プロフィール

  • 作者名:近藤史恵(コンドウフミエ)
  • 性別:女性
  • 生年月日:1960年05月20日
  • 出身地:日本 / 大阪府
  • 職業:作家

大阪芸術大学文芸学科卒。1993年『凍える島』でデビュー。『サクリファイス』で第10回大藪春彦賞、受賞。『探偵今泉シリーズ』『整体師<合田力>シリーズ』、『女清掃員探偵 キリコシリーズ』など多数の作品を手がける。

公式X

配信予定・最新刊

作品一覧

  • オーロラが見られなくても
    4.2
    1巻1,870円 (税込)
    それはわたしの人生に、ひさしぶりに点った、遠い目標だった。 壁も屋根も、街全体が真っ青でまるで夢の中に迷い込んでしまったような、モロッコのシャフシャウエン。二十七歳の岬はここに「自分を少し捨てに」やってきた。グラスにあふれんばかりの生のミントと熱くて甘い緑茶を注いだミントティーや、帽子のような鍋に入ったレモンとチキンのタジン。初めての景色と料理に出会った岬に、予想外の事態が起こり……。(「ジブラルタルで会えたら」)長年の介護が突然終わった佳奈は、アイスランドを訪れた。胸を突かれるように美しい氷河湖や、屋台で買って頬張る熱々の“全部のっけ”のホットドッグ。輝かしい未来なんて想像もできなかった佳奈だけれど、胸にある思いが湧きあがる……。(「オーロラが見られなくても」)
  • 凍える島
    4.0
    1巻850円 (税込)
    ひどくなまぬるかった、あの夏――喫茶店〈北斎屋〉店長の野坂あやめは、得意客やその友人を含む男女八名で、瀬戸内海の真ん中に浮かぶS島を訪れた。数年前まで新興宗教の聖地だったという無人島に建つ別荘で、良質な退屈を楽しむはずが、到着翌日に死体が発見され事態は一変する。無惨絵のような刺殺体は、朱に染まった密室に横たわっていたのだ。それが悲劇の幕開けとばかりに、一人また一人と殺され、疑心暗鬼に陥る一行。霧に包まれ、交通と連絡の手段がない孤島でいったい何が起きているのか? 著者の出発点たる第4回鮎川哲也賞受賞作。/解説=杉江松恋
  • おいしい旅 想い出編
    3.6
    1~3巻792~814円 (税込)
    昔住んでいた街、友人と出かけた思い出の土地、子どもの頃の懐かしい旅の記憶……。大切な思い出と記憶を巡る旅を描いた7作品を収録。魅力あふれる旅先と、その土地ならではの美味しいものがたっぷり詰まった、実力派作家7名による書き下ろしアンソロジー。
  • 紙魚の手帖Vol.01
    5.0
    1~25巻1,500円 (税込)
    「ミステリーズ!」の後継誌ついに創刊。コンセプトは、国内外のミステリ、SF、ファンタジイ、ホラーを刊行してきた東京創元社による「総合文芸誌」。『蝉かえる』で第74回日本推理作家協会賞、第21回本格ミステリ大賞W受賞の櫻田智也が贈るシリーズ最新作。第21回本格ミステリ大賞の全選評も一挙掲載。さらに、第18回ミステリーズ!新人賞受賞作「三人書房」ほか、充実の創刊号。/【目次】『紙魚の手帖』創刊にあたって/【創刊記念特別エッセイ】投げ込みマガジン〈紙魚の手帖〉戸川安宣/【受賞作決定!】第31回鮎川哲也賞 選評  辻 真先・東川篤哉・麻耶雄嵩/第18回ミステリーズ!新人賞 選評 大倉崇裕・大崎 梢・米澤穂信/【第18回ミステリーズ!新人賞受賞作】三人書房 柳川 一●第18回ミステリーズ!新人賞受賞作。若き日の江戸川乱歩を描く、流麗な謎解き譚/【第21回本格ミステリ大賞全選評】第21回本格ミステリ大賞受賞作決定!/第21回本格ミステリ大賞選考経過/受賞の言葉 [小説部門] 櫻田智也 [評論・研究部門] 飯城勇三/選評 小説部門/選評 評論・研究部門/【日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞受賞第一作】白が揺れた 櫻田智也●ハンターたちが狩りをしていた山で起きた、悲劇の真相は?〈エリ沢泉〉シリーズ最新作!/【読切】ゼロ 加納朋子●私の元にやってきたのは、カフェオレ色の天使だった。少女と犬の絆を描く最新ミステリ!/スフレとタジン 近藤史恵●コロナ禍の影響で志村さんが講師で始めた〈パ・マル〉の料理教室。タジン鍋を使うモロッコ料理を……。/フォトジェニック 秋永真琴●カメラを構える彼女の目に、この世界は、僕は、どんなふうにうつっているんだろう? 気鋭が贈る傑作掌編。/108の妻 石川宗生●点描の妻、夢見る妻、革命家の妻、お品書きの妻……様々な「妻」をお楽しみください。/セリアス 乾石智子●ひっそりと暮らす魔道師夫婦、彼らの秘密とは……/魚泥棒は誰だ? ピーター・トレメイン 田村美佐子 訳●修道院の厨房で起きた二件の事件をフィデルマが解き明かす/【INTERVIEW 期待の新人】千田理緒『五色の殺人者』/大島清昭『影踏亭の怪談』/【BOOKREVIEW】[文芸全般]瀧井朝世/[国内ミステリ]宇田川拓也/[翻訳ミステリ]村上貴史/[SF]渡邊利道/[ファンタジイ]三村美衣/『紙魚の手帖』創刊記念読者プレゼントキャンペーン/執筆者紹介/編集後記・次号予告
  • 間の悪いスフレ
    3.9
    1巻1,599円 (税込)
    下町の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マルのスタッフは、変人シェフ三舟さんとスーシェフの志村さん、ソムリエールの金子さん、ギャルソンの高築くんの四人。コロナ禍で厳しい状況の飲食店業界、〈パ・マル〉でも、テイクアウトメニューを考えたり、料理教室を始めたり……。そんななかで、料理教室で起きた気まずい出来事、ひとり分のテイクアウトを買いにくる男子中学生の謎、自身のレストランにスタッフが定着しない理由がわからず悩む他店のシェフ、高築くんのいとこのプロポーズ計画等々、名探偵シェフのまわりには相変わらず謎や相談ごとがいっぱい。全7編を収めた待望のシリーズ第4弾。絶品料理の数々と極上のミステリをどうぞ!/【収録作品】クスクスのきた道/未来のプラトー・ド・フロマージュ/知らないタジン/幻想のフリカッセ/間の悪いスフレ/モンドールの理由/ベラベッカという名前
  • サクリファイス
    4.2
    1巻649円 (税込)
    ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと――。陸上選手から自転車競技に転じた白石誓は、プロのロードレースチームに所属し、各地を転戦していた。そしてヨーロッパ遠征中、悲劇に遭遇する。アシストとしてのプライド、ライバルたちとの駆け引き。かつての恋人との再会、胸に刻印された死。青春小説とサスペンスが奇跡的な融合を遂げた! 大藪春彦賞受賞作。

    試し読み

    フォロー
  • 岩窟姫
    3.7
    1巻715円 (税込)
    人気アイドル、謎の自殺──。彼女の親友・蓮美(れみ)は呆然とするが、その死を悼む間もなく激動の渦に巻き込まれる。自殺の原因が、蓮美のいじめだと彼女のブログに残されていたのだ。まったく身に覚えがないのに、マネージャーにもファンにも信じてもらえない。全てを失った蓮美は、己の無実を証明しようと立ち上がる。友人の死の真相に辿りついた少女の目に映るものは……衝撃のミステリー。
  • ホテル・ピーベリー<新装版>
    3.4
    1巻726円 (税込)
    木崎淳平は仕事を辞めて、ハワイ島を訪れた。友人から勧められた日本人が経営するホテルは「リピーターを受け入れない」ことが特徴だという。淳平が表情豊かな島を満喫しようとした矢先、同宿者がホテルのプールで溺れ死ぬ事件が起こる。直後にはバイク事故でもう一人が……。このホテルには「なにか」がある。最後のページまで気が抜けない、不穏な空気に充ちた傑作ミステリーの新装版!
  • わたしの本の空白は
    3.8
    1巻748円 (税込)
    気づいたら病院のベッドに横たわっていたわたし。目は覚めたけれど、自分の名前も年齢も、家族のこともわからない。夫を名乗る人が現れたけれど、嬉しさよりも違和感だけが立ち上る。本当に彼はわたしが愛した人だったの? 何も思い出せないのに、自分の心だけは真実を知っていた……。〝愛〟を突き詰めた先にあったものとは──。最後まで目が離せない傑作サスペンス長編! (解説・千街晶之)
  • 眠れぬ夜のご褒美
    3.7
    1巻792円 (税込)
    一日頑張ったあなたをいたわる、とっておきの「夜食」をどうぞ。想い人を待ち続ける駅で。終電を逃し、たどり着いた秘密の場所で。禁断のラーメンを食べに行く道中で。傷心旅行で訪れたいわくつきのペンションで。古い友人たちと定期的につどうファミレスで。「正しい食べもの」をつくり続けてきたキッチンで。おいしいものが大好きな作家陣が、「夜食」にまつわる人間ドラマを描く、心とおなかを温かく満たす6篇を収録!
  • この島でいちばん高いところ
    3.2
    1巻550円 (税込)
    「少し離れた小島に、遠浅のきれいな海岸があるからね」夏休みに二泊三日の海水浴に出かけた十七歳の少女五人。無人島に渡った彼女らは、砂浜の美しさに酔いしれるあまり帰りの船に乗り遅れ、その島で一晩過ごすことに。ところが、島にはもう一人、男が潜んでいた! ―理不尽な体験を通し、少女から大人に変わる瞬間を瑞々しい感性で描く傑作ミステリー。
  • アンソロジー 捨てる
    3.9
    1巻774円 (税込)
    親の遺品、夫や姑、目の前の現実……。 あなたには、捨てたいモノ、ありますか? 9人の人気女性作家が、それぞれの持ち味を存分に発揮しながら「捨てる」を題材に豪華競作! 女性作家ならではの視点で、人の心の襞をすくいとり丁寧に紡がれた9篇は、いずれも傑作ぞろい。 ミステリー、ファンタジー、恋愛、ホラー……。さまざまな女たちの想いが交錯する、珠玉の短編小説アンソロジーをお楽しみください。
  • タルト・タタンの夢
    4.2
    1巻662円 (税込)
    カウンター七席、テーブル五つ。下町の片隅にある小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。シェフ三舟は、フランスの田舎のオーベルジュやレストランを転々として修業してきた変人。無精髭を生やし、髪を後ろで束ねた無口なシェフの料理は、気取らない、本当にフランス料理が好きな客の心と舌をつかむものばかり。そんな彼が、客たちの巻き込まれた事件や不可解な出来事の謎をあざやかに解く。常連の西田さんが体調を崩したわけは? フランス人の恋人はなぜ最低のカスレをつくったのか? 絶品料理の数々と極上のミステリをどうぞ!

    試し読み

    フォロー
  • エール!(1)
    3.9
    1~3巻528円 (税込)
    笑って泣いて元気になれる、お仕事小説アンソロジー第1弾!! 漫画家、通信講座講師、プラネタリウム解説員、ディスプレイデザイナー、スポーツ・ライター、ツアー・コンダクター。6人の「働く」女性たちが、ときに悩み、へこみながらも、自分らしい生き方を見つけていく姿をいきいきと描く。漫画家の収入の仕組みや、ディスプレイデザイナーの働く時間、ツアー・コンダクターのスケジュールなども盛り込み、気になる職業の豆知識や裏側も楽しめる。仕事帰りの電車の中で、一日の終わりのベッドの中で、お疲れのアナタを癒やす全6話を収録。人気作家が競作!! 責任編集/書評家・大矢博子。
  • 胡蝶殺し
    3.9
    1巻671円 (税込)
    歌舞伎子役と親同士を巡る、心理サスペンス。 市川萩太郎は、蘇芳屋を率いる歌舞伎役者。花田屋の中村竜胆の急逝に伴い、その息子、秋司の後見人になる。同学年の自分の息子・俊介よりも秋司に才能を感じた萩太郎は、ふたりの初共演「重の井子別れ」で、三吉役を秋司に、台詞の少ない調姫(しらべひめ)役を俊介にやらせることにする。しかし、初日前日に秋司のおたふく風邪が発覚。急遽、三吉を俊介にやらせることに。そこから、秋司とその母親・由香利と、萩太郎の関係がこじれていく。そしてさらなる悲劇が……。サクリファイスシリーズから、ビストロ・パ・マルシリーズまで、幅広いジャンルで傑作ミステリーを発表しつづける著者が、長年あたためてきた作品がいよいよ文庫に。歌舞伎に詳しくなくても存分にスリルと感動を味わえる。
  • 青葉の頃は終わった
    3.4
    1巻550円 (税込)
    河合瞳子が大阪郊外のホテル七階から飛び降りた。周囲を魅了した彼女の突然の死。大学卒業から五年、その報せは仲間に大きな動揺を与えた。そんな折り、友人たちに瞳子からのはがきが。そこには、わたしのことを殺さないで、とあった。彼女を死に赴かせたものは? 答えを自問する残された者たちが辿り着いた先は? ほろ苦い青春の終わりを描く感動のミステリー。
  • あなたに贈る×(キス)
    3.8
    1巻679円 (税込)
    閉ざされた学園を震撼させる一人の美少女の死。先輩、教えてください。あなたがここにいないのは人を愛したせい? それとも誰かに殺されてしまったの?感染から数週間で確実に死に至る病。そのウイルスの感染ルートはただひとつ、唇を合わせること。かつては愛情を示すとされたその行為は、国際的に禁じられ、封印されている。しかし、ある全寮制の学園で一人の女生徒が亡くなり、「彼女の死は、“あの病”によるものらしい」と不穏な噂が駆け巡った。真相を探る後輩の美詩が辿り着いた、あまりに甘く残酷な事実とは。鮮烈な印象を残す青春ミステリー。

    試し読み

    フォロー
  • アネモネ探偵団1 香港式ミルクティーの謎
    -
    1巻748円 (税込)
    智秋はお嬢様学校に通う中学一年生。お母さんは人気女優で、お父さんはいない。ある日智秋は、お母さんから雑誌モデルを頼まれてしまう。しぶしぶ引き受けた智秋だったけれど、それが謎めいた事件の始まりだった!
  • アンソロジー 隠す
    3.8
    1巻800円 (税込)
    冒険、ミステリー、人間ドラマ、恋愛……。 11人の人気女性作家が同じテーマに挑む短編小説集! 誰しも、自分だけの隠しごとを心の奥底に秘めているもの――。 実力と人気を兼ね備えた11人の女性作家たちがSNS上で語り合い、「隠す」をテーマに挑んだエンターテインメントの傑作! 『アンソロジー 捨てる』に続く「アミの会(仮)」が送る、注目シリーズ第2弾。 多彩な物語すべてに、共通の「なにか」が隠されています。 (答えが掲載されている「あとがき」は、最後にお読みください) これが、本物の短編小説集。 ※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • アンソロジー 舞台!
    3.4
    1巻799円 (税込)
    役を生きる俳優の輝き、世界観を作り出す舞台装置、息を潜めた客席の雰囲気。すべてが合わさって生まれる「舞台」は、同じものは二度と生まれない特別な空間です。きらびやかで華やかな非日常を楽しむ場所であると同時に、「誰かの人生を演じてみる」「そこに自分の人生を重ねてみる」意外に身近な場所なのかもしれません。自分という「役」を演じながら日々を過ごすわたしたちにとって、毎日が自分だけの「舞台」とも言えます。ミュージカル、バレエ、ストレート・プレイ、2・5次元……さまざまな舞台をテーマに描かれた五つの物語を収録した文庫オリジナル・アンソロジー、開幕です。/【目次】ここにいるぼくら=近藤史恵/宝石さがし=笹原千波/おかえり牛魔王=白尾 悠/ダンス・デッサン=雛倉さりえ/モコさんというひと=乾 ルカ/解説=三宅香帆
  • 茨姫はたたかう
    3.8
    1巻680円 (税込)
    「童話の眠れる茨姫は、王子様のキスによって百年の呪いが解け、幸福になった。もしそれが、ストーカーのキスだったら?」対人関係に臆病で頑なに心を閉ざす梨花子は、ストーカーの影に怯えていた。だが、心と身体を癒す整体師合田力に出会ったのをきっかけに、初めて自分の意志で立ち上がる! 若者たちに贈る繊細で限りなく優しい異色のサイコ・ミステリー。
  • インフルエンス
    3.8
    1巻719円 (税込)
    大阪郊外の巨大団地で育った小学生の友梨。 同じ団地に住む里子が、家族内で性虐待を受けていたことを知り、衝撃を受ける。 助けられなかったという自責の念を胸に抱えたまま中学生になった友梨は、 都会的で美しい親友・真帆を守ろうとして、暴漢の男を刺してしまう。 ところが何故か、翌日警察に連れて行かれたのは、あの里子だった。 殺人事件、スクールカースト、子育て、孤独と希望、繋がり。 お互いの関係を必死に隠して大人になった3人の女たちが過ごした20年、 その入り組んだ秘密の関係の果てに彼女たちを待つものは何だったのか。 大人になった三人の人生が交差した時、衝撃の真実が見えてくる。 女たちが幼いころから直面する社会の罪、言葉で説明できないあやうい関係性、深い信頼。 ラストに用意された、ミステリファンも唸る「驚き」。 『サクリファイス』で大藪春彦賞を受賞した近藤史恵が描く傑作長編。 解説・内澤旬子 橋本環奈・葵わかな・吉川愛でWOWOW連続ドラマ化決定。 ※この電子書籍は2017年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • エデン
    4.2
    1巻605円 (税込)
    あれから三年──。白石誓は唯一の日本人選手として世界最高峰の舞台、ツール・ド・フランスに挑む。しかし、スポンサー獲得をめぐる駆け引きで監督と対立。競合チームの若きエースにまつわる黒い噂には動揺を隠せない。そして、友情が新たな惨劇を招く……。目指すゴールは「楽園」なのか? 前作『サクリファイス』を上回る興奮と感動、熱い想いが疾走する3000kmの人間ドラマ!
  • 演じられた白い夜
    3.3
    1巻451円 (税込)
    小劇場界の著名女優・麻子は、夫で演出家の匠に呼ばれ、雪深い山荘へやってきた。山荘には匠によって、初対面である八人の俳優らが集められていた。匠の新作は本格推理劇で、演じる側にも犯人がわからないよう稽古は行われていく。台本が進行するにつれ、麻子を含む女優たちに疑心が兆し、それは恐るべき事件の形を取って表れた。作中劇の中に隠された真相は――。

    試し読み

    フォロー
  • おはようおかえり
    3.4
    1巻799円 (税込)
    おはようおかえり――それは「無事に、早く帰ってきて」という願いが込められた言葉。北大阪にある和菓子屋「凍滝」の姉妹、小梅とつぐみ。姉の小梅は家業を継ぐため、毎日和菓子作りに励み、自由奔放な妹・つぐみはエジプトへの留学を目指していた。ある日、亡くなった曾祖母の魂が、何故かつぐみの身体に乗り移ってしまう。戸惑う小梅に曾祖母は「ある手紙を探してほしい」と頼んでくるが――。芋あんのキンツバ、六方焼き、すずめのこなし、最中……和菓子の香りもふくよかに、正反対の姉妹をあたたかく描く家族小説。
  • おはようおかえり
    3.6
    1巻1,400円 (税込)
    真面目な姉と自由奔放な妹。二人の姉妹に訪れる思いがけない出来事とは――北大阪で70年続く和菓子屋「凍滝」の二人姉妹、小梅とつぐみ。姉の小梅は家業を継ぐため進学せず、毎日店に出て和菓子作りに励む働き者。妹のつぐみは自由奔放。和菓子屋を「古臭い」と嫌い、大学で演劇にのめり込みながら、中東の国に留学したいと言って母とよく喧嘩をしている。そんなある日、43年前に亡くなった曾祖母の魂が、何故かつぐみの身体に乗り移ってしまう。「凍滝」の創業者だった曾祖母は、戸惑う小梅に「ある手紙をお父ちゃん(曾祖父)の浮気相手から取り戻してほしい」と頼んできた。手紙の行方を辿る中で、少しずつ明らかになる曾祖母の謎や、「凍滝」創業時の想い。姉妹は出会った人々に影響されながら、自分の将来や、家族と向き合っていく。「ビストロ・パ・マル」シリーズの近藤史恵が描く、少し不思議であたたかな傑作家族小説!
  • 風待荘へようこそ
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    南天の木の植わった坪庭がある、京都の小さなゲストハウス「風待荘」。家族を失い東京からやってきた眞夏は、ここでしばらくオーナーの仕事を手伝うことになった。泣きたい毎日を変えるきっかけをくれたのは、料理。古い台所で作る九条葱と厚揚げの衣笠丼や、すぐきの焼きめし、近所で出会ったふわふわのだし巻き卵のサンド、レトロな喫茶店のゼリーポンチフロート。同居する四人の女性やお客さんと食卓を囲む時間に心を癒されていくなか、まさかの人物が眞夏を訪ねてやってくる……。
  • カナリヤは眠れない
    3.8
    1巻680円 (税込)
    変わり者の整体師合田力は、“身体の声を聞く”能力に長けている。助手を務める屈託のない美人姉妹も、一皮剥くと何がしかの依存症に罹っていた。新婚七カ月目の墨田茜を初めて看たとき、力は底知れぬ暗い影を感じた。彼を驚愕させたその影とは? やがて不安が現実に茜を襲うとき、力は決死の救出作戦に出た! 蔓延する現代病理をミステリアスに描く傑作、誕生。
  • 歌舞伎座の怪紳士
    4.0
    1巻781円 (税込)
    ロングセラー 『スーツケースの半分は』の著者が贈る極上のミステリー 祖母の依頼で請け負った観劇代行アルバイト。 行く先々で奇妙な出来事が起こり―― 職場でハラスメントを受け退職した岩居久澄は、 心に鬱屈を抱えながら家事手伝いとして日々を過ごしていた。 そんな彼女に観劇代行のアルバイトが舞い込む。 祖母に感想を伝えるだけで五千円くれるという。 歌舞伎、オペラ、演劇。 初めての体験に戸惑いながらも、徐々に芝居の世界に魅了され、心が晴れていく久澄だったが――。 私が行く芝居に必ず「親切な老紳士」がいるのは、なぜだろう?
  • ガーデン
    3.4
    1巻660円 (税込)
    燃える火に夜と書いて、カヤ。赤い髪に華奢な躯、大きな眸をした捉えどころのない娘。行く夏の海で火夜に逢った真波は、何の違和感もなく一緒に住むようになっていた。その火夜が不意に姿を消してしまう。そして二週間、真波の許へ火夜と同じエナメルを塗った小指が届く。動顛した真波は同じマンション内の今泉文吾探偵事務所を訪ね、火夜を捜してほしいと依頼するのだが……。謎めいた娘を求めて、植物園と見紛うばかりの庭苑に足を踏み入れた探偵。血を欲するかのように幾たりもの死を招き寄せる庭で、今泉が見出したものは? 悲痛な真相が惻々と胸に迫る、本格ミステリの傑作。

    試し読み

    フォロー
  • キアズマ
    4.0
    1巻693円 (税込)
    ふとしたきっかけでメンバー不足の自転車部に入部した正樹。たちまちロードレースの楽しさに目覚め、頭角を現す。しかし、チームの勝利を意識しはじめ、エース櫻井と衝突、中学時代の辛い記憶が蘇る。二度と誰かを傷つけるスポーツはしたくなかったのに――走る喜びに突き動かされ、祈りをペダルにこめる。自分のため、そして、助けられなかったアイツのために。感動の青春長編。
  • キッチンつれづれ
    3.8
    1巻825円 (税込)
    大崎梢、近藤史恵、永嶋恵美、新津きよみ、福田和代、松村比呂美、矢崎存美、福澤徹三。短編の名手8人が「台所」をテーマに競演。「ここだけのお金の使いかた」「おいしい旅」シリーズなど、続々重版中の人気ユニットによる全編書下ろし短篇集。
  • 昨日の海と彼女の記憶
    3.3
    1巻850円 (税込)
    どちらかがどちらかを殺した?――。夏休みのある日、海辺の小さな町の高校生・光介の家に、母の姉・芹とその娘の双葉がしばらく一緒に暮らすことになった。光介は芹から、二十五年前の祖父母の死が、実は無理心中事件であったと聞かされる。カメラマンであった祖父とそのモデルを務めていた祖母。二人の間に何が起こったのか。切ない真相に辿り着いたとき、少年はひとつ大人になる。『昨日の海は』を改題。
  • 昨日の海は
    3.6
    1巻1,600円 (税込)
    いつも通りの夏のはずだった。その事件のことを知るまでは……。海辺の小さな町で暮らす高校生・光介。夏休みに入ったある日、母の姉・芹とその娘の双葉がしばらく一緒に暮らすことになった。光介は芹から、心中と聞かされていた祖父母の死が、実は「どちらかがどちらかを殺した」無理心中事件であり、ここで生きていくために事実をはっきりさせたい、という決意を聞かされる。カメラマンであった祖父とそのモデルも務めていた祖母。二人の間にいったい何が起こったのか。残された写真が語るもの、関係者たちの歪んだ記憶、小さな嘘……。そして真相を追う光介が辿り着いた、衝撃的な事実とは……。『サクリファイス』『タルト・タタンの夢』などで話題の著者が、海辺の町を舞台に、青年のひと夏の冒険と成長を描く、切なくてさわやかな青春ミステリー。

    試し読み

    フォロー
  • 金色の風
    4.0
    1巻102円 (税込)
    「たぶん、走ることは祈りに似ている。身体の隅々まで酸素を行き渡らせて、身体を透明にして、祈る」。フランス語を学ぶため、パリにやってきた夕(ゆう)。街角で出会った女性、アンナに影響され、夕は走り始めるが――。文春文庫『シティ・マラソンズ』収録の中編。
  • 賢者はベンチで思索する
    4.1
    1巻628円 (税込)
    ファミレスでバイトをしているフリーターの久里子。常連には、いつも同じ窓際の席で何時間もコーヒー1杯で粘る不思議な老人・国枝がいる。ある日、公園で毒入りの犬の餌がまかれるという事件が連続して起こり、久里子の愛犬・アンも誤って食べてしまう。幸いアンは一命をとりとめたが、犯人はいったい誰なのか? 事件の解決に乗り出したのは、意外なことにあの国枝老人だった……! 人と人のつながりの不思議を独特の筆致で描く、日常を見すえた新感覚ミステリー。
  • 子殺し
    -
    1巻220円 (税込)
    まどかの夫・弘は、最近評価が上がっている浄瑠璃語り。大人しくて真面目な人という紹介者の言葉に背中を押され、見合い結婚をした。しかし、幸せも束の間、ハネムーンベイビーの舞に対する夫の態度に、まどかは不満を募らせる。もっと愛情をもって接して欲しいと言うが、弘はだんだん稽古のためと言って家を空けがちになり…。そんなある日、弘の語りを聞きに行ったまどかは大きな衝撃を受ける。「子殺し」がテーマだったからだ。二人の間には大きな溝ができて…。
  • これが最後のおたよりです
    3.4
    1巻836円 (税込)
    各ジャンルで活躍する実力派作家11名が「ラスト・メッセージ」をテーマに綴るした豪華アンソロジー。 隠された幻の家訓、ある一族の謎めいた掟、読まれるはずのなかった遺言、鍵のかかった日記帳……さまざまな形で残された最後のメッセージ。 秘められた思いが届くとき、驚きの結末に心揺さぶられる一冊。
  • さいごの毛布
    5.0
    1巻825円 (税込)
    年老いた犬を飼い主の代わりに看取る「老犬ホーム」に勤めることになった智美。ホームでの出来事を通じ、苦手だった人付き合いや疎遠な家族との関係を改めて考え直し始める――。 世知辛い世の中に光を灯す、心温まる成長物語。
  • 桜姫
    4.0
    1巻693円 (税込)
    15年前、大物歌舞伎役者の跡取り息子として将来を期待されていた少年・音也が死亡した。それ以降、音也の妹・笙子は、自らの手で兄を絞め殺す悪夢を見るようになる。自分が兄を殺したのではないだろうか? 誰にも言えない疑惑を抱えて成長した笙子の前に、音也の親友だったという若手歌舞伎役者・中村銀京が現れた。2人は音也の死の真相を探ろうと決意するが――。封印された過去の記憶をめぐる、痛切な恋愛ミステリ。
  • 巴之丞鹿の子~猿若町捕物帳~
    3.5
    1~5巻605~660円 (税込)
    江戸で若い娘だけを狙った連続殺人が起こった。南町奉行所同心の玉島千蔭は、殺された女が皆「巴之丞鹿の子」という人気歌舞伎役者の名がついた帯揚げをしていたことを不審に思う。そして、巴之丞の蔭に浮かぶ吉原の売れっ妓。調べが進むなか新たな被害者が――。はたして真犯人は!? 大藪春彦賞作家・近藤史恵の時代ミステリー小説シリーズ第一作!
  • サヴァイヴ
    3.9
    1巻693円 (税込)
    団体戦略が勝敗を決する自転車ロードレースにおいて、協調性ゼロの天才ルーキー石尾。ベテラン赤城は彼の才能に嫉妬しながらも、一度は諦めたヨーロッパ進出の夢を彼に託した。その時、石尾が漕ぎ出した前代未聞の戦略とは──(「プロトンの中の孤独」)。エースの孤独、アシストの犠牲、ドーピングと故障への恐怖。『サクリファイス』シリーズに秘められた感涙必至の全六編。
  • Shelter(シェルター)
    3.1
    1巻628円 (税込)
    “人はなぜ、最も大切な人をいちばん傷つけてしまうのだろう?”これ以上、妹を傷つけたくないと過去から逃れるように東京に来た江藤恵(めぐむ)は、いずみと名乗る謎めいた少女と出会う。「殺されるかもしれない」とすがってくる少女にいつしか妹の面影を重ね……。愛し合い傷つけ合う若者の心に染みいる異色のミステリー。
  • シフォン・リボン・シフォン
    3.7
    1巻720円 (税込)
    さびれた商店街にオープンしたランジェリーショップ。乳がんの手術後、東京から故郷に戻ってきたオーナーのかなえと、そこに出入りする人々の人生模様。繊細で美しい下着が、行き詰まった人間関係をやさしくほどいていく。解説・瀧井朝世。
  • シャルロットのアルバイト
    3.9
    1巻770円 (税込)
    シャルロットは7歳の雌のジャーマンシェパード。元警察犬で、今は私たち “新米飼い主”夫婦とのんびり暮らしている。お利口だけど甘えん坊、人にも犬にもフレンドリー。そんな彼女といると時に不思議な事件に巻き込まれ……。わがままな迷子犬、公園に現れるゾンビ犬、迷子札紛失事件に不穏な噂に包まれたドッグスクール、挙句の果てに夫まで不審な行動を取り始めて!? 犬好きのためのハートウォーミング・コージーミステリー。
  • シャルロットの憂鬱
    3.7
    1巻660円 (税込)
    シャルロットは6歳の雌のジャーマンシェパード。警察犬を早くに引退し、2年前、浩輔・真澄夫婦のところへやってきた。ある日、2人が自宅に帰ってみると、リビングが荒らされており、シャルロットがいない! いったい何が起こったのか。(表題作) いたずら好きでちょっと臆病な元警察犬と新米飼い主の周りで起きる様々な“事件”――。心が温かくなる傑作ミステリー。
  • 11の秘密 ラスト・メッセージ
    3.7
    1巻1,870円 (税込)
    最後に届けたかったものは――。 読まれるはずのなかった遺言、隠された幻の家訓、ある一族の謎めいた掟…… さまざまな形で残された”ラスト・メッセージ”を綴る、驚きと感動の物語。 各ジャンルで活躍する実力派女性作家11名による、豪華アンソロジー!
  • ジュ・テーム
    4.0
    1巻220円 (税込)
    代わりばえのしない日々に倦んでいた牧村は、通勤途中にある画廊で働いていた咲子に一目惚れする。猛烈なアタックの後、七ヶ月後にやっと自分の部屋に連れてくることに成功した。ところが、ベッドに押し倒し「愛してるよ」と囁いた直後、恐ろしい異変が起きる。彼女が突然苦しみだし、首にはまるで誰かに締められたかのように、赤黒い指の跡がくっきりと浮かび上がったのだ。驚いて病院に運び、一命を取り留めたものの、彼女からは別れを告げられてしまう。諦めきれない牧村は、探偵を雇い彼女の秘密を探ろうとするが…。
  • SWEET BOYS
    -
    1巻220円 (税込)
    ルームシェアをしている真紀と涼子のマンションの隣室に、幼馴染みだという男性二人、大塚と飯島が引っ越してきた。爽やかなルックスの彼らに、すぐに夢中になった真紀と涼子。やがて四人は互いの家を行き来するほど親しくなったのだが…。甘いふわふわした恋物語は、やがて思いも寄らない展開を見せる。人の怖さ、業の深さを鮮烈に描いた珠玉のストーリー。
  • スティグマータ(新潮文庫)
    4.2
    1巻737円 (税込)
    あの男が戻ってきた。三度の優勝を誇ったもののドーピングで全てを失った、ドミトリー・メネンコが。ざわめきの中、ツール・ド・フランスが開幕。墜ちた英雄を含む集団が動き始める。メネンコの真意。選手を狙う影。密約。暗雲を切り裂くように白石誓(ちかう)は力を込めペダルを踏む。彼は若きエースを勝利に導くことができるのか。ゴールまで一気に駆け抜ける興奮と感動の長篇エンタテインメント。(解説・川西蘭)

ユーザーレビュー

  • みかんとひよどり

    Posted by ブクログ

    すごく良かった〜。フレンチの雇われシェフである主人公潮田。元々、手際も良くフランスに料理留学までしている彼が持つ夢とは。
    そして、縁あって知り合った猟師の大高。
    この2人がどんな事件に巻き込まれていくのか。
    美味しそうなジビエ料理と犬たちがストーリーを和らげてくれる。
    ジビエがこんなに食べたくなったのは、初めて!!

    0
    2025年11月29日
  • これが最後のおたよりです

    Posted by ブクログ

    もうひとつある 鷹宮家四訓 ★★★★★
    孤独の谷 ★★★★★
    扉を開けて ★★☆☆☆
    猫への遺言 ★★☆☆☆
    キノコ煙突と港の絵 ★★★★☆
    十年日記 ★★★☆☆
    そのハッカーの名は ★★★☆☆
    みきにはえりぬ ★★☆☆☆
    青い封筒 ★★★★☆
    黄昏飛行 時の魔法編 ★★★☆☆
    たからのちず ★★★★☆

    0
    2025年11月30日
  • 眠れぬ夜のご褒美

    Posted by ブクログ

    夜食の時間帯に読んでいたので、特にスクランブルエッグとキムチラーメンが食べたくなった。中に出てくる主人公はそこまで?!と思う程本音が言えないお話が多かったのと、食べ物って人と人を繋ぐ大切なものだなあって。

    0
    2025年11月26日
  • サクリファイス

    Posted by ブクログ

    白石はプロ2年目の山岳アシスト。そんな中スペインのチームから誘いを受ける。そんなロードバイクレーサーのサクセスストーリーかと?チームのエース石尾の3年前のチームメイトの袴田への事故の疑惑?その石尾はレース中に事故死するが、更なる疑惑が疑惑を呼ぶ。

    サイクルレース好きの人は必読

    0
    2025年11月23日
  • オーロラが見られなくても

    Posted by ブクログ

    ちょうどこんな旅の話を読みたいと思ってた今の自分の気分にピッタリで軽やかに読めるのも嬉しい。
    いつもながら近藤さんの小説に出てくるご飯はなんと美味しそうなことか。
    旅の空気感が伝わり、読むと私まで心がほぐれていく様な感覚で大好きな作品の一つになった。

    0
    2025年11月22日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!