SF・ファンタジー - ハヤカワ文庫JA作品一覧

  • 猶予の月(上)
    3.5
    〈第三眼〉を持つカミス人は、人工衛星カミスに設置した事象制御装置アスタートによって、惑星リンボスを制御していた。そのアスタートの操作にたずさわる理論士イシスは、弟のアシリスとの禁じられた恋を成就するため、世界の改変を試みようとするが……日本SF界を代表する俊英が満を持して描く本格SF巨篇
  • あなたの魂に安らぎあれ
    4.5
    核戦争後の放射能汚染は、火星の人間たちを地下の空洞都市へ閉じ込め、アンドロイドに地上で自由を謳歌する権利を与えた。だが、繁栄をきわめる有機アンドロイドたちにはひとつの伝説があった。破壊神エンズビルが現われ、すべてを破壊しつくすという……。人間対アンドロイドの緊張たかまる火星を描く傑作長篇
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風
    4.2
    地球のジャーナリスト、リン・ジャクスンに届いた手紙は、ジャムと結託してFAFを支配したというロンバート大佐からの、人類に対する宣戦布告だった。ついに開始されたジャムの総攻撃のなか、FAFと特殊戦、 そして深井零と雪風を待ち受けていたのは、人間の認識、主観そのものが通用しない苛酷な現実だった。『戦闘妖精・雪風〈改〉』『グッドラック』に続く、著者のライフワークたる傑作シリーズ、待望の第3作。
  • ダーティペアの大脱走
    4.8
    〈ダーティペア・シリーズ4〉ロチェスター財団が経営する銀河系随一のお嬢様学校〈聖エルモ学園〉に奇病発生! なす術もなく美少女たちが次々と病に斃れていく。そこで財団はWWWAに救援を求めた。派遣されることになったのは、ユリとケイのダーティペア。二人は教師と生徒に扮して学園へ乗り込むが……?!
  • 魂の駆動体
    4.6
    人々が仮想空間へと移住しはじめた近未来、養老院に暮らす〈私〉は、生の実感をとりもどすため理想のクルマを設計する。いっぽう遥かな遠未来、翼人のキリアは、人類の遺跡から一枚の設計図を発見するが……機械と人間の関係を追究してきた著者が、クルマと自由な精神の解放を謳う現代の寓話。
  • 帝王の殻
    4.0
    火星ではひとりが一個、銀色のボール状のパーソナル人工脳を持っている。各人の経験データを蓄積をするこの人工脳は、巨大企業・秋沙能研に制御され、人工副脳となるのだ。そして、事実上火星を支配する秋沙能研の当主は「帝王」と呼ばれていた……。人間を凌駕する機械知性の存在を問う、火星三部作の第二作。
  • あなたのための物語
    4.2
    西暦2083年。人工神経制御言語・ITPの開発者サマンサは、ITPテキストで記述される仮想人格《wanna be》に小説の執筆をさせることによって、使用者が創造性を兼ね備えるという証明を試みていた。そんな矢先、サマンサの余命が半年であることが判明。彼女は残された日々を、ITP商品化の障壁である“感覚の平板化”の解決に捧げようとする。いっぽう《wanna be》は徐々に、彼女のための物語を語りはじめるが……。
  • グッドラック 戦闘妖精・雪風
    4.3
    戦術戦闘電子偵察機・雪風とパイロットの深井零は、未知の異星体ジャムとの熾烈な戦闘の日々をおくっていた。だが、とある作戦行動中に被弾した雪風は、零を機外へと射出、自己データを新型無人機へと転送する・・もはや人間は必要ないと判断したかのように。人間と機械の相克を極限まで追究したシリーズ第2作
  • ライトジーンの遺産
    4.4
    体内の臓器崩壊現象が頻発する未来社会。かつて人工臓器市場を独占していた巨大メーカー・ライトジーン社なき今、臓器をめぐる奇怪な現象や犯罪が続発していた。都会の片隅で自由に暮らし、本とウィスキーを愛する菊月虹は、ライトジーン社が遺した人造人間。虹は市警の新米刑事・タイスと共に臓器犯罪を次々と解決するが、やがて虹と彼の兄・MJの出生の秘密に関わる陰謀が彼を襲う。傑作ハードボイルドSFの決定版!
  • 膚の下(上)
    4.6
    荒廃した地球を離れ火星での250年間の凍眠を決断した人類は、地球の復興作業にあたる機械人を監視するため、人造人間アートルーパーを創造した。その一人、訓練部隊の慧慈軍曹は火星行きを拒む残留人一派と遭遇、交戦する。創造主から傷つけられた体験、そして機械人アミシャダイらとの出会いを経て、慧慈は自らの存在意義を問いなおし始めるが……。『あなたの魂に安らぎあれ』『帝王の殻』に続く「火星3部作」完結篇
  • ファンタジスタドール イヴ
    4.0
    「それは、乳房であった」男の独白は、その一文から始まった――ミロのヴィーナスと衝撃的な出会いをはたした幼少期、背徳的な愉しみに翻弄され、取り返しようのない過ちを犯した少年期、サイエンスにのめりこみ、運命の友に導かれた青年期。性状に従った末に人と離別までした男を、それでもある婦人は懐かしんで語るのだ。「この人は、女性がそんなに好きではなかったんです」と。アニメ『ファンタジスタドール』前日譚
  • 高天原探題
    3.8
    突如現れた謎の土塊に生き埋めとなった少女が救われた事件を発端に、京都周辺に数多く出現し始めた謎の弁別不能体・不忍(シノバズ)。それは人の“動機”を殺すため存在を感知できず、視界に入れた者は行動不全に陥る。7年後、シノバズの討伐・処理組織「高天原探題(たかあまはらたんだい)」に参入した寺沢俊樹(てらさわとしき)は、かつて己が救い出すも危険な異能者として強制隔離されてしまった少女・皆戸清美(みなときよみ)との再会を望むが……比類なき独創性を放つ闘いと純愛の伝奇SF!
  • リビジョン
    3.6
    時間にだって、抗ってみせる――。1992年秋、家の女性に代々受け継がれる手鏡を使って、未来を視ることができる千秋霞。彼女はある日、生まれたばかりのひとり息子ヤスヒコが一週間後に亡くなるビジョンを視てしまう。霞は手鏡の能力を利用して、息子が死ぬという「未来」の改竄に挑むが……。我が子のために手段を選ばない母親の狂気と、絶対的な時間のルールが交錯する。絶対にはずれない未来予知 唯一の希望は過去にあった。『リライト』から数カ月後の未来を揺るがす第2作。
  • リライト
    3.5
    過去は変わらないはずだった――。1992年夏、未来から来たという保彦と出会った中学2年の美雪は、旧校舎崩壊事故から彼を救うため10年後へ跳んだ。2002年夏、作家となった美雪はその経験を元に小説を上梓する。彼と過ごした夏、時を超える薬、突然の別れ……。しかしタイムリープ当日になっても10年前の自分は現れない。不審に思い調べるなかで、美雪は記憶と現実の違いに気づき……。SF史上最悪のパラドックスを描く第1作
  • know
    4.0
    超情報化対策として、人造の脳葉〈電子葉〉の移植が義務化された2081年の日本・京都。情報庁で働く官僚の御野・連レルは、情報素子のコードのなかに恩師であり現在は行方不明の研究者、道終・常イチが残した暗号を発見する。その“啓示”に誘われた先で待っていたのは、ひとりの少女だった。道終の真意もわからぬまま、御野は「すべてを知る」ため彼女と行動をともにする。それは、世界が変わる4日間の始まりだった――
  • スワロウテイル人工少女販売処
    4.2
    〈種のアポトーシス〉の蔓延により、関東湾の男女別自治区に隔離された感染者は、人を模して造られた人工妖精(フィギュア)と生活している。その一体である揚羽(あげは)は、死んだ人工妖精の心を読む力を使い、自警団(イエロー)の曽田陽介と共に連続殺人犯“傘持ち(アンブレラ)”を追っていた。被害者の全員が子宮を持つ男性という不可解な事件は、自治区の存亡を左右する謀略へと進展し、その渦中で揚羽は身に余る決断を迫られる――苛烈なるヒューマノイド共生SF。
  • スワロウテイル序章/人工処女受胎
    4.5
    男女別の自治区で性別の違う人間と共に暮らす人工妖精たち。その一体である揚羽は、全寮制の看護学園で同室の連理や義妹の雪柳らと学園生活を謳歌していた。人間に害をなす人工妖精を密かに殺処分する“青色機関”の一員という裏の顔を持つ揚羽は、学園内の連続事件に死んだはずの科学者・不言志津江の陰謀を見出す。それは揚羽の人生に今後降りかかる過酷な運命の予兆でもあった。人気シリーズの前日譚たる連作中篇集。
  • スワロウテイル/幼形成熟の終わり
    4.2
    関東湾人工島の自治区に男女別で隔離されている人間たちは、人工妖精(フィギュア)と共に暮らしていた。その一体の揚羽(あげは)は、亡くなった後輩が葬式で“動く死体”(リビング・デッド)になってしまった事件の謎を追う。一方、自警団(イエロー)の曽田陽平は人工妖精の“顔剥ぎ”(フェイス・オフ)事件の痕跡を捜査していた。どちらも当初は単発的な事件だと思われたが、突如自治区を襲ったテロをきっかけに、これらの異変が自治区の深い闇のほんの一端であることを二人は思い知る……。人間に仕える人工妖精の愛と苦悩を描くアンドロイド成長SF第二弾!
  • スワロウテイル/初夜の果実を接ぐもの
    4.5
    人間に奉仕するために造られた人工妖精(フィギュア)。その一体の揚羽(あげは)は、東京自治区の閣僚を殺戮し続けている人工妖精“麝香(ジャコウ)”の影を追っていた。その頃、揚羽の双子の妹である真白(ましろ)は、自治区総督の椛(もみじ)閣下が暗殺されたことを知る。自治区最大の危機を前に、揚羽と真白はそれぞれ、己の今後の人生を左右する選択を迫られる。守るべき者のために、己の全てを犠牲にする覚悟をした揚羽の運命は……揚羽をめぐるシリーズ4作のフィナーレ。
  • パンツァークラウン フェイセズI
    3.3
    西暦2045年、大震災で崩壊した東京は、行動履歴解析(パーソナライズ)と現実への情報層(レイヤー)付与を組み合わせた制御技術〈Un Face〉により、完璧な安全(セキュリティ)を実現した層現都市イーヘヴンに生まれ変わっていた。そこへ漆黒の強化外骨格を身にまとう青年・広江乗(ひろえじょう)が、民間保安企業の契約者として派遣される。だが彼には、この故郷を離れざるを得なかった過去があった。そんな乗を試すかのように、白き男ピーターがイーヘブンに降り立つ。3カ月連続刊行の3部作第1弾。
  • 蒼穹騎士 ボーダー・フリークス
    3.0
    竜に転生してしまった親友を撃てなかったパイロットの男と、竜に魅せられた女性科学者が交わした契約とは──ライトノベルの雄が満を持して放つ亜音速の激闘と恋情の物語。
  • 神狩り
    3.4
    情報工学の天才、島津圭助は花崗岩石室に刻まれた謎の《古代文字》を調査中に落盤事故にあう。古代文字の解明に没頭した圭助は、それが人間には理解不能な構造を持つことをつきとめた。この言語を操るもの──それは神なのか。では、その意志とは? やがて、人間の営為を覆う神の悪意に気づいた圭助は、人類の未来をかけた壮大な戦いの渦にまきこまれてゆくのだった。
  • ダイナミックフィギュア(上)
    4.0
    地球に飛来した謎の渡来体が建設した軌道リング・STPFは“究極的忌避感”と呼ばれる苦痛を生物に与える作用があった。リングの一部は四国に落下、そこから発生した生物・キッカイは特殊な遺伝メカニズムで急速に進化し、人を襲った。日本政府はキッカイ殲滅のため、二足歩行兵器・ダイナミックフィギュアを開発する。19歳の栂遊星(とが・ゆうせい)はその操縦士として訓練を受けていたが──。実力派による究極のリアル・ロボットSF。
  • ふわふわの泉
    4.0
    浜松西高校化学部部長・浅倉泉の人生の目標は“努力しないで生きること”。文化祭を前に泉は、ただ一人の部員・保科昶(あきら)とフラーレンを生成する化学実験を行っていた。そのとき学校を雷が直撃!実験失敗と落胆する泉の眼前には空気中に浮かぶシャボン玉のような粒子が生まれていた。ダイヤモンドより硬く空気より軽いその物質を泉は“ふわふわ”と名づけ、一儲けしようと考えるのだが・・・・・・伝説の星雲賞受賞作、ついに復刊。
  • Gene Mapper -full build-
    4.1
    自己出版され話題をさらった電子書籍が、分量1.8倍以上、文体・構成も一新した完全改稿版として登場。 バーチャルリアリティ技術と遺伝子組換作物が浸透した近未来、謎の塩基配列を持つ稲に秘められた陰謀に迫る、本格SFサスペンス。
  • 沈黙のフライバイ
    3.9
    アンドロメダ方面を発信源とする謎の有意信号が発見された。分析の結果、JAXAの野嶋と弥生はそれが恒星間測位システムの信号であり、異星人の探査機が地球に向かっていることを確信する――静かなるファーストコンタクトがもたらした壮大なビジョンを描く表題作、一人の女子大生の思いつきが大気圏外への道を拓く「大風呂敷と蜘蛛の糸」ほか全5篇を収録。宇宙開発の現状と真正面から斬り結んだ、野尻宇宙SFの精髄。
  • 太陽の簒奪者
    4.3
    西暦二〇〇六年、水星から突如噴き上げられた鉱物資源は、太陽をとりまく巨大なリングを形成しはじめた。日照量の激減により、破滅の危機に瀕する人類。いったい何者が、何の目的で創造したのか? 異星文明への憧れと人類救済という使命の狭間で葛藤する科学者・白石亜紀は、破壊ミッションへと旅立つが……。
  • 上弦の月を喰べる獅子(上)
    3.6
    あらゆるものを螺旋として捉え、それを集め求める螺旋蒐集家は、新宿のとあるビルに、現実には存在しない螺旋階段を幻視した。肺を病む岩手の詩人は、北上高地の斜面に、彼にしか見えない巨大なオウム貝の幻を見た。それぞれの螺旋にひきこまれたふたりは、混沌の中でおのれの修羅と対峙する……ベストセラー作家、夢枕獏が仏教の宇宙観をもとに進化と宇宙の謎を解き明かした空前絶後の物語。第10回日本SF大賞受賞作。
  • 咎人の星
    3.5
    1990年の春、寂れた地方都市の片隅で鬱屈した日々を送る少女、永田香名子。そんな彼女が出会ったのは、ハヤタと名乗る犬耳の家政夫だった。奇妙な同居生活のなかで二人は否応なく魅かれあっていくが、彼と右手に融合している〈銃〉の罪を贖う〈情緒回復計画〉が達成された時、ハヤタは残酷な刑へ処せられる運命にあった――。異星の罪人とともに、1990年から2012年までの荒涼たる世界を生きた、ひとりの女性の物語。
  • 南極点のピアピア動画
    4.2
    日本の次期月探査計画に関わっていた大学院生・蓮見省一の夢は、彗星が月面に衝突した瞬間に潰え、恋人の奈美までが彼のもとを去った。省一はただ、奈美への愛をボーカロイドの小隅レイに歌わせ、ピアピア動画にアップロードするしかなかった。しかし、月からの放出物が地球に双極ジェットを形成することが判明、ピアピア技術部による“宇宙男プロジェクト”が開始される……。ネットと宇宙開発の未来を描く4篇収録の連作集
  • 華竜の宮(上)
    4.3
    滅亡を前に、人類はどう生きるべきか?ベストSF2010第1位、日本SF大賞受賞新世代日本SFの金字塔、ついに電子書籍化。地殻変動で陸地がほぼ水没しても人類は武器を捨てなかった。さらなる絶望的な環境激変は、この星のすべての命に対して決断を迫る。
  • マルドゥック・スクランブル The 1st Compression─圧縮 〔完全版〕
    4.2
    なぜ私なの? 賭博師シェルの奸計により、少女娼婦バロットは爆炎にのまれた。 瀕死の彼女を救ったのは、委任事件担当官にして万能兵器のネズミ、ウフコックだった。 法的に禁止された科学技術の使用が許可されるスクランブル-09。 この緊急法令で蘇ったバロットはシェルの犯罪を追うが、そこに敵の担当官ボイルドが立ち塞がる。 それはかつてウフコックを濫用し、殺戮の限りを尽くした男だった。 代表作の完全改稿版、始動!
  • 百億の昼と千億の夜
    3.8
    西方の辺境の村にて「アトランティス王国滅亡の原因はこの世の外にある」と知らされた哲学者プラトンは、いまだ一度も感じたことのなかった不思議な緊張と不安を覚えた……プラトン、悉達多、ナザレのイエス、そして阿修羅王は、世界が創世から滅亡へと向かう、万物の流転と悠久の時の流れの中でいかなる役割を果たしたのか?――壮大な時空間を舞台に、この宇宙を統べる「神」を追い求めた日本SFの金字塔。
  • ハーモニー
    4.4
    〈ベストセラー『虐殺器官』の著者による“最後”のオリジナル作品〉これは、“人類”の最終局面に立ち会ったふたりの女性の物語――急逝した著者がユートピアの臨界点を活写した日本SF大賞受賞作。※本文中にHTMLタグのような表記がありますが、これは本書の仕様です。
  • 虐殺器官
    4.3
    9・11を経て、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう……彼の目的とはいったいなにか? 大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは? ゼロ年代最高のフィクションが電子書籍版で登場。

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