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フィンランドと日本、それぞれの国を代表する若手社会学者2人が、
“折れない国家”フィンランドの秘密を探る社会文化論。
フィンランドと聞いて思い浮かべるもの。ムーミン、サンタクロース、マリメッコ、ノキア、森と湖‥、高い教育水準と高福祉を挙げる人もいるかもしれない。そういった、あまりにも素晴らしすぎる、理想の国フィンランドのイメージに常々疑問を持っていた古市憲寿が、フィンランドの同じく社会学者であるトゥーッカ・トイボネンに出会ったことから、このプロジェクトは始まった。
まず、トゥーッカ・トイボネンがやったことは、フィンランドの社会に内包するジレンマを取り上げデータに基づき考察する論文を、フィンランド国内の著名な研究者たち十数名に依頼したことだ。それを日本語に翻訳し、古市憲寿と分析した結果、そこに、フィンランドが「何度も挫折を経験した国」であり、同時に「何度も復活を果たした国」である理由を見い出す。
さらに2人は、2014年に実際にフィンランドを訪ね、フィールドワーク(現地取材)を敢行する。起業家、若者、子供、先生、デモ隊の人‥、数多くの場所を訪ね、人に会った様子を、読者は追体験しながら、上記の論文とフィードバックできる4つの章(「総論」「教育」「若者」「イノベーション」)で本書は構成されている。
最終章の「これからもフィンランドは復活し続けるか」まで待たずして、持たざる国である日本がフィンランドから学べるヒントが満載の社会文化論である。
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Posted by ブクログ
日本と同じく資源小国でありながら、高度な福祉や教育で知られ、またムーミンやマリメッコといった、アートやデザイン分野でも優れたブランドをもつフィンランドが現在抱える課題に関する現地調査やフィンランド人研究者による考察をまとめた一冊。
帝政ロシアやスウェーデンによる相次ぐ支配からの独立により国としてのアイデンティティを高め、一時は「北欧の日本」といわれるほどの急速な産業化を果たしながらその代表格であるノキアが衰退。教育についても国際的な高評価とは裏腹に国内では格差が問題視され、若者の引きこもりや自殺が社会問題化する。それでも今度は「起業家大国」として、グローバル社会の中で生き残る術をしたたかに探る姿は日本も参考にすべきところが多いように感じる。
ただ、タイトルにあるフィンランドが「何度も再生できた理由」や、そこから「日本が何を学ぶべきなのか」といった核心的なところは必ずしも明らかにはされない。各研究者の論文もおそらく賛否両論あるのではないかと思うが「一方の主張」だけが述べられているように感じる。著者による各章の「まとめ」もどこか表層的で、とても興味深いテーマだけに、もう少し掘り下げた分析がほしかった。
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