古市憲寿のレビュー一覧

  • ヒノマル

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    今の世界情勢とつい照らし合わせずにはいられない。
    戦時中の日本にたくさんあったであろう物語のひとつ。日本にもこんな時代があった。そして、戦時中であっても、コロナ禍であっても、そのどちらでなくても、人や世間というものはあまり変わらないのかもしれないな、と思った。
    そこにちょっとだけがっかりしつつ、それでも涼子と勇二、そして優一の存在に明るい希望を感じながら読み進めた。

    古市氏の小説は初めて。
    表紙をめくった1ページ目で、読み進めていく先々で、人に対しての誠実さを感じた。
    テーマとは裏腹にとても優しい物語だった。
    そして驚いたのが参考文献の数。
    物語に対して感じた優しさや誠実さは著者自身が持って

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    2022年10月11日
  • 平成くん、さようなら

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    メディアによく出ている著者と主人公が完全に重なり、小説なのにノンフィクションのように感じた。未来の日本の安楽死を見ているかのようだった。

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    2022年09月24日
  • 10分で名著

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    名著を読んだ気になる一冊。
    時間がないなかでも、勘所を掴んで噛み砕くことで内容を少しでも理解することは決してズルではないと思っている。
    残念ながらこれを読んだうえで、原著にあたろうとは思わなかったが、意味ある読書時間になったと思う。

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    2022年09月15日
  • 保育園義務教育化

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    非認知機能や幼児期教育にコストをかけることの重要性など比較的話題になりやすい研究の話もそうですが、特に妊娠可能年齢や出産後の女性が抱える問題についてはとても悩ましいと感じさせてくれるものであったように思います。母乳を絶対視したり、ベビーシッターを否定するという人は流石に多数派ではないと思いますが、自分の育児論を絶対視して他の人を縛るのは筋違いというものかと改めて思える内容でした。自分と他人の境界線。
    同じ話多かったですし、ホットドッグプレスの話そんなに掘り下げる必要あるのかと笑ってしまいましたが、とても学びがあると思います。
    子どもの発見、日本の歴史を読み直すといった本に書かれているような過去

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    2022年08月31日
  • 10分で名著

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    NHKの『100分de名著』の類かと思った。
    確かに、10分ほどで内容が分かり面白い。 興味がわいた本も多いが、なんせ長編がほとんどなので、実際に読むかどうか・・

    この本を読んで、紹介された全ての本を読んだ気になってしまう。

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    2022年08月28日
  • ヒノマル

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    8月に読めて良かった。戦時下の青春物語。戦争の厳しい描写もあるが、3人の物語は涼子の甘夏の香りの様に爽やか。啓介がどうしたか気になる。

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    2022年08月21日
  • 10分で名著

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    12の有名な著作について対談しながら、その本質や魅力について紹介している。どれも読むのが大変なものばかりだが、古市さんのコメントの通り、事前に読む目的を決めておけば少しは読めるかと思いました。
    また「(原典を)読んで挫折してもいい」、海外旅行もガイドブックの写真を見るのと、実際に行って周りの雰囲気を体感するのは全く違うという点はとても腑に落ちました。

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    2022年08月10日
  • 誰の味方でもありません(新潮新書)

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    一番納得したのが、おじさんとおじいさんの定義
    現状で満足して、これ以上の成長を望んでいない人が周りに沢山いるなと実感しました
    読書するしないの違いかもしれません
    いつまでも知的好奇心を持って吸収していきたいですね

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    2022年08月08日
  • 平成くん、さようなら

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    安楽死が合法化された現代日本というパラレルワールドが舞台。
    描写がリアルで引き込まれました。
    これまで安楽死を身近に考えたことはなかったけど、平成くんや愛を通してもしもの世界を体験しました。
    他人の物事について、本人の意思を尊重するというのは当たり前のことのようでありながら、死が関わるとこんなにも難しいものなのですね。

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    2022年08月01日
  • 百の夜は跳ねて

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    主人公の職業が高層ビルの窓掃除。
    今まで見ていなかったり
    見えていなかった人たちの話。

    人との出会いも一生も儚いものだと感じた。

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    2022年07月11日
  • 10分で名著

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     この本の最大の魅力は、世界に名著を読み込んだ第一人者との対談であるが、本当に「10分」以内で読める案内となっていることだ。
     そしてこの本の最大の欠点は、この本を読んでもこれらの「名著」の何もわからないことである。

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    2022年07月11日
  • ヒノマル

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    プロフィールによると作者は哲学者とある。
    う~ん難しいのかな・・・
    しかし話はわかりやすく、内容にもすんなり入っていける。
    昭和18年、大学生の兄を持つ勇二は、国家のために命を捧げると公言する中学生。
    ある日であった少女は、日本は戦争に負けると言い放ち、自由奔放に振る舞う。
    反発しながらもいつしか惹かれていく勇二だが。
    戦局は悪化し、自由は統制され、未来さえ見通せなくなり、
    自分の向かうべき道もわからなくなり・・・
    愛国精神に満ち溢れた若者目線で書かれた一風変わった反戦小説だが、これはそんな中で揺れ動く繊細な恋愛小説でもあると思う。

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    2022年07月09日
  • 百の夜は跳ねて

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    ネタバレ

    私の独断と偏見の考察

    ・老婆と翔太は、時代は違えど同じような境遇である(死者の声が聞こえる、島の話を知っている、漠然とした思考で生きている)

    ・物語のキーワード"格差"は老婆と翔太のこと。同じような境遇で同じように悩んでいる(だから引かれあい需要と供給を満たしていたのでは)のに、高価なタワーマンションに住む老婆と一般的な家の翔太、という格差。
    タワーマンションという高さも高くて価格も高い老婆、高所という高いところで作業する翔太。同じ高さに居るのにここにも格差が生じている。

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    2022年07月01日
  • 奈落

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    代理ミュンヒハウゼン症候群を1番に思い出した。
    本当に終始鬱になりそうな内容だが、なぜが読み進めてしまう…そんな本。
    本当に自分の意思が伝えられない患者さんがいるのかもしれない…そう思うと心が痛む。患者に寄り添う治療とはなんだろう?自己決定支援制度ってなんだろう?アドボカシーってなんだろう?たくさん考えされられた。

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    2022年06月24日
  • 10分で名著

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    よくある『古典名著解説本』ですが、彼ならではの視点を期待して購入。今一つ中途半端な印象。選出根拠も不明。

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    2022年06月19日
  • ヒノマル

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     物語の構造が良いなと思った。
     プロローグで始まり、物語が終わり、エピローグでプロローグに戻る。
     しかし、小説を読み終わるとプロローグの同じ情景が違って見える。
     そういう仕掛けのある構造は物語としてストンと落ちる。

     話としても対照的な兄弟の物語。
     終戦中、帝国男子の規範を目指す頭の固い弟勇二と、仏文科に進み自由な思考の持ち主の兄雄一。
     その間にいるのは、やはり自由な思考を持つ女子、涼子。
     戦争は進み、やがて雄一は学徒出陣の一員として航空機整備兵となる。
     一方、非国民のレッテルを張られて村八分に置かれる涼子に対して、勇二は何もやましいことはないのに非難の目を誰かに向ける世間に対

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    2022年06月14日
  • アスク・ミー・ホワイ【単行本版】

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    この本をBL系と言う方もいるけれど、また少し違うテイストだと感じました。BL!って言葉だけで済ませたくないくらい深いです。
    古市さんテレビで見ているとドライと言うか冷たい印象を受けるけれど、きっと暖かい人なんだとこの本を読んで思いました。

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    2022年06月13日
  • ヒノマル

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    悔しいけどこれも読み出したら止まらなくなった。戦時下の青春ラブストーリーって感じは確かにした。でも、なんか質感がしっくりこないのはなんやろ。CGアニメっぽいねんな。

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    2022年06月10日
  • 10分で名著

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    古市憲寿さんの本は初。

    ピックした理由は、「NHK100分de名著」が好きなので。タイトルから読んでみないわけにはいかなかった。

    確かにタイトル通り、読むだけならば各章10分で消化できます。(自分の場合書き入れたりラインマーカーしたりするので20分ぐらい。)

    ただ、全12章一挙に120分で読めるかというと、ダメでした。各章ごとにジャンルなどが多様なので、7章まで読み通したところで、頭がパンク。

    以下、各章ごとに読んだ感想を、ネタバレしない形で。頭から順に各章読み終わった時点のもののため、振り返りや手直しはしていません。


    はじめに
     ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と

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    2022年05月21日
  • ヒノマル

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    考え方が違っても、人は人を慈しむ事が出来る。
    多様な考えを一歩引いた視点で包括するような物語だった。
    そしてこの相互監視社会への真っ直ぐなメッセージでもあったと思う。
    古市さんの哀しいような優しさが心に染みた。

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    2022年05月16日