矢樹純のレビュー一覧

  • 夫の骨

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    最後の章で意外な展開が楽しめるミステリーが9編.表題作では夫を亡くした妻が義母の佳子の言動から夫の過去を探り出す過程が楽しめたが、結末にはぞっとした.短編で情報を巧みに盛り込んで、わずかに疑問点を表出させておいて、最後にそれらを集約した形で謎解きをする.素晴らしい文才だと感じた.

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    2022年09月28日
  • 妻は忘れない(新潮文庫)

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    非常に楽しめる短編ミステリーが5本.「避けた繭」はあまり感心しない主人公誠司の話だが、その他は意外な事象が最後に飛び出して、思わず読み返すことがあった.佑香の仕組んだ企みが頓挫してしまう表題作も楽しめたが、若い母親の心の探り合いがテーマの「無垢なる手」は認知症がキーワードかな.「百舌鳥の家」は母親の病気で姉妹の過去の出来事が露呈するものだ.「戻り梅雨」は哲也の行動を把握しきれない母の思いや姉の葛藤がうまく描写されていた.

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    2022年09月10日
  • 妻は忘れない(新潮文庫)

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    前作の『夫の骨』も良かったけれど今回も先が気になり一気に読み終えた。短編だけれど読み応えは充分で切れ味がいい。どんでん返しもありで読み返しても楽しめる。

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    2022年06月19日
  • バカレイドッグス(1)

    購入済み

    隠な感じ

    画風?あの感じも何か初めての感じをうけた、ストーリーもチョット暗ーい感じだけど初めての感じで、何か暗いのに新鮮と言う複雑な感じの作品です。

    #怖い

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    2022年09月30日
  • 妻は忘れない(新潮文庫)

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    ネタバレ

    短編5編

    「妻はわすれない」
    思いやりの空回りとも言えるかも。もしくは、思いやりという優しい言葉を隠れ蓑にして、面倒な対話を避けた結果の更なるややこしい事態。
    とはいえ、最後は主人公夫婦にとってハッピーエンドなのでよかった。
    あれだな。今は妊娠中に、リスク少なく親子関係調べられるんだから、怪しいときはまずは科学の力を借りるべきよな。

    「無垢なる手」
    一言で片付けるなら、人との距離感が全く違う人との付き合いとゆーか。(それだけでは片付けられない、不気味さがさらにあるけど)
    ずかずかと(なんとゆーか、精神的な?)パーソナルスペースを侵してくるママ友が不快なのはもちろんだけど、夫の行動も個人的に

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    2022年03月13日
  • 新世代ミステリ作家探訪

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    既読作家のインタビューは面白く読めたが、それ以外の方のは上滑りする感じで読んだ。しかし、作家さんたちや、書評家の方々は本当に本を読み込んでいるのだなぁと思う。澤村伊智と阿津川辰海は読もうと思っていた作家で、更に早く読まねば、と思った。あと、大学のミステリ研で、ミステリーよりも「ジョジョ」「カイジ」「ガンダム」が会話に出るというエピソードや、京大ミス研にはジョジョ全巻置いてあるのとか面白かった。デスノートもインタビューのあちこちにでてきたし、マンガ・アニメのストーリーがミステリー界に与えている影響も大きいのですね。
    今、高校生だったら賢い大学行ってミステリ研入る目標も楽しそうだなぁ。読み仲間が増

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    2021年10月24日
  • 妻は忘れない(新潮文庫)

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    ネタバレ

    初めての作家さん。
    何だかモヤモヤする感じが残りつつ、女はやっぱ怖いなーと思いつつ(私も女性だが)
    ママ友のやつは、はっきり言えばいいのに、あーゆーコミュニティは言っちゃいけない空気とかあるんかなー。

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    2021年10月08日
  • 新世代ミステリ作家探訪

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    言い回しや考え方にそれぞれの個性や人柄を感じられ、同じ本をあげていても視点が違ったりする所があったりしたのが読んでいて楽しめた。

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    2021年09月30日
  • 妻は忘れない(新潮文庫)

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    ネタバレ

    スッキリ3割
    イヤミス7割

    …ってところでしょうか。
    特に『裂けた繭』はグロテスクな描写があるので
    苦手な方は要注意。
    (殺人鬼フジコの衝動みたいな)

    読後感が良かったのは
    表題作の『妻は忘れない』と『戻り梅雨』だけど
    全体的に最初に勘違いさせるような描写のあと
    ひっくり返される所謂どんでん返しの趣向があり
    読んでいて楽しかった。

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    2021年07月22日
  • 妻は忘れない(新潮文庫)

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    家族をテーマとしたどんでん返しミステリー、ノンシリーズの5作品の短編集。
    よくありがちな家族設定からはじまり、彼らが抱える悩みや疑念が除々に大きくなり、あれよあれよという間に小気味良いオチが待っている。『私の骨』で、してやられた感があったが今回もたっぷりやられて楽しめた。

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    2021年06月13日
  • イミガタリ―忌み語り― 分冊版 1巻

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    優れたホラー短編集です。

    ホラー漫画の短編集です。静かな雰囲気から始まる作品群で中々の恐ろしさを醸し出しています。出来の良い話ばかりで、他のエピソードも読みたくなります。

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    2021年02月28日
  • 妻は忘れない(新潮文庫)

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    ネタバレ

    “妻は忘れない”というか“女は忘れない”が集まった短編集。
    どこにでもいる普通の人々が主人公だけれど、いったいどうなるんだとドキドキさせる展開と予想できない着地点に落ち着く意外性がおもしろかった。
    「無垢なる手」のママ友のズレた感覚、「裂けた繭」の母親の正常な感情の麻痺、どれも真正面からくる直球の怖さではないが、胸のざわつきがいつまでも残るイヤな感触の怖さ。
    平穏な母と息子の日常が脆く崩壊する苦さを味わい、その分ラストの安堵感が倍増する「戻り梅雨」を終わりに持ってくる構成が巧み。

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    2021年01月07日
  • 妻は忘れない(新潮文庫)

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    5編のミステリー短編集。

    日常にある思い込みやすれ違いがドラマになる。
    相手の些細な言動から
    「こういう意図なんだろう」
    「相手は自分のことをこう思っているのだろう」
    ……と(勝手に)感じることは日常茶飯事。
    かなり細かいことでも気になったりする。
    しかも、確かめる術がなく、結果的に
    結構な悩みやストレスにつながることもある。

    この短編集には、上記のように
    思い込んだり、悩みを持つ人物が複数登場し、
    共感できる部分が多かった。

    個人的には、最後の『戻り梅雨』が一番好き。
    ミステリー度が高く、犯人捜しの楽しみもある。

    ほかの作品も読んでみようと思う。

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    2020年12月21日
  • 妻は忘れない(新潮文庫)

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    矢樹純『妻は忘れない』新潮文庫。

    5編収録のミステリー短編集。『夫の骨』が面白かったので、本作も読むことにした。

    5編共に女性の強かさや内に秘める恐ろしさ、表と裏の二面性を描いている。表題作の『妻は忘れない』と『戻り梅雨』の2編が面白かった。

    『妻は忘れない』。表題作。短編の中に起承転結とミステリーとがバランスよく配置され、小気味良く読める。バツイチの夫と結婚して数年後、夜の夫婦生活が途絶え、悩む妻・千絋が主人公。義父の通夜に弔問に訪れた夫の前妻の佑香。それを境に頻繁に外出するようになった夫の通勤バックに見付けたスタンガン。夫は自分を殺し、前妻とよりを戻そうとしているのか……

    『無垢な

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    2020年11月01日
  • バカレイドッグス(1)

    xfh

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    話に引き込まれます

    闇医者が、前金制で、お金を工面できないならどんな悲しい事情を抱えた患者だろうと絶対に手術はしない。慈悲は無い。
    その徹底した考え方のもと、毎回それぞれ重たい事情を抱えた患者を闇医者は手術拒否、それがどういう展開を迎えて手術することに向かうのか、どんどん引き込まれて読み進めてしまいます。

    手術を受け命は助かったものの、その人の今後の人生には一切関知しない。不幸な今後を送るのではと匂わせる、後味の悪さもあり、そこが話に一層深みを持たせているように感じます。

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    2020年02月29日
  • バカレイドッグス(3)

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    感情の揺り幅が少ない人間は「人間味に欠け悪人に見えたりする」が、闇の世界に在りながら自分たちのルールを守り通した兄弟の姿が描かれていた。

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    2018年07月16日
  • あいの結婚相談所 1

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    あいのさん、不気味すぎですが、ところどころおちゃめな所が見え隠れしていて、だんだん気になる存在になってきました(笑)ネタ考えるの大変そうですが、次も楽しみです。

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    2014年02月18日
  • 新しい法律ができた

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    「新しい法律ができた」
    の一文から始まる25個のショート・ショート。
    25人の作家たちが各々の世界を作り出していく。ほっこりするものやかなり作り込まれたトリックを忍ばせているもの、思わず肝が冷えるものなど、"新しい法律"というテーマをどう使うかが如実に表される。新しい読書体験だった。
    「Touch law if you can」 名倉編
    途中まですごく楽しい話だと思っていた。
    「ある死刑囚の回顧録」 真梨幸子
    最後の最後にタイトルを読むと本当に肝が冷える。あまり他人事とは言えないのだ。
    「もう、ディストピア」大沼紀子
    何故人を殺してはいけないか。その問いに、殺人が許容されて

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    2025年12月07日
  • 新しい法律ができた

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    今まで1人の作家さんが書いた1冊の本を読むことしかなかったので今回読んだ複数の作家さんの短編集というのは新鮮だった。作家さんによって始まりの1行は同じでも背景やお話の進め方、描き方が全く違く、自分の好みの解像度が上がり、且つ、好きかもしれない作家さんに出会える素敵な1冊だと思いました。

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    2025年12月04日
  • ●●にいたる病

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    ネタバレ

    面白かったのはコンコルド。
    矢木さんは知らない作家でしたが途中まではインパクトあって面白かったけど最後意味不明なんでもありの怪談落ちで少し残念。他の作品もどれも上手だなと思った。

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    2025年12月03日