古市憲寿のレビュー一覧
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「?」と思いつつ手に取った本だが、予想外に引き込まれてしまった。
インタビュアーの古市くんは、風来坊のように自在にルポして警句を吐きたいタイプと見える。さすがにインタビューの腕は、学問のプロらしくシャープでパワフルだ。現代日本を代表する錚々たる「社会学者」12人のアウトラインを明瞭にカッティングしていると思う。
全体を通じて、社会学者たちの明晰な言葉遣いに感心する。妬ましいともいえるレベルである。ただしそれゆえに、「評論家然」と寸鉄コメントを量産することが彼らの職業病であることが伺える。また、それが彼らのジレンマあるいは自責でもあり、その反動で、妙なイデオロギーポジションをとって、「アクティベ -
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世界各国の戦争博物館を観光しながら社会学者の目線で、世界中の戦争教育のあり方を述べている。そして、エッセイ風なので読みやすい。
フツーの人が観光では行かない世界各国の戦争博物館を観に行き、その国と日本の文化比較しつつ、歴史教育としての敗戦教育のあり方を題名通り答えのない問題なのかを考えさせる。
また、アジアの反日国の市民が、その国の博物館を見学している風景の著述を読むと、ホッとしてしまう自分もありながら、反面、歴史教育の難しさをはっきりと理解させる。
著者のいう公共サービスの博物館にも、マーケティング観点が必要というメッセージには、本当にその通りだと思う。
著者は、私より若いのだが、次 -
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Posted by ブクログ
絶望の国の幸福な若者たちに続いて読みました。前著に比べて、格段に読みやすく感じました。一年ぐらいしか出たのは違わないのに不思議でした。
もうこの本から、テレビで見る古市さんのキャラが確定しています。
ただほんを読むと、ルポをやったり脚注を読むといろいろな資料にきちんと当たっていることが分かります。
テレビのイメージで損しているように思いますけど、本人は気にしていなさそう。
厚い本ですが、最初は脚注を無視してドンドン読んでいけは、割とすぐに読めます。
本文を読んでその後、脚注を読んで参考文献にあたると理解が深まりますね。
やっぱり、タレントのコメントより研究者の本をきちんと読むことが、正解かと。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ84年生まれゆとり世代代表(?)と75年生まれ就職氷河期世代の、新旧社会学者の対談集。
消費社会のありかた、農業やデモ活動の理想(日本のデモは礼儀正しいらしい)、保育園と女性の就労問題、食料危機と住民運動などなど。幅広く論じていくおもしろい逸書。
シングルファーザー経験もあり食通でもある國分功一郎に、負けないぐらい、豊富な知識と的をついた意見で攻める古市憲寿の対談をうまく構成。たまに古市のちょっとドラスティックな切り返しに國分が答えないまま章が終わってしまうのが残念だが、日本の各地を見学しながら社会問題を論じていくというスタイルに感動。
フランスは理性の国でオトナになれという外圧が酷いか