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Posted by ブクログ
出版当時26歳だった気鋭の若手社会学者である著者が既存の若者論を更新した名著の文庫版です。脚注部分など2015年時点で新たに追加されている部分もあり若者論のテキストの最新改訂版としても読み応えがあります。若者論を歴史的かつ体系的に述べた第一章はそれだけでも価値が高いものだと私は思います。
本書の中で我々が「一億総若者化時代」を生きている、と著者が述べているのが特に印象に残りました。
世代ごとの意識の差が減少し続け、今後ますます多くの若者が「正社員」や「主婦」という既存の社会が前提とした「大人」になれないのだとしたら、若者は年齢に関係なく「若者」でありつづけるしかない。著者の指摘は鋭く着眼点がすごいです。
不安定が若者らしさであるとしていつまでも不安定なままの大人になれない若者ではない若者が増え続けるならば我々の社会はどうなるのだろうか?
著者の今後の活動がますます楽しみです。
Posted by ブクログ
大きな流れで見ると、昭和から平成、令和と時代が変わっていくなかで経済成長の時代はすでに終わりを告げ、経済成長の時代を生きたおじさん世代の若者批判の論調はなんの説得力もない。
そして「昔は良かった」「最近の若者は...」という議論がいかに意味のないものかがよくわかる。
それを踏まえた上で若者論とは社会問題のネガみたいなものという。
最も印象に残ったのは、日本という国は民主主義という制度の構築に失敗したのかもしれないという点(P352)。「明治維新が参考にした西欧諸国は産業革命の真っ只中にあり、これを参考にしたため経済成長が至上命題になった(民主主義よりも)。そしてそれがうまくいってきた。昭和はじめまでは戦争に勝ち、太平洋戦争で敗戦しても様々なラッキーが重なり経済成長できた。それがいま、経済成長が止まった。民主主義を犠牲にしてきた国で、僕たちは今たちすくんでいるように見える」
なるほど。確かに局所的に本当の意味で民主主義を追求する活動はあったが、日本の近代史は済成長・自由主義の流れの中にいたというほうが的を得ているのかも。
Posted by ブクログ
ずっと気になっていた古市さんの本。やっと読めました。
若者論の歴史から入って、現代(執筆は2011年)の若者の状況を統計やインタビューから淡々と描き出していく。いいなぁ、この対象からの距離感が社会学なんだよな、と何やら嬉しくなる。
少子高齢化、財政赤字に加え、近年は国際的なビジネスでの競争でも分が悪い日本。長期的には徐々に沈んでいくことは避けられないかも。でもここまで築き上げた社会インフラはやはり相当なもので、短期的には無理せずとも安全でそこそこ楽しく暮らしていける。まあ、茹でガエル状態といわれればそれまでなんだけど、だからといって個人の力でこの状況を変えることはやはり困難だし。
こんな若者の生活を、ユーモアも交えながら淡々と描き出している。やはりなかなかの作品ですね。
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