古市憲寿のレビュー一覧
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2024年に書かれた本。
2025年は昭和で数えると昭和100年、実際に昭和が終わってから30年以上たっているけど、本当に「昭和」は終わったのか?と振り返る。
オリンピックや万博は、開催されているときはすごく盛り上がるけど、開催までの費用とか、終了後の跡地問題ってあんまり聞くことがない。昭和39年の東京オリンピックも、そのおかげで戦後復興が進んだ、と思っていたけど、オリンピックがなかったとしても復興していた、むしろ工事を急いだ悪影響は今でも残っている(高速道路、モノレールなど)という話もあっておもしろかった。
過去を振り返る中で、「戦後100年(2045年)」の未来予想の話もあって、それが絶妙にリアルで面白かった。2045年、安楽死は日本で認められるのかな?
以下メモ
・発展を前提に未来に希望を見てきた。だけど技術は単線的に進歩するのではない。ピラミッド建造など中世には失われた技術もある。
・未知の場所へ行くことには夢がある。が、宇宙や月には一度行ってしまったことで夢がなくなった。
・宗教の力が弱まって、神を信じられなくなり「人間の理性を信じる」という進歩思想が生まれた。そして科学や宇宙に夢を見て、人類はこの先も発展、進化していくと思っていたのがこれまでの歴史。だけど1986年(昭和61年)の出来事、スペースシャトルチャレンジャーの事故・チェルノブイリの原発事故で夢が失われた。でも私たちの想像力は「昭和」から抜け出せない。
・現代社会における課題は主に「経済」と「承認」
2010年以降の日本では「承認」ばかり注目されている。「承認」に関する議論が盛り上がるほど「経済」的な公平を求める運動のガス抜きとして機能してしまう。だが民主主義国家が「承認」にまつわる問題に精をだすあまり失われていく豊かさがある。 -
Posted by ブクログ
この本が出版されてから9年が経ってから読んだが、2025年現在でも楽しく読むことができた。
「社会学の入門書」というような記述があるが、社会学そのものについて知りたいと考える人にとっては「入門書の入門書」というような気がする。この本を読んで、社会学の考え方について触れた上で、社会学の入門書(たとえば、有斐閣の『社会学』とか)を読むと、自分なりの問題意識を持ちながらより深く社会学について考えることができるのではないかと考えた。
私は社会学に片足を突っ込んだ程度の学部生でしかないのだが、今後どのように自身の研究計画を立てていくべきなのか、どのように社会を捉えて考えていくべきなのかを考えることができた。また、社会学を学ぶ人々が閉塞的である、つまり理系の分野をはじめとした他の分野についての知識を軽視している、という指摘には自身にも心当たりがあった。
社会学の研究に行き詰まったりしたときには、また再びパラパラとページをめくってしまうだろうと思う本である。 -
Posted by ブクログ
安楽死が合法化された日本を舞台とした社会派恋愛小説というべき物語。
読者視点となる愛に対して、彼氏である平成くんが安楽死したい旨を伝える場面から物語はスタートする。
タイトルにもなっている平成くんは明らかに著者本人を投影している。著者本人への勝手な先入観もあり、中盤まではいけ好かない奴だなという印象だったが、物語が進むにつれて平成くんは隠しきれない人間味とサイコパス感が同居していく。
物語としては愛視点で淡々と進んでいくが、彼の安楽死を望む理由や平成くんらによる安楽死の現場への取材、彼らの大切な家族との別れを通して読者に生死感を考えさせる内容となっている。
一部感情移入できる場面もあるが、終始彼らのブルジョアな生活を見せられることもあり、大きく感情を動かされることはない。ただし著者の性格的なところも大いに関係していると思うが、登場人物の言動による感情の機微を巧みに表現している。
しかしやはり平成くんはいけ好かない奴ではある。 -
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昭和世代でピークに達したインフラを、そのまま新規着工を令和の時代にも続けるのは時代錯誤だと思う。
採算取れないローカル線の新線建設は昭和の最後でストップした。
高速道路の整備延長を進めるならば、移動インフラの鉄道は役目を終えていると思う。
新しいものを作るならば、古いものは捨てていくべき。
捨てるものは、昭和。
本書では特に、万博・宇宙開発・オリンピックに焦点を当てて、それらに対して批判的に論じられる。
万博とオリンピックに対しての批判はその通りで、箱モノとしての万博は必要か、多様化するスポーツの時代にオリンピックの意味は。
ないと思う。
一方、宇宙開発に対しては、選択肢としての開発は進めるべきだと個人的には思う。
昭和的発想のインフラ整備だが、その時代にピークだったからこそ、快適な生活ができているともいえる。
いくら情報技術分野が発達しても、外に出て道がガタガタの国が先進国とは思えない。
捨てるべき分野は切り捨てる。
受け継ぐべきは残す。
間違いなく日本のピークは昭和だった。
過去の栄光が捨てられない日本だが、もはや昭和を記憶しているのは高齢者ばかりなのだ。