古市憲寿のレビュー一覧
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安楽死が合法化された日本を舞台とした社会派恋愛小説というべき物語。
読者視点となる愛に対して、彼氏である平成くんが安楽死したい旨を伝える場面から物語はスタートする。
タイトルにもなっている平成くんは明らかに著者本人を投影している。著者本人への勝手な先入観もあり、中盤まではいけ好かない奴だなという印象だったが、物語が進むにつれて平成くんは隠しきれない人間味とサイコパス感が同居していく。
物語としては愛視点で淡々と進んでいくが、彼の安楽死を望む理由や平成くんらによる安楽死の現場への取材、彼らの大切な家族との別れを通して読者に生死感を考えさせる内容となっている。
一部感情移入できる場面もあるが、終始 -
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昭和世代でピークに達したインフラを、そのまま新規着工を令和の時代にも続けるのは時代錯誤だと思う。
採算取れないローカル線の新線建設は昭和の最後でストップした。
高速道路の整備延長を進めるならば、移動インフラの鉄道は役目を終えていると思う。
新しいものを作るならば、古いものは捨てていくべき。
捨てるものは、昭和。
本書では特に、万博・宇宙開発・オリンピックに焦点を当てて、それらに対して批判的に論じられる。
万博とオリンピックに対しての批判はその通りで、箱モノとしての万博は必要か、多様化するスポーツの時代にオリンピックの意味は。
ないと思う。
一方、宇宙開発に対しては、選択肢 -
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取っつきにくい宗教を極限まで分かりやすく、面白く解説した書である。
導入には漫画、そこから専門家が解説に入るが、一つ一つの宗教に対し、専門家が違う。また、それに対して、古市氏が素朴な視点で質問していくので、それが絶妙で良い。「その宗教、一言でいうとどんな感じ」的な質問をしていく。少し乱暴にも見えるが、読者にとってはそれが分かりやすい。
キリスト教は、佐藤優が解説。聖書の解釈について。『新約聖書』に「ヨハネの黙示録」という文書がある。預言者が神の啓示を見聞きしたことを書いた預言の書ということだが、「ヨハネの黙示録」は後半になってズレてくる。それは、「事後預言」という裏技を使っているからだという -
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世界宗教とか伝統宗教というものは、所謂創始者とされる人物はいる(またはいたとされる)が、その人の教えが全てではない。弟子とか後世の人が何百年もかけて継ぎ足していったものの集合体が聖典であり教義である。
…ということがよく理解できた。宗教とは、ある種の集合知なんだな。だから、矛盾も大いにある。
「イエスってそんなこと言った?」みたいな疑問は大体これで解消される。
聖書
ロシア正教
『コーラン』
ゾロアスター教
インド神話
ジャイナ教
『論語』
『西遊記』
北欧神話
『万葉集』
『禅と日本文化』
『聖と俗』
以上、12の対話。
エッセンスがまとまっていて読みやすくかつ読み応えがあった。とくにロ