古市憲寿のレビュー一覧

  • 誰も戦争を教えられない

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    世界の戦争博物館を古市氏の視点で巡る。時にイライラさせる脚注がテレビ出演時の氏の姿を彷彿させる。多彩な内容は興味深い。

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    2024年11月21日
  • アスク・ミー・ホワイ【文春文庫版】

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    古市さんの本を読むのはこれが2冊目。小説でフィクションなのだけど、古市さんは現代社会のネタを盛り込んでくるので勉強になるし、体験談かと思うほどリアル。
    この作品は同性愛がテーマだけど、主人公が男が好きなのではなく、港くんが好きだといったセリフが心に残っている。私の周りには同性と付き合った子がたくさん居て、そういう性的志向の子が近くにいるのだから受け入れよう、理解しようと考えていた。私には「その人だから好き」「人として好き」というストレートな感情が欠けていた。あまり難しく考える必要は無かったんだな。古市さんはメディアだと言葉がキツイ印象があったけど、小説では心理描写が丁寧であたたかい。

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    2024年11月16日
  • 謎とき 世界の宗教・神話

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     対談方式でマンガまで挿入されており、面白くて読みやすいのだけど、興味がそそられる部分があっても深い議論はされないので(だから手軽に読めるのだが)、そのまま記憶に長く止まることなく流れていってしまう。当然のことながら面白いと思ったら掘り下げる読書をせねばならないが、その入り口としてはよくできている本だと思う。

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    2024年11月11日
  • 誰も戦争を教えられない

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    「戦争を知らない」というのは、恐らく「戦争を体験していない」という意味で使われている。この換言は極めて暴力的で、例えていうなら、橋下徹が、学者や批評家は政治家になってからものを言えと凄む発言に近い。実際には、我々は戦争を知っている。ウクライナ戦争もガザ侵攻も現在進行形だし、第二次世界大戦をスクリーンで見たり、小説で読む事だって可能だ。

    ここで期待される、知っているという事の到達点は何なのか。つまり、それは言い換えれば、教えられたという状態、修了したという事の合否は、何をもって判断するのかという点にも通ずる。この定義がない限り、本書は極めて浅い、ただの戦争記念館体験ルポでしかない。まあ、ルポは

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    2024年10月20日
  • アスク・ミー・ホワイ【文春文庫版】

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    古市さんって古市さん?
    と思って読み始めて、
    懐かしのルビー文庫…いや、ホワイトハート??
    と読み進めて、
    その印象のままエンディングを迎えて…

    古市さん?と検索した。(合ってた。)

    20年強前に、阿呆ほど読んでました。今も栄えているのかしら、あの界隈。

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    2024年10月17日
  • 奈落

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    最後までどうなるんだろうと思いながら読んでいたけど、最後の段落はほんとによくわからなかった…どうなったの…?
    主人公視点のあとに他の登場人物視点で書かれているのは、おもしろかった。家族のそれぞれがちょっとずつ変で、どういう心理なの?と思うところは最後まで謎のままでした。気持ち悪くておもしろい。

    古市さんの小説は、これの前に「平成くん、さようなら」「アスクミーホワイ」を読んでますが、これは一番暗くて、一番よくわからない終わり方だったかも。嫌いではないですが。

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    2024年10月11日
  • 百の夜は跳ねて

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    窓の清掃員のお話。

    都内の高層ビルとかを
    どうせすぐに汚れ、
    人々は大して関心も持たないのに
    どうして、無数にある窓を清掃するのか
    無くても良いから自分に丁度いいと言い聞かせ
    虚無感を抱えながら、日々清掃する男。

    生きているからこそ、
    今日が明けたことを感じるため
    あるんじゃないかなと思えた。

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    2024年08月17日
  • 誰も戦争を教えられない

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    広島、パールハーバー、南京、アウシュビッツ、香港、瀋陽、沖縄、シンガポール、朝鮮半島38度線、ローマ、関ヶ原、東京…。本書は社会学者、古市憲寿氏が現地を旅して考えたことを綴ったものであります。




    新世代の社会学者、古市憲寿氏が本書で選んだテーマはズバリ『戦争』でありました。僕自身もまた、古市氏と同様、戦場に行ってドンパチをやったことも無ければ、戦時下で生活をしたことも無い、あるフォークソングの歌詞で言うところの『戦争を知らない子どもたち』の一人ではありますが、それでも、断片的に祖父や、母方のおじなどから戦地での話を聞いていたり、取材などで戦場に行っていた、なんていう経歴を持った方と会って

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    2024年08月06日
  • 絶望の国の幸福な若者たち

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    ネタバレ

    これだけ世代間格差が叫ばれ、少子高齢化が社会問題になっているのに、圧倒的に不利益を被っているはずの当の若者たちは「幸福」と思っている。
    主題が面白い。
    古市さんが世に出てからは社会学者ということで興味があった。意外にも浜崎あゆみの歌詞の考察みたいなことをしている番組を見て、面白い人だなと思っていた。
    もう今の若者とも違くなってるのかもしれないけど(本書を読んだ後に若者って括るのも微妙だけど)、身近な社会が楽しければ概ね満足っていうのはかなり当たっていると思った。
    私は著者よりある程度下の世代だけど、周りの人たちの多くは国や経済などの大きい社会にはあまり関心がないように思う。酷いなぁそれって他人

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    2024年07月15日
  • 絶対に挫折しない日本史(新潮新書)

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    「サピエンス全史」に影響を受けて書いたそうで、前半は日本の歴史を固有名詞少なめで一気に駆け抜けて行き、後半は「土地」や「稲作」などのテーマごとに歴史をまとめた一冊。面白い試みで、少し捻くれた注釈も含めて読んでいて楽しかった。

    自分は日本史の知識が浅く、所々調べたりしてスピード感を持って読めた訳ではないけども、そんな人にちょうど良い一冊かもしれない。

    参考文献にも面白そうなものが多くあったのでいくつか読みたい。

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    2024年07月10日
  • 絶望の国の幸福な若者たち

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    格差社会のもと、その「不幸」が報じられる若者たち。だが、2010年の時点で20代男子の65.9%、20代女子の75.2%が現在の生活に「満足」している!んですってさ。あーそーですか。としか言えません。




    実はこれを書く前にもういちど本書を読み直したうえでこうして書いてはいるんですけれど、共感できるのは全体のせいぜい3割くらいといったところでしょうか?

    後の7割は正直言うと
    「うーん。あまり僕には理解できないなぁ。」
    というところで、僕も正直言ってもはや「若者」ではなくなってしまったから、というところもありますが、やはり現状に「満足」していなかったり、ある意味では「幸福」なのかもしれませ

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    2024年07月08日
  • だから日本はズレている

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    (2014/8/15)
    29歳の社会学者による本。
    正直目新しいことは書いてない。
    知ってるよそれくらい、と52歳としてはいいたい。
    問題は若者が現在の生活に案外満足してしまっていること。
    飼いならされてしまっていること。
    スマホさえあれば車も家庭もなくてもいいんじゃない?的な気分になっているような。
    すき家ではないが24時間連続で働かされて疲弊して、たまの休みをスマホのコミュニケーションで満足する若者、、。

    それってまずいでしょう。
    今この瞬間はそれでバランスがとれているかもしれないけど、早晩日本は年寄りだらけになる。
    地方都市は限界集落化し、その地方都市に残る数少ない若者を吸収する東京も

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    2024年06月18日
  • 10分で名著

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     「神曲」「源氏物語」「失われた時を求めて」「相対性理論」「社会契約論」「ツァラトゥストラ」「わが闘争」「ペスト」「古事記」「風と共に去りぬ」「国富論」「資本論」と、一度は聞いたことある古典の名著について、社会学者古市憲寿が、各分野の専門家と対談形式で、それぞれの本の特色やエッセンスを紹介したもの。
     まずはとっつきにくい古典に対してのアレルギーを緩和させる効果はあるのではなかろうか。また対談形式で、専門家に対して古市氏が上手い具合に聞きたいことを抑えているような質問しているため非常に読みやすくはなっている。
     個人的に古市氏についてあまり知らないが、ある本の内容を知っているのに知らないような

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    2024年06月12日
  • 楽観論(新潮新書)

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    古市さんは、嫌いじゃないですよ。

    世のことを、ちょっと違う視点から見て、楽観的に捉えてみる。
    確かに古市さんは、何か飄々としててそれほど深刻に捉える事がなさそうだもんなと。

    こんな風に色々な経験をしていると、多角的な視点を持てるんだろうなぁ。ある意味古市さんは偏ってるとも言えるけれども。
    あるものごとに精通するのも良いけれど、こんな風に様々な事を語れるのも良いなぁ。

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    2024年05月17日
  • 正義の味方が苦手です(新潮新書)

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    エッセイ集なので、一編一編はページ2~3枚程度と短く、読みやすいが浅い。しかし、著者独特の本質を見抜くような視点が共感力高く、グイグイ引き込まれた。論説に対して絶対的な反証材料を持っている点、議論の両端を理解しながらも敢えてどちらも分かる、というスタンスを取る点は素晴らしい。「緩い」とも言えるのかもしれない。でも、心地よい「緩さ」だ。薄弱な論拠で興奮して議論をするより余程良い。古市氏の事を、ただの皮肉屋、捻くれ者にも見えていたが、見直した。

    ― 認知能力に優れた人は、情報を都合よく組み合わせて解釈する能力にも長けているため、陰謀論を信じやすい。

    これはあるのだろうな、と思う。更に良くないの

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    2024年03月05日
  • 謎とき 世界の宗教・神話

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    著者と各分野の専門家との対談。
    この一冊で世界の宗教・神話を理解できる訳ではないけど、気になる内容について深掘りするためのきっかけとして良い本だと思いました。
    『北欧神話』、ゲームやファンタジー小説の下地になっていることもあるし、紹介されてた入門書を読んでみたい。

    以下、取り上げられているテーマ。
    聖書(キリスト教)
    ロシア正教
    コーラン(イスラム教)
    ゾロアスター教
    インド神話(マハーバーラタ、ヒンドゥー教)
    ジャイナ教
    論語
    西遊記
    北欧神話(エッダ)
    万葉集
    「禅と日本文化」
    「聖と俗」

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    2024年03月03日
  • 正義の味方が苦手です(新潮新書)

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    普段自分だったらキャッチしないであろう事柄を取り上げてくれて、かつ著者の考えも書かれていることが面白かった。私はいかに狭い範囲でしか世の中を捉えていないのだなぁと感じられた。

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    2024年02月19日
  • 楽観論(新潮新書)

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    「そっか、こんなことがあったか」と思いながら読んだ。エッセイとしては軽く読めて楽しかったが、その当時、私は何を考え、何をしていたか、全く思い出せないことに危機感を感じた。

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    2024年02月19日
  • 誰の味方でもありません(新潮新書)

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    テレビではなく、文章ではどんなことを書いているか気になり手に取った。あまり乖離はなかった。いろんな場所に行き、人に会い、コソッと感想を教えてくれる友人のようなエッセイだった。

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    2024年02月19日
  • 絶対に挫折しない日本史(新潮新書)

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    教科書的な事実、史実の羅列ではなく、土地、家族、コメといった身近なテーマに沿って歴史を噛み砕いて大局的にできる良書だと思う。

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    2024年02月12日