大江健三郎の作品一覧
「大江健三郎」の「新しい文学のために」「「反復帰論」を再び読む」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「大江健三郎」の「新しい文学のために」「「反復帰論」を再び読む」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
前から読んでみたかった大江健三郎さんの作品。初めてページ数を見た時には存外短いなと思いましたが、実際に読んでみたらページ数から想像する10倍は重たく、濃い内容の作品でした。面白い、などと形容していい作品ではないですが、出産や障害、仕事といったリアルな側と、憧れの外国の地や光の差さない愛人の部屋での逢瀬といった非現実な側の対比が美しく、長く心に残りそうな作品だと思いました。読んでよかったです。
Posted by ブクログ
1950年代後半から1960年代にかけて、戦後の鬱屈とした社会が生々しく描かれている。
実存主義から構造主義に移行していくような、社会規範のあり方が大きく変わろうとしていた時代。
どの短編にも共通するのは、変わりゆく時代に敏感な(何かを期待されている)若者たちが主人公ということだ。
社会正義を押し付けられ、何者かにならなければならないような空気感に抑圧されている学生や、残酷で不寛容な社会で成長せざるを得ない子どもたち。
当時の人たちが外国人をどのように客観していたのか、令和に生きる私は、私たちの主観で、大江健三郎の文体によって、それを生々しく、悲しく体感させられた。
Posted by ブクログ
大江健三郎は、芽むしり仔撃ち の頃のような若い時は、10代の自分には友達のささやきのようであった。それから、自分が20代のなって以降は大江健三郎は、遠くにいて会うことのないお父さんのようであった。わかる時もあればわからない時もあった。亡くなられたときは大きな光が静かに失われたようだったし、脱原発のことを考えている友人はとても落胆していた。
この新書のなかでは、毎日毎日うつむいて という文章が何気なく良かった。私はほとんど希望を失い毎日毎日うつむいているが、政府の対応がこれだけ反・市民的なのでは、次の大集会にもでかけるほかはない。と。この感じが私の好きな大江健三郎。
ミランクンデラが文学表現の最