あらすじ
母親4人が語り合うのは,
中学受験対策と犯罪計画!?
年代も仕事も家庭環境も異なる母親4人が出会ったのは、進学塾の保護者説明会だった。それをきっかけに、定期的に集うようになるが、ある日、詐欺事件に巻き込まれ……。笑顔の裏に隠された嘘、嫉妬、後悔、嫌悪。敵は詐欺グループか、それとも笑顔のママ友か。
二転三転では、物足りない。
章が変わるごとに、見ていた世界が
反転する、驚きの長編ミステリー!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
それぞれの子供たちが通う進学ゼミの、4人の母親たち。
タワマンに住む裕福な澄佳が他の主婦たちにマウントを取る為に、自分の家に定期的に集まりを持っていた。
と、最初は主婦同士の縄張り争い程度の話かと読み進めたら、息子が特殊詐欺に関わったり、夫婦間の問題があり、親子の問題があり、ついには特殊詐欺グループに絡め取られていく展開になる。
物語の予想外の進行に最初の先入観が雲散していた。
なかなかに面白い小説だった。
Posted by ブクログ
四人のママ友たちの悲劇… 嫉妬、嘘、プライドが絡み合う無類のサスペンススリラー #彼女たちの牙と舌
■あらすじ
子どもの中学受験をきっかけに知り合った四人の女性。定期的に集まり情報交換をするママ友の関係であった。ある日Webマーケティングの仕事をしている衣織は、知絵から相談を受ける。ネットでのトラブルに巻き込まれてしまったらしい。どうやら、知絵は怪しい仕事を請け負っているらしいのだが…
■きっと読みたくなるレビュー
子ども達の学習塾から繋がったママ友たち。本来は楽しい集いだったはずが、いつの間にか嫉妬と業にまみれていく。さらには、小遣い稼ぎで始めた副業が図らずも犯罪組織ともつながってしまうという… 圧倒的濃度のサスペンススリラーです。
まず女性たちの妬み嫉みが綿密すぎますよね。ここまで心情を深く抉った描写はあまり読んだことがありません。背景にはそれぞれの事情があり、いまを真剣に生きているからこその羨望がにじみ出てくる。溜めてる心情や吐かれるセリフは醜い、しかしながら彼女たちは生命力に溢れていて強烈なのよね。
また本作は、ママ友たちひとりずつ焦点を当てながらストーリーが展開される連作短編集になっています。読み進めるほどに彼女たちの悪辣さの虜になっちゃうのよ。
序盤は何やら犯罪に巻き込まれて大変そうだなーと思いきや、途中からは完全にクライムサスペンスに変化していく。化かし合ってるのか、助け合ってるのか、絶対に彼女たちの仲間にはなりたくないと思いましたね。
一番の読みどころは、物語が二転三転とするところですね~ 。嫉妬、プライド、嘘が複雑に絡み合ってずっと目が離せない。無類のサスペンスミステリーですね。
そして思った以上の犯罪に加担していく様がパワフルなのよ。やってる犯罪も新しいし、狡猾だし… え、こんなことしちゃうの? ってくらい。終盤におしよせる怒涛の展開は必見ですね、目ん玉とびでそうになりましたよ。
さて本作、矢樹純先生はプロットがお上手で、するすると読めちゃいますね~。筆致も可憐で、日本人の胸に沁みる文章なんですよ。いつもホラーを楽しませてもらってますが、サスペンスもいいですね。次回作にも期待しています。
■ぜっさん推しポイント
一番悪いのは男、クズばっかり。
女性の皆さんに言いたい、伴侶は誠実な人を選びましょう。そして自分よりもあなたのことを優先してくれるか見定めましょう。
あ、余計なお世話ですね。でもこういった作品を読むと、つい本気になってしまうのです。幸せを求めるために無理に結果を出そうとしなくていい、維持する過程に幸せは存在するんです。
Posted by ブクログ
お受験ママ友の間でのドロドロとしたやり取りを楽しむ小説かな、と思っていたらかなりミステリー風味の強い犯罪小説だったというオチに気持ちが追いつかなかったというのが素直な感想です。
それまでお互いに不信感を抱いていた四人が最終盤の詐欺集団をやり込める辺りの一体感はなかなか爽快で良かったです。
続編を匂わせる終わり方をしたのですがどうなるんですかね。杏里のお腹の子も気になりました。
Posted by ブクログ
とても丁寧なミステリーという感じ!
中学受験という設定は必要だっただろうか…って感じなのと、1番なんの関係もない衣織がIQ150くらいありそうな頭のキレのおかげでうまく最後までまとめた。
知らない!ご勝手に!で突っぱねて良い関係性と性格なのに、よく自分から…という感じが
弱いかなぁ?
でも本当に丁寧にまとめられたミステリーです。
とっ散らかったものを回収することタイプじゃなくて、ひとつひと次丁寧にクリアしていく系。
ハッピーエンドなのは予想できた!
Posted by ブクログ
特殊詐欺グループの追い込みがヌルイところが難だが、主婦4人がそれぞれの境遇を抱えながら最終的にハッピーエンドに至るピカレスクもの。主婦それぞれの心理描写がまあまあ確りしているので最後まで楽しめる。
Posted by ブクログ
子どもの中学受験を控えた母親4人がとある事件に巻き込まれていくクライム・サスペンス小説。
主要な4人の登場人物(+1名)の間で視点が順次入れ替わっていく構成で、そのたびに隠されていた新たな事実が明らかになり話が二転三転していく展開で、途中までかなりはまりこんで夢中で読んだ。ただ、読み終わって全体像を把握してみたら、ちょっと粗も見受けられ、期待したほどではなかったかなという読後感だった。(伊織にもっと裏があるのかと思っていたし、それがないのなら、なぜあんなに積極的に事件に関わろうとしたのか腑に落ちなかった。また、犯罪組織側が安易に接触してきすぎと思うし、4人に捜査機関の手がまったく伸びないのも不自然。などなど。)まあ、かなり面白い小説であることに違いはない。
Posted by ブクログ
読み始めた時は、まさかこういう話とは思っていなかった。
私立中学を受験させるため、子どもを塾に通わせるママ友4人の会話から始まる。4人の母たちの家庭環境やそれぞれの事情をその立場から語らせ、次第に真相へと近づいていく。
いったい誰が本当のことを語っているのか、それぞれの思惑もからみ、真相に近づいているのかわからず、一気読みした。
人も死ぬし、小指の切断もあったが、4人の母たちは身を守るため、それぞれの得意な事を活かして、とある企みを実行する。
最後は痛快で、この作者の作品をまた読みたくなった。
Posted by ブクログ
普通の主婦4人が犯罪に巻き込まれるミステリー
よくある金銭絡みで犯罪に手を染める主婦という単純なストーリーではなく、いくつもの裏切りと伏線がある読み応えのある作品だった
闇バイトに手を出す若者たちはリアルなニュースでもよく出てくるが主婦にとっても身近な犯罪になってるのかもしれない
そういった怖さも描きながら、主婦たちの痛快な行動力という2面を描き切った良作だった
本作者の作品をまた手に取りたいと思った
Posted by ブクログ
ドラマや映画になりそう。本当のことを言っているようでそれぞれが何かを隠している。ママ友ってそんな感じなのか? 勢いがある女性たちにスカッとした。
Posted by ブクログ
同じ進学塾に通う中学受験を控えた子どもを持つママたち4人の集まりは、上辺は上品な奥さまたちで家庭内においても波風立つこともなくすべてが上手くいっている…とそんなふうではあったが、実はお互いにそれぞれ人に言えない秘密があった。
4人のうちのひとり衣織は、3人とは少し距離をもって接していたが、すでに離婚をしていることをみんなに知られていて、知絵に相談されたのは、特殊詐欺グループの人間から脅かされているということだった。
その発端は、夫が病気でお金が必要ということを澄佳に相談したところ…。
受験生を抱え、仕事の合間にやることに限りはあり、杏里を誘い手伝ってもらう…
いつのまにか、衣織以外の3人は引き返すことのできない状況に…。
こんな展開になるとは想像もつかず、驚きの連続で…また謎の部分も多くミステリーでもある。
普通の家庭人が、特殊詐欺に加担してしまうってこういうことなのか…と思うとゾッとした。
スズキとヤマギシは最後まで謎めいていた。
Posted by ブクログ
受験生を持つ母親たち4人の凄まじい犯罪に手を貸すミステリー、驚きの連続で読む手が止まりませんでした。誰が正しい事を言っているのか誰が死んだのか闇に葬られて行くストーリーの展開に驚愕を覚えました。ラストの詐欺まがいの融資には驚くばかりでした。あなたもじっくり読んで驚愕のストーリー展開に手に汗握って下さい。
Posted by ブクログ
中学受験を控えた子供が同じ塾に通っている母親4人
それぞれが詐欺集団に加担していた
互いに金銭面に困っていたためお互いが相談して先に加担していたものに勧められてのことだった
だがそのうち強盗事件となり巻き込まれていく
Posted by ブクログ
※
序盤はママ友たちのマウント合戦、意地や
見栄の張り合い、上辺ばかりを取り繕った
虚構な関係に胸悪さを感じました。
中盤から終盤に向けて各人の素の性格が
小出しになって、輪郭が立体的に見えてくる
様に感じた。
牽制し合いながらも協力していく様子、
弱さから反転した肝の座った態度と行動、
したたかな強さが小気味良かった。
Posted by ブクログ
ママ友4人がそれぞれの事情を抱えながら、特殊詐欺、闇バイト問題に絡んでしまい、それぞれのスキルを活かして解決していこうというお話。テンポもよくママ友側の世界は理解できたが、私は最後まで“スズキ”、“ヤマギシ”がよくわからず誰が命を落としたかも確信がない。著者の頭の中には整然とそれらの登場人物が配置されていると思うが、詐欺グループが身元がわからないように行動するのを描写する中で、自分には少ない人数でありながら誰がどのように行動したか、危険な目に遭ったかなどわからなかった。でも面白い設定で楽しく読めた。
Posted by ブクログ
雪だるま方式のミステリー。
1つの小さな犯罪で終わる事がなく、また、それが大きくなる。女3人集まれば何とかといいますが、4人だと大胆にも慣れるんですね。
人間って表の顔と裏の顔かあるって事を思い知らされました。
25/08/04 30冊目
Posted by ブクログ
面白そうだったので、読んでみた。
中学受験の塾で知り合ったママ友同士が、それぞれの思惑を抱えて犯罪に巻き込まれていく話。
スカイキャッスルのような、我が子を一流校に入れるために、ライバルになる親子を欺いたり蹴落としたりするようなドロドロした話かと思ったら、そこはあまり関係なく、知り合ったのが中学受験の塾というだっただけだった。
目まぐるしく語り手が変わるので、切り替えが難しく、どんでん返しも挟んでくるので、何だかわかりにくいストーリーだった。
Posted by ブクログ
「離れたい女」
「救いたい女」
「愛したい女」
「守りたい女」
「逃げたい男」
「信じたい女」
5話と幕間で構成された長編小説。
進学塾・和光ゼミナールに子供を通わせる四人のママ友が詐欺事件に巻き込まれていくミステリー。
雪下まゆさんの装画とタイトルが好み。
日本推理作家協会賞受賞作『夫の骨』以来、欠かさず読んでいる矢樹作品だけに嫌でも期待が高まる。
冒頭の会話からマウンティング争いをするイヤミス系の話かと思いきや、物語は詐欺、殺人、監禁と物騒な方向へと進んでいく。
今回は矢樹作品の持ち味であるキレの良さが感じられず少し残念。
Posted by ブクログ
同じ進学塾に子供が通う、母親4人。
最初は、環境も年齢も立場も違うただ、子供が中学受験をするということだけが共通点という感じで物語が進んでいたのに…
えっ…えーっ‼︎
まずくないですか、すごい団結力で後戻りできないことになりすぎてて怖かった。