「亜人」―――死なないヒトは、人間か、怪物か。
突如、存在が確認された死なない人間「亜人」が世間を騒がせた。未知の存在は大きく取り上げられたものの、あくまで死なないだけであること、実際に死ぬまでは判明しないことが判明し、いつしか人々の興味を惹くことはなくなっていた。
そして、最初の亜人が発見されてから17年、主人公・永井圭は交通事故によって亜人であることが判明する。希少な存在である亜人として政府や特殊機関から追われることとなった圭は、家族や故郷を捨てて逃走劇を強いられることとなる。
その中で出会った自分以外の亜人やそれに関わる人々を通して、亜人を取り巻く陰謀、そして人と亜人の未来を巻き込んだ戦いに巻き込まれていく……。
実写化・アニメ化もされた本作は、濃厚な物語と、それとともに変化していく迫力のある画風は勿論、緻密に描かれた頭脳戦が魅力。
登場人物それぞれが覚悟と目的、強い信念をもって行動することで組みあがっていく、勢いがあるのに理路整然とした物語は、読みだしたら手が止まりません。
「人間らしさ」とは何か、生きるとは何か。全17巻で描かれるヒトの物語、ぜひご一読ください。
感情タグBEST3
今回は派手な動きが何もない代わりに、登場人物の過去や心模様が捉えられて個人的には好き。
次からまた激しくなる予感なので心して読みたい。
主人公の永井は正直あんまり好きではなかったです。冷血で凄まじく合理的な時もあれば、人を助けるときもあったりとなんかふわふわとしたキャラクターだなぁと思っていました。しかし今回の母親と電話するエピソードで永井の性格が掘り下げられ納得することが出来、今までより好きなキャラクターになりました。
Posted by ブクログ 2022年03月12日
第44話、血筋:母に電話
第45話、U&I:婚約者の死
第46話、おはよう、またあした:普通に暮らす亜人たち
第47話、Call of Duty:Infinite Warfare:佐藤、1回目の死
第48話、負け犬共:帰ってきた永井
クズだクズだと思っていた永井圭に変化の兆しが?なんて思っていたが、圭の母の語る言葉により彼は最初からクズではないのだと判明。凡人にはなかなか到達出来ない境地に子供の時からいただけ。
戸崎さんなんて婚約者のためにだけ、非情に徹してきたわけだから本来はもっと人間らしい弱さも情もある。当然判断を誤る可能性...続きを読むも高い。
しかし、永井圭は生き方そのものが合理的で、目的を遂行するためには頼れる味方といえる。
圧倒的に不利な状況をどうやって覆すのか、楽しみである。
亜人・佐藤の生まれた日が描かれ、亜人の秘密も明らかにされていく。楽しみは尽きない。
Posted by ブクログ 2017年08月15日
息子・圭を突き放しながらも理解する母。米国での亜人研究の実態を垣間見せる作者。帽子の男・佐藤の素性が明らかになる。最終決戦(?)への期待を抱かせる巻だった。
ケイの母親が意外だった!ストーリー展開はさほど意外では無かったけど、佐藤の過去が分かったり、話の核心や謎に迫っている感じがじわじわしてくる。次の巻が楽しみ。
ついに亜人が誕生する秘密に一歩近づいた感じです。
主人公はいわゆる熱血系の主人公ではないですが、実は人間味があっていいかも。
そんな風に感じる巻でした。
Posted by ブクログ 2017年04月10日
どうしても『東京喰種(どちらも人間の亜種を描いている)』と比べてしまって、主人公・永井の合理的判断に基づく人間性が入って来なかった。母親との会話も、今頃ここで人の感情云々エピソードを入れてくるか、と言う気もしないでもないが、合理的に物事を考える為に他の人間から見ると「冷たい情のない人間に見える」と言...続きを読むう下りの説明が入ったのは逆に良かった気がする。1巻目は画風にも馴染めず(アニメの方が断然見やすいと言う…)東京喰種がヒットして、この手の「なかなか死なない亜種」モノは有象無象と出てくるだろうな、と思っていたが『亜人』と言う亜種ものを描く作品としてやっとその良さが私に伝わった感じがする10巻だった。