平田オリザのレビュー一覧

  • 経済成長なき幸福国家論 下り坂ニッポンの生き方

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    対談本でかつ相互に批判的な論議ではないから、テーマ発散型で、悪くいうと取り留めがない。経済成長は良い事なのかという論点に決着せぬまま、人口減少が必ずマイナス成長を齎すという理屈からスタートとしているので、結局、『下り坂をそろそろと下る』という別著に象徴されるように、既定路線であるネガティブな方向に、如何に抗わずに生きるか、という話し合いになっている。

    生産人口が減り、生産性も上がらず、故に経済成長がマイナスとなり、税収は縮小する。だからと言って税率を上げると、人々の暮らしは貧窮していく。しかし、税金は教育や福祉、医療、防衛に使われるため、税収を上げないと、支出を要する高齢人口の増加と共に収支

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    2022年08月25日
  • 続・僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう

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    本に紹介された著名人の若くて貧しかった頃の苦労談だとばかり思ってたけど実際は若よ者に対する訓示めいた内容が多かった。
    池田理代子氏以外それ程刺さらなかったかな。

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    2022年06月09日
  • 撤退論

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    「撤退論」と銘打ったにしてはちょっと散漫かなぁ.
    撤退だかなんだかわからないのもあったし.個人的にパラダイムシフトを起こす様な論説は,残念ながら一つもなかった.

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    2022年06月05日
  • 対話のレッスン 日本人のためのコミュニケーション術

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    難しい、高橋源一郎の書評がわかりやすい。

    対話、自分でもよく言葉にするが、何のために?違いはと聞かれるとうまく説明できないだろう。

    言葉と時代背景、行動とのリンクも納得。

    考えは伝わらないをスタート地点にし、価値観の違う人にわかってもらうことが対話。納得。ここにかける説得力の必要性

    現代語版ハムレットは爆笑

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    2022年05月26日
  • 下り坂をそろそろと下る

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    後半が特に面白かった。前半は筆者が関わった様々な地域の事例がメイン。

    敵を作って良い気持ちになるのではなく、きちんと現実に起きていることを直視すること。
    さびしいけど、その寂しさと一緒に歩いていくこと。
    文化と文明のちがい。

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    2022年05月25日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    大半はゴミだか 中田さんのは素晴らしい 二つの真理と偽りの神に気をつけろ まさにそのあと起こったこと

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    2022年05月01日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    VUCA感がめちゃ高まっている現在
    今、そしてこれからの世界をどのように生きていけばよいのか。
    それを自分のために、そして若い人達のために知りたい。
    そのような気持ちで本書を読みました。

    執筆者は、内田樹先生セレクトというバイアスはあるので、ものすごい多種多様な意見という感じではないですが、それでも幅広い年代と専門分野にわたっています。
    そしてみなさん暗くなりがちな話題にも関わらず、暖かで柔らかい前向きな文章を書かれており、こちらも穏やかな気持ちでページをめくり続けることが出来ました。

    全体を通してある程度共通だと感じたメッセージは
    •現在や過去(大人、制度、システム)を信じすぎないでね

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    2022年02月07日
  • 下り坂をそろそろと下る

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    日本の現在の姿に感じる寂しさを受け入れ、下り坂を降りていくメンタリティを学びました。
    地方創生や、少子化問題などに対して、文化的な素養をもって選択していくことの大切さが紹介されていて、国際的に有名なアートセンターを立ち上げた城崎の話はとても印象に残りました。

    下り坂という表現がネガティブに聞こえるけど、この本に書いてあるように、文化芸術との距離が近くなって、例えば生活保護受給者が観劇しても「社会と繋がってくれてありがとう」とみんなが思う世の中が実現するなら自分はスキップで坂を下れるなと思います。

    そんな未来に向けてまずは自分もアートに触れようと思わされました。
    地方と対比して、東京は世界的

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    2021年11月07日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    玉石混交の内容だが、面白い議論もある。人の行動は変わらないが、コロナの記憶は当面続く。国境の意識、遠隔技術の成果は明らか。企業や国家の行動に影響はあるだろう。イノセンスな効率至上主義は若干減少すると期待したい。

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    2021年11月03日
  • 演劇入門

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    「7人のシェイクスピア」という漫画を読んで、演劇に興味を持ったのでなんとなく読んでみた。

    戯曲を書き、演劇を創るためのハウ・ツー本とのことで、確かに創作技法が丁寧に綴られていた。
    創作技法はなるほどと思った。舞台設定や人物の配置、会話の展開方法などは、読者に戯曲を書いてみたい、自分にも書けるのではないかと思わせるような分かりやすさだった。
    一方、現代演劇と近代演劇の区別も付いておらず、ストレートプレイは平田オリザどころかシェイクスピアですら1回しか観たことがない演劇音痴にとっては、演劇におけるリアルとは何か、演劇が市民社会に占める役割、日本文化と演劇の相性といった演劇論についてはよく分からな

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    2021年10月24日
  • 22世紀を見る君たちへ これからを生きるための「練習問題」

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    ざっくり理解&同意したこと:
    知識に偏向した旧来の受験的能力は、情報産業の発展とともに今後ますます社会での価値を減らしていく。一方、地頭(身体的文化資産、非認知スキル)の重要性が高まっていくので、教育はそこを重視するべきだし、そうなりつつある。

    気になった部分:
    ・根拠が曖昧で我田引水的主張が見られる。(演劇教育の提供に関する部分)
    ・政権への批判が多い。「22世紀を見る君たち」が読んだら思想が偏るかも。こんな記載も→「安倍首相や麻生太郎財務大臣のように、資産はあるが身体的文化資本の著しく欠如した人たち」


    これは個人的意見だが、もし自分が学生だったら、やりたいなら目一杯やれる環境

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    2021年08月29日
  • 続・僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう

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    大隅先生の話を読むだけでも価値があると思う。若い将来のある人たちに読んでほしい本です。科学の魅力をわかりやすく伝えるのは、やはり非常に重要だと思いました。

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    2021年08月21日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    若い人からベテラン著者まで、さまざまな視点で、ポストコロナについて書かれていました。

    蔓延するウィルスがどのようなものか、また、そこから受ける我々の生活への影響とこれからの展望。

    いずれにせよ、近代的思想に基づいた人間の行動から生み出された歪みだということは一致しているように思える。

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    2021年03月18日
  • 幕が上がる

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    こういう、皆で何かをがんばる青春モノ、それもスポーツじゃなくて芸術系のものって結構好きだ。
    今の自分たち(高校生の主人公)を表現するのはいじめとかそういう社会問題じゃなくてもっと、なかなか言葉にできないところにある、というのはすごく共感した。
    本の中の劇では、それが無限の可能性とそれに対する不安とか、誰しもお互いに理解できないところがあるから独りだけど、違うところもリンクし合えばひとりじゃないこととか、理解できないものや理不尽なものを受け止めていかなきゃならないしんどさだったりした。
    銀河鉄道というフィクションの台本を使うことで、そういう形にならない高校生の今を表せていたんやと思う。
    私がファ

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    2021年03月08日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    大学は勉強するところではない。大学とは、知識を商品のように学生に売るところではありません。知とはデジタルデータではなく、身体と感情を持った人間一人一人が身につけ、実践し、対話し、試行錯誤する中でしか役立たない。

    あらかじめ用意された正解をたくさん覚えることが優秀だというのは、いわば知識ベースの勉強です。しかし、非常事態に対処するには、そんな勉強だけでは限界があります。そこで力を発揮するのが、物事をいろいろな角度から観察し、今までに知った事実と組み合わせて、全体の構造を考えるという知性ベースの学びです。

    まだ答えがない問題への対処については、先生と生徒の立場は対等です。

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    2021年02月04日
  • コミュニケーション力を引き出す 演劇ワークショップのすすめ

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    <要約>
    役割を演じる体験を通じて、自己と他者が違うことを知り、違うからこと対話と合意形成が重要だと学ぶのだ。

    <感想>
    同質の人間で構成された共同体では議論が発展しない。本来共同体とは、他者理解と合意形成を経て共通のルールを共有する集団である。その前段をすっ飛ばしてルールのみが存在する共同体にコミュニケーション能力は必要なくなる。それが日本の旧い会社組織である。これから国際化が始まる日本において必要とされるのはコミュニケーション能力であり、役割を演じるという体験が重要になるはずだ。
    同じ価値観の人間の中に「異文化=フィクション」を持ち込むことが有効なのだ。

    <アンダーライン>
    ・合意を形

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    2020年10月23日
  • 22世紀を見る君たちへ これからを生きるための「練習問題」

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    大学入試改革の本質、問題点や将来像について
    知識や技能に加え
    思考力、判断力、表現力を問う問題例をあげている

    アクティブラーニングの重要性、潜在的学習能力つまり伸びしろ力が問われる

    そして著者は専門である演劇について教育が諸外国に比べて低いことをのべ
    非認知能力のひとつとして演劇や芸術教育が今後の教育に役立つともいう

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    2020年08月18日
  • 22世紀を見る君たちへ これからを生きるための「練習問題」

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    タイトルから自分の子供達に読まれせる本と思っていたが、全然違った。保護者や教育に関わる人が読むべき本。
    個人的にあまり教育に関心が無いのか、かなりの部分を読み飛ばしてしまった。
    今後の日本の先行きを考えるために最も教育について真剣に考えなければいけないと認識できただけでも良しとしたい。

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    2020年07月18日
  • 下り坂をそろそろと下る

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    日本はもう先進国ではない。
    下り坂の下り方を考えなければいけない。

    下りというとネガティヴだが、
    成長から成熟といえば前向きだ。

    人間でいえば、50から60代か。
    金儲けに大概の関心を奪われた時代から、
    文化的なもの、芸術的なものに関心を向ける、
    国がそう志向するのはどういうことか、
    それを具体的に語っている本だと感じた。

    特に、地方発信の文化的芸術的生活。
    大事なことだ。

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    2020年06月22日
  • 22世紀を見る君たちへ これからを生きるための「練習問題」

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    これからの受験問題、これからの教育を考える上では面白いが、どうなのかなあ、個人的にはあまりアクティブラーニング的なものに、受験などが、かわるのには、やや懐疑的です。

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    2020年05月24日