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  • 空白の時刻表
    2.5
    千歳空港近くのモーテルで若い女の絞殺死体が発見された。容疑者には、犯行時刻、釧路ゆきの特急〈おおぞら3号〉に乗車していたという鉄壁のアリバイが!? 時刻表トリック、列車乗っ取り……鉄道推理の名作中の名作六篇を収録。

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  • 器に非ず
    4.0
    1巻550円 (税込)
    世界に冠たる自動車メーカーの社長・副社長がそろって退陣。引き際の見事さに世間は喝采を送った……。が、その裏によほどの事情が隠されていることを看破した著者が、十五年の取材をもとに〈経営者の器〉とは何かを描きつくした不朽の名作!

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  • 横浜・木曾殺人交点
    -
    衆議院議員・桃沢が自宅マンションで撲殺された。現場から走り去る謎の女が目撃され、警視庁捜査一課の宇津木警部補は女の足取りを追う。八カ月後、東京・八王子で毒殺事件が起こった。二つの事件の接点に、再び謎の女の影が!

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  • 炎都 City Inferno
    4.0
    木梨香流(きなしかおる)は京都の地質調査会社の技師。地下水の水位の急激な低下が、異変の発端だった。京都府警捜査一課の村雨祐馬(むらさめゆうま)は、京都御苑で発見された変死体に驚愕していた。四時間前まで生きていた男が、全身の体液を抜き取られ、カラカラに干からびている。そんな異常殺人が人間に可能なのか? ところがそれは、その後、京都中を恐怖と絶望にたたきこんだ未曾有の大災厄のほんの序曲だった。壮大な物語の第一弾!

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  • 怨霊孕む
    -
    南北朝後期。熊谷義直は桔梗ヶ原の戦に敗れ、伊那谷に落ちた。郷主を襲い押領するしか生きる道はない。栗野家を襲い、妻の真澄を略奪する。長子を斬殺したとき凶兆が現れた。以来、熊谷家は白い小児の貌の怨霊に蝕まれてゆく……長篇伝奇小説。

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  • 一瞬の寵児
    -
    1巻550円 (税込)
    東京拘置所に収監された男の名は北原甲平。上京し、新聞配達をしながら名門大学へ通う苦学生だった男は、ふとしたことがきっかけで医師として成功する。さらには、不動産業界へ華麗に転身。巨額の財をなし、業界の“寵児”と呼ばれるまでになった男に一体なにが起きたのか? 一人の男の栄光と転落を通してバブル経済の本質を描く長篇経済小説。

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  • 夢の抱擁
    -
    1巻550円 (税込)
    秘かに想い続けるだけの恋は切ない。けれど、想いを遂げてからのほうがもっと切ない。亡くなった憧れの姉の面影を追い続ける直人。奔放な恋人・利香にふりまわされながら、いつしか弁当屋の人妻パート店員・裕美に惹かれていく。一方、裕美も満たされぬ結婚生活の疼きを直人に癒して欲しいと願い始める。誰にとっても、恋は遠い日の花火ではない…。

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  • やさしい雨
    -
    1巻550円 (税込)
    ああ、なんだって男は年上の素敵な女性にこんなにも弱いのか~ 隣のお姉さん、英語教師、女医、義姉、社長夫人。淡い憧れが肉の欲望に変わるとき、蕩けた男たちは身も心も投げ出して…。しかし、御用心。甘い蜜戯には隠されたはかりごとが!

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  • 魔痕
    -
    綾部は常に大量の保健薬を飲んでいる。どこも悪いわけではない。健康を追い求める彼は薬マニアの会に参加した。停年を迎えた刑事の越野は途方に暮れた。何もやることがなくなった恐怖。彼は熟年に人気の登山を始めるが。やがてそれぞれの仲間が不審な死を遂げた! 多忙、健康、清潔……現代人のさまざまな強迫観念が生み出す異形ミステリー。

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  • 覆面猟犬 私憤
    -
    1巻550円 (税込)
    要人の護衛から横暴な権力者や財界人の抹殺まで請け負う共進警備保障。要人(VIP)護衛室の主任・力丸耕平は、惚れた覚醒剤常習者の女を逮捕直前で故意に逃亡させ、懲戒免職となった元所轄署刑事だ。今回の指令は、失踪した同僚が護衛していた映画監督の追跡。弱みを握った強行犯係刑事に初動捜査を吐かせると、元AV女優の惨殺フィルムの存在が濃厚になり……。覆面猟犬が人間の暗黒に迫る!

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  • 十津川警部 裏切りの街 東京
    2.5
    十津川の妻・直子が尿管結石で緊急入院した。幸い大事には至らず、退屈しのぎに院内を歩き回っていると、立入禁止の札がかかったガラス戸の向こうに「500」と書かれた病室を見つけた。病院の案内図には載っていない。ある夜、部屋の中から唸り声が聞こえ……。「特別室の秘密」他、東京を舞台に活躍する十津川班の刑事たちの活躍を描く傑作推理集。【解説】山前譲

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  • そして誰かいなくなった
    3.9
    湘南・葉山マリーナから沖縄を目指す豪華クルーザーのインディアナ0号が出港した。船のオーナーから招待を受けたのは、会社役員秘書、エッセイスト、医者、弁護士、プロゴルファーの五人。オーナーは御前崎から乗船するという……。翌朝、一人の死体が発見され、彼の干支である猿の置物が消えていたのだ! 騙される快感に酔える傑作長篇。

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  • 垂直の死海
    -
    1巻550円 (税込)
    「夫の死の真相を暴いて」高校の同窓生・雅子の言葉が損保の損害査定員・千野を巨大企業の闇へといざなった。花形レーサーと彼女の夫である搬送ドライバーの事故死で浮かんだ蔆星自動車の欠陥車疑惑。蔆星のお膝元に赴いた千野は新工場反対地主の轢死を知る。そして……雅子までが殺害された。企業城下町を巡る連続殺人を若き損害査定員が追う!

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  • 重要参考人
    -
    1巻550円 (税込)
    医大と附属高校の理事・副理事長を兼任し、産婦人科病院を経営する菊川は、父兄代表を名乗る赤軍派二人組に監禁され、学校の口座から二億八千万円を奪われた。だが、警察やマスコミは菊川の金権体質を批判し、事件は狂言ではないかと疑う。莫大な寄付金、学内の派閥闘争……被害者から一転、重要参考人となった菊川の孤独な闘いが始まった!

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  • 死の器[上]
    -
    六本木の某所に、隠れたVIP接待所がある。そこの人気接待嬢・麻利が忽然と消えた。彼女の幼なじみの零細新聞記者・平野は、家出人捜索会社の片山とともに行方を追いはじめた。元首相、兵器商人、米人将校ら接待所に集うVIPを探るうち、思いがけず入手した文書。それは新開発の戦闘機と核燃料再処理に関わる日米の重大資料だった!

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  • 静かな町の夕暮に
    4.0
    山あいの小さな町に映画のロケ隊が訪れた。真夏のひと月、静かな町を熱くして去っていった後に、意外なものが残された。それは地元高校の演劇部員、法子の母と大スターとのロマンス、そして彼女と同じ演劇部の女子高生の殺人だった。容疑者が逮捕された時、町はなぜか、不思議な沈黙に覆われるが……。少女たちの想いを瑞々しく描いた長篇推理。

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  • 黒白の境界線
    -
    煩わしい職場の人間関係に先輩刑事が心を病んで、元SAT隊員の深見慎也は生き方を見つめ直した。いまは極悪人から巨額の金を毟り獲って優雅に暮らす顔と、失意や絶望に沈んだ者に力を貸す調査員の顔を持っている。今回の依頼人は銀行強盗で人質にされたところを救ってやった美人女医だった――。偽装された医療ミスで病院が潰れる。急げ!

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  • 警視庁死番係 虚ろなる冤罪
    3.0
    1巻550円 (税込)
    風俗嬢を襲い、現行犯逮捕された小山内が、四ヶ月前に妊娠中の緋富を刺殺、現場から逃走したと自供した。この殺人事件は、旭警部率いる「死番係」が別居中だった内縁の夫である藤野を拘束、辰野と辻平が取り調べており、すでに起訴済みだった。しかも、藤野は先日行われた初公判で無罪を主張。脅迫的な言動や、暴力的な扱いを受けて、自白を強要されたとし、告発の準備もしているという。

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  • 警視庁死番係 裁かれざる殺人
    4.0
    1巻550円 (税込)
    有能だが、独断捜査を好む問題刑事ばかりが所属していることから、「死番係」と疎まれる、旭警部率いる警視庁殺人班四係。その死番係解体を企てる伊神警視は、罷免理由になりそうな非違があれば報せてほしいと、昇進を餌に辰野巡査部長を狗として送り込んだ。半年後、辰野の古巣上野署管内で殺人事件が起こり、死番係に捜査が割り当てられ…。

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  • 凶水系
    -
    1巻550円 (税込)
    熊谷の荒川で子供達が悲鳴を上げた。発見された溺死体の男は八高線鉄橋から落とされたのか。次いで高崎のマンションで男が墜落。身辺から八高線の切符が現れた。だが男の部屋は完全な密室。これが捜査陣を翻弄する怪事件の始まりであった。

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  • ギャングスター・レッスン
    3.6
    1巻550円 (税込)
    渋谷時代、百人を擁するチームのヘッドだったアキは、チーム解散後、海外放浪を経て帰国。犯罪プロフェッショナルへの参加を決意する。そんな彼を、あらゆるクライム・テクニックを習得するための過酷な試練が待ち受けていた!

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  • 贈る証言 弁護士・朝吹里矢子
    3.0
    1巻550円 (税込)
    一人暮らしの六十二歳の画家が殺され、第一発見者で家政婦をしていた生野美帆が容疑者に。美帆は画家から再三プロポーズされながら、断り続けていたという。そしてその時刻、自宅で子供の面倒をみていたと主張するが、アリバイを証明する人物はいなかったのだ……。深い感銘を呼ぶ表題作他、弁護士・朝吹里矢子の活躍を描く、代表的シリーズ!

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  • あがない
    3.3
    1巻550円 (税込)
    「ほんとうのおうちに行きたい」五歳の一人息子恭平の言うまま、〈ほんとうのおうち〉を訪ねることとなった祐子。拡張型心筋症で移植を受け、ドナーの家族に感謝の意を伝えようと手を尽くす杏奈。恭平が〈ほんとうのおうち〉に着いたとき、杏奈がドナーの家族と禁断の対面をしたとき、人生の歯車が狂い始める。彼らを繋ぐ、隠された過去の傷痕とは─

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  • Dロック
    3.0
    D-loc! すべての計器が一瞬にして消えた! VIPばかり三百人を乗せた最新鋭機B747-550に緊急トラブル発生。FADEC(全自動デジタル電子制御)IIエンジンはコントロールを失い、一縷の望みはすべての計器をシャットダウンし、エンジンをリスタートさせる以外にない。しかし高度四万フィート、五百ノットのスピードで、果たしてそれが可能なのか? 航空機サスペンスの第一人者が放つ、超緊迫アクション!

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  • 涸 瀧(電子復刻版)
    -
    林義信は大阪府の山村生まれ。父・義次郎は、農業に失敗し、厄介者扱い同様で養鶏場に住み込んでいる。母の君江は若い男と出奔したまま行方不明。義信は、土地での生活を嫌い、役者・俳優への夢を抱いて、上京する。俳優養成所で知り合った平泉基子と同棲、愛欲に束の間の安らぎを求めるが、やがて俳優への道を失う。義信は地道な暮らしをめざし、父親を呼び寄せて、基子との三人暮しを始めたのだが……。

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  • 嵐の日々(電子復刻版)
    -
    1巻550円 (税込)
    轟音と飢え、過酷な作業、粗悪な食事と不衛生な施設、私刑(リンチ)、闇取引……臨戦体制下の昭和十九年、勤労動員に駆り出された和歌山中学校五年生約四百名は、川崎航空機明石工場に配置された。青春の心と肉体を極貧にさらされた若者たちは仲間の死をきっかけに集団脱走、だが目前に迫るものは空襲の灼熱地獄であり、内なる恐怖だった……(表題作)。他に高利貸に騙された男のユニークな復讐譚など五篇を収録。

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  • 落ちる(電子復刻版)
    -
    おれは子供のころからひ弱な神経の持ち主で、生命力も強くはなかった。それが今日まで生きてこられたのは、多額な財産があったからだ。そんなおれが美貌で生命力に溢れた佐久子と結婚してからは、平和な生活を築くことに生き甲斐を感じていたのだが……。気弱な男の恐怖心を利用した殺人計画を描く直木賞作品『落ちる』ほか英雄たらんとして挫折した男を描く『ヒーローの死』など〃不幸な犯罪者たち〃を描く好篇。

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  • 欲望地図(電子復刻版)
    -
    一流大学を卒業、若い胸を希望でふくらませて、資本金五十億円の玉屋建設に入社した松田千次郎は、十九年のキャリアを持ちながら、いまだに資材課の係長にすぎない。上司に反抗したため、出世の道からはずされたのだ。そうなったサラリーマンはもはや色と私欲に溺れるしかない。松田は、友人で、代議士秘書の矢代と組んで資材購入の工作で裏金を手にする一方、愛人との肉欲にはしるのだが……。力作企業小説

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  • 弥彦・出雲崎殺人ライン(電子復刻版)
    -
    新潟県・出雲崎で「ヤヒコニ イッテ ウラ」という言葉を遺し、一人の女が殺された。取材旅行で現地を訪れていた編集者の笹谷美緒と堅物の恋人黒江壮は、その女を三度目撃していた。捜査本部の調べで、被害者の銀行員水原千秋は横領の疑いがあり失踪中だったことが判る。更に事件の数日後、弥彦神社裏の杉林から被害者のイニシャル入りの指輪が発見された。美緒と壮は最期の言葉の謎を追った。長篇推理。

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  • 野生との訣れ(電子復刻版)
    -
    「ボウ・ボウ」この一週間、エサも水もとらず、檻の中で暴れていたコノハズクが、二声、低いがしかし鮮やかに鳴いた。最期が迫ったのを悟って故山に別れを告げたのか。あわれというほかない野性の執着だ。瀬戸内海の孤島で出合った野鳥たち。まるで綿屑を吹きつけたような雛への愛着、身辺にまといつくカラスとの日常、精悍で毅然としたクマタカヘの憧憬。野鳥を飼育する孤島の生活を描く。

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  • 夜の培養者(電子復刻版)
    -
    微生物研究者が急死した。死の真因は何か? 科学記者の小檜山弘はそれに疑惑を持つが、死者の親友寺田の罠にはまり、隔離病舎に封じ込められる。そこは恐るべきペスト菌の研究所でもあった。戦時下の満州で幻の細菌戦部隊として恐怖の伝説を残す第731部隊の要員―それが寺田の実体であったが、なぜか親友の遺志をつぎ、死を賭して研究の完成を急ぐ。ペスト菌の恐怖と極限状況を描く実験作。

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  • 夜だ花束を捨てろ(電子復刻版)
    -
    暴力団の罠にはめられて刑事をやめ、以来スナックで奏き語りをしている青桐啓の許へ、この店の常連だった竹末波子の死因が納得できないと、弟から相談が持ち込まれた。確か池井信弘という男が、波子を轢殺したと自ら警察に通報して自殺したことで一件落着していたはずだ。だが、青桐が調査に乗り出してみると、事件の裏にあくどい謀略が見え隠れしはじめて……。どす黒い性と野望を撃つ長篇ハードボイルド。

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  • 猛烈に不幸な朝(電子復刻版)
    -
    レコード会社のやり手ディレクター鬼頭に、親会社の社長から至上命令が下った。今年こそレコード大賞を獲得しろ、というのだ。大賞選考会まで6カ月――強引な裏工作を開始した鬼頭に、有力ライバル歌手の醜聞を買わないか、と持ちかけてきた男がいた。が、鬼頭が待ち合わせの場所へ行ってみると、その男は青酸カリ入りウイスキーを飲んで変死をとげていた……。歌謡界を舞台に華麗に描く長篇推理小説。

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  • 鳴門に血渦巻く(電子復刻版)
    -
    トラベルライター瓜生慎と妻の真由子は開通した大鳴門橋の取材中、自殺志願の少女雛子に出くわした。雛子は淡路に代々伝わる人形遣いの名門道明寺家の娘で、人形に犯され妊娠したと言いはる。雛子の祖父杢平、父治平はともに謎の死を遂げていた。人形にまつわる怪談話や土地の利権にからむ騒ぎに巻きこまれた慎と真由子の許に今度は医師の堀留が人形に殺されたとの知らせが……。長篇トラベル・ミステリー。

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  • 明日に別れの接吻を(電子復刻版)
    4.0
    須賀原は将来を嘱望された若手官吏だったが、愛妻を犯した不良学生を殺すという過去を持っていた。情状酌量され、5年の執行猶予をうけた彼は、いまは晴れて自由の身になる時を待つ日々だった。その忍従もあと11日となった夜、友人が訪れ、「人を殺したのでアリバイ作りに協力してくれ」と哀願する。わが身の自由を選ぶべきか、友情をとるべきか?生きることの大命題を追求した長篇推理。

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  • 無宿人 御子神の丈吉1(電子復刻版)
    -
    渡世から足を洗って三年、細工師としての腕を認められた丈吉は恋女房のお絹との間に小太郎も生まれ、穏やかに暮せるかに見えた。しかし、宿怨を抱く国定忠治の舎弟・開雲の長五郎らに留守を襲われ、お絹は散々に弄ばれたあげく、赤子と共に惨殺された。愛しい者を失って堅気に何の未練があろうか! 復讐の鬼となった丈吉は、恋女房の形見のシゴキ帯を腰に、旅にでた。紋次郎の産みの親が放つ会心の股旅連作。

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  • 味子さん、殺人です(電子復刻版)
    -
    神保亜子こと、通称味子。アジの干物が好物でついた仇名だが、所属プロ社長の勘違いから、なんとグルメ番組のレポーターに起用。一歳下のカメラマン空閑(くが)三九郎とホテルのバイキング取材の帰り、交通事故を目撃した。被害者は翌日訪問予定の長崎県、平戸の銘菓〈歌留羅(かるら)〉の主人、潮見長次郎だった。平戸へと向かう味子達は、新幹線で長次郎の甥庄太に出会う……。連続殺人の予感を秘めたグルメ旅行が始まった。

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  • 魔の山(電子復刻版)
    -
    三度目だった。ダーツが頬を掠めた。警視庁警部・遊佐大吾を狙った毒矢だ。犯人の影もなかった。そして数日後、義弟・純二が戸隠山へ登ったまま失踪した。大吾は昭和二十年の東京大空襲のさなか、純二の父に拾われ育てられた。過去は知らない。己れの過去と純二の失踪が狙撃犯と繋がるのか!? 義弟を追って入った山岳は魔の山と呼ばれていた(表題作)。心の闇が生んだ犯罪を描く異色作品集。

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  • 北海で殺そう(電子復刻版)
    4.0
    トラベルライターの瓜生慎は身重の妻真由子と取材中、文英社編集局長の堂本に呼び戻された。堂本の娘百合が友達の天城香と家出したというのだ。BFとの交際に反対された香に同情しての家出だが、書置きで心中をほのめかしていた。『あおば』で上野を発った慎は、二人を追って青森から北海道へ渡り、道内各地を駆け巡る。やがて慎は二人の少女の家出に絡む連続殺人事件に巻き込まれ、てんやわんや……。

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  • 北の廃坑(電子復刻版)
    -
    四国山脈の脊椎奥深くにある杉浦鉱山。標高1500メートルのこの金属鉱山で、ひそかに巨大な悪が蠢いていた。何がその悪を生み、何者がそれを操っているのか?真相究明の特命をうけ、あらくれの世界に潜入した清水大三を待っていたのは、死の宙吊り、落石、そして殺人事件だった。著者の体験を色濃く刻み、一人称形式でサスペンスをリアルに盛り上げる冒険小説の原点ともいうべき佳品。

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  • 報酬か死か(電子復刻版)
    -
    私立探偵・志田司郎は元刑事、かつては一人で組織暴力団を潰滅させた凄腕だ。ある日、美人の旅行代理店経営者植原多美子が依頼にきた。大金を運ぶのでボディガードになってほしいというのだ。多美子に付き添った志田は奇妙な取引現場を目撃するが、その時、何者かに襲われ気がつくと多美子は殺され、志田は犯人に仕立てあげられようとしていた。表題作ほか、タフガイ志田司郎が活躍するハードボイルド六篇。

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  • 穂高・駒ヶ岳殺人回廊
    -
    病院で刺殺事件が起きた。被害者は田久保仁。北穂高から涸沢岳へわたる岩稜から転落し、入院中の患者だった。手がかりはベッドに落ちていた栗色の髪の毛。遺された妻の証言から、怨恨の線は薄いと思われた。長野県警豊科署の道原伝吉警部らは操作を開始。やがて殺害直前、田久保の病室を訪れた男の存在が浮かぶ。さらに田久保の友人が函館・駒ヶ岳でガス中毒死していた事実が判明し……。長篇山岳推理。

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  • 弁護士芸者シリーズ 毒殺法廷(電子復刻版)
    -
    「うちの研究所で、きっと殺人事件が起こります!」京都の気鋭弁護士・藤波清香に一件の相談が持ち込まれた。不可解な予言どおり、副所長がヒ素中毒死した。対立する所長の女秘書の犯行なのか? 死因をめぐり相反する二つの鑑定書の謎とは? 真相を解明すべく、清香はなまめかしい芸者姿に変身した――。離婚歴あり、一児あり、同棲中の彼もあり、祇園育ちの女弁護士の華麗推理、書下し二編を収録!

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  • 風 盗(電子復刻版)
    -
    時は戦国、世は地獄。様々な職に身を窶し、権力者に取り入ってはソロリと天下を窺う曾呂利党なる闇の集団があった。領袖は叡智で秀吉の寵愛を受けた鞘師・新左衛門。その一子高丸は秀吉の宿敵・毛利家へ文使いとして入り込み、各地を巡るうちに、将軍・義昭、越後の梟雄・謙信らの”真意”を知ることになる。しかし、間者であることが露見しかけて……。表と裏の稼業の相剋に悩む若者を通して描く戦国時代巨篇。

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  • 部長刑事(電子復刻版)
    -
    その夜明け、日比谷公園を突き抜ける地下鉄工事現場で異様な死体が発見された。顔は老婆のごとく、身体はみずみずしい若い女、歯は一本もなかった。復元した顔から、インドネシアへの戦争賠償で大儲けを企む香港財閥の巨頭の妻・ウェリントン好子と判明した。そしてキング・ホテルに宿泊していた老紳士の部屋から好子の総入れ歯が発見された。警視庁捜査一課庄司部長が難事件を次々と解決。好評部長刑事シリーズ。

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  • 葡萄色の血の女(電子復刻版)
    -
    周一郎が石油ストーブを点けた瞬間、どっと炎が噴き出した。その体が炎に包まれ火だるまになるのを、笹山は呆然と見つめていた――。眼前で起こった香原家当主の凄惨な死。灯油にガソリンが混入していたと判明したとき、家庭教師・笹山は突然逮捕された。彼は、密かに美貌の夫人と情事を重ねていたのだ。追いつめられていく笹山。彼を陥れようとしているのは、いったい何者、そしてなぜか?

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  • 負のアリバイ(電子復刻版)
    -
    タウン誌の編集長を務める中尾は、ゴールデンウィーク前夜、一本の電話を受けた。十二年前に中尾と釣り仲間の森川が犯した殺人の目撃者・赤井からだった。一年前、赤井は証拠品を持って中尾と森川を脅迫し、50万円ずつを絞り取っていたのだ。今回もまた同じ用件に違いない―そう考えた中尾は、休日出勤を利用して、森川と共に赤井殺害を計画するが……(表題作)。短篇の名手が描くオリジナル傑作ミステリー。

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  • 飛騨泣き殺人事件(電子復刻版)
    -
    また一人、奇妙な傷を負った死体が発見された。槍穂高連峰涸沢岳の岩稜ルート、通称「飛騨泣き」で、腹部に横一文字の切り傷を刻んだ転落死体が、四件続いた。どの死体にも傷口に生体反応がなく、明らかに死後のもので、傷の幅は約三ミリ。被害者らに繋がりはなく、長野県豊科署の道原刑事は、怨恨による無差別殺人と断定したが……。長篇山岳サスペンス。

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  • 秘 曲(電子復刻版)
    -
    世間の悪評高き関白豊臣秀次は、公卿社会へ傾倒していく中、おのれの素養のなさを補うものとして、珍貴風雅なものの収集に熱心であった。しかし、権力で集めた品々に対して公卿らの反応は冷たかった。豊臣家の威光ではなく、関白としてふさわしい者が自然に手に入れる物、それは射干玉(ぬばだま)の笛だというのだ。秀次は早速、目的のためには手段を選ばぬ男・猿丸に笛を探すよう命じる(表題作)。時代小説集。

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  • 犯人さん、復讐です!(電子復刻版)
    -
    女子大生グルメ・レポーターの味子、味音痴ながら推理は冴える。相棒のカメラマン空閑(くが)三九郎と共に、素朴な味を訪ねる今回の取材は福島県の山中、奥羽本線のスイッチバックの無人駅・峠駅名物力餅がお目当て。旅の途中で知り合った浜中理沙の働く一軒宿・乙女沢温泉に投宿するが、その晩露天風呂で男の死体を発見した! みちのくの味と事件を追って二人は秋田男鹿半島へ……。好評シリーズ第三弾。

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  • 犯罪列島(電子復刻版)
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    白昼の東京駅構内のロッカー前で殺人事件発生! 被害者はスリ仲間ではスゴ腕で通った男で、死体の下に落ちていた鍵で開かれたロッカーには、タイ国土産らしい大小10個の象の置物があり、その中には時価4億円相当のダイヤが詰め込まれていた。殺人とダイヤ密輸事件を追って、諏訪、京都、そして長崎へ――全国の鉄道公安組織を駆使して犯人を追いつめる著者独特の鉄道公安官推理の白眉!

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  • 爆裂火口 東京・上高地殺人ルート(電子復刻版)
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    泥酔した男が新宿歌舞伎町交番にやってきた。五代と名乗った男は「男を殺して上高地の林の中に埋めた」と言い残し、間もなく息を引き取った。長野県警豊科署の道原伝吉刑事は部下の伏見とともに東京へと急行した。長野では捜索の結果、はたして男の言葉通り頭蓋骨が発見された。被害者が死の直前口にしたノートの存在と「カズコ」という名前。彼女は何者なのか? ノートには何が書かれていたのか? 長篇推理。

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  • 博 徒(電子復刻版)
    -
    島岡辰治は腕利きの胴師だ。それも手本引きの、本物の腕利きなのだ。胴師は、賭場の主宰役。その腕次第で、親分の儲けは天地の差だ。謙蔵親分の二号とデキた辰治は、静岡から東京へと流れた。先々で、縄張り目当ての出入りと、オンナがらみのもめ事。一宿の恩もあれば、渡世のしがらみも重い。頼れるのは、自分の腕っきり。やっと堅気の女子大生と所帯は持ったが……。若き博徒の半生を描く長篇問題作。

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  • 燃え盡きる(電子復刻版)
    -
    三菱重工業社長に就任して二年半、牧田與一郎は硬直的な企業体質を野生味あふれる柔軟なものにかえ、日本経済の推進力となるべく、精力的な企業戦略を試みていた。だが、持病の糖尿病と腰痛に悩まされ、株主総会を一週間後ににかえて昏睡、緊急入院した。自分は癌なのか? かねてからの疑念が再び頭をよぎったが……。念願の中国市場参入を画策しながら、志なかばにして凄絶な死をとげた男を描く傑作長篇!

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  • 熱海魚見坂の殺人(電子復刻版)
    -
    人で賑う熱海サンビーチで全裸の女の変死体が発見され、監察医のおれ――松平利春は、熱海署から名指しで呼び出しを受けた。実物を見て、おれはゴクリと唾を呑んだ。全身に三百ヶ所を越える傷跡を持つ、髑髏のような顔の変死体だったのだ。生前の美しい顔を再現し、被害者と犯行現場の特定に成功したおれたちだったが、なんと殺されたはずの女が生きていた! さらに第二、第三の殺人が起こり……。長篇推理。

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  • 忍者猿飛佐助(上)(電子復刻版)
    3.0
    甲賀の忍者・猿飛佐助は、主人・真田幸村を敬愛していた。その幸村は、豊臣秀頼の要請に応じ関東方との合戦に備える大阪城に入った。しかし盟主秀頼はいまだ若年、大阪方の人心も腐敗しきっていた。城内は関東方の放った間者が跳梁し、幸村が狙撃され、秀頼も毒殺されんとした。佐助の働きで辛うじてこれを防ぎ、野戦を主張する幸村が城外に出丸を急造し終えるころ、冬の陣が始まった。長編歴史ロマン。

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  • 任 侠(電子復刻版)
    -
    花沢桂太は、静岡の博徒一家・湊屋の六代目親分だった父親を六年前に亡くした。縄張りは、兄貴分の阿久根透のものとなった。母親が阿久根と関係を持っていることを知りながらも、桂太は阿久根を敬慕していた。桂太は阿久根にヤクザの英雄像の原形を見ていたのだ。しかし、母親が阿久根の差し金で父親に毒を盛ったことを知ってしまった(「燃える眼の野獣」)。渡世の柵(しがらみ)の中で生きる男と女を描いた秀作九篇。

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  • 日本漂民物語(電子復刻版)
    5.0
    サーカスで空中ブランコの花形となった旅役者、人生最良の日々をすごす下町キャバレーの子持ちホステス、筑豊の藤四郎焼で陶工になった元全共闘と自衛官、姉は戦跡巡拝ガイド、妹はフーテン娼婦になった沖縄の姉妹~われらが日本列島の片隅で懸命に生きる人たちの悲劇と喜劇と活劇を、直木賞作家が笑いと涙と、ひたぶるな共感で見事に描きあげた、生活感あふるる〈漂民派小説〉、珠玉の六篇。

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  • 虹の罠(電子復刻版)
    -
    1960年、いまだアメリカの統治下にあった沖縄。その米軍基地からスパイ機U2に関する機密書類が奪われた。日本人でありながら米軍犯罪捜査部(CID)四課の要員である松崎は、事件の捜査に当たるが、実は彼自身共産党のスパイでもあった。犯行に関係ありと目された基地労働者が相次いで死亡、失踪して事件は闇に……。基地の島・沖縄にくりひろげられる国際謀略戦を描く長篇ミステリー。

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  • 二人と二人の愛の物語(電子復刻版)
    -
    東京都下の分譲地に建つ一軒が炎にくるまれ、岸田昌平が死体で発見された。日曜の夜は泥酔状態で寝入る岸田の習慣を知っている者の放火と思われた。その死に安堵と不安を抱いている2組の男女がいた。道ならぬ情事を知られ、岸田に脅迫されている男女と、折角手にした愛を岸田によって奪われそうな男女と……。いずれの愛の炎が放火殺人事件を招いたのか? 流麗に描くラブ・サスペンス!

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  • 二人が消えた夜(電子復刻版)
    -
    自殺した水野は、火傷痕の残るその醜怪な容貌のせいか、人嫌いで奇矯な言動の多い男だった。自殺の報せを聞いて急いで帰郷した友人の間垣は、温泉宿の水野家に泊った夜、廊下ですれ違った和服の美女を見て妖しい驚愕を覚えた。女は水野の自殺前夜にも泊っていたという。女の素性と友人の死の秘密を調べてゆくと事態は意外な展開をしはじめた! 現代風俗を描いて定評ある著者の長篇推理。

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  • 南国武道(電子復刻版)
    3.0
    関ケ原の合戦に勝利した徳川家康は、土佐・長曾我部盛親を大阪に監禁、井伊・山内両軍を送り長曾我部家の断絶を謀った。徹底抗戦せよ――盛親の密命を受けた竹内掃部は、美貌の誉れ高い美佐姫と供に大阪を脱出、土佐・浦戸城を目ざした。美佐姫の懐中には莫大な軍用金の在り処を認めた密書が隠されていた――。戦乱の世に生きる青年の剛毅な侍魂と、姫への思慕の哀切を描く長篇歴史ロマン。

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  • 毒煙都市(電子復刻版)
    5.0
    昭和十二年、西九州の工業都市M市で、中央財閥系の染料工場が爆発事故を起こした。異臭を放つ黄色い噴煙が市を覆い、やがて疫病に似た症状の患者が続出。M市は完全に機能麻痺に陥った。内務省・軍部の調査団はこの病気を赤痢と断定、不完全な上水道設備が汚染源であると指摘した。だが、M市水道課長・中西公平はこの見解に鋭く対立、ひとり敢然と立ち向かった。軍部と癒着した大企業の横暴を抉る傑作長篇。

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  • 特命刑事 グアムの妖精(電子復刻版)
    -
    「ラブホテルでの女殺しは、刑事部長の特命で太郎さんの役目なんだ」恋人の直江と、楽しい休暇のグアム旅行から帰って来たその足で泊まった馴染みのラブホテルで、よりによって殺人事件が発生。おっとり刀で駆けつけた俺に、庄司部長刑事の有難い御言葉だ。妙な偶然で、被害者のデート嬢も先だってグアム旅行に行き、ある男に拳銃密輸の片棒を担がされたらしい。しかも直江がその男に心当りがあるという……。

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  • 特派記者(電子復刻版)
    -
    東京日報のお嬢さん記者奥山京子に初仕事が舞い込んだ。府中刑務所を出所することになった謎の人物零(ゼロ)一号との会見で、「裏切り者の男女二人を殺す」と告白されたからだ。だが、出所したその日、零一号は銀座のキャバレーで何者かに毒殺されてしまった。尾行していた京子と同僚記者桐野の目撃する限り零一号の周辺に怪しい者はいなかったはずだが……。相次ぐ凶悪事件に挑む若い記者の活躍。

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  • 動乱の曠野(電子復刻版)
    -
    大正六年三月初め、広田大尉は密命を帯びて単身シベリアへ潜入した。が、怪しまれて牢につながれた広田はそこで三井家の八男海彦と知り合う。二人は牢を逃がれ、赤軍の戒厳令下にあるシベリア国境線一帯を抜ける――「風来坊と軍事探偵」他、明治、大正、昭和と三代にわたる動乱の時代を疾風の如く駆け抜けた青春群像を描く。夕日に赤く染まる大陸の原野に日本男児の夢と野望が炸裂する痛快冒険大ロマン。

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  • 東京大空襲(電子復刻版)
    -
    落下する焼夷弾筒は地表に突きささるとたちまち高温の金属火粉を噴出。異臭の黄燐や油脂をまきちらす。「熱いよう、母さん、助けて!」泣き続ける幼児とその母は火の粉の中を進んだ。が、彼女はすぐ地表にうつぶして息絶えた。頭上をB29の巨影が陸続とよぎって行く。地上の悲鳴と絶叫、協奏するすさまじい炎の音。東京大空襲の惨劇、日本人ジェノサイドの記録を米軍サイドから再構築した衝撃の長篇問題作!

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  • 東京殺人地図(電子復刻版)
    -
    ――さァ、書くぞッ。抜いた抜かれたは新聞記者の常……。俺の名は黒松次郎、東京日報の警視庁詰めの事件記者(ブンヤ)だ。通称は『義っちゃん』。本名の黒ちゃんが九郎に変わり、義経となる。つまり源九朗義経ってわけだ。タイムスの兵曹長こと杉野記者や日日の金さんこと遠山記者たち錚々たる猛者を相手に、特ダネを追って東奔西走する毎日だ。おっと、またポケベルが鳴った……。若き事件記者の活躍を描く連作八篇。

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  • 土佐わらべ唄殺人事件(電子復刻版)
    -
    「また、でてる……」竹脇知奈津は、自分と同じ名前に呼びかけられた尋ね人広告を見て、息苦しさを感じ。その広告はここ二年ほど、新聞にたびたび出ていた一方、知奈津の故郷・土佐中村では母の朋絵が、廃校の音楽室で胸を刺されて殺されていた。コーラスの伴奏のため、朋絵が練習していたのはモーツァルトのレクイエム。偶然か、それとも……? 知奈津は友人を通じ、宮之原警部に助けを求めた――。

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  • 田中角栄は死なず(電子復刻版)
    -
    田中軍団の凋落がいわれる中で、あらためて田中角栄が脚光を浴びているが、これまで彼に関する報道は一面的にすぎたのではなかったか。この日本的権力者を生んだ政治土壌は何か。――田中の票田である新潟県魚沼地方に住んで2年――。現役記者が、その命題に取組んだ迫真の現地報告。魚沼地方の政治・経済・文化はすべて田中に結びつき、その見返りが票になる。だが、果してそれはこの地方のことだけだろうか。

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  • 田岡一雄自伝《電撃篇》(電子復刻版)
    -
    大正2年、田岡一雄が徳島の寒村で生まれたとき、父はすでに病没していた。極貧の中、過労のため母をも失った少年は神戸の叔父にひきとられ、孤独の癖にひきこもるが、同時に喧嘩も強くなった。小学校卒業と同時に旋盤見習工になった彼は、ある日、現場主任を殴打、工場を辞めるが、そんな彼に声をかけたのが同級生の山口秀雄、山口組二代目・山口登の弟である。やがて全国制覇をとげる男の血の記録!

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  • 田岡一雄自伝《迅雷篇》(電子復刻版)
    -
    昭和二十三年、山口組二代目の七回忌追善として広沢虎造らの興行をうつが、この頃から田岡の周囲には一流芸能人が集まるようになる。そんな折、山口組の四人が鶴田浩二を襲撃、田岡もまた全国指名手配された。興行、港湾事業……田岡の打つ手は見事にあたり、山口組は磐石の態勢をつくるが、昭和三十一年、徳島県で小松島事件に突入。この大抗争を皮切りに全国で戦いの火蓋を切り、破竹の進撃を開始する。

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  • 田岡一雄自伝《仁義篇》(電子復刻版)
    -
    昭和三十八年、“広島代理戦争”は敵味方のデマが乱れ、まさに“仁義なき戦い”であった。終結する昭和四十二年までに中国地方五県警が扱った検挙者数3,625人、5,173件。その間の昭和四十年、田岡は心臓発作で倒れたが、混乱に乗じて警察は山口組壊滅作戦に乗り出す。各地の組織は解散を声明するが、田岡は病床で誓う。山口組は何らやましいことをしていない、世の審判を受けるにはいい機会だ、と。血と野望の完結篇。

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  • 天才投手(上)(電子復刻版)
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    江川と木田と村田と江夏をタバにしたような凄い怪童投手が飛騨の山奥にいた。プロ野球の各スカウトが押しかけ、村は大騒動になるが、当の夏堀金平はのんびりしたもの、「鶏泥棒の憎っくきイタチ・二股片目をやっつけるためにプロに入って0.3秒の早投げでも練習するか」とジャガーズに入団、途端に強打者連はバッタバッタ、巨人の王も口をあんぐり。巨匠がユーモラスに描く痛快野球小説。

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  • 超大本営・戦艦大和 雄渾!(電子復刻版)
    -
    1943年6月、山本五十六率いる影の大本営・戦艦大和は、米マッカーサー艦隊を撃破し、初陣を飾った。そして今、大和はインド洋上にあった。世界制覇への野望を抱く悪の総統ヒトラーが、スターリンと密かに手を結びヨーロッパを蹂躙していた。大戦の早期終結を望む山本五十六は、ヨーロッパ戦線に参戦し、かつての盟友ドイツに戦いを挑むことを決意したのだ。海洋戦記スペクタクル第二弾。

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  • 超大本営・戦艦大和 壮絶!(電子復刻版)
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    ヒトラーの第三帝国による突然の宣戦布告で、英霊・山本五十六率いる影の大本営・戦艦大和は、喜望峰沖においてドイツ大海艦隊と会戦、サイクロンを衝いての奇襲作戦で圧勝した。これを機にヒトラーは制圧目標をアジアへ転じ、インドを拠点に総力を結集した。最新鋭潜水艦臥竜、新零戦、零戦改を駆使し、連合艦隊が死守するマラッカ海峡で、大和は再びドイツとの戦いに挑む。海洋戦記スペクタクル第三弾。

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  • 超大本営・戦艦大和 出撃!(電子復刻版)
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    山本五十六司令長官は生きていた!昭和十八年六月、呉軍港に戻った連合艦隊駆逐艦・雪風の艦橋に立つ人物を認め、作戦参謀滝誠一郎は驚愕した。同年四月、モイラ岬上空にて戦死したのは影武者だったのだ。「本日をもって、戦艦大和を影の大本営とする」。日本の命運を双肩に担い、山本は胸奥に何を抱くのか。アメリカ第三艦隊と決戦すべく、大和はフィリピンを目指した。海洋戦記スペクタクル。

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  • 超・博物誌(電子復刻版)
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    はるかな未来。人類はすでに遠く深宇宙にまで進出。冒険者たちの華々しい活躍、重要な科学的発見そして戦争、そんな歴史の流れの片隅で、わたしは、宇宙の小さな生き物たちの観察に生きがいを感じてきた。体に生体核融合炉を持ち火の花に群がるプラズマイマイ。星々の追悼のメモリアルであるデザスター。超高速で宇宙へ飛び出そうとして燃えつきてしまうRUN。博物学者のわたしが綴る生物たちへの讃歌。

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  • 潮来の伊太郎1 大利根の闇に消えた(電子復刻版)
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    頃は天保。十年前に故郷を捨てた潮来の伊太郎が帰ってきた。月代を伸ばした精悍な面構えは、すでに貫禄十分な渡世人。だが、伊太郎を待っていたのは悲しい報せだった。妹のお筆が六年前、縊死を遂げていたのだ。茶屋の亭主・五郎蔵がその経緯を知っていたが、五郎蔵は土地の貸元・牛堀の勘吉によって殺されていた。事情を知った伊太郎は、勘吉の奸計を承知で利根の河原へ疾った。任侠股旅連作。

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  • 彫辰捕物帖(一)(電子復刻版)
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    江戸で評判の刺青師・彫辰。刺青中の女客の痛みを痛みを和らげるため自らの肉針を使うその秘術に、料亭〈湖月〉の女将・お竜もすっかり虜に。そんなある日、岡っ引の三星屋喜蔵が奇妙な殺人事件の話を持ち込んできた。仏具商〈金竜堂〉の出戻り娘・加代が離れで変死したという。五体に傷はなく、しかも密室状態だった。困惑する喜蔵を尻目に、彫辰は鮮やかな推理を展開(「刺青渡世」)。他四篇の傑作時代推理。

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  • 竹久夢二殺人事件(電子復刻版)
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    福島二本松の街並みが提灯祭に沸く大正三年秋、逗留する男女二人の苦境を知った宿の主人は、大枚五百円を用立てた。竹久夢二と名乗る男は葡萄酒を贈り、宿の女中多鶴に一枚の絵を描き残して去る。その翌月、宿主夫婦が服毒死体で発見された。数年後、東京で世帯を持った多鶴は、ある日、夢二に会うと言い残して失踪、土蔵の中から死体で見つかった。傍らには灰になった夢二の絵が……。傑作長篇推理。

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  • 地獄坂の闇を撃て(電子復刻版)
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    東京で会社を倒産させた沖田隆明は、落魄の身で故郷の炭坑町を訪れた。二十二年前、坑内で事故死した父と共にここで働いていたのだ。その町で偶然出会った女が末原和枝だった。和枝は驚くべき事実を語った。沖田の父の死は仕組まれたもので、手を下したのは和枝の父・弘吉。労組リーダーだった沖田の父は、当時の労務課長らにはめられたのだ、と。凄惨な復讐劇の始まりだった。バイオレンス長篇。

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  • 探偵はいま鉄板の上(電子復刻版)
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    新宿花園神社裏にある〈カーブ秘密探偵社〉の雇われ社長田沢太一のニックネームは“ターザン”。元高校柔道チャンピオンの巨漢田沢は、十八歳でアメリカに渡り、柔道コーチをやるかたわら大学へも通った文武両道の男。帰国後、探偵稼業をはじめたが、持ち込まれる事件は小物ばかり。しかし、その夜出くわしたデンマーク人射殺事件は意外な展開をして、奇妙な外人グループを追ってターザンは香港へ。

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  • 探偵さん、迷宮です!(電子復刻版)
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    女子大生の味子こと神保亜子はグルメレポーター。かつて取材先で殺人事件を解決したにわか名探偵。もと同級生の旅館の女将・柳原舞の誘いで、今回の取材は能登へ。ところがカメラマンの空閑(くが)三九郎と、行きの列車で死体発見。とりあえずは病死と思われたものの、目的地・地蔵温泉に向かうにつれ、事件は血腥い様相を帯びて……。恋人進吾も手伝って、またもや味子の探偵稼業。長篇ユーモア・ミステリー。

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  • 打 算(電子復刻版)
    -
    峰道寛輔は、名門『東京デパート』に巧みに取り入り、京都支店の催し物を引き受けることになった。彼の企画した《大宝石まつり》は大成功であった。だが……。宝石はすべて真赤な贋物だったのだ。ひたすら事件を内密に処理しようとする東京デパート。そこには、私腹をこやし栄達を求める経営者と保身にのみ汲々とするサラリーマンの赤裸々な姿があった。大企業のエゴに復讐を企んだ男を描く快作。

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  • 総司残英抄(電子復刻版)
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    秋の終わり、京は壬生の新撰組屯所へ、武州多摩の若者が二人やってきた。入隊志願である。しかし迎え出た土方歳三らには、〈郷党の子弟〉を血みどろの目には合わせまいという思い、畢竟、郷党の人にはよく思われたいという思いがあった。遅れて現れた沖田総司、二人を帰すべく京の町へ出るが……(「卿愿」)。新撰組一番隊組長として足早に生きた沖田総司の、爽やかな素顔と剣の道を描く傑作時代連作集。

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  • 総司はひとり(電子復刻版)
    -
    沖田総司は、その瞬間、なぜ刃を揮ったのか、自分にもわからなかった。神保仙左衛門に斬りかかって躱された武士が、そのまま駆け抜けてきて、総司の眼前に迫った、そのせつな、総司は抜き打っていたのだ。文久二年、春のことだった。総司は初めて人を斬ったのだった。死ぬ時の断末魔の様相をいやというほど見る運命が自分を待っているとは、神ならぬ身の知る由もなかった……。天才剣士の生涯を描く傑作。

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  • 捜神鬼(電子復刻版)
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    出荷直前の松阪牛が一頭、牛舎から突然姿を消した。六百万円の値がつく最高級肉牛だ。小型トラックが牛を積んで出発した痕跡があり、犯人は住込みの少年牧夫と判明した。無残さを指摘される肥育方法への反抗か、待遇への抗議か。七百キロもの巨牛の行方は杳として知れなかった。少年の思いつめた行動の陰には、幼い日の仔牛との悲しい物語が秘められていたのだ。人間の原罪に迫る感動の動物小説集。『痩牛鬼』『海獣鬼』『妖獣鬼』『聖獣鬼』の4篇を収録。

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  • 潜める蠍(電子復刻版)
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    斎藤健、四十五歳。勤続二十五年、マイホームには妻と二人の娘。このごく平凡な中年男の人生を、一冊の淫書が一変させた。夜半、パンツ一枚の裸で他家へ進入し、人妻凌辱の悦楽を貪る強姦魔に変身した斎藤は、誰にも知られず、夜の人生に耽溺した。そして三年、初めての迷いが、影の素顔を暴くことになろうとは……(強姦鬼)。エロスに翻弄される犯罪者たちの心の淵を鋭く描破する、傑作犯罪小説集。

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  • 赤かぶ検事奮戦記 蝋人形館の殺人
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    「この人、痴漢です!」車内の携帯電話を注意された腹いせに訴えた夕季子の、それが死への第一歩だった。勾留に耐え容疑を晴らした男は、名前さえ明かさずに去っていった。夕季子の血まみれの生首が発見されたのは、それから間もなくである。殺害現場の近くには男の館があり、屋根裏部屋には美貌の蝋人形たちが……。赤かぶ検事に閃いた身の毛もよだつ想像とは!?

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  • 赤かぶ検事奮戦記 牡丹屋敷の殺人(電子復刻版)
    -
    京都上賀茂に通称”牡丹屋敷”と呼ばれる大邸宅がある。約八十種、三千株の牡丹がいたるところに植えられ、清冽にして気品のある色とりどりの花を咲かせる。所有者は韮崎宗太郎、大阪の町工場から身を起こし、今では東京、大阪の証券取引所で第一部に株式を上場する立志伝中の人物である。その屋敷で催される鑑賞会で殺人事件が起こったのだ。殺害されたのは、宗太郎の甥にあたる塩川修一だった。書下し。

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  • 赤い氷河(電子復刻版)
    -
    東京地検検事・江藤昌作は、帰宅途中に立ち寄った喫茶店で、かつて思慕を寄せた根岸瑶子と15年ぶりに再会した。6年前に夫を亡くし、女手ひとつで1人息子を育てていたが、縁あって再婚するという。が、相手は24歳年上、しかも7度目の結婚と聞かされ、江藤は不吉な予感に駆られた……。その予感は適中した。狷介な実業家と美貌の妻と思春期の只中にあるその連れ子…彼らが綾なす“危険な関係”を鋭く描く!

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  • 静かなる刑事(電子復刻版)
    3.0
    杉並に五百坪の土地と家を持ち、中野でマンションを経営する未亡人が自宅で首を吊った。主治医によると鉄欠乏症貧血を苦に「死んだほうがいい」とまで言っていたという。自殺か他殺か?そこで登場するのが酒歴二十年、毎晩ボトルを空ける十和田定雄巡査部長。肝硬変寸前の真っ赤な自分の両掌をヒントに難問を描く(「肝臓の不安」)。ユニークな刑事たちがその特技を生かして事件に挑む傑作警察ノベル短篇集。

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  • 政商 小佐野賢治(電子復刻版)
    -
    刎頚の友といわれた田中角栄が、少年時代を種々な形で知られているのに対して、小佐野賢治は、自ら当時を語ろうとはしない。長男に生れても引き継ぐ財産もなく、人一倍の勤勉と努力、そして生来の商才をもって、戦後の復興期という時代をガッチリと掴んだのだ。ロッキード裁判で実刑判決を受けたものの、依然として、小佐野は日本の政商である。直木賞作家が政商の実像に迫る会心作。

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  • 人斬り彦斎 「斬るな彦斎」改題(電子復刻版)
    -
    元治元年(1864)夏、京・祇園の料亭に集った勤皇浪士の中に、小柄で色白、剃髪頭の物静かな男がいた。河上彦斎―近藤勇、中村半次郎と並び恐れられた剣客だ。この夜の会合で、《佐久間象山を暗殺すべし》と彦斎は自ら決していた。宴がひけての帰途、彦斎は若い芸妓に声をかけられ、妓の自宅に誘われる。そこで彦斎は奇妙な依頼をうける……。巨匠の時代長篇。

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  • 新選組情婦伝(電子復刻版)
    -
    主導権争いに巻き込まれ、土方歳三らによって新選組局長・芹沢鴨とともに斬殺された女・お梅。賄賂の疑いをかけられ、組を脱走した山南敬介のために自害の道を選ばされた女・おつな。揺れ動く幕末の嵐の中、愛する男たちを追って運命の渦に翻弄された女たちの姿があった。沖田総司、藤堂平助ら新選組隊士たちの裏で華麗に散った女たちの視点から激動の時代を描いた、もうひとつの新選組外伝。

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  • 新剣豪伝(電子復刻版)
    -
    戦国末期、常陸国江戸崎の郷士・諸岡一羽は、天真正伝の流儀を伝える名人と謳われていた。が、不運にも病に冒され門弟は四散。印可を授けた秘蔵の弟子根岸菟角、岩間小熊、土子泥之助の三人を残すのみとなった。三人のうち一身の出世のみを計る菟角は師を捨て逐電。恩師の流儀名を微塵流と変え隆盛を極めた。師没し、忘恩の徒菟角に天誅を加えるべく岩間小熊は江戸へ発つ(『諸岡一羽の三人の弟子』)。歴史短篇集。

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  • 信濃富士殺人事件(電子復刻版)
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    上高地交番で拳銃が盗まれた。豊科署の刑事・道原伝吉が事情を訊くと、何日か前、不審な男がピッケルを忘れたと届け出たという。だが男の連絡先は別人のものだった。数日後、石川県で射殺事件が起きた。鑑識の結果、盗まれた拳銃によるものと判明。被害者の足取りを追うなか、怪我をした山岳救助隊の小室を見舞った道原は、「信濃富士」と呼ばれる有明山の墜落事故に不審な点があると聞かされる。長篇推理。

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  • 情 事(電子復刻版)
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    「先生は和食オンリーで、お酒はウィスキー一本槍ですものね」鹿児島本線の特急グリーン車で話しかけてきた女は、一面識もないはずだが驚くほどぼくの好みに詳しい。富士子と名乗ったがどうも偽名くさい。なぜ偽名を? という疑問とともにその晩、彼女を抱いた。五日後、定宿のホテルに帰京してみると……(「知りすぎる女」)他、様々な女との情交を描く官能ミステリー傑作集。

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  • 消えた蜜月(電子復刻版)
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    1巻550円 (税込)
    中央日報の社会部記者梶史郎は、、ハネムーンに旅だつ幼馴染の暁子を東京駅に見送りながら、不吉な予感を覚えていた。その予感は、2日後、事実となった。新郎が失踪し、やがて死体となって発見されたのだ。傷心の暁子のためにも、梶は真相発見につとめるが、事件は次から次へと意外な展開をとげてゆく。新聞記者もので独自の境地を拓いた著者が、人間心理の矛盾と葛藤を鋭く抉る。

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