【感想・ネタバレ】奈落のレビュー

あらすじ

17年前の夏、人気絶頂のミュージシャン・香織はステージから落ち、すべてを失った。残ったのは、どこも動かない身体と鮮明な意識、そして大嫌いな家族だけ。それでも彼女を生かすのは、壮絶な怒りか、光のような記憶か、溢れ出る音楽か――。生の根源と家族の在り方を問い、苛烈な孤独の底から見上げる景色を描き切った飛翔作。

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Posted by ブクログ

面白かった。所々に散りばめられた言葉に著者の鋭い視点が垣間見えて、得した気になった。
「夜の色は黒ではなく白」みたいな事が書いてあって、すーっと飲み込めた。
救われたかどうかとか関係なく、印象に残る終わり方だと思う。

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2021年01月05日

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「平成くん」「百の夜」に続く古市憲寿さんの最新小説。今作の主人公は人気絶頂時にステージから転落し、半身不随の体(だが意識はある)で、その後の17年間を生きることとなった人気歌手・香織の「奈落」の歴史。半身不随後の17年間を1年目から追っていく形、家族は好き放題し香織を使って金儲けに走り、恋人はライバルと結婚したりと香織にとってはまさに絶望、ラストで地獄の底に叩き落とす徹底ぶり。。社会学者の古市さんの作品らしく、各所にその時代に流行したコト・モノが散りばめられるのもノスタルジーを感じてよい。

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2020年03月28日

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わたしとはまるで違う。
欲しいものも、美しいと感じるものも、生き方も。
窮屈でたまらないこの家族と町から
一日も早く逃れたい。
わたしが居るべき場所はここじゃない。
音楽が救ってくれた。
歌手として生きる道を選んだ。
ついに手に入れた、自由。
みんながわたしを求めている。
わたしはいま、生きている。
念願のステージだった。
そこから、落ちた。
ー
目を覚ましたとき、
わたしに残されていたのは、
動かない身体と、鮮明な意識。
そして、大嫌いな家族。
その日から、わたしは、
死んだように生きている。
生きているのに死んでいる。
伝えたいことばも感情も、
歌いたいメロディもたくさん浮かぶのに、
口は動かない。
声も出ない。
目も指も動かない。
食事もできない。
なんにも、できない。
当たり前にできていたことが、
なにひとつ、できない。
それでもわたしは、生きています。
だれか、わたしを、
ここから救い出して。
・
・
“最後まで救われないらしい…”
覚悟して読み始めたけど。。
他人事とも思えないから、こわい。
自分に起きないとは言い切れないから、こわい。
結果、
いまを、精一杯生きるしかないという境地に。
すきもきらいも、
ごめんもありがとうも、
いま、伝えないと。
いまを、生きないと。
明日も同じだなんて保証は、どこにも無いから。

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2020年03月29日

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こう言うネガティヴな感じの小説結構好き。
救いようのない感じの表現がわかりやすくてスラスラ読めた。
宇宙ホテルのシーンとエンディングだけよく分からなかった。

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2025年04月20日

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『怒り』のエネルギーって本当に強くて、その強さが今回は生きるエネルギーになってしまったんだけど…
あまり良い感情ではないと思うんだよな…
個人的には…
でもそのエネルギーで生きた人もいるだろうし、実際に凄まじいエネルギーなんだよ…

届かない怒りほど虚しいものはない。

古市さんの話は、感情を学べるなって思ってて、今回もそれだった。
時間の経過によって感じるであろう変化を、想像上だろうけど、繊細にリアルに描かれていると思う。

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2023年10月25日

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突然の事故で体が不自由になってしまう主人公。
その苦しみやもどかしさがリアルに綴られている。それも、オーバーな表現はなく淡々と。
他人事とは思えないようなリアリティ。

誰もが現実で感じうる些細なストレス、それを丁寧に掬い取って表現している。

古市さんの特徴であるフラットな文章に慣れていくと、最後のショッキングなシーンに面食らう。
しかし、そのショックすらも現実のものであると感じる。

社会学者として多くの物に触れてきた古市さんだからこその視点、書き方であり、他の小説のはまた違った楽しみ方ができると感じた。

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2023年07月21日

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代理ミュンヒハウゼン症候群を1番に思い出した。
本当に終始鬱になりそうな内容だが、なぜが読み進めてしまう…そんな本。
本当に自分の意思が伝えられない患者さんがいるのかもしれない…そう思うと心が痛む。患者に寄り添う治療とはなんだろう?自己決定支援制度ってなんだろう?アドボカシーってなんだろう?たくさん考えされられた。

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2022年06月24日

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ネタバレ

「嫌だっていう感情は、知らないか期待しすぎかのどっちかだと思うよ」

期待ってのは傲慢な感情だって思った方がいいよ。君の期待する誰かは、君のために生きているわけじゃないんだから

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2021年05月06日

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初めての作家さん。
出だしの数字がわからなかったが、すぐに意味がわかります。
表現できないとはこんなに苦痛なのかを思い知らされます。
絶望の中、生きていく苦しみ。
これが人生なのかもしれない。
辛いのが苦しい人にはお勧めできませんが、この本を読めるということは、主人公より恵まれている...と考えて慰めるしかないです。

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2020年12月01日

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ネタバレ

割と序盤で数字の見出しの意味に気づくんだが…ある意味『ジョニーは戦場へ行った』より身近に起こりそうでとんだホラーだったぜ!

この小説からどんな教訓や著者の訴えを汲み取れば良いのか…『家族のほころび』がテーマだとのことだが、ほころびなどというぬるさではなく、ほころびすぎィィ!という意味で本当にホラーです。

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2020年09月27日

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なかなかにエグイラスト。

ちょっと期待させておいてのこれは
読後感かなり悪いが、嫌いじゃない。

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2020年09月26日

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古市さんの小説3作品めです。

冒頭から引き込まれました。
ある日、急に人生が変わることはあり得る…
輝かしいスターだった主人公が奈落の底へ落される、自由にならない身体と正常なままの意識のはざまでの何十年という日。

主人公目線で読んでいたのでラスト近くでちょっと衝撃を受けました。勝手に持っていたイメージがひっくり返された感じです。

最後まで嫌な気分になる1冊でしたが、妙に印象に残る1冊でした。

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2020年08月17日

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人気絶頂だった17歳の歌手香織。ある日事故で意思疎通もできない車椅子生活になる。香織の心情が綴られている。古市さんらしいタッチだと思った。

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2020年07月01日

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ネタバレ

ちゃんとした小説じゃないか!~シンガーソングライターの香織はステージから落ちて、植物状態かと思われていたが、ちゃんと意識を持っていた。母が動けない娘に愛情を傾けるようになり、不仲な姉が妹の作品で金を稼いでいる。いつの間にか40代になって、鍼で体が少しずつ動かせるようになったが、母は施術を断り、香織に鏡越しの自分の姿を見せる~ちゃんと作家として活動できるね、古市君

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2020年06月18日

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 本作は、読みようによっては救いのない物語だ。 
 人気絶頂だった17才のミュージシャンが、ライブ中の事故で全身不随となり6139日目から話が始まる。
 
 外界に対して何も意思表示できない体になってしまい、意識の有無さえも判断できない状態にある藤本香織。
 だが、彼女の意識ははっきりしている。
 意識が体の中に閉じ込められている。

 家にいることに耐えきれずに、家を飛び出してミュージシャンになった彼女だった。
 しかし、事故後には姉、母が彼女の財産を引き継ぎ、更には嘘を塗り固めた美談を騙るようになった。
 動かなくなった体を父が弄る。
 かつて共に語り合った男友達は、自分が音楽性を蔑んだ女と結婚する。

 ただ時間だけが過ぎていく。
 この体になってから時間感覚だけが鋭敏になった。
 事故前の年月と、事故後の年月が等しくなってなお、彼女は未だに事故後の姿を見たことがない。
 

 1990年代の終わりから、2020年まで。
 ケータイからスマホへ、
 イラク戦争もあった、
 東日本震災もあった。
 時折、社会学者としての著者の主張が差し込まれる。
 多すぎる国会議員であるとか。

 この小説の目的は、障害者に対する世間の考え方についての問題提起だろう。
 本当は、障害が治ってほしくない家族。
 しかし、本人がどう思っているのかは誰にもわからない。

 このラストを全くの救いがないと読むか。
 それとも本人にとっては救いと読むか。
 どちらになるかは読者の主観だが、彼女にとってどちらなのかは彼女にしかわからない。

 一気読みさせる程よい分量と内容だった。

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2020年06月12日

Posted by ブクログ

残酷で悲しい。
これほど救いようのない話ってあるだろうか。
いっそ意識がないほうが、、なんて思ってしまう。

密かに意識し合っていた彼との初めてのキスが
相手に「腐ったザクロのような臭い」と思われるなんて
地獄以外のなにものでもない。
こんな表現を思いつく古市さん、すごい。

古市さんの小説を読むのは平成くん以来、2度目。
とんでもないことを淡々と書く作家さんだと思う。
とても好みなので、ひとつ前の作品、
「百の夜は跳ねて」も読みたい。

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2020年04月27日

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ネタバレ

奈落には底がないのではないか。
そう思った。

痛い。ただひたすらに、痛かった。
底辺だと思った現実にはまだ底があって、何度も何度も叩き落とされる。活路かもしれないと思った先が更なる苦悶の始まりで、読んでいて途中で苦しくなるほどだった。

誰ひとり自分の気持ちを理解してくれない。
一筋の光すら閉ざされる。
しかも、自分のしたことが正義だと疑わない人の、何と多いことか。

さらに言えば、私だって明日どうなるかわからないのだ。
ステージからではなくとも、明日交通事故に遭って全身不随になる可能性がないわけじゃない。
もしくは自分の近しい人が、そうなる可能性だってある。

その時、周囲はどうするのか?
もしくは自分が良かれと思ってしたことが、ただのエゴではないと誰が言い切れる?

そんなことを思って、そしたらひたすら痛くてズンっとお腹のあたりにいろんな想いが渦巻いて止まらなかった。


そして古市さんの著作は、時代時代の固有名詞がバンバン出てくるところが特徴的だなぁと思う。
「今」の作家さんだなぁと感じます。とてもとても好きです。

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2020年03月29日

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最後までどうなるんだろうと思いながら読んでいたけど、最後の段落はほんとによくわからなかった…どうなったの…?
主人公視点のあとに他の登場人物視点で書かれているのは、おもしろかった。家族のそれぞれがちょっとずつ変で、どういう心理なの?と思うところは最後まで謎のままでした。気持ち悪くておもしろい。

古市さんの小説は、これの前に「平成くん、さようなら」「アスクミーホワイ」を読んでますが、これは一番暗くて、一番よくわからない終わり方だったかも。嫌いではないですが。

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2024年10月11日

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途轍もなく残酷で救いがない物語。

主人公は人気絶頂の女性シンガー・藤本香織。
17年前の夏、ステージから転落し全身不随の身体になる。
それ以上に残酷なのは意識だけは明晰に残っていると言う事。

善人の仮面を被って寄り添う母、性的虐待を繰り返す父、香織の金だけが目的の悪魔の様な姉、見たくも知りたくもない家族の本性を、否が応でも傍で感じなければならない香織の心中を想像するだけで胸が苦しくなる。

眼球でのコンタクトが取れれば、少しでも声が出せたらと願いながら読み続けるも容赦ない展開にやり切れなさが募る。

最低最悪な家族小説。

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2023年02月15日

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そんなに悪い人ではない。
でも凡庸な人でも、家族というコミュニティの中で集まると、人の命を削るほどの悪の力を持つ。

家族という閉ざされた空間は本当にこわい。
ずっと思ってるんだけど、
家族って閉ざされるといとも簡単に仮面が剥がれて無遠慮な恐ろしい本性が出る。


人の悪意って
受ける当人のリアクションや周りの目によって
大部分は抑制されているんだな、と気づいた。
人間って卑しくて悪くて、
他の人の目がなければ
グレーゾーンを簡単に飛び越えて
人の命も簡単に握り潰せる存在。

最後のシーンがなぁーーー
諦めるなんて、
最初の1ページで思いついた選択肢だったから
あまりにあっけなくて悔しいくらいだった

この小説は結末以外のところに力があるけど
もし著者が最後が1番伝えたいところ、
というのでなければ、違う結末がよかったー!

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2021年03月25日

Posted by ブクログ

題材設定は面白かった。主人公の家族たちがあまりにも自分勝手で闇が深い。もしかするともっと回復したかもしれない主人公。家族の自分勝手な想いで奈落の底に落ちたまま。最後もモヤモヤして終わったというよりラストはよく分からなかった。

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2021年02月28日

Posted by ブクログ

スポットライトを独り占めにしていた彼女が……

ステージから転落し、植物状態になってしまう。
彼女が必死で、もがき、苦しみ、逃げ出した家族。実家の部屋は、あの当時のまま。
そんな部屋に帰ってくるなんて、、、
何も動かせないのに、明瞭な意識が、彼女を襲う。
死を覚悟しても、実行に移せない。。。

この先、何が待ち受けているのか……
誰のために生きているのか……

これも家族のかたちなのかもしれない。。。

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2020年12月13日

Posted by ブクログ

衝撃です。全身不随で目しか動かず、正気なのにそれもわかってもらえない元歌姫の17年間…
重度の肢体不自由の方の教育に携わるものとして、ドキドキする内容でした。今やいろいろな手段で意思を読み取ろうとしている時代。それを家族に拒否されるなんて…ショックですが、リアルさもあります。
古市さん作品、初体験です。読みにくいのかなと思ったけど、小説としてはスイスイ読めた。中身の重さに止まる事はあったが…他のも読んでみたい。

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2020年07月26日

Posted by ブクログ

「初夏に咲く紫の花だけど、花言葉が面白いと思ったのだ。「正しい主張」と「深い悲しみ」」

「嫌だって感情は、知らないか期待しすぎかのどっちかだと思うよ」


奈落という題名通り、いやそれ以上に苦しい本でした。

残酷で苦しくてどうしようもなかったけど、リアルだった、余計怖かった

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2020年07月22日

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ネタバレ

もう、救いようがない話。歌手として活躍していた香織は、ステージから落ち、寝たきり状態になってしまう。意識はあるのに、体は全くも動かない。声も出ない。意思表示ができない。そんな香織を搾取し続ける家族の物語。主人公が女性ということで、過去2作にあった「古市さんそのもの」の風味は抑えめ。ちょいちょい入る固有名詞・東京愛には名残りを感じるけど。とにかくひたすら負の方向に堕ちていく展開にドンヨリ。しかし文章は過去作に比べどんどん洗練されてきているような気がする。それでも私は『平成くん、さようなら』の方が好きだ。

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2020年06月28日

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評価は3.4といった感じ。
絶望から這い上がっていく物語ではなく、絶望、奈落から終始ずっと見続ける物語が印象的。
過去2作よりはこの作品が良かったし、文章も好みでかなりスムーズに読み進めた。
ラストの終わりがもう一つといった印象。
次作に期待。

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2020年06月20日

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他人の思惑によって無理やり進む時間

人気絶頂の歌手が事故によって意思疎通もままならない車椅子生活になってしまったというお話。

仲良くもない家族に"生前"の功績を搾取され、蹂躙される。死んだも同然以下、死んだ方がマシという主人公の気持ちが痛いほど伝わってくる。

それを表した事例として最も刺さったのが、
「痒いところをかけないし、誰に伝えることもできない」という所。

一人で人間としての生活は送ることができなくなってしまった。

意識がはっきりしている自分と、それを把握できていない周りの歪みをほぼ全編に渡って描いているが、ほんの少しずつ主人公に変化が。
大きくは何も変わらない至って暗く単調な物語り。




ここから本題。
岡崎京子という漫画家を知っている人は、この名前を出すだけで何をこの後話したいのかがあっさりと理解できると思う。
彼女はヘルタースケルターやリバーズエッジといった映画化もされた漫画作品を描いていた人だ。

奈落の主人公と同じく人気絶頂の時に事故にあって長い間リハビリ生活を余儀なくされ、20年以上経った今でも元の生活とは程遠いという。
そんな中でも彼女の原画展や未発表の作品なんかが絶えず出版され、まるで今も活動しているかのようだ。
その岡崎京子と、奈落の作者・古市憲寿は交友が現在も続いている。

倫理的に危うい描写も多々ある作品なので、大いにフィクションが入っているとは思うが、これは彼女の物語でもあるんじゃないかと思ってしまう。

それ故にリアルで地道で絶望に溢れた世界を一冊に込められたんだと思う。

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2020年04月22日

Posted by ブクログ

途中で読むのをやめたかった
でもどこかに希望があるかもしれない
ラストには光が
そう思って読み続けた
でも
底なしの絶望
吐き気までした

≪ 傍観者 奈落の底で まだ落ちる ≫

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2020年04月20日

Posted by ブクログ


こんなに絶望的な世界を描けるのがすごい。

人間は、いつも自分より不幸な人を見て安心する生き物だ。

この本読んで自分はまだマシだと思った私も、
やっぱり人間なんだなあ。

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2020年04月05日

Posted by ブクログ

確かなようで不確かなもの。
死んでいるようで生きているもの。
愛されていないようで愛されているもの。
存在するようで存在しないもの。

この小説の最大の特待は、主人公が徹底して「傍観者である」ということだろう。
主人公の香織は、17年前のある事故をきっかけにして、文字通り「奈落」におちてしまう。
そして、自分からは何も働きかけられず、自分の意思も表現できず、完全なる「傍観者」となってしまう。
その状態で、あの戦争や、あの災害も経験していく。
その間、彼女がずっと抱いていたのは、もはやゲシュタルト崩壊した怒りと絶望ばかりである。

この「漫然とした怒りと絶望感を抱きながらも自らは何もせず、ただ傍観しているだけ」という主人公像に、極めて現代的なものを感じた。
おそらく著者は、そこに「絶望の国の幸福な若者」の姿を重ねているのではないだろうか。という気がした。

しかし著者は、何をそんなに怒っているのだろう? とも思った。
家族の中で孤立する若者とか、毒親とか、そういうことにスポットを当てたかったのだろうか?
ちょっととっ散らかった感が否めなかった。

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2020年03月28日

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