大江健三郎の作品一覧
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Posted by ブクログ
本作品は大江健三郎が東大生だった頃、北区西ヶ原の(私も同じ町内だった)下宿先の家主の加藤シノさんの遺族の下に長年保管された原稿2作品を含めて書籍化したもの。大江健三郎のデビュー作は短篇小説「奇妙な仕事」(1957/5/22)なので、それよりも前に執筆されたものとなる。習作的位置付けとなるが、学生時代に試行錯誤しながら小説を書くといった側面も感じられ、当時の学生活動も垣間見れる内容となっている。
時々出てくる「ユマニスト」という言葉は、政治団体・党の名前として用いられている。これはフランス語の発音であり、英語の「ヒューマニスト」と同義である。似た名前の「ヒューマニズム(人道主義・博愛主義)」とは意味合いが少々異なるとのこと。神や宗教に依存せず、あくまでも人の心が優先される、人が内面的にどの様に考えるかが論理の中心となる。日本現代のユマニスト渡辺一夫に憧れて東大に入り、もちろん渡辺教授の研究室に入り、自身がユマニストとなりフランス文学にどっぷりと浸かり、次々に名作を執筆し続けることになる。
4作品の主人公の心の動きは基本的に共通するものがある。特に人間の尊厳に対する拘りに固執する考え方が文章の端々に散りばめられているのが特筆すべき点である。それを表現するためには、少々非常識な発言をしても構わない節が見られる。
私が大好きな安倍公房、小澤征爾、武満徹とも親交があり、少しではあるが関連する書籍も出版されている。現在のババア政権とは全く反対で、反戦・広島に関して共感する面がかなりあるので、機会を見てマイペースで未読作品とこれからも向き合っていきたい。
Posted by ブクログ
面白かった!こういう小説ばかり読んでいたい
情景 じゃなくて 比喩 に傾いているからごまかしがなくてうれしい 喩えって本当に大好き 暗いけど 豊か
ものすごく体力のある主人公だと思った
お金の話が都合上ほとんど消えてて それに脅かされることがない物語になってて だからこそ読みやすかったけど無視していいのかなと思った
農薬に触れた芋虫みたいにじっと横たわったまま青臭い体液を滲み出させ続けている
とか!最高
223ページ何回も読むべきだぜ
汗粒
恥ずかしさに支配されて心が世界を受け付けなくなっている覚えがあったので、ものすごくわかった わかってしまった
Posted by ブクログ
戦後の沖縄に繰り返し訪れた記録。ただの記録ではなく、著者の表現力によって文学作品のようになっている。内省と苦悩と焦り、怒り、さまざまな感情が封じ込められている。読むのは苦しいけれど、読んでよかった。
日本人の本質のようなものを追求しているのが興味深いと同時に恐ろしくもあった。今に至るまで何も変わっていない気がしたのだ。
沖縄の人々のなかにも複雑な感情が入り混じっていて、それを知りたいと思うけれど、そう思うこと自体が傲慢ではないかとも思う。
「本土」との隔たりが深刻なものであることはわかった。それは今も続いていて、本書で警告されているように危機が訪れていると思う。沖縄の歴史を知り、ひとりひとりが向き合わなければ再び同じ道をたどる恐れがある。そんなこと、絶対にあってはいけない。