【感想・ネタバレ】絶望の国の幸福な若者たちのレビュー

あらすじ

格差社会のもと、その「不幸」が報じられる若者たち。だが、統計によれば、20代の75%が現在の生活に「満足」している!これまでの若者論を覆す現実を前に、本書の立場はシンプルだ。――悲観論にも感情論にも意味はない。いまメディアを席巻する若き論客が、徹底的に現場を取材し考えた「代表作」! 解説・中森明夫「古市憲寿とは何者か? 佐藤健との対談収録!

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Posted by ブクログ

古市さんが大好きだからではなく、本当におもしろく興味深い一冊。

「若者」という言葉は日々耳にするけれど、それがいつ出来た言葉なのか、そもそも「若者」って何なのか考えたこともなかった。
脚注のスタイルも斬新。
単行本当時26歳だった古市さんが、文庫化された時は30歳で、ご自身で「答え合わせ」をされてる点も非常におもしろい。
生年月日が同じなので(自慢)、時代も振り返りやすく楽しめました。

読む年齢で感じ方が変わりそうなので、また時間を置いて読みたいと思います。

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2018年02月11日

Posted by ブクログ

話題作なことは分かっていたがようやく読破

こんなに面白いとは思わなかった、もっと早くに読めば良かった
「若者」とは何かという調査結果で内容がしっかりしている+とても共感出来る内容だった
古市さんが若者代表としてTVに引っ張りだこになる理由もわかる

佐藤健との対談もとてもいい

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2024年09月06日

Posted by ブクログ

新鋭の社会学者(執筆当時26歳!!!)が書いた、現代の若者論的な本。

軽く読めるようになのか元々の文体なのか、ちょっとふざけた現代的な笑いもはさみつつ、ちょっとシニカルな視点で若者について考察して行きます。

勿論書いてある事すべてに納得できた訳ではないけれど、読み物として面白かったし笑える部分もあって楽しめました。

今後の活躍が楽しみな方です。

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2020年12月26日

Posted by ブクログ

出版当時26歳だった気鋭の若手社会学者である著者が既存の若者論を更新した名著の文庫版です。脚注部分など2015年時点で新たに追加されている部分もあり若者論のテキストの最新改訂版としても読み応えがあります。若者論を歴史的かつ体系的に述べた第一章はそれだけでも価値が高いものだと私は思います。
本書の中で我々が「一億総若者化時代」を生きている、と著者が述べているのが特に印象に残りました。
世代ごとの意識の差が減少し続け、今後ますます多くの若者が「正社員」や「主婦」という既存の社会が前提とした「大人」になれないのだとしたら、若者は年齢に関係なく「若者」でありつづけるしかない。著者の指摘は鋭く着眼点がすごいです。
不安定が若者らしさであるとしていつまでも不安定なままの大人になれない若者ではない若者が増え続けるならば我々の社会はどうなるのだろうか?
著者の今後の活動がますます楽しみです。

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2016年01月04日

Posted by ブクログ

就職難、所得低下、非正規雇用、
そして人口減少、少子高齢化…

今の世の中、よい話題をみつけるのは
難しい気がする。

でも、その一方、
世の若者達は、自分達の生活に
ある程度満足しているという統計がある。

地元の友達と遊び、
スマートフォンで知りたいことを
すぐ調べられ、親のもとにいれば、
生活も困窮しない。

そんな若者達は何を目指し、
どこにいくのか?

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2015年11月23日

Posted by ブクログ

当時話題になっただけあり、面白かった。若者による若者論。読みやすく、仮説も興味深い。同意部分も多い。年寄りの意見を生暖かく見る姿勢も良い。
居場所や友達がいるからデモに参加する。自分とまわりさえ幸せなら幸せ。将来は考えず、とりあえず今が幸せならそれで良い。世の中で大きなことはできなくても、友達と1泊2日で千葉にバーベキューしに行けることが大事。世代間格差はなくなり、ほとんどが若者。

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2022年12月18日

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古市オタクとしてどうしても読みたかった本。「若者」がそもそも何なのかから考えることができた。古市節もよかった。「解毒」されましたね、はい。

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2021年09月15日

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『絶対に挫折しない日本史』で古市さんのこの本が気になったので。
若者の思考について終始共感しました。
最終章に言いたいことが詰め込まれていて、伝えたい熱意を感じる文章。引き込まれました。
全部読むとタイトルの皮肉にちょっと笑ってしまう。

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2021年07月27日

Posted by ブクログ

大きな流れで見ると、昭和から平成、令和と時代が変わっていくなかで経済成長の時代はすでに終わりを告げ、経済成長の時代を生きたおじさん世代の若者批判の論調はなんの説得力もない。
そして「昔は良かった」「最近の若者は...」という議論がいかに意味のないものかがよくわかる。

それを踏まえた上で若者論とは社会問題のネガみたいなものという。
最も印象に残ったのは、日本という国は民主主義という制度の構築に失敗したのかもしれないという点(P352)。「明治維新が参考にした西欧諸国は産業革命の真っ只中にあり、これを参考にしたため経済成長が至上命題になった(民主主義よりも)。そしてそれがうまくいってきた。昭和はじめまでは戦争に勝ち、太平洋戦争で敗戦しても様々なラッキーが重なり経済成長できた。それがいま、経済成長が止まった。民主主義を犠牲にしてきた国で、僕たちは今たちすくんでいるように見える」

なるほど。確かに局所的に本当の意味で民主主義を追求する活動はあったが、日本の近代史は済成長・自由主義の流れの中にいたというほうが的を得ているのかも。

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2021年05月04日

Posted by ブクログ

ずっと気になっていた古市さんの本。やっと読めました。
若者論の歴史から入って、現代(執筆は2011年)の若者の状況を統計やインタビューから淡々と描き出していく。いいなぁ、この対象からの距離感が社会学なんだよな、と何やら嬉しくなる。
少子高齢化、財政赤字に加え、近年は国際的なビジネスでの競争でも分が悪い日本。長期的には徐々に沈んでいくことは避けられないかも。でもここまで築き上げた社会インフラはやはり相当なもので、短期的には無理せずとも安全でそこそこ楽しく暮らしていける。まあ、茹でガエル状態といわれればそれまでなんだけど、だからといって個人の力でこの状況を変えることはやはり困難だし。
こんな若者の生活を、ユーモアも交えながら淡々と描き出している。やはりなかなかの作品ですね。

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2020年10月28日

Posted by ブクログ

「世界にはきっと誰にさえも気が付かれないような転轍機が無数に張り巡らされていて、僕たちの人生は何気ないきっかけで道が分かれている」
「そこまでお金をかけなくても、そこそこ楽しそうな生活を送れちゃうのが現代の幸福であり不幸でもある」

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2020年05月10日

Posted by ブクログ

脚注まで隅々読もうとすると情報量が多い。そこがこの本を読む読まないの分かれ道になりそう。
古市さんがどうしてここまで取りざたされているのか正直わからなかったのですが、本書を読んでなるほどと納得。エッジの効いた物言いで問題に切り込みつつも、全体の問題がどこにあるかわかりやすく説明してくれる様に、好き嫌い分かれるなーと思いつつ、解毒剤だけど劇薬感ある古市さんの文章は好きです。

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2019年05月27日

Posted by ブクログ

若者考察。
「若者」そのものだけの本かと思っていたが時間と国境を超えた論考が多く、注釈も多いので説得力がある内容。
個人的に4,5章は特に読み応えがあるように感じた。

そして時々挟まれるシニカルさが読みやすさを押し広げている気がする。

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2019年03月26日

Posted by ブクログ

著者いわく、「若者が書く若者論」。たしかにそう思える内容であるとともに、著者の考察の深さや分析が面白い。絶賛若者してる自分にとって、幸せに感じたことが少ないけど、幸せに感じる理由が「希望がない」ってちょっと飛び過ぎだけど、統計分析まで出されたら反論しにくいじゃん…

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2017年12月09日

Posted by ブクログ

単行本でも読んだけれど、注釈や補筆も増えてるということで、改めての答え合わせ。やっぱりこの本はエポックメイキングやったと実感。

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2015年11月29日

Posted by ブクログ

『将来の可能性が残されている人や、これからの人生に「希望」がある人にとって、「今は不幸」だと言っても自分を全否定したことにはならないからだ。

逆に言えば、もはや自分がこれ以上は幸せになると思えない時、人は「今の生活が幸せだ」と答えるしかない。つまり、人はもはや将来に希望を描けない時に「今は幸せだ」「今の生活が満足だ」と回答するというのだ。』

古市さん、ワイドナショーでたまに見て好きだけど、本は初めて読んだ。
若者論の王道。衝撃作ではなくむしろよく勉強してると思う。
宮台真司や大澤真幸のような飛び抜けたものはないけど、面白く書けている。

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2015年11月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これだけ世代間格差が叫ばれ、少子高齢化が社会問題になっているのに、圧倒的に不利益を被っているはずの当の若者たちは「幸福」と思っている。
主題が面白い。
古市さんが世に出てからは社会学者ということで興味があった。意外にも浜崎あゆみの歌詞の考察みたいなことをしている番組を見て、面白い人だなと思っていた。
もう今の若者とも違くなってるのかもしれないけど(本書を読んだ後に若者って括るのも微妙だけど)、身近な社会が楽しければ概ね満足っていうのはかなり当たっていると思った。
私は著者よりある程度下の世代だけど、周りの人たちの多くは国や経済などの大きい社会にはあまり関心がないように思う。酷いなぁそれって他人事みたいな感じ。
それでいて仲の良い友達とお金のあまりかからない遊びができる日々を楽しんでいるように思う。社会を動かそうとはしない。
だからと言って不満や不安がない訳ではない。お金はあまり持っていないし。ただ今より良くなる未来が想像できないから、今で概ね満足と認識してるイメージ。「さとり世代」って言葉が表してる感じ。
「相対的剥奪」って言葉が印象的だった。
そう思うと、あまり変わってないのかなと思う。
ただ今概ね満足だったとしても、未来や有事の際に困ってしまう現若者は多いと思う。この不安を抱えて生きていくのが今やこれからの若者たちなんだろうな。

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2024年07月15日

Posted by ブクログ

格差社会のもと、その「不幸」が報じられる若者たち。だが、2010年の時点で20代男子の65.9%、20代女子の75.2%が現在の生活に「満足」している!んですってさ。あーそーですか。としか言えません。




実はこれを書く前にもういちど本書を読み直したうえでこうして書いてはいるんですけれど、共感できるのは全体のせいぜい3割くらいといったところでしょうか?

後の7割は正直言うと
「うーん。あまり僕には理解できないなぁ。」
というところで、僕も正直言ってもはや「若者」ではなくなってしまったから、というところもありますが、やはり現状に「満足」していなかったり、ある意味では「幸福」なのかもしれませんがまだまだ「不満」を(これはどんな状態でも見つけようと思えば見つけられる)もっているからでしょうね。

具体的に言うとここが愚痴で埋め尽くさせるのであえて個別には書きませんが。それでも「社会を変えたい」とか、そういうことにはあまり希薄なのかもしれません。

できれば、自分の環境と半径5メートルくらいにはイノベーションを起こそうかとは思っていますれど…。そう考えるのも慶応SFCから東大大学院で社会学を選考している筆者と20歳くらいから今まで人生の裏街道を歩んだ自分との「視座」の違いなんでしょうね。

ここではフィールドワークの対象としてW杯の深夜、渋谷で騒ぐ若者たち。ネット右翼の主催するデモに集まる若者たち。そして震災を前に、ボランティアや募金に立ち上がる若者たち。

そんな姿が取りざたされておりまして、
「センカクショトーって、何すか?」
という六本木のクラブに並んでいた方の規格外の発言に度肝を抜かれ、
「サッカーのWカップのときだけに日本のナショナリズムは出現する」
ということを渋谷の街でW杯に熱狂する彼ら彼女らの姿から思い、右よりな若い男女が集うSNSで知り合った人間たちが主催するデモに分け入る。

そういう姿を見て、自分のたどってきた道を振り返るいい機会になったかとは 正直思います。その是非は別として。

ただ、最後のほうにある
「日本がなくなってもいい」
という主張には正直言って非常に後味が悪くここで書かれていることが「若者」の「集合的無意識」だとしたら、本当に恐ろしいなとは思います。

多分、仮に戦争や国家の破綻で「日本」という国がなくなってしまったとするならば、こういう「平和な」話題で云々する余裕はまずないであろうなということは想像に難くないだけに、そこだけは少し残念かと思いました。

僕は現在、下の世代にことには正直、考えたりかまってあげられるほどに余裕はありませんが、もし、彼ら彼女らと深く接する機会があれば、ここに書かれていることを少し思い出してみようかとそんなことを考えております。

※追記。
本書は2015年10月20日、『絶望の国の幸福な若者たち (講談社+α文庫)』として講談社より文庫化されました。

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2024年07月08日

Posted by ブクログ

「現代(執筆当時)の若者は、これだけ将来が悲観的に語られる中で、幸せそうである。それは、将来が下降していくので、常に『今』が最も幸せな状態であることを、肌感覚として理解しているからである」という、私にとっては斬新な考え方がこの本に書いてある、と何かで見たことがあって、いつか読んでみたいと思っていた本。でも読んでみると、少なくとも直接的にそのようなことは書いてなさそうで、拍子抜け。この件、他人に話しちゃったよ。内容的にはきちんと統計資料にあたっていて、思い込みを排除してくれる意味では新しい視点を与えてくれる。でも「生暖かい目で見守る」というフレーズが何度も使われていて、その皮肉っぽさにかえってカッコ悪さを感じた。ちょっともったいない。

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2024年02月11日

Posted by ブクログ

フリーターでも意外と舞台見ながら生活していけるじゃん!と思っていたけど正規と非正規の違いは年金、病気の時などの社会保障にあるんだった
あとがき、自分だったかも知れない色んな人がいるからこの本書いたって言ってて作者想像以上に繊細だった……

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2023年01月18日

Posted by ブクログ

なかなか難解で読みにくい箇所も多かった。

現代の若者は意外と幸福度が高いが、それは今の生活に満足しているということであって、社会や国、将来については不満も不安もある。
つまり、自分に近い部分では満足度が高いが、もっと大きなレベルの話になると満足度は下がるというもの。

そもそも若者論というのは、一億総中流社会になり、地域間や所得格差が薄まったことで出現したらしい。
それでも昔から「今時の若者は」という論調はあるから、中高年が自分達の優越感や肯定感を上げるために使われることが多いのは確かだと思う。
自分は、中年になってもそういう考えに陥らないように気を付けようと思う。

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2022年06月17日

Posted by ブクログ

若者はなんだかんだ言って社会に貢献したいと思ってるけどその機会やきっかけを見つけられなくてもやもやしている というような記述を読んで自分と重なるものを感じた。

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2020年10月07日

Posted by ブクログ

2019.4/27

未来が下がるからという予想をしているからいつも今が頂点になるっていうのが、すごく面白い人間の心理
どうにか自分が助かるための内的システムを抱えながら誰もが生きている その無意識の反応みたいなものにとても面白みを感じる

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2019年04月27日

Posted by ブクログ

 最近の若者は「ムラムラ化」しているとのこと。狭いコミュニティで仲間たちとなんとなく楽しくつるんでいることを幸福と感じている。これを「村々化」という。 しかし、そうした日常に閉塞感も感じていて、なにか社会貢献とか世界を変える良いことをしたいとも感じて「ムラムラ」している。そんな状況なので例えば災害とかでボランティアが必要な状況がくると、率先して参加する。日本が戦争する国になると危機感をもって、デモに参加したりする。(その逆の立ち位置のデモ、例えば在特会とかの場合もある)要するにマンネリ化した日常を変化させる非日常が出現すると、それに喜んで飛び込んでしまうというこだ。

 言われてみればそうかもしれないが、昔から若者なんてそんなもんでしょ、って気もする。
 こんな見方もある、程度で読めばいい。シニカルな批評がなかなか面白いから読んで損はない。

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2019年04月18日

Posted by ブクログ

古市さんが大好き!w
ワイドナショーではあんなにふざけているのに、一方ではこんなに文献調査や街頭調査を重ねていて本当に尊敬する。身近な楽しみに幸せを見出せる若者の姿はとても納得出来る。答えのない問題を扱っているので難しいが、もっとはっきりとした結論が欲しかったような気もする。

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2017年01月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

若者論。
日本は今後高齢化を始め様々な苦難が想定されている。
けれど、若者たちは日々の日常に満足している、幸福だと答える。

若者論は、大人の自分探しである。なるほど!
社会運動をイベント化したり、居場所としながらもサバサバと解散していく。
若者は一見あまりにも豊かで、簡単にsnsで繋がり、承認しあえる。
そりゃ社会が変われば人間もかわるよなー若者じゃなくたって。
社会学かじったことないからか、まーそう言われればそーかなーと思いながらバーっとよんでしまいました。(⌒-⌒; )
タイトルは気に入りました!

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2016年05月23日

Posted by ブクログ

おもしろい!!!!!一章についてはとくに言えることはないが(若者論の振り返りと、若者論は今以降「ない」ということしか言っていないため)、2章では「私たち(の世代)に必要なのは目的ではなく仲間」ということと3章では「大戦にむかって作られた「日本」だが、大戦(敗戦後の敗者復活経済戦含む)が終わって用無しになったら解体してしまった」というのが、ほんとだ!!!と思った。4章以降はまたあとで読むつもり。

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2015年11月20日

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