井上理津子のレビュー一覧

  • さいごの色街 飛田

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    古色蒼然、いや化石レベルの社会的構造、つまり貧困層を生み出し続ける要因は数百年来なにも変わっていない、むしろ近代以降悪化しているとも思わせるのが、飛田のまちである。
    私もかつて仕事で飛田のど真ん中の施設に出入りしていたため、否応にも目にしていた光景。その背後には、こんな状況があるということがよくわかった。
    どんな人にも一読を、といいたいが、読後感はまずい。

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    2014年04月25日
  • さいごの色街 飛田

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    なかなか知ることのできない飛田のなかの「彼女たち」の事情や「まわりの人」の素顔、飛田に通う人の横顔などを、著者はじっくり年月をかけて通って浮かび上がらせている。古くから風習や古い建物、昔ながらの闇取引の関係は近代化が進む周囲から断絶しているかに見えるが、「彼女たち」の事情は貧困や教育格差以外の現代らしいいきさつもあることを知った。女の子を斡旋する女の心情はどんなものかと思っていたが、インタビューを読み、割り切れないところも残っているようだと知って同じ女性として少しばかり救われた気がした。

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    2014年02月16日
  • さいごの色街 飛田

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    女性ライターが長年にわたり飛田を取材した内容をまとめた一冊。飛田の歴史から、内部だけでなく周辺人脈にまでおよぶインタビューも収録。女性なのにかなり深部まで切り込むことに成功した渾身のルポだと思う。飛田管轄の警察に飛田は違法行為をやっているのになぜ取り締まらないのか?と聞きに行ったところが面白かった。別の人の著書だが、「飛田に生きる」、「飛田の子」と併せて飛田三部作として後世に残ってほしい。

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    2014年01月26日
  • さいごの色街 飛田

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    大阪に今もなおある遊廓・飛田について書かれた本。
    飛田は、閉鎖的な社会のせいか、著者はインタビューに苦労したようだ。
    著者は女性なので、客として行くわけにもいかず・・・。
    そういうこともあってか、歯切れが悪いというか、あいまいというか、そんな印象がする本だった。
    同じ飛田のことを料亭経営者(男性)が書いた本の方が、よりリアルでおもしろかった。

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    2013年10月04日
  • さいごの色街 飛田

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    飛田って外からはわかりにくい町なんだと思うけど、そこを頑張ってよく取材したなと思います。近代以降の日本でこうゆう業界がどんな歴史を辿ったかってのも勉強になったし。

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    2013年07月21日
  • さいごの色街 飛田

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    大阪市西成区に今なお存在する「飛田」という「色街」があるという。何とかこの街の記録を残したいと、興味を持った作者が2000年からこの街について取材を始めた。

    女性である作者にとって、この街の取材はやりにくかったのではないか。
    飛田界隈は、昔でいう遊郭というべき性質の街だから、お客様は男性ばかりで、客引きおばさんも女性には目もくれない。店に中に入れないから取材もできない。

    そこで作者は男性の知り合いに頼んでお客となって店に潜入し、お店の「おねえさん」から飛田で働くことになった顛末や、飛田での労働条件などの待遇を聞き出してもらうことから始めた。

    足掛け12年の取材。そのうちに飛田で知人もでき

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    2017年11月09日
  • さいごの色街 飛田

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    遊廓の名残りをとどめる、大阪・飛田。社会のあらゆる矛盾をのみ込む貪欲で多面的なこの街に、人はなぜ引き寄せられるのか?取材拒否の街に挑んだ12年を綴る。
    ダ・ヴィンチの上半期エッセイ・ノンフィクションジャンルで堂々の1位になっていて気になって読んでみた。
    内容はすごい。正直女性がここまで乗り込んで取材できたのは著者の並々ならぬ執念があったからこそだとは思うし、絶対に知ることができないだろうなと思う飛田の「中」を紹介しているという意味では価値がある。無駄に下世話な話ではないし、飛田に対し良いとか悪いとか極端な意見を述べていないのも良かった。ありのまま、ただ飛田を知りたいだけだから。
    一番心に残った

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    2015年02月05日
  • さいごの色街 飛田

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    なんだか題名と表紙に騙されたみたい・・・
    昭和情緒のこるはんなりした・・・そうかん違いした私も悪いのですが、
    さいご、どころか現在進行形の風俗店街なんですね。

    体当たりルポルタージュってことで評価はいたしますが、
    なんだか後味は良くない。なぜかと言えば、ウソつきながら取材したってこと、あからさまに書いてあるし。

    井上さんももうこの街には関わらないって言ってることだからいいのですが、もう足踏み入れられないですよ、コレでは。

    女の子たちのこれからに幸あれと祈ります、ってコレじゃァ私も上から目線。スミマセン。

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    2016年10月18日
  • 旅情酒場をゆく

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    気になったお店。
    仙台の「巣窟」
    秋田の「秋田杉」
    名古屋の「天得」
    東京都台東区「ますみ寿司」
    宮城県気仙沼「ぴんぽん」

    酒、店に対しての臨場感のあふれるような表現をもっと出してほしい。

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    2012年04月12日