大江健三郎の作品一覧
「大江健三郎」の「晩年様式集」「「井上ひさし」を読む 人生を肯定するまなざし」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
火見子の哲学思想を借りれば、火見子だけでなく鳥もまた、脳に異常を持った子供を支え続ける側と、火見子と逃避行をする側の二項対立的な宇宙の間を行き来していたわけだけど、なんだかんだで正義感に目覚められてそっちの岸に辿り着けてよかったねぇ…。それまでの過程の鳥は情けなさすぎて一周回ってある意味好きだった。途中で聡明な女たちにコテンパンにされるシーンは堪らない。火見子の魅せる優しさが、絵に描いたように悪魔的で魅惑な地獄という感じでいいね。これには鳥ほど情けない奴じゃなくても窮地に追いやられた男は引っかかっちゃいそう。こういう女って途轍もなく美しく妖艶に描かれがちだけど、そういう表現は控えめでただただ退廃的な感じなのがまたアブない。
ところで最後のシーンは余計だと叩かれたらしいけど、個人的にはここを省いたらこの話完成しなくないか?という印象。鳥の成長というシンプルなテーマに適切な最後だったように思うけど…。
こんなハイカラな文を書く人とは知らなかった。重厚だけど読ませる文章だった。これが過剰の美学なのか。苦手かと思ってたけど、ページ数に対して数倍もの満足感を味わえました。
Posted by ブクログ
本作品は大江健三郎が東大生だった頃、北区西ヶ原の(私も同じ町内だった)下宿先の家主の加藤シノさんの遺族の下に長年保管された原稿2作品を含めて書籍化したもの。大江健三郎のデビュー作は短篇小説「奇妙な仕事」(1957/5/22)なので、それよりも前に執筆されたものとなる。習作的位置付けとなるが、学生時代に試行錯誤しながら小説を書くといった側面も感じられ、当時の学生活動も垣間見れる内容となっている。
時々出てくる「ユマニスト」という言葉は、政治団体・党の名前として用いられている。これはフランス語の発音であり、英語の「ヒューマニスト」と同義である。似た名前の「ヒューマニズム(人道主義・博愛主義)」とは意味合いが少々異なるとのこと。神や宗教に依存せず、あくまでも人の心が優先される、人が内面的にどの様に考えるかが論理の中心となる。日本現代のユマニスト渡辺一夫に憧れて東大に入り、もちろん渡辺教授の研究室に入り、自身がユマニストとなりフランス文学にどっぷりと浸かり、次々に名作を執筆し続けることになる。
4作品の主人公の心の動きは基本的に共通するものがある。特に人間の尊厳に対する拘りに固執する考え方が文章の端々に散りばめられているのが特筆すべき点である。それを表現するためには、少々非常識な発言をしても構わない節が見られる。
私が大好きな安倍公房、小澤征爾、武満徹とも親交があり、少しではあるが関連する書籍も出版されている。現在のババア政権とは全く反対で、反戦・広島に関して共感する面がかなりあるので、機会を見てマイペースで未読作品とこれからも向き合っていきたい。
Posted by ブクログ
面白かった!こういう小説ばかり読んでいたい
情景 じゃなくて 比喩 に傾いているからごまかしがなくてうれしい 喩えって本当に大好き 暗いけど 豊か
ものすごく体力のある主人公だと思った
お金の話が都合上ほとんど消えてて それに脅かされることがない物語になってて だからこそ読みやすかったけど無視していいのかなと思った
農薬に触れた芋虫みたいにじっと横たわったまま青臭い体液を滲み出させ続けている
とか!最高
223ページ何回も読むべきだぜ
汗粒
恥ずかしさに支配されて心が世界を受け付けなくなっている覚えがあったので、ものすごくわかった わかってしまった