父が亡くなり10年目の年。
    読み始めるまでに時間がかかる。

    大事な大事な友人が亡くなり、
    この本からまた遠ざかりたくなったが
    「読まなければならない」ある日ふとそう思った。

    葬儀社社員、湯灌師、納棺師、復元師、
    エンバーマー、火葬場職員…
    旅立ちを支える人たち。

    彼らは日々「死」と真正面から向き合い、
    悲しみに打ちひしがれる遺族だけではなく
    亡くなった人にも寄り添う。

    きれいな遺体ばかりではない。
    家族や友人に囲まれて旅立つ人ばかりではない。

    どんな場合であろうと、真摯な姿勢は変わらな

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    2025年06月05日
  • 親を送る その日は必ずやってくる

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    ネタバレ

    親の死の話は少なくないが、二人続けての話は応える。ライターとしての力というか、読ませる力がものすごい。

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    2019年01月02日
  • 夢の猫本屋ができるまで Cat's Meow Books

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    「猫」×「本屋」×「コーヒー」の「猫本屋」の話・・・となったら読まずにいられません。
    世間もネコブームですが、我が家も末娘を中心にネコブームです。
    この本は
    ・保護猫が「本屋の店員」として常駐
    ・店内の本はすべて「猫本」
    ・収益の一部を「保護猫団体」に寄付
    ・資金の一部はクラウドファンディング
    ・住宅の片隅を店舗に
    というユニークな特徴を持った「Cat's Meow Books」という本屋さんが、どうやって開業し、運営したのか、ホントだったら聞きにくいお金のリアルな話も含めての裏話満載の本です。

    最近、特定のテーマに特化した本屋さんや、本を売るだけでない別のサービス(カフェ併設や雑

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    2018年11月28日
  • 葬送の仕事師たち(新潮文庫)

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    人をお看取りするまでが我々の勤めであるが、きれいに亡くなる方ばかりではない。
    病気のために亡くなった方でも痩せてしまったり顔色が異なる様となってしまった方を戻す技術、また遺族と亡くなった方を繋ぐ技術と思いがあることを学んだ。
    読み返す度8/10

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    2018年09月10日
  • 遊廓の産院から

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    尼崎で助産院をやっていて、著者もそこで子どもを産んだという助産師・前田たまゑさんの一代記。戦時中や戦後のベビーブーム、出産の場の主流が病院に移ったり、開業して理想のお産を求め実践したりという具合に、めまぐるしく流れていく時代のなかをいきいきと飄々と生き抜いた人物の記録として面白かった。
    出産周辺のはやりすたりの激しさがまた面白い。前田さんが助産に携わっていた50年ほどの間に、出産の場所は自宅から病院へと移ったし、そのなかでもウーマンリブの風潮と相まって助産院での自由な出産が見直されたり、また、かつて自宅出産の時代は男性が普通に産み部屋にいたというのもびっくり(テレビや映画のそういうシーンでは「

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    2016年08月13日
  • 親を送る

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    題名を見て読みたいと思いました。
    親を送る‥わかってはいても後悔することばかり。どれだけ両親に愛され、許され、受け入れられていたか。今度は私がしっかり親としての役割を果たさなければと感じました。

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    2016年01月21日
  • 親を送る

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    元気だった母の大やけどから、いきなり始まる両親の介護、そして見送りまでの4ヶ月間。
    親譲りの「開けっぴろげ」な性格のリッちゃんは突然始まったこの状況への困惑、怒り、感謝、後悔、揺れ動く自分の気持ちをあからさまなほど正直に綴る。「百人いれば百通りの親の見送り方がある。」と言われる。つまりこの本は、たったひとつの個人的ケースに過ぎないのだ。

    だけど、その個人的なエピソードのひとつひとつが、読者である「私」の記憶を激しく刺激する。見知らぬ人から掛けられた労いの言葉や、ちょっとした親切に救われたこと。すれ違う思いや、ゆっくりと坂道を下るように「死」へ近づいている母と現実の生活‥そのほか登場人物の名前

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    2015年11月23日
  • さいごの色街 飛田

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    人間の欲を凝縮している街、飛田。

    著者が12年かけて取材した渾身のルポ。

    昭和を色濃く残す街であるが、事情がある人が集まり、
    外からの人間を拒絶する。
    写真を撮ることも簡単ではない街での取材、女性目線からの取材は興味深い。

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    2016年05月07日
  • 遊廓の産院から

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    遊郭の産院というタイトルから、遊郭近くの助産院で働いていた方についての本かと思ったのですが、そうではなく。
    遊郭近くの婦人科から、助産師を目指した方の話でした。
    戦中、戦後の日本史と、出産の歴史を感じられる本です。

    昔の人は、本当に良く働いていたこともわかります。
    辛くても耐える、とか言葉にすると当たり前なのかも知れませんが、その辛さが重い。

    医学が、人間という生き物の全てをわかっているわけではないな、と感じることが多いので
    西洋医学以前の、歴史に出産のノウハウがあって当たり前だし
    生き物としての出産
    日常生活としての出産
    と感じられる本でした。

    タイトルは「さいごの色街飛田」が好評だっ

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    2013年10月18日
  • さいごの色街 飛田

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    世間をお騒がせの橋下大阪市長が過去に顧問弁護士をしてた、とかからの興味で読みました。
    壮絶な人生が、お姉さんの数だけではなく経営者や曳手と呼ばれる客引きの人にもあることを知らされる内容でした。
    だから、締めにある「客として行ってお金を落とすのは構わないが、物見遊山では行くな」には同意。

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    2013年07月13日
  • 夢の猫本屋ができるまで Cat's Meow Books

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    ネタバレ

     店長、店員猫は全員保護猫。人間の店主は伝説のリブリオバトラー。

     2018年の出版だから、今から10年くらい前の話。猫本だけを集めた「Cat's Meow Books」は「猫が本屋を助け、本屋が猫を助ける、というお店」というコンセプトを明確にしたお店。準備段階から、このコンセプトは揺らぐことがなく、そのコンセプトを実現していく中で様々な繋がりが生まれ、とても素敵な空間ができていきます。

     企画段階から、物件探し、リフォーム、品揃え、資金のことと、開業からの営業成績。これから書店をやりたい、という方には具体的でとても役に立つ本になっています。

     10年ほど前の本ですが、今でも完

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    2025年11月30日
  • 遊廓の産院から

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    作者の本は飛田に続いて2冊目。とはいえ、出版の順番としては、こちらの方が全然早いのだけれども。
    テーマがいつも興味深いうえに、助産師の前田さんという存在がとても良かった。

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    2025年11月01日
  • 夢の猫本屋ができるまで Cat's Meow Books

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    「犬族」でも「猫族」でもなく、動物保護にも関心のない私だけど、どのみち買うならこういう本屋さんで買いたい。「本とビールが好き」というポイントで店主さんとお話してみたい。ビブリオバトルを観戦したことがないのだけど、この本を読んで見てみたいと思った。

    この本の店主は、青山美智子の『お探し物は図書室まで』に、パラレルキャリアを実際している人のモデルとして出てくる。巻末の参考文献で本書を知り、図書室で取り寄せした。
    え、実際この店あるの?と、軽い気持ちでGoogleMAPで検索。あるのか!
    世田谷線の猫の車両、いかにも我が家の子どもたちが喜びそう。

    東京にはいろんな店があるなぁ。

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    2025年10月16日
  • 葬送の仕事師たち(新潮文庫)

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    葬儀社に3年程勤めていて転職した。理由は「儲からないから」いい経験になったとは思っている。
    当時を懐かしみながら読んでみて、ビジネスとして見ると、それこそ死ぬほど勉強して、新しい形態を作るのが必要な業界だと思う。
    2027年以降、団塊の世代が死に近付いていく年にはどうなっているのだろうか。

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    2025年07月19日
  • いまどきの納骨堂 ~変わりゆく供養とお墓のカタチ~

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    お墓の現在の状況を軽めに、必ず料金を示す下世話さで紹介してくれる良書。
    冒頭の先祖の石の墓じまいの場面で、骨壷が倒れてたり、湿気が多くて水浸しになってなっている場面が印象的。坊主が離檀料をせしめて、遺骨を配送業者に依頼することに苦言を呈し、叱りつけていつまでも改葬(墓の移動)をさせようとしない昔ながらの石の墓が一方の極にある。
    他方で、新宿徒歩3分の自動搬送式の納骨堂は正直気になっていた。かなり商業的なんじゃないっていう当然のツッコミもしつつ、やはり住居に近くてついでにお参りができ、手ぶらで行けるし、管理不要という便利さが石のお墓に代わってくるのも頷ける。
    でも骨に対して祈るのか?そもそもお墓

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    2025年06月05日
  • 遊廓の産院から

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    ネタバレ

    遊郭の産院から
    産婆50年、昭和を生き抜いて

    著者:井上理津子
    発行:2013年3月10日
    河出文庫(河出書房新社)
    初出:「産婆さん、50年やりました 前田たまゑ物語」(1996年、筑摩書房)を改題、増補、文庫化


    井上理津子さんは、多くのノンフィクション作品を出していて、ほんの一部しか読んでいないけど、本書はこれまで読んだ中で一番。大変な傑作ではないかと驚いた。しかも、これが著者にとって初めての書き下ろし作品だという。「さいごの色街 飛田」ばかりが有名で、しかも、橋下徹が飛田新地(組合)の顧問弁護士をしていることが一人歩きすらしているが、井上作品はちゃんとフルで読み、味わって欲しいもの

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    2024年12月26日