ボナベントゥーラさんのレビュー一覧
レビュアー
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ネタバレ 購入済み
足りないのは何か
村社会における隔絶された環境が生む閉塞感と、門外秘として受け継がれてきた食人という因習。どちらも生かし切れていないのが残念。クールー病を絡めた謎解きも新鮮味がない。後半はバイオレンスの水かけで無理やり緊張感を保たせているようです。次巻でどう落ちをつけるのかが楽しみですが、それは物語本来の出来不出来とは関係がありません。
ひとつ足りないものを指摘するとすれば、それは「性的倒錯」でしょうか。地縁血縁にしても食人にしても、本来はとてもエロチシズムを感じさせる要素であるはずなのに、匂わせる要素すらない。逆に潔癖を感じさえする。残念です。 -
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唯一にして無二
今一番狂っている漫画。
作者の真意を尋ねたい。このシチュエーションでスクールラブコメを成立させるのは本来なら不可能だが、特に違和感もなく本気でできると思っていそうで恐ろしい。本来ならばこの手の漫画は、ギャグ漫画の中で、極端なギャグ漫画やラブコメの例としてのみ存在する作中作品であることがほとんどで、ごく一部の漫画誌を除いては一般層を対象とした商用作品として掲載されることは稀だった。それが通ってしまうあたり、作者の狂気が演出された凶気ではなさそうな点に、行き着くところまで行ってしまった漫画業界の狂気を感じる。
ちなみに、サナダムシの平均的な寿命は3年であるため、主人公が高校を卒業する頃にはサナ -
購入済み
前作と同じ匂いがする
『だがしかし』は駄菓子を題材にした漫画という点で斬新だったけれど、ストーリーの起伏はないようなものでキャラも立っておらず、おまけにギャグ漫画としての押し出しも弱く、日常ものとしてはエキセントリックに過ぎた。よく11巻まで続いたものだと思う。ネタとして登場する駄菓子が尽きたのだから終わるのは当然だ。
この漫画も同じ匂いがする。前作との最大の違いは駄菓子が絡んでこない点で、それが最大の欠点だ。連載開始時の『だがしかし』は駄菓子を抜きにしても、雰囲気とキャラクターのぬるい関係性だけで引き込まれるものを感じた。この漫画も同様だが、おそらくストーリーの起伏はないようなものでキャラも立っておらず、ギャグ -
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購入済み
怪談は細部に宿る
第76話の必勝法
本が出版された2011年から遡ること30年前、正しくは30年以上前とあるので1970年代の後半でしょうか。世の中に携帯電話はまだ存在しませんでした。自動車電話は開発されていましたが、これは携帯電話とはまったく性質の違うものです。その上、とても一般的とは言えず、電波状況が悪いために使えるエリアはごく少なく、外回りの営業業務に役立つレベルのものは、重くてかさばるショルダーホンの登場を待たねばなりませんでした。
重箱の隅をつついたようなことですが、どんな小さな誤りでも、そこに引っかかると他の作品まで嘘くさく感じられます。佳作が多いだけに非常に残念です。 -
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購入済み
未完のままの理由が知りたい
しっかりした世界観と練られたストーリー、緩急の付いた展開、伏線の妙、あまたある異世界もの(でいいのかな?)の中では白眉でした。MMORPGをやったことがある読者なら共感できる仮想現実をベースに、そこで生きているキャラクター達の現実が上手くオーバーラップしていました。未完のまま終わらせるには惜しい作品です。
追記、未完の理由は原作になったweb小説がそこまでしか書かれていないからだそうです。続きを待ちたいところですが、作品自体がかなり以前から放置されているようです。望み薄ですね。興味を持った方がおられましたら、もやもやした気持ちになるだけなので買わないことをお勧めします。 -
ネタバレ 購入済み
これで終わり・・・なの?
嘘やろ? って感じです。続編があるのでしょうか。
思えば終盤のリアリティに欠ける対決シーンからして作者の能力に疑問を感じていました。遮蔽物の何もない広場で、敵対するギャングの構成員たちが一同に会してからいきなり始まる銃撃戦。これが拳の応酬なら迫力も感じますが(それだって食傷気味ですが)弾が当たればただではすまない銃撃戦でこれはないでしょう。作品自体がガイ・リッチー監督作品から多大な影響を受けています。しかし、下地になってるのが頭の悪そうなヤンキー漫画だけに芸もなければ捻りもない。魅力のあるキャラクター設定と軽妙な人間関係が楽しい漫画ではありましたが、それを生かすだけのストーリーテリングや演出 -
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購入済み
素晴らしいオープニングだった
第1巻第1話、荒唐無稽なストーリーではあったけど、新しい漫画の登場にドキドキした。
大した謎解きがあるわけではなく、魅力的なキャラクターが登場するわけでもない。短すぎるスカートに目を奪われていたというのはあるかもしれないけれど、伏線の回収の仕方が鮮やかなわけでも、大どんでん返しが用意してあるわけでもないのに、そのドキドキはずっと続いた。すこし長く続きすぎたような気はするけれど、中だるみすることなく終盤まで走り抜いた。あんなグダグダな終わり方でなければ、すがすがしい読了感とともに惜しみない拍手を贈っていたでしょう。風呂敷を広げる時は畳み方まで考えておいてください。こじんまりと5巻くらいで終わっ -
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