【感想・ネタバレ】10分で名著のレビュー

あらすじ

最強の水先案内人がプロに「読みどころ」を聞いてみた――。
『神曲』『源氏物語』『わが闘争』『資本論』……、名著を読まなくても楽しめる、虫のよいガイド本、誕生!

好きな女性とはセックスできず、添い寝しかできない男の悲哀――『源氏物語』
莫大な印税収入でヒトラーは自信をつけた――『わが闘争』

手に取ってみたけれど、挫折した……、でもあきらめるのはまだ早い! 聞き手=古市憲寿+構成=斎藤哲也の名コンビが贈る名著ショートカット。

『神曲』――都市市民が生まれて、煉獄が生まれた 原基晶
『源氏物語』――「宇治十帖」の不器用で流されやすい登場人物たち 大塚ひかり
『失われた時を求めて』――宝探しのように自分の読みたいところを探す 高遠弘美
「相対性理論」――時間も空間も一つではない 竹内薫
『社会契約論』――「明日からこの国を、この世界をどうしよう」と考えるヒント 東浩紀
『ツァラトゥストラ』――「神は死んだ」など好きなパワーワードを探してみる 竹田青嗣
『わが闘争』――大衆を小馬鹿にした第6章「戦時宣伝」 佐藤卓己
『ペスト』――「自分事」となると、一気に読みやすくなる 佐々木匠
『古事記』――縄文系と弥生系の世界観が混在していた 三浦佑之
『風と共に去りぬ』――単なる恋愛小説ではない 鴻巣友季子
『国富論』――啓蒙の時代にお金儲けは肯定された 野原慎司
『資本論』――「新しい世界」の秘密を明らかにしようとした 的場昭弘

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

古市さんの本を初めて読んだ。
日本や世界の名書の新訳等をされている各本の専門家達に対談形式で本の見どころや要約等を聞いている本。さらに各本の冒頭には構成を担当されている斎藤哲也さんが基礎知識をまとめているので本当に10分程でそれぞれの本の基礎的な知識と要点見どころが理解できる。また、はじめにとおわりにも非常に引き込む文章力があり、面白かった。

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2022年12月18日

Posted by ブクログ

普通にしていたら手を出さないような難しめの本12冊を数ページでポイントだけ教えてくれる。オリジナルを読むのはやっぱりハードルが高いので、その入門書くらいなら読んで読みようかなと。

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2024年12月01日

Posted by ブクログ

●なんだか最近は大人しい古市氏、久しぶりに読んだ。
●タイトル通りサクッと読めるね。丁寧な解説になってるからどれも面白い。読みたい気にはなったけど、やっぱりエネルギーを使うし、当面は積読を処理していくんだろうなあ。
●東さんも社会契約論で対談していて驚き。そういやゲンロンカフェでも古市氏のことを揶揄はすれど嫌ってまではいなかったな。
●年末にやっていた著者の日本のジレンマが懐かしい。公開収録によく参加したなあ。

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2024年01月21日

Posted by ブクログ

その後の時代に多大な影響を与えたものだが、なかなか読みづらい傑作古典をわかりやすく解説してある。読んでて面白いというより、時代的に意味のあった古典のことを取り上げている。その時代の背景や著者の思想がわかりやすく説明されていてとても面白かった。それぞれの本にわかりやすく要約が載せてあるので、それを読んで面白そうだと思ったページを読むのがおすすめ。

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2023年12月03日

Posted by ブクログ

相対性理論や資本論など、歴史に名を残す有名な名著に挑戦しつつ、挫折した人も多いと思う。私もその一人だ。この本はそれらの名著の要約と、専門家による解説、そして古市さんとのフランクな対談記事により、まるで動画を観ているような感覚で記憶に定着させられる。(岡田斗司夫さんの解説とNewsPicksの落合さんの対談をミックスさせたイメージだ)
もちろん原本を読むにこしたことはないのだが、今はやりのタイパを十分すぎるほど体現した一冊である。

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2023年09月09日

Posted by ブクログ

とても読みやすいし、読んでみたいけど、なかなか読めない本をよむきっかけになるという意味では、読んだ甲斐があったと思う。
ダンテの『神曲』や、プルーストの『失われた時を求めて』など、その本では第一人者の、忌憚のない生の声が聞けるのは貴重だと思った。
あくまでも読むまでの導入という感じで、10分でその名著がわかるわけではありませんので、そういう本をお望みのかたは、そういう関係の書籍を見た方がいいです。

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2023年04月10日

Posted by ブクログ

名著を読んだ気になる一冊。
時間がないなかでも、勘所を掴んで噛み砕くことで内容を少しでも理解することは決してズルではないと思っている。
残念ながらこれを読んだうえで、原著にあたろうとは思わなかったが、意味ある読書時間になったと思う。

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2022年09月15日

Posted by ブクログ

NHKの『100分de名著』の類かと思った。
確かに、10分ほどで内容が分かり面白い。 興味がわいた本も多いが、なんせ長編がほとんどなので、実際に読むかどうか・・

この本を読んで、紹介された全ての本を読んだ気になってしまう。

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2022年08月28日

Posted by ブクログ

12の有名な著作について対談しながら、その本質や魅力について紹介している。どれも読むのが大変なものばかりだが、古市さんのコメントの通り、事前に読む目的を決めておけば少しは読めるかと思いました。
また「(原典を)読んで挫折してもいい」、海外旅行もガイドブックの写真を見るのと、実際に行って周りの雰囲気を体感するのは全く違うという点はとても腑に落ちました。

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2022年08月10日

Posted by ブクログ

 この本の最大の魅力は、世界に名著を読み込んだ第一人者との対談であるが、本当に「10分」以内で読める案内となっていることだ。
 そしてこの本の最大の欠点は、この本を読んでもこれらの「名著」の何もわからないことである。

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2022年07月11日

Posted by ブクログ

よくある『古典名著解説本』ですが、彼ならではの視点を期待して購入。今一つ中途半端な印象。選出根拠も不明。

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2022年06月19日

Posted by ブクログ

古市憲寿さんの本は初。

ピックした理由は、「NHK100分de名著」が好きなので。タイトルから読んでみないわけにはいかなかった。

確かにタイトル通り、読むだけならば各章10分で消化できます。(自分の場合書き入れたりラインマーカーしたりするので20分ぐらい。)

ただ、全12章一挙に120分で読めるかというと、ダメでした。各章ごとにジャンルなどが多様なので、7章まで読み通したところで、頭がパンク。

以下、各章ごとに読んだ感想を、ネタバレしない形で。頭から順に各章読み終わった時点のもののため、振り返りや手直しはしていません。


はじめに
 ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』を思い出した。

目次
 このリスト(選択と並び順)に、ある程度のメッセージか何らかの配慮は込められている気はした。

第1回 神曲
 この本(『10分で名著』)が非常に軽いノリなことが分かる(褒め。

第2回 源氏物語
 古市さんと大塚さん気が合いそう。

第3回 失われた時を求めて
 この章おもしろい。

第4回 相対性理論(アインシュタインの論文一式)
 この章は特に感想なし。なんらかの機会に以前聞いたことある内容ばかりだったせいだろう。

第5回 社会契約論(ルソー)
 東・ザ・ワールド。

第6回 ツァラトゥストラ
 これまでの章で一番感動する内容。竹田さんの語りに感服。

第7回 わが闘争
 「ポスト・トゥルースの時代」について、佐藤さんと某さんで闘論してみて頂きたい。

第8回 ペスト(カミュの方)
 これまでの章で一番「文学」してると感じた。

第9回 古事記
 教科書に載ってて名前は知ってるけど絶対読んだことのない本の代表。歴史ロマン。

第10回 風と共に去りぬ
 2章源氏物語より、こっちの方に惹かれた。

第11回 国富論
 全体的にコメントがとても率直でバランスが良いように感じた。

第12回 資本論
 個人的にはサイコーの内容だった。範囲によるが、どこまで一般受けするかはどうなんでしょ。


補足として、この本は雑誌「FILT」の連載を書籍化したものとのことです。


面白い本ありがとうございました。

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2022年05月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ほどよい本。
ポッドキャストで聞きたいくらいの。

聞き手=古市憲寿
構成=斎藤哲也
ダンテ・アリギエーリ『神曲』――都市市民が生まれて、煉獄が生まれた 原基晶
紫式部『源氏物語』――「宇治十帖」の不器用で流されやすい登場人物たち 大塚ひかり
マルセル・プルースト『失われた時を求めて』――宝探しのように自分の読みたいところを探す 高遠弘美
アルバート・アインシュタイン「相対性理論」――時間も空間も一つではない 竹内薫
ジャン=ジャック・ルソー『社会契約論』――「明日からこの国を、この世界をどうしよう」と考えるヒント 東浩紀
フリードリヒ・ニーチェ『ツァラトゥストラ』――「神は死んだ」など好きなパワーワードを探してみる 竹田青嗣
アドルフ・ヒトラー『わが闘争』――大衆を小馬鹿にした第6章「戦時宣伝」 佐藤卓己
アルベール・カミュ『ペスト』――「自分事」となると、一気に読みやすくなる 佐々木匠
太安万侶『古事記』――縄文系と弥生系の世界観が混在していた 三浦佑之
マーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』――単なる恋愛小説ではない 鴻巣友季子
アダム・スミス『国富論』――啓蒙の時代にお金儲けは肯定された 野原慎司
カール・マルクス『資本論』――「新しい世界」の秘密を明らかにしようとした 的場昭弘

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2025年06月30日

Posted by ブクログ

 「神曲」「源氏物語」「失われた時を求めて」「相対性理論」「社会契約論」「ツァラトゥストラ」「わが闘争」「ペスト」「古事記」「風と共に去りぬ」「国富論」「資本論」と、一度は聞いたことある古典の名著について、社会学者古市憲寿が、各分野の専門家と対談形式で、それぞれの本の特色やエッセンスを紹介したもの。
 まずはとっつきにくい古典に対してのアレルギーを緩和させる効果はあるのではなかろうか。また対談形式で、専門家に対して古市氏が上手い具合に聞きたいことを抑えているような質問しているため非常に読みやすくはなっている。
 個人的に古市氏についてあまり知らないが、ある本の内容を知っているのに知らないようなそぶりで質問していることや、それを読むリズムを邪魔しないようにまとめているところに、何処か頭の良さを感じられた。
 紹介されている古典のどれかには挑戦してみたくなったのは正直な感想ではある。

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2024年06月12日

Posted by ブクログ

いいとこ取りをした感じで、ちょっと作者の方には申し訳ない気もしてきた。と言ってもどれも興味深かった。すごく勉強になったし、どれか一つは読みたいなぁと思う。でも読みたい本はたくさんあるから、なかなか実現しなそうな予感…

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2024年02月07日

Posted by ブクログ

読書ガイド本。確かに、世界中の図書を読破したいと思った事はある。それで真理に辿り着けるのではないかと。しかし、物理的に読破は無理な上に、書物もピンキリで、質にこだわらねば無限に出版する事も可能なため、読まなくても良い本が多いという事に気づいた。また、同じ論点を違う言い方で表現している本も多い。今はマイペースに好きに読めば良いという境地だ。

本著で紹介されるのは『神曲』『源氏物語』『相対性理論』『社会契約論』『わが闘争』『古事記』などの、誰もが一度は聞いた事のあるだろう共通言語、共通概念になり得る古典だ。人類の多くが頭にデコードした名著を、その一員としてインストールする感覚は悪くない。また、それが悠久の時を経て、過去の人類とも感覚共有できるのは、まさに至福な時間である。

この著者はガイド本なので、ただの入り口。名著の歩き方、のような役割。また、識者との対談形式で解説が為される為に読みやすい。小難しい古典初心者にもオススメできる本だ。

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2023年08月09日

Posted by ブクログ

面白くはあったが、ざっくり過ぎてそれぞれの著書の内容がわかるとまでは言えない。要約して理解できるように提示してくれるわけではなく、内容を知っている古市氏と専門家が対談しているだけなので、「そこが知りたい」というポイントが録な説明もなく前提として語られてしまって理解できないまま、という展開が多い。
んな中でも、ダンテの「神曲」が天国地獄煉獄を巡った自伝的体裁で書かれている著作であること、ルソーの「社会契約論」が個人が他の個人と契約することで社会が出来上がると共に一般意志というとらえどころがない割に強力な制約となる概念が立ち上がってこれ従うべきであるとする全体主義的観点の入った理論であること、ニーチェの「ツァラトゥストラ」とはゾロアスターのことでキリスト教的世界観を否定するために非キリスト教の存在を持ち出しているだけで特にゾロアスター教を支持しているわけではなく神が死んだ世界でいきる意味を見いだせないニヒリズムや反感にまみれたルサンチマンに至らずに超人として生きていくべきと主張していること、など、よく知らなかった概要がわかった部分はあった。
また、相対性理論の議論の中で、別の宇宙でも重力波だけは漏れ出る可能性があること、古事記はヤマト王権の敗北者側の視点が入った公称よりも相当に古い記録である可能性があること、マルクスは資本主義の仕組みと限界を見抜いただけであって発展途上段階のロシアでの革命は想定外であったことなど、興味深い新たな視点もあった。星3つ。

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2023年06月10日

Posted by ブクログ

世界の名著、古典を1冊10分程度の対談で紹介。
古市氏の質問が浅い感じがする。サッサと原典に当たるべし。

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2023年01月07日

Posted by ブクログ

有名ではあるが一般人にはとっつきにくいであろう本について、内容のダイジェストや著者の背景、現代における応用やおすすめの読み方などがわかりやすく説明されている。自分では読む機会のなさそうな本や、仮に読み始めても挫折しそうな本を知ることができるので学びは大きかった。また、読書に対する考え方や読書のハードルを下げるようなアドバイスが随所にある点も心強い。

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2022年10月22日

Posted by ブクログ

教養を深めるには、名著、古典にあたれ、ということはよく目にするフレーズだが、実際読み始めても難解で挫折すること必至である。それならば、要約してあるこの本を読めばわかった気になる、と思って読み始めた。12冊の本が紹介されていて、概要は書いてあるが、それでも難しいし、そもそも内容に興味を持てなかった。修行が足りない私が悪いのかもしれないが…

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2022年07月14日

Posted by ブクログ

雑誌の対談ということで、誌面の関係か、対談もエッセンスだけ残しているという感じで、冗長でなくそれぞれが短く確かに10分で一冊のエピソードを読み切れる。

対談している相手のチョイスがよく、さほど関心が無い分野の本でも飽きずに読める。

アインシュタインがなぜ天才的な理論を生み出せたかという問いに対して、大学の研究室に雇ってもらえずに暇だったから、という解答は、膝を打った。暇のない現代、特に日本では独創的な理論を作り出す暇はないかもしれない。
ルソーの「社会契約論」の理想とする社会の在り方が、今の中国の統治と合っているという東浩紀の解釈は、なんとなくルソーは近代民主主義の祖のように感じていたので、驚かされた。熟議民主主義なんて全く必要とせず、一般意志が反映される統治システムだったらなんでもいい、しかし、その一般意志も「みんなが黙って自分のことだけを考える。そうするとなぜかどこかにぼんやりと一般意志があらわれる」という「一般意志という概念自体が、自分で自分を統治するというフィクションをうまく回すための人工的な概念」なんて、そんなことでよいの⁉️と心配になった(笑)近代の世俗化に必要な概念として捻り出されたのだな。
ここまで書かれてなお魅力があるとは、確かに読んでみたくなる(笑)

読みたい順に読んだが、最後まで面白かった。古市憲寿は苦手だし、ニセモノ感がハンパないが、企画の勝利だといえる。

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2022年06月04日

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