名称未設定さんのレビュー一覧
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ドラマをみて
ドラマを見てマンガを読みました。リアルタイムでTVや映画の「日本沈没」を見ていた世代で、このコミックはKindleで初めて手に取りました。スピリッツで連載していたことは知りませんでした。たぶん作者は(少なくともリアルタイムでは)かつての作品を観てはいないでしょうから、もちろん、日本沈没に対する考え方が全く異なることは承知の上でのレビューです。
作者の考え方を否定はしませんが、日本沈没という有名な作品を使用した上で、自分の主義主張や思想を語ることは、面白いか面白くないか以前に、忌むべき行為だと思うので★1つとさせていただきました。作品自体は、絵は上手いと思いますし、全体の構成も良いと思いますが、...続きを読む -
らすとー
今巻は、思いがけない帰郷からはじまります。
しかし、それは重大な決意のもとの行動です。
前巻で、常磐さんに話すことが出来なかった「過去」
話さないでおこうとした「過去」
そのことが、二人の関係に微妙な違和感・しこりを生みます。
それに気付く春日は、自分の心に再び芽生えた
小さな悪の華にも気付くのです。
そして、不意に訪れた祖父の危篤がきっかけとなり、何かが春日の中で
大きく動き出した、という前巻の終わりでした。
帰郷してみて、あらためて自分の「過去」を突きつけられます。
親戚や、葬儀の参列者から向けられる冷ややかな視線。
心無い言葉。
けれど、そういったものの中でも、春日の決意は揺らぎま...続きを読む -
まだまだ
押見修造作品は、「悪の華」で出会った。そして嵌った。「悪の華」七巻は全くの新展開、第二部と呼べるものなのかは作者に聞かないと分らないが、少なくとも春日高男の家族以外は、全て入れ替わってしまった。この展開は、この作品を執筆する前から決まっていた物なのか、それとも巻を重ねる途中で、中学生編以降も継続する方針になったのか作者に聞いてみたい。私は「佐伯さん」的部分と「仲村さん」的部分の両方を併せ持った感じがした。まあ常葉さんは一般常識人である事には間違いないが。それと、新展開にありがちな、のんびりほのぼのムードは、早くも嵐の予兆を感じさせるような七巻の終わり方だ。作者の構成の妙を感じさせる。