古市憲寿のレビュー一覧
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○確かに男女別分析でも交互作用は大雑把には見られますが、それだと、男女の回帰係数の差が統計的に有意なものかどうかはわかりません。交互作用の有無を統計的に示すためには、交互作用項を含めた重回帰分析が必要になります(228p)
★他の統計初学者向けの本と異なり独特。まず古市憲寿氏と須藤康介氏の対談形式で進む。そして統計ソフトSPSSの操作と結果の読み取り方の解説が詳しい。記述と説明をきちんと求めているところは好感を持てる。γ係数など他の本では目にしない用語の解説が多い。クロス集計から始まり、他の本で最初に出てくる平均や標準偏差が第4章でやっと出てくる。 -
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『海外旅行とか車が欲しいとか、欲はないのか?』
『会社でのし上がっていこうとか思わないの?』
今の生活に満足して、まったりとした日々を送る息子をみていて、いつも不思議に思っていました。
若者よ、それで良いのか?!と。
この本を読んだところによると、これからの世の中は、どうやらそれで良いらしい。。。
何かにつけうっかりバブル世代の癖が出てしまう私や、バカの一つ覚えのように『原発再始動』『景気上昇』しか考えてない財界の偉い人達の方が
これからの世の中の形をちゃんと理解できていないんだろうな。
『幸せだから政治運動なんてしない』という古市君に、
『もしそうだとしたら、そのまま文句言わずに滅びていただ -
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よくテレビで見かける古市さんの著書、ちゃんと社会学者としての姿を一度見てみたくて本書を読んでみました。
正直、メディアでの物言いを見ていると、「この本でも無茶苦茶なこと言ってるんじゃないか」と思っていましたが
、育児を担う母親に寄り添う内容になっていて驚きました。
子供を持たない、結婚もしていない著者がここまで書けるのは、やはり取材の賜物だろうと思います。
むしろ、子供のいる方は自身の経験談にまみれる傾向にあるので、この本はある種客観的に書かれていて読みやすかったです。
内容も章立ての展開がわかりやすく、言いたいことも絞られていました。
これに賛同するかは人によるかと思いますが、
現状の母親と -
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保育園を義務教育化して、社会全体のレベルを向上させようという本。
『学力の経済学』の主張にもある通り、乳幼児期への投資が1番効率がよいことを踏まえてかかれている。
集団生活では、単なる学力だけでなく、「非認知能力」が培われるというのはまさにほうたわと思う。それが子どもの教育の中心になると私も思う。
この本では、筆者の主張を、研究結果や過去の歴史、しまた諸外国の好事例をふまえて書かれている。
フランスの少子化対策の進み具合にはとても驚いた。
p.118
・労働時間が日本より短い
・育児をしている人には柔軟な働き方が認められている
・質の高い保育園や託児所が充実している
・子どもを保育ママやベビ -
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不景気だからモノが売れないのではなく、それによって変わった生活スタイルや価値観に対応できていないだけだと気付かされる。語り口調気味の文体は好き嫌いが分かれる。新書らしくて好き。
・バブル時代:ギラギラ消費「海外旅行型消費」
・ゼロ年代以降:堅実志向なキラキラ消費「遠足型消費」
⇒日常の延長として消費やレジャーを体験型で楽しむスタイル。日帰り。
・ルクエ:舶来物のキラキラした非日常性と実用性のリアリティ
・キッチンペーパーバウンティ
・花ふきん、白雪ふきん
・若年層ほど進む「コンサマトリー化(=身近な関係や幸せを大切にする価値観)」
⇒モノを買う=お金を払ってメンバーシップを得ることに近くな -
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『おひとりさまの老後』(文春文庫)や『ケアの社会学』(太田出版)で、老いや看護の問題について論じた上野千鶴子に、当時まだ大学院生だった古市憲寿がみずからの抱えている不安をぶつけるかたちではじまる、対談形式の本です。
近年はすっかり炎上芸でおなじみになった古市ですが、本書ではピエロの役回りを演じて、上野の鋭い洞察を次々に引き出しており、さすがだとうならされました。
漠然と感じていた将来への不安を、一つひとつていねいに腑分けし、具体的な問題へと帰着させられていくので、どこか心が軽くなるような読後感をおぼえます。また、若い世代が日本の社会に希望をもつことができるための道筋まで提示されており、明る -
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最近、週刊誌の記事のようなレベルの低い新書が多いだけに、この本もその一つだろうと思って無視していたが、意外にも使える内容だった。今現在、消費財のマーケティングに関わる者にとっては大いに参考になる。
異色のコンビによる共著で書かれた本書は、女性雑誌ライターがキャッチーで読みやすい文章を担当し、男性の東大大学院生が様々な現象について適格で理論的な背景分析を行うといった分担になっているのであろう。そのため、分かりやすくかつ説得力がある内容でとても参考になった。
若者が自動車に感心を持たず、CDのミリオンセターが出ないなど、モノが売れない時代と言われている現代の消費市場について、やんわりとそれは売 -
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ネタバレ「社会学とは、なんですか」と聞かれたら、みなさんはどんな答えを出すでしょうか
テレビでも活躍中の社会学者である古市憲寿さんが、12人の社会学者達と対談をしながら研究者たちにとっての社会学観を探っていく1冊。大澤真幸さん・上野千鶴子さんをはじめとして、代表的な社会学者達がどんな考えを持っているのかが、非常に分かりやすく述べられています。
さて、社会学ってなんだか遠い存在だと思っている人もいるのではないでしょうか
社会学者たちが浸透させた言葉や考え方の中には、みなさんにとって身近になっているものもあります。例えば「婚活」という言葉は、社会学者山田昌弘さんが提案して社会に浸透した言葉です。 -
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わかったようでわからない学問分野のひとつ、「社会学」が、何を勉強する分野なのかがよくわかります。
経済学、法律学、経営学のあたりはなにを勉強するかなんとなく想像ができます。
社会を学ぶ、と言われると、何を勉強したって社会勉強でしょ?となってしまいます。いわゆる「社会勉強」と社会学とが全然ちがうことは、日本の社会学の大家であるセンセイ方の言葉を読めば理解ができます。
年代も学ぶ対象のちがう複数のセンセイを並べ、それって〇〇ってことですか?と、無邪気に聞いてしまえる立ち位置は、今のところ古市センセイが独占しています。
自分が語るのではなく、語らせて、理解する。
聞き上手の進化系が学べるのが、 -
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著名な社会学者と、若手論客?としてメディアで活躍する古市さんの対談集。1人1人の学者の専門を深く掘り下げるというよりも、社会学とは何かという問いを皮切りに、それぞれのバックグラウンドや研究者としての考え方を浮き彫りにする内容だった。
社会学を学んだ事が無い自分としては、抽象度が高くわかりにくい話題もあったが、概ね読みやすく他の学問領域にも繋がる話もあると感じ、面白かった。
例えば、古典の読み方や仮説の立て方についての鋭いコメントが飛び出すこともあり唸りながら読んでしまった。
また、対談が12回繰り返されているので、正直誰が何を言っていたか私はわからなくなってしまった。内容をきちんと理解して自分