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男女別の自治区で性別の違う人間と共に暮らす人工妖精たち。その一体である揚羽は、全寮制の看護学園で同室の連理や義妹の雪柳らと学園生活を謳歌していた。人間に害をなす人工妖精を密かに殺処分する“青色機関”の一員という裏の顔を持つ揚羽は、学園内の連続事件に死んだはずの科学者・不言志津江の陰謀を見出す。それは揚羽の人生に今後降りかかる過酷な運命の予兆でもあった。人気シリーズの前日譚たる連作中篇集。
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Posted by ブクログ
スワロウテイル前日譚。 今は黒の五等級や末梢抗体と呼ばれるようになった揚羽にも普通の学生時代があったという話。 全寮制のお嬢様系看護学校で学生生活を謳歌している揚羽と現在の揚羽の違いが辛い。 まさか三十年前にあんなひどい実験が行われていたとは…。 自治区も思ったより闇が深いのかもしれない。 真白の為...続きを読むに存在を消された揚羽もある意味、犠牲者の一人なのかもしれない。後、 天真爛漫でなんでも”お”をつける雪柳が可愛い。
これまでを読み、ここ359ページに到達したとき、私の中で清々しく何かが砕けた。『痛いから』そう、痛いんだ。痛かったんだ、ずっと。
時系列的には1巻の前にあたる、連作中篇集です。この巻単独でも楽しめるのではないでしょうか。 テイストとしては、1巻や2巻よりもライトノベルに近い印象です。女学校が舞台だからですかね。とはいえ、内容の深みはむしろこの3巻のほうが上回っているようにも思います。 ラストシーンは感動しました。この感動をより...続きを読む深く味わうには、やっぱり1巻と2巻も読んでおいたほうがよいのかも。
「きゃ、やだ、くすぐらないで!こら、揚羽ったら!」 「よいではないか、よいではないか、はっはっはっ、鶴のように鳴くのう」 「お姉様、お声がいやらしくてお素敵です!」 「もう!やったわね、揚羽!パジャマを引っぱがすわよ!」 「あっ・・・あ、それはだめ!や、ちょっ、ちょっと連理、見えてる、見えちゃう!」...続きを読む 「連理様、お手つきがおいやらしくてお素敵です!」 人工妖精達の学園生活を描きながら、最終章はハードSFらしく締める。設定にもすっかり慣れたところで、近未来東京人工妖精ワールド全開、秘密の花園も絶好調です。ハードSF、しかしながらラノベ風味満載、読んでて楽しいわ~、まだまだ続いて欲しい!今回は可愛い挿絵も入ってて電車でおっさんが読むには少し恥ずかしい、(別に誰も覗きこまないけれど)でも読まなきゃ判らない面白さです。
連作中編。それぞれに完結する中編を重ねながら1つの大きな物語を形作る構成は見事です。難しい言い回しで煙に巻かれている感じは若干ありますが、圧倒的なテキスト量と、それでいて不思議に読みやすい文体で、実にSFらしい小説だと思います。
相変わらずの面白さとクオリティを持つシリーズ三作目。 女学園×SF×ミステリ×必殺仕事人の素敵な融合。七色の蝶が舞い四季をめぐる情景、コメディとシリアスのバランスのある会話、SF的な謎の解明、物語の感動、と満足度高し。 鏡子さんの独自な価値観をもった罵倒も健在(笑) 今回は連作短編集だから謎の解明...続きを読むと戦闘場面が何度も楽しめる。 不可解な謎を提示し、丁寧に伏線を張り、推理し、と、綺麗にミステリの構図を物語の進め方に用いている。ミステリの文法が藤間千歳という作家には身体に染み込んでいるんじゃないかな。 あと、風気質[マカライト]のトリックスターぶりは物語を動かす上でも魅力的なのだと今回判明。 好きなミステリ作家が誰なのか作者さんに訊いてみたいかも。 あと、SFとしての大ネタと事件の黒幕が重なるのが独特。 現在、新作を楽しみにしてる国内SF作家さんの一人。 国内SFミステリの書き手としても藤間さんが有望株だと思う。 それと、瀬名秀明の『デカルトの密室』と読み比べても良いかもしれない。
安定のジェットコースター展開。 連作中篇集ということで、始まりはお嬢様学園でのサスペンスアクション~の滑り出しだったのが、いつの間にかガラガラと転げ落ち、あるいは登り詰め、最後の書き下ろしに至っては、既刊の長篇『人工少女販売所』『幼形成熟の終わり』もかくやという「スワロウテイルらしい」えげつない話に...続きを読むなってしまう。 既刊の時もそうだったけど、このシリーズは手品だ。種も仕掛けもあるのに魔法のように見える鮮やかな手品。 自我の形成、脳の働き、意識とは何か、そういうことに食指が伸びる人には絶対おすすめです。
面白かった どうしたらこのような作品を書けるのか、毎回ながら感心させられる 1冊ごとに人工妖精の秘密の核心に近付いている…
ストーリーもキャラもとてもいいと思いますが・・・時系列的にはおそらく現代より何年もあとに造られた東京人工島になぜPHSがあるのかとか時代設定がイマイチわからないところがあります
本作はハヤカワ文庫には珍しく、シリーズ通してカバーイラストを手がけている竹岡美穂さんの挿絵があります。カバーの方も表紙、背表紙、裏表紙とイラストが続いており、本棚に並べるとちょっと目立ちます。 話としては、これまで出ている三作品の中では、最初の話にあたるのでしょうが、割と世界観を知っておかないと解り...続きを読む辛いところがあります。(主に鏡子のやり取り) 読むのであればやはり最初に「出た」話を読むことをオススメします。 あとネコミミです。
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