古市憲寿のレビュー一覧

  • 絶望の国の幸福な若者たち

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    格差社会のもと、その「不幸」が報じられる若者たち。だが、2010年の時点で20代男子の65.9%、20代女子の75.2%が現在の生活に「満足」している!んですってさ。あーそーですか。としか言えません。




    実はこれを書く前にもういちど本書を読み直したうえでこうして書いてはいるんですけれど、共感できるのは全体のせいぜい3割くらいといったところでしょうか?

    後の7割は正直言うと
    「うーん。あまり僕には理解できないなぁ。」
    というところで、僕も正直言ってもはや「若者」ではなくなってしまったから、というところもありますが、やはり現状に「満足」していなかったり、ある意味では「幸福」なのかもしれませんがまだまだ「不満」を(これはどんな状態でも見つけようと思えば見つけられる)もっているからでしょうね。

    具体的に言うとここが愚痴で埋め尽くさせるのであえて個別には書きませんが。それでも「社会を変えたい」とか、そういうことにはあまり希薄なのかもしれません。

    できれば、自分の環境と半径5メートルくらいにはイノベーションを起こそうかとは思っていますれど…。そう考えるのも慶応SFCから東大大学院で社会学を選考している筆者と20歳くらいから今まで人生の裏街道を歩んだ自分との「視座」の違いなんでしょうね。

    ここではフィールドワークの対象としてW杯の深夜、渋谷で騒ぐ若者たち。ネット右翼の主催するデモに集まる若者たち。そして震災を前に、ボランティアや募金に立ち上がる若者たち。

    そんな姿が取りざたされておりまして、
    「センカクショトーって、何すか?」
    という六本木のクラブに並んでいた方の規格外の発言に度肝を抜かれ、
    「サッカーのWカップのときだけに日本のナショナリズムは出現する」
    ということを渋谷の街でW杯に熱狂する彼ら彼女らの姿から思い、右よりな若い男女が集うSNSで知り合った人間たちが主催するデモに分け入る。

    そういう姿を見て、自分のたどってきた道を振り返るいい機会になったかとは 正直思います。その是非は別として。

    ただ、最後のほうにある
    「日本がなくなってもいい」
    という主張には正直言って非常に後味が悪くここで書かれていることが「若者」の「集合的無意識」だとしたら、本当に恐ろしいなとは思います。

    多分、仮に戦争や国家の破綻で「日本」という国がなくなってしまったとするならば、こういう「平和な」話題で云々する余裕はまずないであろうなということは想像に難くないだけに、そこだけは少し残念かと思いました。

    僕は現在、下の世代にことには正直、考えたりかまってあげられるほどに余裕はありませんが、もし、彼ら彼女らと深く接する機会があれば、ここに書かれていることを少し思い出してみようかとそんなことを考えております。

    ※追記。
    本書は2015年10月20日、『絶望の国の幸福な若者たち (講談社+α文庫)』として講談社より文庫化されました。

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    2024年07月08日
  • だから日本はズレている

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    (2014/8/15)
    29歳の社会学者による本。
    正直目新しいことは書いてない。
    知ってるよそれくらい、と52歳としてはいいたい。
    問題は若者が現在の生活に案外満足してしまっていること。
    飼いならされてしまっていること。
    スマホさえあれば車も家庭もなくてもいいんじゃない?的な気分になっているような。
    すき家ではないが24時間連続で働かされて疲弊して、たまの休みをスマホのコミュニケーションで満足する若者、、。

    それってまずいでしょう。
    今この瞬間はそれでバランスがとれているかもしれないけど、早晩日本は年寄りだらけになる。
    地方都市は限界集落化し、その地方都市に残る数少ない若者を吸収する東京も、インフラの疲弊をメンテする若者までは手が回らない。
    道路やトンネルを正確に作り上げる技術も、こうも若者が減って、優等生の使えないサラリーマンばかりになってしまえば、伝承ができなくなる。
    インフラもだめ、人もいない、、、ローマ1200年も最後はそれで滅びたとか?

    明治維新のままの政治システム、官僚システム、経済システムを変革することが先決なのだが、、、
    どうすればそれが実現できるのか。

    徹底的にダメにならなければ気がつかない、そんな気がしてきた。それを受け入れますかな?次の世代につけを残すのが申し訳ないが、、、。

    など考えさせる本。

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    2024年06月18日
  • 楽観論(新潮新書)

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    古市さんは、嫌いじゃないですよ。

    世のことを、ちょっと違う視点から見て、楽観的に捉えてみる。
    確かに古市さんは、何か飄々としててそれほど深刻に捉える事がなさそうだもんなと。

    こんな風に色々な経験をしていると、多角的な視点を持てるんだろうなぁ。ある意味古市さんは偏ってるとも言えるけれども。
    あるものごとに精通するのも良いけれど、こんな風に様々な事を語れるのも良いなぁ。

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    2024年05月17日
  • 正義の味方が苦手です(新潮新書)

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    普段自分だったらキャッチしないであろう事柄を取り上げてくれて、かつ著者の考えも書かれていることが面白かった。私はいかに狭い範囲でしか世の中を捉えていないのだなぁと感じられた。

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    2024年02月19日
  • 楽観論(新潮新書)

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    「そっか、こんなことがあったか」と思いながら読んだ。エッセイとしては軽く読めて楽しかったが、その当時、私は何を考え、何をしていたか、全く思い出せないことに危機感を感じた。

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    2024年02月19日
  • 誰の味方でもありません(新潮新書)

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    テレビではなく、文章ではどんなことを書いているか気になり手に取った。あまり乖離はなかった。いろんな場所に行き、人に会い、コソッと感想を教えてくれる友人のようなエッセイだった。

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    2024年02月19日
  • 絶対に挫折しない日本史(新潮新書)

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    教科書的な事実、史実の羅列ではなく、土地、家族、コメといった身近なテーマに沿って歴史を噛み砕いて大局的にできる良書だと思う。

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    2024年02月12日
  • 絶対に挫折しない日本史(新潮新書)

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    そうですね、日本史と言うか大体の流れを振り返った本と言う感じでしょうか。日本史は年号や人物がごちゃごちゃになってしまい覚えることも多いので、これぐらい大雑把でも良いと思いますが、入試があるのでどんどん要らない知識を増やすのでしょうね。

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    2024年01月21日
  • 絶望の国の幸福な若者たち

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    「現代(執筆当時)の若者は、これだけ将来が悲観的に語られる中で、幸せそうである。それは、将来が下降していくので、常に『今』が最も幸せな状態であることを、肌感覚として理解しているからである」という、私にとっては斬新な考え方がこの本に書いてある、と何かで見たことがあって、いつか読んでみたいと思っていた本。でも読んでみると、少なくとも直接的にそのようなことは書いてなさそうで、拍子抜け。この件、他人に話しちゃったよ。内容的にはきちんと統計資料にあたっていて、思い込みを排除してくれる意味では新しい視点を与えてくれる。でも「生暖かい目で見守る」というフレーズが何度も使われていて、その皮肉っぽさにかえってカッコ悪さを感じた。ちょっともったいない。

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    2024年02月11日
  • 平成くん、さようなら

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    時代の中で話題になったものも書いてあって、リアルさがあった。安楽死をする側(選ぶ側)とそれを間近で経験する側の気持ちをそれぞれ考えながら読んでいた。どちらにしても正解なようで、間違いはなくて。最早、正解はどれかなんて考えることすら違うんだろうな。読むタイミングによって感じ方が変わりそうな本だった。

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    2024年01月10日
  • 誰の味方でもありません(新潮新書)

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    古市さんね、嫌いでも好きでもないかなぁ。
    世間的にアンチも多いと思うんだけれど、そんなに嫌いにはなれないというくらい。

    小説の「平成くん、さようなら」も読んだし「絶望の国の〜」とかも読んだ。

    考え方が、いやそれはどうかと…と思うところもあれば、それは分かるわぁ〜!となるところもあって、考えを聞いていて楽しいと言えば楽しいかな。

    今回もある意味、らしいなぁ〜と思いながら読んでた。

    ちょいちょいと、この方の本はまた読むだろうなと。

    そして、こんな風な本出してみたいなと。

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    2023年11月12日
  • 百の夜は跳ねて

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    テレビでのコメントは人を逆撫でしたいのか、ただ天然なのかどちらなんだろう?そんな人はどんな文章を書くんだろう?そう思って手に取った本。
    最初読み進めるうちは、主人公から自分の人生はこんなはずじゃなかったと、滲み出る暗さと投げやりにも似た諦めを感じたけど、途中からはそれらを抱えつつも心に変化が見られる様子。最後は少しだけ前向きに歩み出す様子。人間すぐには変わらないけど一歩ずつ、というか、むしろ大人になり隠れてしまっていた素にもつ人間性が少しずつ少しずつほぐれて、また見えてきた、という感じかな。
    人間てこんな感じだよね、となんだか共感と安心感を覚えた本でした。

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    2023年10月23日
  • ヒノマル

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    読み終わった
    まさかその時代の話とは思わず、読み始めてびっくり。
    捻りなく、既視感のある内容だけど、面白かった。

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    2023年09月02日
  • 平成くん、さようなら

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    平成という名の、ヒトナリ君と愛ちゃんの主に2人の物語。彼はなぜか平成が終わるとともに自分も終えようとする。
    彼の必要最低限で理論的な性格と、彼女の感情的でまっすぐな性格がパズルの隣同士を感じさせる。

    現代を表したかのような小説であるとともに、近未来さを感じさせる小説だった。

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    2023年08月10日
  • 古市くん、社会学を学び直しなさい!!

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    社会学に興味があり、入門書的に手に取った。
    (これから社会学やジェンダー関連の読書が続きそう)

    本書は、(通称)社会学者である古市典寿氏が12人の日本を代表する社会学者に、曖昧な学問とされがちな社会学に対して改めて存在意義を問いかける。
    自分の知識が少なすぎて難解な部分が多くあったので、もう少し勉強してから再読したい。

    自分用メモ⇓

    佐藤俊樹氏
    「つまり、自分は外にポンと立てていると思った瞬間に、"イタい"社会学者になるんです。(中略)外部に立てているかのように語らずいかに頑張れるかが、社会学者として仕事をしていくうえでは重要になってきます」

    「まず『こういう前提の下では、こういうことが言えます』という形で、前提を明らかにして話すことが大切です。もちろん、そうやって限定をつけて話すわけだから、大したことは言えません。でも、社会学者としての仕事は、むしろそのあとのやりとりにあるんです。インタビュアーが最初にする質問には、まだぼんやりとしているものがけっこうあるんです。それに対して、僕は受け答えをするなかで、『じつは、こういうことが気になっているんじゃないですか』というふうに返していきます」
    「優秀なセラピストは、ある部分以外は絶対に揺れてはいけない。それに対して社会学者は、相手と共鳴しながらゆるやかに答えを生み出していきますから、セラピストにはもっとも向かない職業です。どちらかというとコンサルタントに近いけど、一般的なコンサルタントは『こうすれば赤字は二年で解消できる』というふうに、預言者になることを求められますよね。その点は社会学者と違います」


    上野千鶴子氏
    「私がゼミで一貫していってきたのは、社会学を含む社会科学は経験科学だから、答えの出ないといは立てないということです」
    「(中略)手におえないといは立てないことです。簡単にいえば、風呂敷を畳めということです。手に負える問いでも、一年で出せる答えと、三年で出せる答え、五年で出せる答え、一生をかけないと出せない答えがある。そういう問いのスケール感を間違えてはいけません。」


    仁平典宏氏
    「それぞれの方法論には、社会とは何か、どう捉えるべきかに関する前提が組み込まれていて、いい研究と言われるものは、その部分への自覚や理解が深いように思います。比較的共通するエッセンスとして、少なくとも次の四つがあるかな。
    1つは、『男は戦う生き物』みたいな本質主義はとらず、物事は言語的。意味的に構成されているという見方。第二に、物事の意味は関係性の網の目のなかで決まり、その布置は時代や集団によって変わるという見方。三つめは、個人の行為は社会的な要因によって影響を受けると同時に、その行為によって社会は差異を孕みながら再生産されていくという見方。そして最後に、研究者も社会の外部に立てず、研究や発言はその再帰的なプロセスに組み込まれていることへの自覚」

    「大学に所属して一生を終えるルートというのは、それこそ専業主婦や正社員と同じように、特殊な時代だからありえたものだと思うんです。社会学を勉強した人間からすると、そこに乗っかればいいとは素直に信じられません」


    大澤真幸氏
    「人間は全員、生ける社会学者みたいなところがあるんです。たとえば物理学の素粒子論は、専門家にならなければ興味を持ちません。ところが社会学は、他者と一緒に生きていくという現実そのものに対する反省ですから、誰だって多かれ少なかれ、日常的にやっていることです。つまり、全員がフォーク・ソシオロジストだという側面があって、その中から、洗練された、狭い意味での社会学者が出てくるという風に考えた方がいいんです。」

    「まず自分が楽しいかどうかが決定的に重要なんですよ。つまり自分がワクワクするようなことでなければ、他人がワクワクすることは絶対ありませんから。自分が面白いと思ったけど、他人が面白く思ってくれないことはたくさんあります。でも、自分はつまらないけど、他人が見たら面白いということは、まずないんです。だから、自分もそれを知ったことによって、本当に驚いたり、納得したりとか、そういく気持ちで研究しているかどうか。そういう気持ちがなければ、人を深く納得させる発信なんてできないんです。」

    「人間っていろいろな生き方が当然あるわけだから、好きなようにすればいいわけですけど、僕自身は、自分が生きていくうえでぶつかっている問題を、社会学でやることである程度乗り越えていくというか、対応できている感じがするんです。その意味では、僕のような不器用な人にとっては、とてもいい学問なんです」
    「役立つというか、それを考えることによって解放される感覚です。『この理論は人生のこういう場面で使える』といより、考え続けることで自由になっていく。この社会でなぜこういうことが起きているのかということを、いちばん底の底まで考えていったときに、精神の自由というものがあるんですね。」

    「社会学という学問は、どうしてもアイデンティティが拡散しやすい学問です。でも、そこが社会学のいいところでもある。だから、『それは社会学じゃない』とかいろいろ言われますが、そんなことは気にする必要はありません。説得力があればいいだけですからね」


    山田昌弘氏
    「一見、個人的に見える問題でも、その裏には社会的な構造や、その変化がある。そこをつないで分析するのが社会学なんだ、と」

    「私は学生たちに、ユングの言葉をもじって『社会学というのは、社会をあり得ない幸せな状態にするのが目的ではなくて、辛さに耐える力をつけることが目的です』と話すんです。どんな社会になっても、辛いものがなくなるわけじゃないと思うんですよ。社会学的な認識というのは、そういう辛い状態に耐える力になり得ると思うし、人々が辛い状態に耐え得る制度をつくる必要はあるように感じます。少しでも人々が生きやすい社会、生きにくくなったとしても、そこから立ち直りやすい社会にはしたいと思います」


    鈴木謙介氏
    「たとえば、経済学の処方箋の出し方って、『デフレから脱却したいならリフレです』みたいに、『もし~したいならば、~せよ』という条件付きの処方箋だよね。でも、その手前にある、人々がどうしたいのかという話は、解釈学的に踏み込まないと見えてこない。だから、社会学にしか手当てできたない不安とか、あるいは社会問題があって、その知識をもっと市井の人々に受け渡していく仕事をする人が必要だろうというのは、切実に感じることですね」


    橋爪大三郎氏
    「(社会学以外の勉強をするときに、どういう基準で本を選べばいいか)天才だと思う人の本を読む。」
    「レヴィ=ストロースの戦いを見て、彼がやり残した課題を受け取るということ。レヴィ=ストロースが勝った部分はもちろんすばらしい。だけど、負けているところがあったら、それを課題として受け取ることが大事なんです」


    吉田徹氏
    「僕は司馬遼太郎がけっこう好きなんです。司馬が書くような史実に基づいて歴史小説と、戦国時代を舞台に人間模様を面白く描くような時代小説とは違う。さらに、単に史実を調べるのが好きなだけなら、たしかな史実の専門書を読めばいい。僕にとっては、たしかな史実に則して歴史小説を書くスタンスが面白く感じられて、社会学でもそういうことができないだろうかという思いはあります。つまり、あえて無機質なデータとして拾った人々の意識を、アウトプットして出すときには、社会的なリアリティの形に戻して出したいという感じです」

    「昔と比べて違うのは、みんなが社会的なアイデンティティに敏感になっているということです。七〇年代、八〇年代の日本人は、『俺たちはイケてる国の国民』とい思っていた。要するに、『イケてる国の真ん中らへんで、その真ん中らへんは世界で上のほう』という共通の意識があったんですよ。これはどういうことかというと、戦後の日本社会はずっと坂を上ってきたので、社会の形についても、自分の位置づけについても、大雑把な捉え方しかできない状況だったんですね。でも、バブルが弾けて社会が停滞期に入ると、安定した仕事についているかどうかとか、学歴が大卒か非大卒かとか、いろいろな指標で自分を位置づけられるようになってきました。そういう意味では、私が使っている言葉でいうろ、日本人の格差、階級、回想についてのリテラシーが高まってきている。つまり、アイデンティティを考えるときに、一つだけの基準で決めているんじゃなくて、『こういう観点で見たとき、俺、他のやつと比べてイケてるかな』みたいなことを、複眼的に見るリテラシーが身についてきたわけです。だから、社会意識と社会の仕組みのつながり方は上質化したと思っています。別の言い方をすれば、自分の位置づけをリアルに知って対峙しなければいけないから、辛いわけだけど、リテラシーが高まると辛くなるのは当たり前なんです。」

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    2023年05月28日
  • だから日本はズレている

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    コメンテーターとして、斜め目線からの斬新な意見が多い印象の筆者。この本も同様だ。改めて、このような視点もあるか!と思うところが多々あった。
    ただ、発行されたのが約10年前になるので、いささか過去の出来事になっている部分もあった。
    それにしても、膨大な情報量を駆使して、斬新な切り口を展開している点には脱帽。
    福沢諭吉の「学問のススメ」。有名な冒頭部分の続きを紹介し、「天」は貧富の差をつくらないが、「学問」がそれをつくると解釈。私はそれに付け加えて、「学問」の差は親の経済力に起因し易いのではないだろうかと思った。

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    2023年05月13日
  • 正義の味方が苦手です(新潮新書)

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    著者が言いたいことを言っているというシンプルな書籍。共感する部分は多い。基本的に、新しいものを過度に批判する人たちの声が大きすぎることに苦言を呈し、警鐘をならしている。
    コロナ禍に関しては、尾見茂氏をはじめ専門家への不信感が露で、安倍元首相や菅元首相への共感が読み取れた。
    星は3つ。

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    2023年05月12日
  • 絶対に挫折しない日本史(新潮新書)

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    前半の通史編は、日本の歴史を対局的に見ることができ、大変勉強になった。後半のテーマ史編は微妙だった。

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    2023年05月07日
  • 絶対に挫折しない日本史(新潮新書)

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    日本史を勉強しようと思って読んではいけない。ざっくりしすぎて、固有名詞も殆ど出てこないし、なんのこっちゃという感じ。そしてまた注釈が多すぎる。文献はわざわざ本文につけなくてもいいし、[70]白村江の戦いのこと。とか注釈するぐらいだったら本文にそう書いてほしい。「挫折しない」と謳っているが、結構挫折する人多いんじゃないかなー。
     社会学者だけに社会的現象の見地から歴史を紐解いている。

    百田尚樹の超右寄り「日本国史」を読んだ後なので、対比が面白い。
    ・日本の経済大国化をバックアップしてくれたのはアメリカだ。戦勝国アメリカは、日本に賠償金を求めない政策を取り、多くの国も賠償金を放棄している。

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    2023年04月13日
  • 正義の味方が苦手です(新潮新書)

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    2023.3rd
    古市さんらしいエッセイ集です!ちょっと世の中を斜めから見ている感じのする著者ですが、いくつか本当に参考になる部分もありました。
    コロナ禍で医療の専門家が「政治家」を気取っていた…という主張とかね。これは著者の想像ですが、今後有事の際には、世の中を支配する空気によって戦争や言論統制に至ることも十分考えられると。疫病と戦争を一緒にすることが果たして正しいのかは分かりませんが、一定の説得力はありそうな気はします。

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    2023年03月05日