あらすじ
この作品は、2020年8月にマガジンハウスより発行された『アスク・ミー・ホワイ』の電子書籍版です。
過去はね、変えられるはずなんだよ。
もしかしたら、未来よりもずっと簡単に
初めて港くんと会ったのは、大寒波が到来した冬の日だった。
港颯真・元俳優。写真週刊誌のスキャンダル報道によって、彼は、
少し前に芸能界から姿を消した。
ヨーロッパの街を転々としていたようが、
ここアムステルダムに住み始めたという噂は本当だったのだ。
初めはブルーやグレー、
途中から淡いピンクが重なったり。
彩りはあるけど、虹色と括れなくて、
すごく好きな世界でした。ーーー乃木坂46 高山一実
心も、身体も、酒も、誤解も。
溶け始めた瞬間が、最も艶めかしく、
意識の奥底を温める。
この物語には、人々の瘡蓋を溶かす、
蒼い陽射しがある。 ----リリー・フランキー
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今までに読んだ恋愛小説で一番好きだった。
多くの恋愛小説は主人公補正でお互いが惹かれ合うけど、この物語では主人公が港くんに惹かれていく様子をゆっくりと、徐々に追っていけた。人を愛することや、それを伝えることの意味みたいなところにも触れていて、それは今までの自分には無い感覚だったけど、とても腑に落ちた。
私にとって、求めていた文章に出会えてよかった。
Posted by ブクログ
読み終わりすっきりです。とても気に入りました。港くんずっと優しくて、素敵でした。文庫版の港くんの記事がよかった。いつから片思いしてた?のところめちゃくちゃかわいかった〜。。ふたりが振り返った場面をもう一度確認したくて、読み終わったあとにパラパラ読み返して…楽しかったです。またすぐに読み返したくなりました。
Posted by ブクログ
性別とか立場とか関係なく誰かを信頼して共に歩んでいく物語
表面上はなんてことなく見えても、人って裏では凄く傷ついていると思う
SNSが発達した世の中だから簡単に誰かを言葉で攻撃することはできるけど、あの人は大丈夫だからと勝手に決めつけないで、スマホの先の人を考えられる世の中になるといいよなあ
そして身近な人には押し付けるのではなく寄り添ってあげる、難しいと思うけどそうありたい
Posted by ブクログ
めちゃくちゃすきな小説でした!!
もうだいすき〜〜港くんとヤマトがひらいたお店ぜったい行きたいいいいしかも最後の終わり方めちゃくちゃいいんだけど!!すき!
Posted by ブクログ
大きな波があるわけではないけれど、雰囲気がとても好きだなぁと。ああ、尊い。
ゆったりと進んでいくふたりの押し付け合っていない愛が私は好きだなぁと思った。その気持ちが自分を変化させてくれたのかな。そうだといいな。
恋愛だけでなく、ひとに対する想いをこんなふうに考えられるのは素敵。こんなふうにひとと接して、割り切りつつも寄り添っていけたらいいよね。
素敵な言葉がたくさんあった。
ある意味おままごとのようなかわいさとピュアさとまっすぐさがあるのに、心のどこかでシビアな現実も受け入れて、だからこそ今この瞬間勇気を持って素直に接する姿が尊い…。なんだよもう、幸せでいてくれよ。
あとご飯が美味しそう。
オランダにも興味が出てくる。
Posted by ブクログ
まずアムステルダムの街並み等の描写が素晴らしいですね
どうしても古市さんが書いてると思うと途中ハラハラしたんですが(笑)
無事ハッピーエンドで良かったです
Posted by ブクログ
p.196
ほとんどの成功者は、時代に輝かせてもらっているに過ぎない。
時代と共に歩けなくなった時点で、人はどんどん曇り霞んでいく。
p.198
悪い予感ばかりが当たるのは、そもそも未来に期待してないから。
本当に小さくてもいいから、いいことばかりを思い浮かべてみる。
p.209
同じ才能を持っている二人がいたら、勇気があるほうが勝つに決まっている。
勇気がない人は、才能を発揮することなく人生を終えていく
p.242
誤解とは大前提である。
あらゆる関係には、誤解や思い違いやすれ違いが含まれている。
その中で、誤解を解こうとする過程にこそに意味があるのではないか。
完璧に理解し合うことが無理だとわかりながら、その状態に近付こうとする試行錯誤こそが、誰かを思い合うことである。
Posted by ブクログ
彼女と別れアムステルダムで味気ない生活を送るヤマトは、スキャンダルで引退した俳優、港と知り合う。ゲイの港はいろんな男と奔放に付き合い、クスリも使う。価値観が180度違うが何故か気が合う2人。ヤマトは華やかな港に惹かれ、親友に裏切られ深く傷ついた港はヤマトを深く信頼する。ノンケのはずのヤマトが次第に港に近づく男に嫉妬したり、近づくと体温を意識したりと繋がりは深まるが、異性とか同性とかじゃなく、それ以上にお互いが精神的な支えとなっていく過程がとても良かった。不穏なプロローグだったが、清々しい気持ちになるラストだった。
Posted by ブクログ
事実は変わらなくても、解釈でいくらでも事実を上塗りしていくことは出来るはずだからさ。過去はね、変えられるはずなんだよ。もしかしたら、未来よりもずっと簡単に
全く同じ内容でも言い方一つで見え方は容易く変わってしまう
誰かの考えを強制的に変えさせるなんて不可能だと思う。論破は一方的な自己満足に過ぎない。結局、人は自分で気付くことでしか、考えを改められない。
「悪い予感ばかりが当たるのは、そもそも未来に期待していないからだよ。昔はきっと嫌なことばかり考えたんじゃないの」
あらゆる関係には、誤解や思い違いやすれ違いが含まれている。その中で、誤解を解こうとする過程にこそ意味があるのではないか。完璧に理解し合うことが無理だとわかりながら、その状態に近付こうとする試行錯誤こそが、誰かを思い合うことなのだと思う。
Posted by ブクログ
普段から恋愛ものはあまり読まないんですが、個人的に古市さんがすきで読みました。
芸能人か一般人とか、男性か女性かとか、日本人かそうじゃないかとか、人間か猫かとか、区別しようとすればいくらでもできる。
でもそうやって頭で考えるんじゃなくて、その人が好きか嫌いか、信じるか信じないか、考えるんじゃなくて、感じたまま正直に生きたほうが人生は楽しくなるし、生きやすい。
みんな考えすぎて、難しいこと言ってるだけなんだなって思った。
もちろん考える事も大切。
でも本能的に、直感的に生きることも、選択肢にいれたい。
とても素敵な本でした。
Posted by ブクログ
有名人ならではの悩み、海外で流通する麻薬の話など恋愛のほかにも考えさせられる内容が組み込まれていて勉強になった。
海外旅行気分で読めたのも楽しかった。
Posted by ブクログ
コメンテーターしてる時の、あの怖いものなしで鋭い毒舌で切り捨てる、チョコレートだけ食べて生きてるイメージからは想像出来ないくらいに、優しくて、癒されて、でも人間の生々しさみたいなものが込められた、古市さんの繊細な部分が表された作品だった。
外国に行った事がない私には、初めて知る発見がたくさんあったのと、行った事がないからこそその場所の景色なんかを自分勝手に想像しながら、自分もそこにいる気分になってたりw
BL作品として読むと言うよりは、人間同士の愛情、信頼、敬愛みたいな色んな感情が表されてた気がした。
そこまでBL得意じゃなくても、割とサラリと読めると思いました。
Posted by ブクログ
この本をBL系と言う方もいるけれど、また少し違うテイストだと感じました。BL!って言葉だけで済ませたくないくらい深いです。
古市さんテレビで見ているとドライと言うか冷たい印象を受けるけれど、きっと暖かい人なんだとこの本を読んで思いました。
Posted by ブクログ
主役ふたりのキャラクターがとても好きで、読み進めながらこちらまでドキドキしたりもどかしくなったりと、楽しい読書体験ができました。作品全体に流れる雰囲気も素敵です。
男性同士の恋愛を扱った作品ですが、男女のものと変わりなく描かれたそれに、時代の変化を感じられて嬉しくなりました。
Posted by ブクログ
雲田はるこさんの装画も素敵だった。今までの古市さんのイメージが拭えなくてなかなか読み進められなかったー!舞台はオランダ。海外には行ったことないからいろいろ新鮮で、学べることも多かったです。
日本とは異なることがたくさんあって、やっぱり一度でいいから海外に行きたいなぁと思わされました。個人的には出てくる料理がおいしそうで、お腹空く話だったなぁ。
Posted by ブクログ
私はセクシュアリティに関してはストレートな人間ですが、ヤマトが港くんにドキドキする様子は自然に受け入れられたというか…正直私も2人の空気感にドキドキさせられました。
しかも、それが爽やかに表現されているので作者さん描写が上手だなあと。
応援したい2人(^^)!
Posted by ブクログ
きれいな作品。リアルと幻想の歯車が面白く噛み合わさっていて、読み終わったとき“まあ、ふたりとも世界にいるしな”と思う。ひねくれているようで擦れていない、まっすぐな文章だなと感じた。
Posted by ブクログ
男とか女とかじゃなくて、この人が好きなんだ、という恋愛物語。なのが良い。
舞台が外国だから成り立つ感じもある、空気感
2021.4.30
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「あのね、夢を叶えることと同じくらい、願った夢を忘れている人も多いんじゃないのかな」
「同じ才能を持っている二人がいたら、勇気があるほうが勝つに決まっているんだよ。だって勇気がない人は、才能を発揮することなく人生を終えていくんだから」
Een vervelend misverstand(オランダ語」で「悲しい誤解」
「平成くん、さようなら」を読んでとても良かったので、こちらも購入。
冒頭は回想シーンへの入り口のような書き出しになっていて、本の最後まで読むと冒頭につながる作りなんだと思うのですが、冒頭で持つ印象と本の末尾との印象が違いすぎて、「え??」 となりました。
この本を読んでよかったなと思った点は、話の途中に出てくるモネのエピソードが、原田マハさんの「美しき愚かものたちのタブロー」に出てくる<睡蓮、柳の反映> を国立西洋美術館で実際に目にした時の感動を思い出させてくれて胸が熱くなった点かな。原田マハさんの小説はこちらの小説とは全く関係ないですし、この本の中のモネのエピソードも私が見たモネの絵とは関係ないと思います。ただ本編とは全く関係ないところで、素敵な記憶を思い出させてくれたり、人生訓めいたことを感じたりするのも、読書の楽しみ方かなと思ったので感想として書いてみました。
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辛口コメンテーターで知られる古市さんの小説。
こちら、昨年古市さんがTwitterで毎日少しずつ投稿してくれていたツイッター小説を一冊にまとめたもの。
私も去年毎日楽しみに読んでいたのでこちら再読となります。
舞台はオランダのアムステルダム。一緒にアムスに来た彼女のさくらに振られて、鬱々としながら過ごすヤマト。
そしてあるとき出会ったのが、ある報道がきっかけでテレビの前から姿を消した元芸能人の港くんだった。彼と出会って、友情を深めることで、ヤマトの生活に張りが出て変わりはじめる。
ボーイズラブ要素のあるラブストーリー。
全体的に、ヨーロッパが舞台ということもありおしゃれな印象。
主人公ヤマトの作る様々な料理が、文字だけなのにとてもバラエティ豊かで洒落てて美味しそう。
アムステルダムの風景や美術館などの風景もしっかり描いている。
美術館のシーンもあり、レンブラントやフェルメールなどオランダの画家や、モネの睡蓮の言及もあり、美術好きとしても嬉しいポイントだった。
ただ、Twitterのときは、文章と共にオランダの風景画像が添付されており、それがアクセントとなっていたと思うんだけど、書籍では予算の関係か、それがカットされていたのが残念だった。
また、古市さんのことは、辛口が気になって実は前はそんなに好きではなかった。しかし、中居君とよく共演するようになってから、一目置くようになり、Twitterもチェックするようになった。
古市さんのこちらの小説、中居君の存在がちらちら見えて、中居君愛を感じることができる。
男性同士の恋愛が描かれて、性描写もあるんだけど、全体的には爽やかでスタイリッシュな印象だった。
今回の勝手にキャスティング
ヤマト→林遣都くん
港くん→佐藤健くん
Posted by ブクログ
頭の中にすーっと入ってきて読みやすい文章。
異国情緒の高揚感と湊くんが自分を異世界に連れていってくれるかもしれないという期待感が心地いい。
uber eatsとか食べログとかGUCCIとか俗っぽい言葉が出てくる感じが個人的には新鮮に感じた。
Posted by ブクログ
優しい物語だった。
フィクションって書いてあるけど
港は、どうしてもある俳優さんが頭に
浮かんできて離れなかった。
ずっとその俳優さんを思い浮かべながら
読んだ。どこまで本当の話なんだろうとかも
考えながら。
あと読む側に人物の感じを具体的にイメージ
させることができるのだとは思うが、
人物が着ている服や持ち物など
いちいちブランド名から書いてあるのが
個人的には過剰に感じた。
(サンローランの黒いシャツとか
蜂のマークのついたディオールの帽子とか。)
物語の中にあった
「あらゆる関係には、誤解や思い違いや
すれ違いが含まれている。その中で、
誤解を解こうとする過程にこそ意味があるの
ではないか。完璧に理解し合うことが
無理だとわかりながら、その状態に
近付こうとする試行錯誤こそが、誰かを
思い合うことなのだと思う。」という
部分が心に染みた。
Posted by ブクログ
ホントに古市憲寿‼と思っちゃいました……
性別関係なく、切なくて、儚い、恋のお話でした。
オランダを舞台に、薬疑惑で芸能界を引退した彼、彼女に強引に連れてこられ、半年足らずで振られてしまった彼、出会うはずのない二人が出会うことに……
思うはずのなかった感情に翻弄され、明日を楽しみに生きていくことを幸せと感じられる毎日が微笑ましい。
Posted by ブクログ
古市さんの、「平成くん、さようなら」に引き続き読みやすくおもしろい文章だった。
オランダはドラックや性に対して自由な国であることを初めて知った。
同性愛者の気持ちはなかなか理解できていなかったけれど(今も理解できていないとは思うけれど)、相手にドキドキしたり、その人がいないと寂しい気持ちになったり、、普通の恋愛と一緒なんだなって思った。
Posted by ブクログ
成宮くんの話とかしか思えなかった。だからこそ幸せになってほしいと思いながら読んだ。
途中で出てくるシーンで主人公がなぜ大したことない売春婦に声をかけたのかよくわからなかったけど。
最後の最後まで男が好きなわけじゃないと言いなごらも湊に惹かれていったのはある意味リアリティーがあった。BLだとそこまでは引っ張らない。
希望がある話でした。