矢樹純のレビュー一覧

  • 彼女たちの牙と舌

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    同じ進学塾に通う中学受験を控えた子どもを持つママたち4人の集まりは、上辺は上品な奥さまたちで家庭内においても波風立つこともなくすべてが上手くいっている…とそんなふうではあったが、実はお互いにそれぞれ人に言えない秘密があった。

    4人のうちのひとり衣織は、3人とは少し距離をもって接していたが、すでに離婚をしていることをみんなに知られていて、知絵に相談されたのは、特殊詐欺グループの人間から脅かされているということだった。
    その発端は、夫が病気でお金が必要ということを澄佳に相談したところ…。

    受験生を抱え、仕事の合間にやることに限りはあり、杏里を誘い手伝ってもらう…

    いつのまにか、衣織以外の3人

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    2025年06月19日
  • 新しい法律ができた

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    ショートショートというものを初めて読んだ。
    なので、他シリーズは未読。

    「新しい法律ができた」
    最初の1行は全員一緒。
    なんだそれ、面白い!!!
    同じ一行から始まるのに、話の内容も展開も全く違う。面白い。

    1つ目のお話(金子玲介、ルパちゃん)が重くて、苦しくて、
    え!?これ読めるか!?と思ってしまった。
    が、作家によって内容は十人十色。
    様々なバリエーションがあるのが面白かった。
    しかし、法律が主題なので、内容が難しいものも多かった。

    塩屋験さんは(AIが小説を書くようになるが、作者は人の名前にし、人間かAIが書いているか分からなくするという話)、最後、え!?となって驚かされた

    シリア

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    2025年06月17日
  • Jミステリー2024~FALL~

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    刑事の食レポ 誉田哲也
    展開の仕方が好みだったので、ストロベリーナイトを読んでみたくなった!

    あなたは知る由もありませんが 辻堂ゆめ
    ファミレスでのあれこれが凄い結末を呼ぶのが面白い!

    Black Beady Eyes 黒きつぶらな君の瞳 矢樹純
    まさかの結末!ミスリードが上手い!

    沼の底、さらに底 川瀬七緒
    最低は最悪に繋がる…関わりたくない世界。

    神通力 秋吉理香子
    詐欺事件がテーマなのにハートウォーミング。おばあちゃんの神通力かぁ…

    いじめっ子を殺しに 平山夢明
    これだけは胸糞で苦手だった。グロ多すぎて。。誰が誰に何してるのかとかも絶妙に混乱する。

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    2025年06月02日
  • 幸せの国殺人事件

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    中学生が主人公のミステリ。思ったより主人公たちに情報リテラシーがあって面白かった。好きな遊園地を舞台に小説書いてゲーム作って……いいなあ。オンラインゲーム上で廃園になった遊園地を再現するの、楽しそう。

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    2025年04月29日
  • マザー・マーダー

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    息子を溺愛する母親を中心につながりのある短編集。この人は家族の叙述トリックがうまい。母親殺しが、実は母ではなく祖母だったりと。

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    2025年04月29日
  • 彼女たちの牙と舌

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    受験生を持つ母親たち4人の凄まじい犯罪に手を貸すミステリー、驚きの連続で読む手が止まりませんでした。誰が正しい事を言っているのか誰が死んだのか闇に葬られて行くストーリーの展開に驚愕を覚えました。ラストの詐欺まがいの融資には驚くばかりでした。あなたもじっくり読んで驚愕のストーリー展開に手に汗握って下さい。

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    2025年04月28日
  • 夫の骨

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    まだ読んでる途中ですけど感想を言いたい!

    『撮ってはいけない家』ですっかりファンになった矢樹純さんの短編集です。

    表題作『夫の骨』の主人公の想像を超える真相、『朽ちない花』のガッツリミステリーで「信頼できない語り手」(ちょっと違う)な感じがヤバかったです。

    自分にとって矢樹さんの文章から受ける恐怖とは、基本となる風景や心情を淡い色味で描写されていて、とても読みやすいなーと油断しているといつの間にやら無酸素状態の場に取り込まれてて窒息しそうになる感じで、これは他では体験したことの無い種類のもので大変嬉しく、また病みつきになります。

    という訳でこの先も楽しみに読ませていただきます!

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    2025年04月15日
  • 血腐れ(新潮文庫)

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    初読み作家さんで、短編だし期待してなかったけど、それぞれの短編が異なる構成をしており、読みごたえがあった。テイストは芦沢央さんに似てるけど、今作品の矢樹さんのがより文章で細かく場面状況が想像できる(→なので、よりホラー感がある)

    来歴をみると、小説家・漫画原作者とあるからなるほどなと思った。この小説を漫画や映像化にされたら、より怖くできるだろうな…。

    それにしても、よくこんなに噂話や伝承的な呪い、まじない的な話が思い付くなぁ。
    私が特に良かったのは、血腐れと声失せかな。

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    魂疫(たまえやみ)
    血腐れ(ちぐされ)
    骨煤(ほねずす)
    爪穢し(つめけがし)

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    2025年03月29日
  • 血腐れ(新潮文庫)

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    何気ない家族の日常だったはずが、ひたひたと何かが迫って… 家族をテーマにしたホラー短編集 #血腐れ

    ■きっと読みたくなるレビュー
    家族をテーマにしたホラー短編集。

    そっと物語が始まり、少しずつに奇妙な世界に誘われていく。何気ない日常的なシーンだったはずが、ひたひたと何かが迫ってくるという恐ろしさ。そして帰結するところは、もっとも人が寄り添う家族の関係性に及んでくるという…

    本作はミステリーとして読んでも十分に面白い。途中途中でノイズや違和感を感じつつ恐々読み進めていると、終盤、とつぜん提示される情報が読み手を楽しませてくれる。鋭角に驚かされるや、ニヤリとされられることも多かったですね。

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    2025年03月13日
  • 血腐れ(新潮文庫)

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    それぞれ確立した物語が楽しめる短編集。
    オカルト要素もある人怖で、ホラー×イヤミス好きにはたまらん一冊。

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    2025年02月28日
  • バカレイドッグス(3)

    ネタバレ 購入済み

    打ち切りかな…?

    後半がかなり駆け足になり、あっという間に終わります。
    患者はもういいけど、兄弟や母親のことに関しては、もう少しだけゆっくり話を進めて欲しかったです。
    内容的には現代版ブラックジャックのような感じがして好きです。

    #ドキドキハラハラ #ダーク

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    2025年02月04日
  • 夫の骨

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    初めての作家さん、まずは短編集から。
    短編なのですぐ読み終えたが、読み応えあるミステリー。

    家族内の軋みを捉えた作品だけあって、登場人物や背景は少し似通っている。
    それでも最後まで読むと、なるほど、、、と感心せざるを得ない結末。私にはとても面白かった。
    中でも「柔らかな背」が好き。

    表題作の「夫の骨」、、表紙のイラストを見るに、いわゆる不倫ドロドロの昔の昼ドラを想像してしまったが、読むと全く違う。
    これ、題名とイラストで損してないかな?と思ってしまった。

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    2025年02月04日
  • マザー・マーダー

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    主人公家族と関わった人たちの目線が描かれていくオムニバス形式な物語。
    その目線からこの家族はなんなんだ?と予想するも結末は全く予想できないことだった…
    全部おもしろくてなかなかなスピードで読み終えた。

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    2025年02月02日
  • 夫の骨

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    ネタバレ

    日本推理作家協会賞短編部門を受賞していると知り、気になったため読んでみました。
    表題作の「夫の骨」をはじめ、9つの収録作全てが”家族”にまつわるどんでん返し系短編でした。
    これはすげぇ…みたいなどんでん返しはありませんでしたが、うわっこんな真実があったのか…と薄ら寒くなるような話が多かったです。
    “家族”という1番身近な存在であるが故に、つい傲慢な態度をとってしまったり、上下関係ができてしまったりと、家族間の人間関係の難しさがよく描かれていました。
    真相への辿り着き方が少々ワンパターンかな?と思う部分もありますが、今一度身近な存在に対しての言動や振る舞いを見直すきっかけとなる本だなと思いました

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    2025年02月02日
  • 撮ってはいけない家

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    ホラーとミステリーの絶妙なバランスを最後まで保ったまま走り抜けられる。
    モキュメンタリー企画を持ち込んだ小隈を疑うミスリードから一転、オカルトマニア阿南くんにより解決パートがサクサク進むのがおもしろい。
    導入の怪談音声は何か伏線になると思って備えてたのに全く引っ掛からず、忘れかけたころに…のタイミングが良すぎる。
    雨穴さんの「変な絵」等でも思ったけど、攻撃力の無さそうなご婦人が一番怖い。薄々嫌な予感はしてたけど本当に嫌なパターンだった。
    終わり方も薄ら嫌な予感はしてたけど、そうなるよね~~

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    2025年08月02日
  • マザー・マーダー

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    期待を裏切らない、矢樹純イメージそのままの、これこそイヤミスと言う感じのもの。梶原家にまつわる連作短編集で、4つの短編と、最終まとめの構成。4話はそれぞれ趣向の異なるミステリーで、本筋に特に影響はないものの叙述を混ぜてきたり、トリックの種明かしがあったり、飽きさせない工夫が面白い。最終話ではそれまでの4話の登場人物が出て来た末の大ネタ明かしはもうとてもキモい。そして読後感もまあ悪かった。

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    2025年01月25日
  • マザー・マーダー

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    矢樹純『マザー・マダー』光文社文庫。

    5話収録のイヤミス短編連作集。息子の恭介を溺愛する梶原里美に関わる5人の登場人物が語り手となり、少しずつ梶原家の秘密が明らかするというストーリーの作品。

    『第一話 永い眠り』。以前読んだ矢樹純の『夫の骨』のようなテイストの短編。全くの予想外の結末で、タイトルの意味を知ることになる。泥々とした男女の過去と不倫の果てに辿り着く結末。一戸建てに夫と娘の陽菜と暮らす佐保瑞希が語り手。瑞希は隣の梶原家を疎ましく思っていた。梶原家には引きこもりの33歳の息子がおり、母親の梶原美里が息子を溺愛するあまりに近所でトラブルを繰り返していたのだ。しかし、梶原里美は端役に過

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    2025年01月25日
  • 血腐れ(新潮文庫)

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    2019年に刊行された『夫の骨』を読んで以来、一気にファンになり、追い続けている矢樹純さん。

    「魂疫」「血腐れ」「骨煤」
    「爪穢し」「声失せ」「影祓え」
    六話収録の短編集。

    不吉なタイトルから想像していた通り、ミステリーにホラー要素が盛り込まれ、どの物語も背筋がヒヤッとした。

    読み進めるうちに、得体の知れないものがどんどん自分の身体に絡みつき、侵食されるような恐怖を覚える。

    矢樹さんお得意の二転三転やどんでん返しも健在でラスト一瞬まで翻弄された。

    矢樹沼にハマったらもう抜け出す事は不可能。

    短編の名手の肩書きに偽りなし。

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    2025年01月20日
  • 血腐れ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    夫婦、親子、兄弟、親戚…関係が近ければ近いほど、抱く感情も濃くなり複雑になる。そんな血縁から生まれる闇はもう魑魅魍魎の巣窟で、いつ誰が陥ってもおかしくない気にさせられる短編ホラー。
    「骨煤」の親の介護を巡る兄弟間のやり取り、主人公のある意味自然にまかせた最後のブラックな感情はリアルすぎてゾッ。
    イチオシは雪深い村の寺の忌まわしい伝承とミステリーの融合、予想外の結末が秀逸な「声失せ」。
    「影祓え」の母子に降りかかる理不尽な災厄以上に怖く腹立たしいのは、肝心なことを言わず肝心な時に役に立たない父親の存在だな。

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    2025年01月01日
  • 血腐れ(新潮文庫)

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    よくできたホラーミステリ。ちゃんと怖くて、ちゃんとストーリーが筋道だっている。
    最近、設定重視で実験的な小説を読むことが多かったのもあって「この人小説が上手い…!」となりました。

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    2024年12月22日